「最近、なんだか気分が晴れない」
「疲れが取れない」
「なにもする気がおきない」
もし、あなたがこのような不調を感じているなら、もしかしたらうつ病のサインかもしれません。
このような時、多くの方が我慢してしまいがちです。しかし、うつ病は早期に気付き適切な対処をすることが非常に大切です。
本記事では、うつ病のセルフチェックリストと、その後の対処法についてお話しします。

目次
「もしかしてうつ病?」心のサインを見つけるセルフチェック
心のSOSを感じたら、まずはチェックしてみましょう。
うつ病チェックリスト
番号 | チェック項目 | |
気持ちや感情の変化 | 1 | ほとんど毎日、気分が落ち込んでいる、憂鬱な気持ちが続いている |
2 | 以前は楽しめていたこと(趣味、好きな活動など)に興味が持てなくなり、楽しめない | |
3 | 理由もなく、悲しくなったり、涙もろくなったりする | |
4 | 自分自身を責める気持ちが強い、または、自分には価値がないと感じる | |
5 | 将来に対して希望が持てない、絶望的な気持ちになる。 | |
6 | イライラしたり、怒りっぽくなったりすることが増えた | |
体の変化 | 7 | 以前より疲れやすくなった、体がだるい、気力がない。 |
8 | 眠れない(寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚める、朝早く目が覚めてしまう)または、寝すぎる。 | |
9 | 食欲がない、または、食欲が増して過食してしまう | |
10 | 体重が減った(意図せず5%以上の減少)、または、増えた | |
11 | 頭痛、肩こり、めまい、吐き気、胃の不快感など、体の不調があるが、他の病気では説明できない | |
行動の変化 | 12 | 人と会うのが億劫になった、引きこもりがちになった |
13 | 仕事や家事、学業に手がつかない、効率が落ちた | |
14 | 身だしなみに気を遣わなくなった | |
15 | 落ち着きがなくなったり、そわそわしたりする、または、動作や話し方が遅くなったと感じる | |
思考の変化 | 16 | 集中力が続かない、物事を決めるのが難しい、考えがまとまらない |
17 | 物事をネガティブに捉えがちで、悪い方向にばかり考えてしまう | |
18 | 死について考えたり、死にたいと思ったりすることがある |
以上のチェックリストで1個でも当てはまり、特にそれが2週間以上続き、日常生活に支障が出ている場合は、うつ病の可能性があります。
複数当てはまる場合はより深刻度が高いと言えます。
また、項目18の「死について考えたり、死にたいと思ったりすることがある」が思い当たる場合は、一刻も早く専門医の診察を受けてください。
このセルフチェックは、あくまでご自身の状態を客観的に見つめ直すためのきっかけであり、簡易診断です。自己診断で結論を出さず、不安な気持ちがある場合は、迷わずに医療機関を受診してください。
早期に適切な治療を開始することで、回復への道が開けます。

セルフチェックの結果、うつ病かもしれない時に大切なこと
セルフチェックの結果、「うつ病かもしれない」となった時にとるべき行動、大切な3つの話をお伝えます。あなたが、もしうつ病かもしれないなら、心にとめていただけると嬉しいです。
一人で抱え込まず、家族や身近な人に相談してみよう
最も重要なことは、一人で抱え込まないで、ということです。
家族や身近な人に相談しましょう。周囲も最近のあなたの様子を見て心配しています。
特に、「死について考えたり、死にたいと思ったりすることがある」という項目に当てはまった場合は、一刻も早く誰かに相談しましょう。公的機関を活用するのも良いでしょう。
地域の精神科救急情報センターや、「いのちの電話」などの相談機関に連絡することも検討してください。
専門家へ相談を
うつ病の専門家へ相談しましょう。ただちに受診してください。受診する科は、心療内科または精神科です。「精神科」と聞くと抵抗がある方もいるかもしれませんが、心の不調を専門的に診る場所です。最近では、クリニックのような気軽に受診できる医療機関も増えています。
うつ病は、早期に適切な治療を開始することで、回復が期待できる病気です。放置すると症状が重くなり、回復に時間がかかってしまうこともあります。
休養と栄養をとろう
うつ病は甘えではありません。誰もがかかる可能性がある病気です。
まずは休むことから始めてみましょう。充分な休息をとります。今まで、働きすぎたのかもしれません。頑張りすぎたかもしれません。我慢強い方なのでしょう。今はゆっくり休みましょう。そして、食欲は落ちているかもしれませんが、もし食べられるようであれば栄養を充分に摂りましょう。
ランスの良い栄養たっぷりの食事は、心と体の回復をサポートしてくれます。
うつ病の回復をサポートする、心と体に優しい栄養
心の不健康を感じる際に、意識したい栄養素と、その効果についてお伝えしていきます。
うつ病の症状緩和が期待される栄養素を、食事からも意識して摂取すると良いですが、食欲がない場合は、サプリメントで補給するのもおすすめです。
サプリメントは、医師が処方する医療用サプリメントが良いでしょう。
うつ病の回復をサポートする栄養素
<うつ病の回復をサポートする栄養素一覧>
栄養素 | 役割 | 期待される効果 | 含まれる食品 |
トリプトファン | 幸せホルモン「セロトニンの材料 | 心の安定多幸感 | 大豆製品、乳製品、ナッツ類、バナナ |
ビタミンB群(B6,B12,葉酸) | 脳の神経伝達物質の生成を助ける | 皮膚や粘膜の健康維持、赤血球の生成 | 緑黄色野菜、レバー、大豆製品、海藻類、魚介類、鶏肉 |
ビタミンD | 骨や筋肉、心の健康維持、免疫機能の調整 | 脳の働きの向上気分の安定免疫力の向上 | きのこ類、魚介類、魚卵、卵黄※日光浴も重要 |
オメガ3脂肪酸 | 脳の神経細胞の健康を保ち、炎症を抑える | 気分を安定させる | 青魚、魚卵、えごま油、アマニ油、ナッツ類、チアシード |
鉄分 | 赤血球の材料になり、全身に酸素を運ぶ | 精神の安定気分の向上 | レバー、赤身肉、海藻類、豆類、ほうれん草、魚介類、貝類 |
亜鉛 | 脳の働きや免疫機能の調節 | 免疫力の維持気分の安定 | 牡蠣、牛肉、豚肉、鶏肉、レバー、卵、大豆製品、ナッツ類、海藻類 |
マグネシウム | 骨や歯の形成、筋肉の収縮、神経伝達、血圧調整 | 健康な骨や歯、筋肉の維持リラックス効果気分の安定 | 海藻類、ナッツ類、豆類、イワシ、ほうれん草 |
うつ病の治療中は、カフェイン・アルコール・過度な糖分・刺激物・ファストフードなどは避けた方が良いでしょう。
うつ病は本人も家族も1人で悩まないで。同じ境遇の人がいるコミュニティを活用してみよう
うつ病患者も、うつ病をサポートする家族も、1人で悩まないでください。
どうしても周囲に言い出せず1人で抱え込んで、我慢してしまいがちですが、うつ病は甘えでもないし恥ずかしいことではありません。
1人で抱え込むと、つぶれてしまいます。誰かに話しましょう。
医療機関へ受診し、医師と連携することも重要ですが、うつ病患者やささえる家族向けの専門機関やサポートするコミュニティもあります。
そのようなところを活用するのも、一筋の光になることがあります。
同じような境遇の仲間と情報交換したり、経験してきた方に話を聞いたり、専門スタッフのサポートを受けたりすることができます。
オンラインで気軽に参加でき登録料無料の疾患コミュニティをぜひのぞいてみてください。

うつ病チェックリストで心のサインに気付き、早期の対処がおすすめ。心と体に栄養を。
やる気がおきない、疲れが取れない、気分が沈む、など不調を感じたら、うつ病チェックリストで、セルフチェックをしてみてください。
うつ病は、心のSOSに気付き、早期に適切に対処し、治療することが大切です。
うつ病チェックリストで当てはまる項目があったら、速やかに医師への診断をおすすめします。
また、1人で悩まないでください。うつ病患者や家族のコミュニティで、同じような境遇の人との情報交換に、心が安らぐでしょう。
心と体を元気にする栄養もぜひ取り入れてみてください。