医療ダイエットには危険性がある?デメリットや正しく向き合う方法を解説

「医療ダイエットには危険性があるのではないか?」

医療ダイエットに興味を持った方なら不安に思った事が1度はあるでしょう。

医療ダイエットは、正しい知識を得て自分にあった治療法を選択すれば、不安に思う必要はないことが理解できます。

本記事では、医療ダイエットの種類やそれぞれの特徴と危険性、比較的安全性が高い医療ダイエットについて解説します。

間違った認識であれば安全とは言えないし成功もしない可能性が高まります。安全性を高めるための、医療ダイエットに正しく向き合う方法も解説しますので、ぜひ参考にしてください。

この記事でわかること

  • 医療ダイエットは、外科的手術や一部の薬物療法は効果が高い反面、副作用や合併症など危険性が比較的高いものがある
  • 脂肪冷却や医療用HIFUなど、医療機器による施術は外科手術と比べると危険性が低い傾向にある
  • 危険性が低いのは、食事・運動・生活改善指導をベースにした治療法
  • 医師の指導のもと、個人の体質や病状に合った治療法を選び、継続することが成功の鍵

【種類別】医療ダイエットの知っておくべき危険性・デメリット

医療ダイエットとは、医師の指導・管理のもと、医学的根拠に基づいた方法で体重減少や体脂肪の減少を目指す治療の総称です。

主に薬物療法(生活改善指導+内服薬または注射)・医療機器や施術による治療・外科的治療の3つに大きく分けられます。その種類別に特徴・危険性・デメリットを詳しく解説します。

医療機器・施術による治療

特殊な医療機器を用いた施術による治療は、下記の表の通りです。

危険性の評価は、施術の危険性や施術による身体へのダメージ(ダウンタイム)を考慮し、非常に低い、低い、比較的低い、比較的高い、高い、非常に高いの6段階にしています。

特殊な医療機器を用いた施術による治療の種類とデメリット・危険性

治療法特徴デメリット危険性
脂肪冷却脂肪細胞のみを凍結して破壊し、体外排出を促す冷却による痛み、赤み、内出血、まれに凍傷や「逆説的過形成(治療部位の脂肪が増える)」のリスク低い
医療用HIFU超音波を使用して脂肪細胞を破壊する 超音波の熱による痛み、赤み、腫れ、稀に火傷や神経損傷のリスクがある低い
脂肪溶解注射脂肪を溶かす薬剤を皮下脂肪に注射し脂肪細胞を減らすまれにアレルギー反応や施術部位の組織損傷、神経損傷など比較的低い
EMS電磁場を利用して筋肉に刺激を与え、筋力強化や代謝を向上させる皮膚に合わないと赤みや痒みにつながる。
禁忌事項(ペースメーカー装着など)がある。
非常に低い

外科的手術を行う治療

外科的な手術による治療は、下記の表の通りです。

危険性の評価は、手術の危険性や術後の身体へのダメージを考慮し、非常に低い、低い、比較的低い、比較的高い、高い、非常に高いの6段階にしています。

治療法特徴デメリット危険性
脂肪吸引全身麻酔または硬膜外麻酔下で行う外科手術。直接的に脂肪を吸引する。冷却による痛み、赤み、内出血、まれに凍傷や「逆説的過形成(治療部位の脂肪が増える)」のリスク高い
高度肥満症手術胃の部分切除やバイパス手術を行うことで物理的に胃の容量を減らす全身麻酔下の外科手術。出血、感染症、縫合不全、栄養障害などの重篤な合併症リスク非常に高い

食事・運動・生活改善指導

食事改善・生活習慣・行動を見直し、運動を取り入れるなど、患者自らに積極的に努力してもらう治療法です。

医師の管理のもと、個々にあった治療計画を立てて実践されます。食事改善指導を医師または管理栄養士が、運動や痩せる生活習慣等の指導を医師または理学療法士や健康運動指導士などが行います。

医療従事者による指導であり、各専門家によって患者に正しい知識と伝えて実行してもらうため、医療行為としての直接的な身体的危険性はほぼありません。最も安全な基礎治療です。

薬物療法(内服薬・注射)による治療

薬物療法による治療は、下記の表の通りです。

危険性の評価は、副作用のリスクを考慮し、非常に低い、低い、比較的低い、比較的高い、高い、非常に高いの6段階にしています。

治療法特徴と効果デメリット危険性
漢方療法天然の生薬を材料とする薬。症状や体質に応じた漢方で体質改善や代謝促進を目指す体質に合わない場合の胃腸障害や、ごくまれに間質性肺炎・肝機能障害などの重篤な副作用あり非常に低い
GLP-1受容体作動薬食欲を抑制し、満腹感を持続させる。血糖値改善効果もあり。注射と内服薬がある慣れるまで胃腸の不調が起こる可能性(吐き気、食欲不振など)。重篤な急性膵炎の副作用リスク(非常にまれ)高い
食欲抑制薬食欲中枢に作用して、食欲を抑える血圧に影響を与える場合がある。特に高血圧や心臓疾患がある人には使用を避ける。高い
脂肪吸収阻害薬食事から摂取した脂肪の一部を便と一緒に排出させることで、脂肪の吸収を抑える消化器系に影響を与える。下痢や腹痛、吐き気などの副作用リスク高い
SGLT2阻害薬主に糖尿病に使用される薬。尿中に糖を排出させることで、血糖値を下げ、体重減少効果も期待できる膀胱炎等の尿路感染症、膣カンジダ症等の性器感染症、尿量増加による頻尿が懸念される。糖尿病でない人が使用した場合、予期せぬ副作用のリスクがある高い

薬の危険性は、まれにおこる副作用を考慮すると比較的高いですが、医師の管理のもと処方され、用法用量を守っていれば、危険性は低減できます。

薬が合わないと感じた、副作用かも知れないなど、変わったことがあればすぐに医師に相談しましょう。

危険性の低い肥満症治療としての医療ダイエット

健康診断でひっかかっているなら、すでに肥満症治療の域かもしれません。

そんな方におすすめする危険性の低い医療ダイエットは、食事療法・行動療法をベースに薬を取り入れる治療法です。具体的に確認してみましょう。

肥満症治療薬を賢く取り入れる(薬物療法)

医師に相談しながら、肥満症治療薬を取り入れる治療法です。

一般的に自己流ダイエットで最も難しいとされる空腹感との戦い。これは根性とか忍耐の問題ではありません。身体の仕組み・ホルモンや血糖値・体内の細胞の働きを理解し、適切に対応できれば食欲はコントロールできます。

薬物療法では、医学的根拠に基づいて薬の力の力を借りることで、食欲のコントロールを無理なくすすめます。

多くの場合は、GLP-1受容体作動薬を週に1回皮下注射(自己注射)する治療です。
肥満症治療薬は、場合により保険適用となります。

その条件は以下の2つです。

  • BMIが25以上で肥満に関連する11の健康障害のうち1つ以上有する患者
  • 健康障害を起こしやすい内臓脂肪蓄積がある場合(腹囲が男性で85cm以上、女性で90cm以上のいわゆるメタボリックシンドロームの判断基準)

また、BMIが35以上では、高度肥満症と診断されます。
BMIとは肥満度を判定するための国際的な体格指数のことです。

<計算式>

BMI = 体重(kg) ÷ 身長(m) ÷ 身長(m)

肥満に関連する11の健康障害(合併症)は以下の通りです。

  1. 耐糖能障害(2型糖尿病・耐糖能異常など)
  2. 脂質異常症
  3. 高血圧
  4. 高尿酸血症・痛風
  5. 冠動脈疾患
  6. 脳梗塞・一過性脳虚血発作
  7. 非アルコール性脂肪性肝疾患
  8. 月経異常・女性不妊
  9. 閉塞性睡眠時無呼吸症候群・肥満低換気症候群
  10. 運動器疾患(変形性関節症:膝関節・股関節・手指関節、変形性脊椎症)
  11. 肥満関連腎臓病

参照元:肥満と肥満症について:日本肥満学会/JASSO

食事と生活習慣の改善(食事療法・行動療法)

前述した肥満症治療薬を処方される場合、薬だけに頼れば食欲を抑えることを薬に依存した状態になり、薬を止めればリバウンドする危険性があります。

そのため肥満症治療では、いきなり薬物療法を取り入れる事は一般的ではありません。食事と行動改善、運動を取り入れるなど、生活習慣の改善から取り組みます。半年ほど実践しても効果が実感できない場合に薬物療法を取り入れます。

基本は本人の努力が必要です。

無理な治療プログラムを行うわけではなく、食事は適切な栄養バランスと摂取エネルギーを考え、運動は急に激しい運動をするのではなく、軽めの有酸素運動から始めるなど工夫します。

肥満症治療としての医療ダイエットを選択する3つのメリット

肥満治療としての医療ダイエットである、食事・生活改善+薬物療法を選択するメリットを3つお伝えします。ぜひ参考にしてください。

専門家と二人三脚だから結果が出るまで継続しやすい 

それそれの専門家が二人三脚でサポートしてくれるから安心です。病院によっても違いはありますが、食事のことは医師または管理栄養士、運動のことは医師や理学療法士・健康運動指導士などが指導してくれます。

専門家がささえてくれることで、結果が出るまであきらめずに継続できます。

自己流ダイエットではどうしても食べたいものを食べてしまう方、ジムにいったりマラソンしたりの運動が続かないという方こそおすすめです。

バランスの良い食事の知識も運動も、痩せる生活も、自己流でやるのは難しいです。意志が弱いとかいう個人の問題ではありません。たとえ失敗経験があっても、わかっていても行動できなかったとしても、それはあなたのせいではなく、仕組みになっていなかっただけです。

そこを専門的なサポートを受けることで、正しい知識を身につけ、行動しやすくなるのです。

肥満症による健康障害の危険性回避を医師が管理

肥満症治療は減量だけがゴールではありません。最大の目標は合併症のリスクを減らすことであり、健康な身体を目指します。

肥満症による11の合併症や、その他の喘息が原因でひきおこされたと思われる疾患(例:喘息・腰痛)を治療していくための減量であり、またこれからその疾患を予防するための減量でもあります。

そのため定期的な頻度での診察を推奨しており、診察時に医師が患者の状態を確認します。

自己流ダイエットと違い、医師が体調を定期的に確認することで、肥満症による合併症等の危険性回避を管理できる可能性が高まるのです。

痩せたあともリバウンドの危険性が低減

一時的な施術やダイエットを行っても、食生活や行動・生活習慣などが変わらなければ、リバウンドリスクがあります。

内臓系の問題も改善されておらずそのままですね。

生活の基本から見直し食事や生活が改善され、痩せる習慣が身につく事で、リバウンドせずキープすることが可能です。

人の生活習慣は、定着するまでに平均66日、約2ヵ月と言われています。

最初は少し頑張らないといけませんが、治療を続けるうちに痩せる習慣が身につき、効果も感じられるようになるでしょう。

そうなったらしめたもの、習慣として定着するのでダイエット終了後にすっかり元の生活に戻ってしまう可能性は低いでしょう。

危険性を回避し医療ダイエットを成功させるポイント

危険性を回避し安全性を高めるには、患者自身の行動が大切です。薬のみを過信せず、自分でもコツコツ努力をしていきましょう。医療ダイエットを成功させる3つの行動を解説しますのでぜひ参考にしてください。

失敗しない病院選びをする

まずは、失敗しない病院選びが肝心です。

自分が希望する治療法を行なっていなければ、思い描いた治療は実現できません。

以下のことを、予約前にWebサイトや病院予約サイトで確かめましょう。

  • 肥満症の専門知識があるドクターが在籍しているか
  • 副作用や危険性リスクへの対応体制が整っているか
  • 薬物療法だけでなく、栄養指導・生活改善指導が受けられるか
  • 薬物療法ではどのような薬を取り入れているか(肥満症治療薬は、保険適用となってからまだ日が浅い新薬のため、クリニックによっては導入に積極的ではない場合があります)

食事・運動・生活習慣を改善する

「食事・生活習慣を改善し、運動を取り入れ痩せる習慣を身につける」

これが大前提です。

前述したように、それぞれ専門家に指導してもらえますので、不安に思う必要はありません。

薬物療法を取り入れる前に効果が感じられればなお良いですね。

専門家のサポートを受けコツコツ実行していきましょう。働き盛りの方は、時に仕事や友人との付き合いで、時にストレスで、どうしても食べたり飲んだり、と言った場面も多いかと思います。

そのような時は次の日にリカバリーするなど秘訣を教えてもらったり、周囲に協力をしてもらったりしましょう。例えば家族がいれば、肥満症治療について話し合って理解してもらい、食事等で協力してもらうことをおすすめします。

医師と定期的にコミュニケーションを取り、指示を守る 

医師の指示のもと忘れずに。薬は用法用量を守って、自己判断は絶対にしない。

食事・生活改善(場合によって+薬物療法)の医療ダイエットでは、定期的な診察が鍵になります。個々によって違いはありますが、おおよそ治療開始直後は2~4週間に1回程度、以降2~3ヶ月に1回程度です。

診察時に、医師が患者の健康状態や生活状況を確認し、治療計画をすすめていきます。

そのため、面倒がらずに診察を受けることが望ましいです。

また、薬が処方された場合、医師の指示をよく聞いて、用法用量を守ることが大切です。自己判断で薬を減量したり、急にやめてしまったりなど絶対にしてはいけません。

思わぬ健康被害やリバウンドなどの危険性が高まります。

危険性の低い医療ダイエットが可能な病院

危険性の低い医療ダイエットが可能な病院について、おさえておきましょう。

医療ダイエットの相談は専門の肥満症外来で

肥満症治療であれば、肥満症の専門医が在籍する、肥満症外来・生活習慣病外来などへ受診しましょう。ダイエット外来・肥満外来なども可能です。

検査が必要な場合や主治医がいる場合は、内科受診も良いでしょう。

また、持病がある場合やすでに健康診断で数値がひっかかったなど、参考となるものがあれば、医師に見せて相談するとスムーズです。

マシンによる施術や脂肪吸引手術などは美容形成外科です。医療ダイエット・メディカルダイエットなどの表記だけでは、美容外科の可能性もあります。よくWebサイトや病院予約サイトでよく確かめて予約してください。

通院が難しい場合はオンラインクリニック肥満症外来 

通院が難しいあなたには、オンラインクリニック肥満症外来がおすすめです。

忙しくてなかなか通院に時間をさくことができない、健康診断で要検査と言われたのにその先の検査や相談ができていない、という働き盛りの方はたくさんいます。お気持ちよくわかります。

そんな時は、オンラインでまずは相談してみましょう。

通院する内科等でオンライン窓口が設置されている場合と、オンライン専門クリニックの場合があります。

オンライン専門のクリニックは診察時間が対面診療より長く、早朝や深夜も対応しています。移動時間や受付・会計での待機時間、薬を受け取るまでの待機時間等を省くことができて、とても便利です。

あなたの仕事の空き時間を有効活用して診察を受けることが可能です。インターネット環境さえあれば、好きな場所から受診できるため、プライバシーが保たれるのもメリットです。

採血や専用の機械での検査など、対面診療が必要と判断された場合説明をうけますが、初回相談や、検査数値がすでにある状態であれば、オンラインで問題ありません。

継続的な処方や経過確認であれば通院せずに受診できるオンラインがおすすめです。

肥満症治療なら「おうち病院Privateシリーズ きちんと向き合う肥満症改善外来」

肥満や過体重は、高血圧・糖尿病・脂質異常症など、さまざまな生活習慣病のリスク因子となります。運動や食事に気を配っているつもりでも、加齢やホルモンバランスの変化、ストレスなどの影響で、思うように体重が落ちないと感じている方も多いのではないでしょうか。

そのような方には、医師の継続的な診察とサポートを受けながら、医療的介入(薬物治療)と生活習慣の見直しを組み合わせた治療が推奨されます。
「他サービスのように、お薬の処方だけで終わりでは不安…」そんな声に応えるのが、「おうち病院Privateシリーズ きっちり向き合う肥満症改善外来」です。

「おうち病院 きっちり向き合う肥満症改善外来」なら、
✅ 1回30分の診察時間を確保:患者様の背景や課題を丁寧にヒアリングし、きめ細かい治療方針を提案
✅ リバウンド防止にも対応:体重減少後も、生活習慣改善の継続支援あり
✅ 平日・土日祝すべて対応:朝8時〜夜22時まで診察可能
✅ 診察後、薬はご自宅に配送:通院不要で治療継続がしやすい
✅ 予約時間ぴったりに診察開始:出社前、会議の合間、就寝前など、スキマ時間で受診可能

「きっちり向き合う肥満症改善外来」では、自宅にいながら専門医の診察を受け、必要なお薬は自宅へ配送されます。忙しい方でも、医療の力を味方につけて無理なく継続できる環境を整えています。

なお、初回受診時には医師が正確に状態を把握するため、「健康診断書」または「体重計測結果の画像」のご提出が必要です。ご予約の前にご用意いただくようお願いいたします。

本気で体重改善に取り組みたい方、自己流のダイエットに限界を感じている方は、
ぜひ「おうち病院 きっちり向き合う肥満症改善外来」での診察をご検討ください。

医療ダイエットで危険性を回避するには正しい向き合い方が大切

医療ダイエットに危険性があるかどうかは、医療ダイエットの種類と向き合い方に左右されます。危険性を回避するには、正しい知識を得て正しく向き合うことが大切です。

また、ひとりではなかなか正しく努力することは難しいですが、専門的なサポートを受けて適切な治療を受ければ、危険性を低減し無理なく医療ダイエットをすすめることが可能です。

健康診断で注意された、数値がヤバイなど、肥満や肥満症の恐れがあるならば、放置せずすぐに医師に相談しましょう。多忙で通院が難しいなら、オンラインを利用するのもおすすめです。

おうち病院「きちんと向き合う肥満症改善外来」で気軽にご相談ください。