大人喘息になるのはなぜ?原因と対策を徹底解説

季節の変わり目など、喘息に悩む大人の方は多いのではないでしょうか。
喘息になるのは子どもだけではありません。

本記事では、大人喘息で悩む方のために、原因と対策を解説します。また、あわせて生活の質を向上させるヒントをお伝えします。

本日からできることがありましたら、ぜひ取り入れてみてください。

h2 大人喘息とは?小児喘息との違い

大人喘息は、幼少の頃喘息だった方が成人したわけではなく、別のもののケースが多いです。大人喘息の主な症状と、小児喘息との違いを表にまとめました。

大人喘息小児喘息
主な発症のきっかけアレルギー・感染症(風邪・インフルエンザ・コロナ)、ストレス、ホルモンバランス、大気汚染、喫煙アレルギー(花粉、ダニ、化学物質、ペットの毛など)
発症の年齢15歳以上になってから発症0歳から15歳未満で発症
症状夜間や運動後の咳、長引く咳、胸の苦しさ、息切れが続く夜間や運動後に咳、ゼーゼーヒューヒューという呼吸音(喘鳴)、息苦しさ
症状の経過慢性化しやすく、治りにくい。環境やストレスで悪化することがある成長とともに症状が軽減・改善することが多い
治療の
アプローチ
吸入ステロイド薬などで、気道の炎症を抑え、症状をコントロール症状をコントロールする治療
アレルギーの管理など

h2 大人喘息の主な原因

大人喘息は、原因が複雑に絡み合っていて、特定できない場合があります。

発作を誘発する原因は、一般的に下記の通りです。

h3 アレルギーによるもの

喘息はアレルギー性疾患であり、小児喘息ではアレルギーが原因の喘息(アトピー型喘息)患者は9割以上です。

しかし、大人喘息ではアレルゲンを発見できるのは6割程度です。残りの4割はアレルゲンを発見できない(非アトピー型喘息)です。

まずは、受診してアレルギー検査を行いアレルゲンの特定をしましょう。主なアレルゲンは、ハウスダスト、ホコリ、ダニ、カビ、ペットの毛、花粉、化学物質などです。

h3 気候の変化

季節の変わり目や、気圧の激しい変化、室温と外気温の急激な変化などが原因になることがあります。

台風等で著しく気候が変化した時や、低気圧の影響で長引く雨の時期には、自律神経のバランスを崩しやすくなります。また、雨が続く事で喘息を誘発しやすいダニやカビも多く発生するため、発作が起こりやすくなると言われています。

また、季節の変わり目は、寒暖の差が激しいことや朝と晩での気温差が大きいことから、喘息を誘発しやすいとされています。

h3 大気汚染やタバコの煙

大気汚染は、喘息を起こしやすいです。特に春先はPM2.5、夏は光化学スモッグが原因になる可能性があります。

また、タバコや線香の煙なども原因になることがあります。

タバコには、強いアレルゲンとして喘息発作を引き起こす化学物質が、約4,000種類も含まれています。非喫煙者が意図せず煙を吸ってしまう受動喫煙でも悪影響です。

また、タバコを吸うことで(受動喫煙を含む)気道が炎症を起こしやすくなり、喘息症状が悪化します。

h3 ストレス過多・疲労の蓄積

過労やストレス過多が原因で、自律神経のバランスが乱れて体調を崩し、喘息を引き起こすことがあります。

ストレス過多や疲労の蓄積が喘息に関与しているかどうかは、様々な研究が進められています。

ストレスによって自律神経のバランスが乱れ免疫機能の変化につながり、喘息を引き起こすこと、多忙やストレスにより自らの健康管理やハウスダスト除去のために必要な掃除等の行動が出来ずおろそかになってしまうことなどが考えられます。

h3 インフルエンザやコロナなどの感染症

インフルエンザやコロナなどのウイルス感染症や風邪が引き金となることがあります。

ウイルス感染が気道に炎症を引き起こし、気道が敏感になります。これにより、喘息の症状(咳、息切れ、胸の苦しさなど)が現れたり、悪化したりすることがあります。その後も咳症状が長引き、喘息へ移行することがあります。

また、感染症に対する免疫反応が気道を刺激して過剰な反応を引き起こし、喘息の発症に繋がることがあります。

h3 激しい運動・長時間の運動

激しい運動中は、息を頻繁に吸うため、空気が気道を乾燥させ、冷やします。

これにより、気道が敏感に反応することがあります。特に、乾燥した冷たい空気が影響します。もともと気道に慢性的な炎症があって、運動がその炎症をさらに悪化させる場合もあります。

一般的に、運動を始めた直後や終了してから10〜15分以内に症状が表れ、一過性のもので休息後60分以内には自然回復するケースが多いです。

h2 大人喘息を悪化させないための対策

大人喘息に対するセルフケアや対策法をお伝えします。悪化させないために、ぜひ活用ください。

h3 アレルゲンへの対策

アレルゲンへの対策を徹底します。

ハウスダウト(ダニの死骸やフン、人間の皮膚片、フケ)やカビ、ペットの毛、花粉等の場合、部屋の掃除や寝具の工夫などを行います。

できるだけ毎日掃除機をかけるよう心がけましょう。また、カビ防止には適切な換気や除湿も大切です。

寝具はダニ対策のものを使用するか、こまめに洗濯をします。カーテンやソファーカバー、カーペット等も清潔に保つことが重要です。

また、空気清浄機の活用もおすすめです。

h3 生活習慣と食生活の改善

タバコは喘息を悪化させるため、喘息患者は禁煙に取り組む必要があります。

受動喫煙も喘息に悪影響を及ぼすため、患者の家族も禁煙するのが望ましいです。

また、飲酒も注意が必要です。お酒を飲むと、体内に入ったアルコールが肝臓でアセトアルデヒドという物質に分解され、気道を狭くするヒスタミンを増やし、喘息の発作を引き起こす事があります。

生活リズムを整え、栄養バランスのとれた食事を心掛けましょう。健康的な生活が喘息の悪化を防ぎます。

h3 ストレスと疲労をためない

ストレスと疲労をためないことが、大人喘息を悪化させないための重要なポイントです。

自律神経を整えることが、喘息の悪化を防ぐだけでなく、改善の可能性も見込めます。そのためには、充分な睡眠で疲労をためないことと、ストレス管理が大切です。

自分が好きなこと、興味のある事などをやって見る、ストレス発散ができる趣味を見つけるなど、リフレッシュできる事を見つけましょう。

h3 感染症の予防

感染症(インフルエンザ・コロナ)や風邪が大人喘息の発症や悪化のきっかけになることがあります。

日頃から感染対策を行いましょう。帰宅時や食事前は必ず手指をよく洗い、消毒します。うがいも忘れずに行います。

外出時、人が集まる場所ではマスクをするのも良いでしょう。

また、秋から冬にかけて、インフルエンザが流行します。主治医と相談しながら、インフルエンザワクチンを接種するのも良いでしょう。

h3 激しい運動・長時間の運動を避ける

マラソンなど激しい運動や長時間の運動が、喘息を引き越すことがあります。

これを予防するには、運動をしないのが一番ですが、まったく運動をしてはいけないわけではありません。むしろ、健康的な身体づくりのためにも、負担にならないくらいの軽い運動は推奨されています。

ウォーキングや、軽い筋トレなどであれば喘息を誘発する心配はあまりありません。

じんわり汗をかく程度、30分くらいの軽い運動が良いでしょう。

h2 大人喘息の治療方法

大人喘息の治療方法について見てみましょう。ぜひ参考にしてください。

h3 大人喘息はコントロールできる

大人喘息は、悪化しやすく慢性化しやすいとも言われています。

しかし、それは本人が自覚しておらず、適切な治療が出来なかった場合や喫煙などリスクの高い事を辞めなかった場合に起こることです。

治療によるコントロールで発作を起こさないようにすることが可能です。それにより生活の質は向上します。

長引く咳や息苦しさを感じたら、喘息の疑いがあります。ただちに病院を受診し、適切な治療を受けましょう。

h3 発作時の治療法

発作時の治療は、効果がすぐに出る発作治療薬(リリーバー)を用いて発作を静めます。

気管支を拡張する速効性のある、短時間作用性吸入β2刺激薬が用いられます。そのほか、経口ステロイド薬、テオフィリン、吸入抗コリン薬などが用いられます。

上記を使用して症状の改善が見られない場合や、苦しくて横にもなれないほどの重症の発作時は、救急外来受診が必要です。

喘息発作が週1回以上見られる場合、治療計画の見直しをします。

h3 継続的な治療法

長期的な目線で、発作を起こさないようにコントロールしていきます。

長期治療薬(コントローラー)には、気道の炎症を抑える吸入ステロイド薬が用いられます。他に、気管支拡張の働きを持つ長期間作用性β刺激薬、テオフィリン徐放製剤、ロイコトリエン受容体拮抗薬、長期間作用型抗コリン薬も使用されることがあります。

コントロールが不充分な時は、経口ステロイド薬が用いられるケースもあります。これらは、毎日継続して吸引または服用しましょう。

h2 大人喘息は多忙でも放置してはいけない

大人喘息は、多忙だと放置しがちです。また、自覚症状に気付きにくく喘息の発見が遅れがちです。

しかし、咳が長引いても通院せず放置してしまうと危険です。再び発作が起こり、それを繰り返すとますます気道が炎症を起こし悪化して、最悪の場合喘息死の可能性が高まります。

また、以前通院した場合でも、少し症状が安定したから自己判断で治療を中止してしまうのも絶対にやめましょう。

発作を起こさない時でも気道の炎症は続いており、なんらかの刺激で再び発作を起こし、悪化してしまう可能性があるためです。

h2 大人喘息で通院できる病院

大人喘息の治療は、通常の内科でも対応しますが、呼吸器内科・アレルギー内科または喘息外来など喘息の専門医がいる病院をおすすめします。

また、現代ではオンライン診療の仕組みも浸透してきています。

呼吸器内科・アレルギー内科または喘息外来のクリニックのオンライン対応窓口またはオンライン専用クリニックの喘息外来があります。多忙でなかなか通院できない方はこちらが便利です。

喘息症状の様子を見ながら、体調を管理していく継続的な治療におすすめです。

h2 大人喘息にお悩みなら、おうち病院「オンライン喘息外来」

大人喘息の治療は、長期的な目線が必要です。しかし多忙だとなかなか通院が難しい方もいるでしょう。

そのような方には、おうち病院「オンライン喘息外来」がおすすめです。

ネットですきま時間をサクッと予約できるうえ、通院せずに好きな場所から受診可能です。

多忙な中でも継続的な治療に必要な吸入ステロイド薬などを切らさないために、オンラインの活用をおすすめします。

処方された薬は配送かお近くの薬局薬店で受け取れます。受診時に、おくすり手帳をご用意ください。

ただし、喘息の初めての診断では検査が必要なため、オンラインで対応しておりません。また、急激な発作時の対応はいたしかねますので、ご注意ください。

h2 大人喘息の継続治療はオンラインの活用が便利

大人喘息は、症状をコントロールする事ができます。コントロールが上手くいくには適切な治療が大切です。

喘息症状に気付けなかったり、多忙でなかなか病院に行けなかったりして放置すると、悪化して気道の炎症が進み、最悪の場合呼吸困難から死に至ることもあります。

大人喘息の治療は、自己判断でやめてしまったりせず、継続的な治療を心がけてください。