アトピー性皮膚炎の診断基準とセルフチェック方法を徹底解説

目次

アトピー性皮膚炎の可能性があるなら、受診の目安としてセルフチェックは大切です。

本記事では、アトピー性皮膚炎の可能性があって悩む方に向けて、診察の際の診断基準について解説するとともに、セルフチェック項目をお伝えします。

確認して、当てはまりそうであれば、適切な医療機関へ受診しましょう。

アトピー性皮膚炎の診断基準

アトピー性皮膚炎の診断は、様々な側面から診断されます。どのような基準にそっているのか解説します。

基本的な診断基準

まずは基本的な診断基準です。以下の4つの点に特に注意します。

  1. 強い痒みがあるかどうか
  2. 湿疹ができる部位(年齢により特徴的)
  3. 慢性または再発性の湿疹か
  4. 家族または本人にアレルギーや喘息などがあるか

ひとつずつ詳細を説明します。

1.強い痒みがあるかどうか

強い痒みの症状を訴えるか、掻き癖に悩む、掻き壊しで痛い、膿んでいるなどの症状。

2.湿疹ができる部位(年齢により特徴的)

アトピー性皮膚炎に特徴的な皮疹(湿疹)が見られるかどうか、左右対称的に湿疹が表れているかなどの基準です。

年齢によって湿疹の場所に違いがあるのも、アトピーの大きな特徴です。

年代別の特徴的な表れる部位については、下記の表に示しています。

時期表れる部位
乳児期(2歳未満)頭や顔に始まり、次第に体や手足に降りていく
幼・小児期(2歳~12歳)首や手足の関節に湿疹ができやすい
思春期・成人期(12歳以上)上半身(頭、首、胸、背中)

3.慢性または再発性の湿疹か

アトピー性皮膚炎は、皮膚の症状が改善したり悪化したりをくり返すことが特徴です。

乳児では2ヶ月以上、乳児以外では6ヶ月以上症状が続く場合を慢性とします。

慢性的である場合や、改善と悪化を繰り返しているのではない場合、急性として経過観察していきます。

4.本人または家族にアレルギーや喘息などがあるか

本人や家族に喘息やアレルギー症状等の既往歴はあるかどうかを参考基準にします。

本人がアトピー性皮膚炎以外でも、喘息などアレルギー疾患があれば、アトピー性皮膚炎の判断材料のひとつになります。

また、アレルギー体質は、遺伝的要素が高い可能性があるため、家族にアレルギー疾患を持っている人がいるかを確認します。

副次的な診断基準

上記の症状や背景等に加え、下記のような状態をよく観察するか問診で確認して診断します。

  • ・皮膚の乾燥(乾燥性皮膚)症状
  • ・皮膚を引っ掻いた際に白い線が残るなどの掻き癖の跡
  • ・眼周囲の変化(眼瞼炎、白内障など)
  • ・口唇炎(唇の炎症)
  • ・湿疹病変の多様な形態(苔癬化、亀裂、丘疹など)

基本的な診断基準を3つ以上該当し、副次的な診断基準のうち1つ以上当てはまれば、アトピー性皮膚炎と診断されるケースが主流です。

アトピー性皮膚炎のセルフ診断チェックリスト

診断基準を理解したうえで、今度はセルフ診断をしてみましょう。

ぜひリストをチェックしてみて下さい。

<アトピー性皮膚炎の疑いがある時のセルフ診断チェックリスト>

症状チェック
痒み痒みが強く、日常生活に支障をきたす
皮膚の状態皮膚が乾燥している
皮膚が赤くなって、腫れている
皮膚にかさぶたができる(掻き壊しの痕など)
皮膚が厚くなり、硬くなっている(苔癬化:たいせんか)
湿疹が左右対称に現れている
発症時期・経過・遺伝幼少期から湿疹が続いている、または再発している
家族にアトピー性皮膚炎、喘息、アレルギー性鼻炎などのアレルギー疾患の人がいる
生活環境と悪化要因特定の環境(季節、温度、湿度)で症状が悪化する
ストレスや体調不良で症状が悪化する

一個でも当てはまれば病院で診断を

セルフ診断チェックリストはいかがでしたでしょうか?

1個でも当てはまれば、医療機関への受診をおすすめします。

例えば、今は掻き壊すほど重症ではないとしても、肌が乾燥しがちで冬になると掻いてしまう、などの悩みがある場合、アトピー性皮膚炎を発症する要因を持っていると言えます。

悪化しないためにも早めに受診しましょう。かき壊して皮膚の炎症が進んでしまうなど悪化する前に専門の医師に相談しましょう。

アトピー性皮膚炎の治療方法

アトピー性皮膚炎の主な治療方法は、皮膚の炎症を静める治療と、炎症をおこさないようにする治療、そして保湿や生活改善といった治療の3本柱で行われます。

皮膚の炎症を静める治療

外用ステロイド薬(塗り薬)などを用いて、皮膚の炎症を静めます。

ステロイドは医師の指示のもと、適切な使用が大切です。

その他、抗ヒスタミン薬が痒みを抑えてくれます。

炎症をおこさないようにする治療

アトピー性皮膚炎は、良くなったり悪くなったりを繰り返す特徴がありますが、これは見た目に良くなっても皮膚の内側で炎症が残っているためです。

そこで、充分に抗炎症治療をした後、保湿薬によるお肌のケアとステロイド薬等を定期的に塗るなどして症状がおさえられている状態を維持する「プロアクティブ療法」というものがあります。

保湿や生活改善

保湿薬や医師の指導による肌の保湿ケアをご自宅でしっかり行うとともに、アレルゲンを遠ざけ、生活習慣や食べ物の見直し等を図ります。

アトピー性皮膚炎の診断ができる医療機関は? 

アトピー性皮膚炎の診断を受ける事が出来る医療機関を紹介します。受診の参考にしてください。

皮膚科または内科、アレルギー科で診断

皮膚トラブルなので皮膚科で可能ですが、アトピー性皮膚炎の場合、アレルギー等の体の中の疾患が要因となっているので、内科やアレルギー科でも診断が可能です。

お子様の場合は小児科でも良いでしょう。

皮膚トラブルの対処療法ではなく、アレルギーそのものを抑える治療を継続的に行っていくためには、アレルギーに知見のある専門医師が安心だと考える方も少なくないでしょう。

ただし、アトピー性皮膚炎は、一刻も早く受診して、まずは炎症を抑えることも大切です。その観点で考えると、主治医やすぐに受診できそうな医療機関へまずは受診する事をおすすめします。

オンラインクリニックで診断

通院タイプの病院・クリニックのオンライン診療枠か、オンライン専用クリニックでも皮膚科や内科・アレルギー科に対応していれば診断が可能です。通院が難しい方はこちらがおススメです。

薬は、お近くの薬局薬店でお受け取りいただくか、または郵送で送ってくれる場合もあります。

オンラインクリニックの場合、Web上の予約時に症状を質問されるので、上記のチェックリストなどを参考に、自分の症状を観察してまとめておくと便利です。

アトピー性皮膚炎の治療なら、おうち病院「オンライン診療」

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症状が深刻でお急ぎなのに、病院に通院する時間がなかなかとれない時や、病院が遠い、症状が重くて外出も抵抗があるなどの理由で通院が困難な方は、おうち病院「オンライン診療」ならすべて解決します。

Webでサッと空き時間を予約してお時間になったらオンライン通話で受診が可能です。ご自宅など好きな場所で受診できます。薬はお近くの薬局薬店で受け取るか、ご自宅へ配送も可能で、とても便利です。

また、お急ぎではなく継続的な治療の場合も、経過観察を含めてお気軽にご相談いただけます。

アトピー性皮膚炎を発症したら診断を受けて適切な治療を

アトピー性皮膚炎の診断基準と、セルフ診断チェックリストを説明しました。

痒い、赤い、ざらざらしているなどの皮膚のお悩みをお持ちでしたら、チェックリストと照らし合わせてみてください。

もし思い当たるようであれば、迷わず医師の診断を受けましょう。

アトピー性皮膚炎の可能性がある時は、早めに診断を受けて適切な治療を行いましょう。