アトピー性皮膚炎とステロイド|正しい知識で症状を改善しよう

目次

ステロイドは、頼りすぎると良くないなどのネガティブなイメージがあります。しかし、正しい知識で正しく使えば、アトピー性皮膚炎の炎症を抑えるために重要な役割を発揮します。

本記事では、アトピー性皮膚炎におけるステロイドの役割や、知っておくべき注意点、使用する上でのポイントを解説します。

正しい知識を知って、悩めるアトピー性皮膚炎の症状を改善していきましょう。

正しく知ろう!アトピー性皮膚炎におけるステロイド治療の役割

アトピー性皮膚炎の治療におけるステロイドの重要な役割とは、皮膚の炎症を静める働きです。正しく活用することで、速やかに効果を発揮します。

ステロイド治療のメリット

ステロイド治療のメリットは、以下のようなものが挙げられます。

・早い効果が見込める

ステロイド外用薬は炎症を抑える効果が高く速効性があるとされています。

・抗炎症効果

ステロイドは強力な抗炎症作用を持ち、皮膚の炎症を効果的に抑えます。

・様々な強度があり症状に応じて選べる

ステロイド外用薬は、弱いものから非常に強いものまで、細かく分かれています。医師は症状の程度に応じて適切な強度を選択できます。

・部分的な炎症に対する治療ができる

ステロイド外用薬を活用することで、部分的な炎症に対する治療ができます。

ステロイドの長期間使用によるデメリット

ステロイド治療で最も注意すべき点は長期間の常用です。長期間使用によるデメリットは、以下の通りです。

・皮膚が薄くなる

皮膚が薄くなってもろくなり、傷つきやすくなる可能性があります。

・毛細血管が拡張する

毛細血管が拡張しもろくなって皮膚が赤くなります。毛細血管が破れて内出血を起こす事もあります。

・感染症のリスクが高まる

ステロイドは免疫抑制効果もあるため、使用部位に感染症が発生しやすくなることがあります。長期間使用の場合注意が必要です。

これらを踏まえ、ステロイド治療に関しては医師と相談しながら正しく使用していきます。

アトピー性皮膚炎におけるステロイド治療の注意点

アトピー性皮膚炎におけるステロイド治療での注意点を解説します。治療のさいは注意点をおさえ、適切に対応しましょう。

ステロイドの使用頻度や量などを守る

独自の判断で薄く塗ったり回数を減らしたりすると、かえって長引く場合もあります。きちんと処方箋通りに使用しましょう。

ステロイドの使用頻度や使用するタイミング、使用量を守り、正しい塗り方をします。

早く治したいがための過剰使用や、ステロイドが怖い等の理由での少なめの塗布などはしてはいけません。

また、自己判断での使用中止は絶対にやめましょう。見た目はきれいになっていてもまだ皮膚の下で炎症が収まっていない場合もあり、再発の恐れがあります。

ステロイドは、医師の指示のもと正しく活用するのがおすすめ

ステロイドは、処方箋の他市販されているものもあり、ドラッグストアやネット通販で手に入ります。ただし、強度は弱めで、強いものは医師の処方箋がないと手に入りません。

市販のステロイド薬が悪いわけではありませんが、医師が皮膚の炎症状態を見てステロイドの強さを決めるため、自己判断で選ぶのは危険です。

ステロイドの使用は医師の指示に従って行い、定期的に受診して治療の効果や副作用の有無を確認することが重要です。

ステロイド以外のアトピー性皮膚炎の治療方法

アトピー性皮膚炎のステロイド以外の主な治療方法を解説します。ステロイド治療と並行することもあります。ぜひ参考にしてください。

痒みを抑える抗ヒスタミン剤

抗ヒスタミン薬は、強い痒みを抑えるのに役立ちます。

強い痒みは、掻き壊し等による傷からの細菌等の感染や、アトピー性皮膚炎の症状悪化に繋がり、非常に危険な状態です。抗ヒスタミン薬は、それらを防ぐことが期待できます。ステロイド治療と並行して用いる場合が多いです。

外用薬(塗り薬)と内服薬があります。内服薬は、症状がひどい場合や、夜間の痒みを抑えたい場合に使用します。

保湿療法

アトピー性皮膚炎の基本的な治療方法であり、皮膚のバリア機能を改善するために行います。

保湿剤や、入浴・シャワー後等のスキンケア外用薬を用いて家庭内でも保湿に留意します。市販品は、成分によって肌に合わない事もあるので医師の指示に従います。

また、入浴やシャワーをまめに行い、皮膚を清潔に保つ事も心がけます。熱いお湯だと体温の上昇が痒みにつながるので、短時間のぬるめの入浴を行うか、夏場はシャワーでも良いでしょう。

生活習慣の見直し・食事療法

日常生活でのケアや環境の改善も治療の一環です。

・生活習慣の改善

日常的に使用しているシャンプー・リンス・ボディーソープや洗剤は、肌に優しい成分を選びましょう。

また、タオルや衣服の素材にも気を配り、適切なものの選択(綿素材のものなど)を心掛けます。

・ストレス管理

ストレスが症状を悪化させることがあるため、リラックスできる時間を持ち、ストレスをためないことが重要です。

・アレルゲンの回避

ハウスダスト、カビ、ペットの毛など、アレルギーの原因となる物質を避けるようにします。部屋を清潔に保ち、寝具にも気を配ります。

・食事療法

特定の食品がアレルギーの原因である場合、その食品を除去します。

栄養バランスの取れた食事を心掛け、皮膚の健康を保つために必要な栄養素を摂取します。

アトピー性皮膚炎の治療相談はどこでする? 

アトピー性皮膚炎の治療を、ステロイドのことも含めて安心して相談できる医療機関は何科が良いか、解説します。受診の参考にしてください。

皮膚科・内科・アレルギー科を受診する

皮膚炎なので皮膚科ですが、内科・アレルギー科でも対応します。アレルギーと皮膚に専門知識をもつ医師がいるかが鍵になります。お子様の場合は小児科でも良いでしょう。

皮膚トラブルの対処療法ではなく、アトピー性皮膚炎そのものを抑える治療を継続的に行っていくためには、アレルギーに知見のある専門医師が安心だと考える方も少なくないでしょう。

ただし、アトピー性皮膚炎の症状は、まずは炎症を抑えることも大切です。

一刻も早く受診すべき、という点で考えると、主治医やすぐに受診できそうな医療機関へまずは受診し、継続的な治療は、あらためてアレルギー科へ相談する事をおすすめします。

アトピー性皮膚炎に対応しているオンラインクリニックを受診する

通院タイプの病院・クリニックのオンライン診療枠か、オンライン専用皮膚科やアレルギー科に対応するクリニックで受診できます。近所に専門医がいない場合等こちらが便利です。

処方された薬は、ご自宅へ郵送かお住まいの近くの薬局薬店でお受け取りいただけます。

オンラインクリニックの場合、ビデオ通話で受診しますが、症状をあらかじめスマホ等で撮影しておく、症状の経過をメモしておくなど準備しておくと良いでしょう。

アトピー性皮膚炎の治療とステロイドの相談なら、おうち病院「オンライン診療」

アトピー性皮膚炎の治療とステロイドの相談なら、おうち病院「オンライン診療」がおすすめです。

症状が辛くて一刻も早く受診したいのに、多忙で時間が取れない時や近所に受診できる病院がない時、外出に抵抗がある時など通院が困難な場合など、便利にご利用いただけます。

スマホやPCから空いている時間を予約して、お時間になったらご自宅などから受診できます。移動のわずらわしさや待たされる煩わしさもないのでとても便利です。

薬はお近くの薬局薬店で受け取るか、ご自宅へ配送かを選択できます。

ステロイドは怖くない。正しく活用してアトピー性皮膚炎の症状を和らげよう

ステロイドにはネガティブなイメージもありますが、炎症を抑えてくれる心強い味方です。ただし、長期的に使用することで起こるデメリットもあります。

また、自己判断による使用や中止は危険です。

メリットデメリット、使用上の注意点等を正しく知り、医師の指導のもと活用して、症状を和らげたいですね。

多忙などが理由でステロイドや他の薬、保湿剤が切れてしまったら大変です。

通院が大変な場合は、無理なく続ける事ができるオンライン診療を活用しましょう。