うつ病患者を支える周りの人たちが疲れて共倒れしないためには?5つの対策

目次

うつ病患者をサポートする中で、疲れると感じて悩んでいらっしゃる方は多いでしょう。

本記事では、うつ病患者を支えている周りの人たちが、疲弊して共倒れしないためのちょっとした工夫や、具体的な対策をお伝えします。少しでも何かのきっかけとしてお役に立てれば幸いです。

周りも疲れてしまう!うつ病患者を支えることの難しさ

うつ病患者を支えることの難しさは、痛感している方も多いかもしれません。

どのような時に難しさを感じているのでしょうか。

病気への理解と接し方の難しさ

うつ病患者にとって、周りの人の正しい病気への理解と支えは不可欠です。理解を得られない場合、うつ病の回復が遅れるかもしれません。悪化する可能性もあります。

だからこそ、うつ病患者の周りの人は、病気を正しく理解し受けとめることが大切です。しかし、周囲にうつ病やうつ病を支えた経験のある人がいない場合、知識もなく初めてのことで戸惑うでしょう。

うつ病への理解が難しく、接し方次第でより悪化してしまうかもしれない難しさがあります。

うつ病患者の行動や症状への戸惑い

うつ病患者の行動や症状には波があります。いつも一定というわけではなくその日によって、あるいは数時間、数分で変わるなど、掴み切れない難しさがあります。

例えば、突然の引きこもりや意欲・興味の喪失などの行動や症状に周りは戸惑います。

そのような行動や症状に対し、どのように対応したら良いか、どのように受け止めたらよいか戸惑い、心配します。振り回されることもあり、難しいと感じる方は多いです。

周りの人が仕事や時間を犠牲にしなければいけない

放置するわけにはいかないので、例えば家族全員が外で働いていた場合、寄り添うために誰かが在宅ワークや時短勤務、退職などを検討しなければいけない場合があります。

ある程度、患者に寄り添い家族で一丸となって支える覚悟も必要でしょう。しかし、そのような選択は家族の経済状況を圧迫させるか、仕事へのやりがいを奪ってしまう事にもなりかねません。

患者へ寄り添う事と、仕事や時間の犠牲に挟まれ難しさを感じるでしょう。

周りの人が自責の念を感じてしまう

うつ病患者の周りの人が、「自分のせい?」「なぜもっと早く気付いてあげられなかったのだろう」「あの時こうしていたら、違う結果だったかもしれない」などと自分を責めてしまうことがあります。

また、気持ちに共感するがゆえに、うつ病患者が感じる悲しみや絶望感を共有し、家族や友人も感情的な負担を感じてしまいます。

うつ病患者を支える周りの人が疲れてしまうよくあるケース

うつ病患者を支える周りの人が疲れてしまうよくあるケースを見てみましょう。

周りが疲れるケース1:病気の知識がなくどう対応したらいいかわからない

病気の知識がなく手探り状態で、どう接したらいいかわからないことによるストレスで疲れてしまいます。

怠けているだけ、我がままを言っているだけなのではないか?とも見えてしまい、どう対応したら良いか悩んでしまうのです。

大切な人だからこそ、距離が近いからこそ、焦りや憤りを感じることもあるでしょう。

接し方によっては悪化してしまうかもしれないし、自殺願望という爆弾を抱えているため、周りは神経をすり減らします。

周りが疲れるケース2:振り回されてしまう

体調や症状が不安定で波があるので、振り回されてしまいます。

日によって、時間帯によって、気分の浮き沈みがあります。急激に不安に襲われたり何もする気がなくなったり、病気が一向に改善しない焦りからくる感情を家族にぶつけたり、様々な症状があります。

そのため周りの人は振り回されて疲れたと感じるでしょう。

また、自殺願望は特に振り回されやすいです。大切な人だからこそ常に心配で、サポートする家族も心労が続きます。

周りが疲れるケース3:心身共に休まらない

サポートすることに気力・体力を取られてしまい、心身共に休まらない日が続き、疲れがたまっていきます。

支える側が、しっかり休んだりリフレッシュしたり、という時間がなかなか取れず、心身共に疲弊してしまうのです。

気持ちや症状の浮き沈みに対するコミュニケーションの難しさや、病気が回復しないことへの不安や焦りは、患者本人もつらいですが、周りの人のも休まらないでしょう。

周りが疲れるケース4:一人で抱え込んでしまう

誰にも相談できず、悩んでしまうケースです。

周りに経験者がいない、自分の家族がうつ病だなんて恥ずかしくて誰にも言えない、など、一人で抱え込んでしまうケースです。

一人で抱え込むと、病気への知識も接し方もわからないうえ、思い詰めてしまいかねません。

少し誰かと話しただけで、理解してくれる人がいるだけで、随分気持ちは楽になります。不安や悩みを共有できる相手がいないと、共倒れの可能性が増します。

「うつ病のサポート疲れ」を感じたらやるべき5つの対策

うつ病患者のサポートに疲れてしまったら、ぜひ試してほしい5つの対策法を紹介します。

自分の趣味の時間を作る

自分が好きなこと、リフレッシュできる事をする時間を意識して作ります。

時間を作るのは難しいかもしれませんが、支える人がリフレッシュするのは大切なことです。リフレッシュすることで、一緒に落ち込んでしまうことを回避できます。

また、サポートする人がイライラしていると、うつ病患者は自分を責めてしまい症状に影響する可能性があります。

そのため、心に余裕を持って接するためにも、自分を大切にしましょう。

適度に運動をする

適度な運動をしましょう。適度な運動はネガティブな気分が発散でき、心身をリラックスさせてくれます。

特に、軽いランニングや水泳、エアロビクスなどの有酸素運動は有効です。

しっかり運動する時間はとれずとも、近所を散歩したり公園などで少し体を動かしたりするだけでも、気晴らしにもなり効果が期待できます。

張り切りすぎて疲れてしまわないよう、1日20分を目安に軽く行いましょう。

適度な距離を置き、一人で過ごす時間を作る

24時間ぴったりついている必要はありません。心配な事もあるかもしれませんが、それでは心身ともに疲れる原因になりますし、過干渉になってしまいお互いに疲弊するでしょう。

お互いが離れられる時間をあえて作るようにしましょう。

療養できる(安心できる)環境を整えてあげつつ、適度に距離を置きます。

うつ病患者もサポートする側も、一人で過ごす時間を作ることが大切です。

体調不良を感じる時は病院の受診も検討する

サポート疲れでの体調不良(食欲不振や不眠、気分の落ち込みなど)を感じたら、心療内科のカウンセリングも検討します。

サポート疲れから、心身が悲鳴をあげているかもしれません。自分ではまだ頑張れるつもりで、思った以上に心身に影響していることがあります。共倒れしないためにも受診をおすすめします。

受診のさいは「うつ病患者のサポートをしている」むねを伝えましょう。

ひとりで抱え込まずに信頼できる友人等に話す

つらくてもうつ病患者本人には言えないかと思います。しかし、爆発してしまわないように、信頼できる友人がいれば打ち明けてみるのも良いかもしれません。

なかなか言い出しにくい問題ではありますが、例えば、経験者や同じような境遇の友人がいれば、共感し合えるかもしれません。

そのような相手がいない時は、リアル開催やオンラインなどのコミュニティもありますので、参加してみるのも良いかもしれません。

うつ病患者を支える周りの人がサポート疲れしないために専門家へ相談を

うつ病患者の家族もまた、患者同様、専門家の助けを借りることも必要です。

主治医と連携する

家族から主治医に直接連絡して、本人抜きの時間を作ってもらい話を聞くという方法があります(病院の方針や主治医の考えにより対応は異なります)。

心療内科はうつ病患者だけでなく周りで支える家族のサポートも行なっている場合が多いです。本人の家庭での様子とともに、支える家族の現状や、疲れたと感じる気持ちを相談します。

医師の説明により、病気や接し方の理解が深まる事で気持ちが楽になる事もあります。

専門機関へ相談する

うつ病家族のための、相談できる専門機関があります。

保健所や精神保健福祉センターなど、公共機関・自治体でうつ病患者や支える家族をサポートする相談窓口があります。精神保健福祉士が親身に相談にのってくれます。

医療に繋がっていない段階でどうしたら通院してくれるか、社会復帰に向けてどうするか、など、様々な相談に対応します。

精神疾患の患者や支援者向けのカウンセリング・講座を実施している自治体もあります。

うつ病患者の家族向けのコミュニティに参加する

自治体が行っている、うつ病患者を支える家族向けの講座やコミュニティがあります。お住まいの地域で行っているか確認してみてください。

また、クリニックや任意団体、カウンセラー等が主宰する、うつ病患者を支える家族など周囲の方をサポートする会や、励まし合う家族会等のコミュニティがあります。

共倒れしないためには、同じ境遇の誰かと悩みを共有するなど、助けを借りることが重要です。

(CTA)

一人で悩まないで!うつ病患者の家族をサポートするコミュニティがおすすめ

うつ病をサポートする家族や周りの人は、一人で悩まないで、同じ悩みを持った人と励まし合い相談し合う環境が大切です。

一人で悩んでいるとうつ病患者を支える方まで潰れてしまいかねません。

誰かに話すだけで、つらい気持ちはずっと楽になります。

おうち病院疾患コミュニティ「クリラ」うつ病コミュニティは、オンラインで気軽に参加できて登録無料、オンラインクリニックが運営しているので安心です。

同じ境遇の同じ悩みを持ったもの同士、オンライン上でコミュニケーションをとり、繋がりを作ることができます。また、うつ病に関する治療方法や症状に関して、専門家の意見やアドバイスをもらうこともできます。

同じ境遇の人と励まし合い情報交換して、サポート疲れを乗り切ろう

うつ病患者をサポートすることは、病気への理解や接し方等に難しさがあり、知識がないと戸惑います。家族や大切な人がうつ病になると、サポート疲れを感じる方も多いでしょう。

しかし共倒れになっては元も子もありません。

同じ悩みを持った人と励まし合う、相談し合う、情報交換する、といった環境がとても大切です。