浮腫の改善をサポートする漢方薬を紹介!浮腫が示す健康の危険信号もあわせて解説

目次

気になるむくみの改善をサポートしてくれる漢方があります。

むくみは医療用語で浮腫(ふしゅ)と呼び、病気を発見するサインにも繋がります。実は重大な病気が隠れている事があり、漢方以外の治療が必要な場合もありますので、要注意です。

本記事では、むくみ解消に適している漢方の紹介と、漢方が有効なケースと無効なケースを合わせて解説いたします。

【種類別】浮腫の症状と原因

浮腫の種類別に症状と原因を解説します。

浮腫の種類ごとの症状・原因

浮腫といっても様々な症状と、原因となり病気があります。そこで、種類別に予想される病気について表にまとめました。

指で押すなどしてよく患部を観察し、また他の症状も交えて参考にしてください。

範囲種類主な症状予想される病気
全身指を押すとへこみ、跡が残るもの足や足首の浮腫、息切れ、倦怠感、体重増加心不全、心筋梗塞、心筋症、高血圧
顔や下肢の浮腫、体重増加、尿中のタンパク漏出腎不全(ネフローゼ症候群)
糖尿病、高血圧、慢性腎炎
腹水、下肢の浮腫、黄疸、倦怠感肝硬変慢性肝炎、アルコール性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝炎
指を押しても跡が残らないもの体重増加、顔・体の浮腫、倦怠感、寒がる、皮膚の乾燥、便秘、眠気、汗をかきにくい甲状腺機能低下症、更年期障害、クッシング症候群ホルモンバランスの乱れや異常
局所 指を押すとへこみ、跡が残るもの急に片方の足だけ浮腫む両方浮腫む場合もある深部静脈血栓症血液の流れが悪くなることで、静脈の中に血栓ができて詰まってしまう
指を押しても跡が残らないもの体の局部や皮膚の深部に急激に浮腫が表れる蕁麻疹を伴うものと伴わないものがある気道は呼吸困難、消化器官は急激な腹痛などの発作を伴い命に関わる血管性浮腫なんらかの理由で遺伝子情報が欠損し、血管から多くの体液が染み出るため発症遺伝子情報の欠損は、後発性と遺伝性がある
その他ガン等の手術に影響するもの手や足の浮腫リンパ浮腫術後などにリンパ機能の低下によって発症

上記の表を踏まえて、自身がどのような病気かあたりをつけた上で病院を受診してみましょう。

浮腫を引き起こしやすい病気

浮腫を引き起こしやすい病気は、内臓機能の低下が原因となる心不全や腎不全、肝臓系の病気と、ホルモンバランスや自律神経の乱れ、リンパ系、アレルギー反応などが原因となる病気があります。

また、遺伝子情報の欠損による血管性浮腫もあげられます。

浮腫症状の改善に漢方薬が有効なケース・無効なケース

浮腫症状の改善に、漢方薬が有効なケースと無効なケースを紹介します。

漢方療法の基本的な考え方

漢方薬を用いる時の考え方として、治すのではなく体の中の細胞の力を整え、体の機能を健康な状態へ導く手助けをしてくれる、というのが基本です。

浮腫症状や特定の病気を治すのではなく、体の中の水分や栄養分の吸収と排出を調整する働きをサポートしてくれるというイメージです。

つまり、もともとむくみやすい体質の方が改善のため、自律神経の乱れやPMSなどで浮腫みが辛い方が症状を和らげるため、漢方薬を取り入れるのは有効と言えます。

ただし、なんらかの病気が原因で浮腫症状の場合、その病気を治すわけではないということです。

浮腫に良いとされる代表的な漢方薬

浮腫に良いとされる代表的な漢方薬を紹介します。

  • 五苓散(ごれいさん):体内の水分代謝の改善に役立つ
  • 防已黄耆湯(ぼういおうぎとう):肥満体質で浮腫みやすい人に体内の水分を調整
  • 猪苓湯(ちょれいとう):泌尿器系の不調からくる浮腫みに働きかける
  • ・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):女性の冷え性や貧血を伴うむくみの改善をサポート

漢方は「血管性浮腫」「遺伝性血管性浮腫」には効果がない

漢方以外の治療が必要と思われる症状や病気について解説します。

漢方以外の治療が必要と思われる症状

このような症状であれば、漢方以外の治療が必要です。

  1. 下半身浮腫の他に、息切れ、体重増加など、心疾患、心臓機能の低下と思われる症状
  2. 下半身浮腫の他に、尿中のタンパク漏出、頻尿、体重増加など腎臓機能の低下と思われる症状
  3. 下半身浮腫の他に、お腹に水がたまる、黄疸など肝臓機能の低下と思われる症状
  4. がんの手術や治療の影響でリンパ機能の低下を起こしたと思われるリンパ浮腫
  5. 薬物や食べ物、化学物質等に反応するアレルギーが原因と思われる浮腫
  6. 体の一部や体内に急激に浮腫症状があらわれ、2~3日でひくが頻繁に繰り返す症状。呼吸困難や急激な腹痛などの発作を伴う。血管性浮腫の疑いのある症状。

内臓疾患やアレルギー反応の場合は、漢方を取り入れても効果はありません。

見落とされがちな「血管性浮腫」「遺伝性血管性浮腫」

血管性浮腫は、血管系の機能が低下して、血管から過剰に染み出した体液が体の中で滞り浮腫症状が表れる病気です。

原因は、ケガや病気による後発性と、生まれつき機能が欠損している遺伝性血管性浮腫があります。

他の病気との見分けが難しく見落とされがちです。血管性浮腫が原因で体内でも浮腫を起こしているとは気付きにくいのです。

例えば、喉が浮腫めば呼吸困難になるので喘息と間違えやすいです。消化器官に表れれば、下痢・嘔吐・胃痙攣のような急激な腹痛を伴い、盲腸か何か消化器官系の病気を疑う場合もあります。

このように、血管性浮腫は目に見えている症状だけでは見分けがつきにくく、発見が遅れがちな難しい病気です。

遺伝性血管性浮腫は国指定の難病

血管性浮腫の中でも遺伝性血管性浮腫は国の指定難病に定められており、医療費助成制度が受けられます。

指定難病とは、18歳未満の小児慢性特定疾病と18歳以上の指定難病があり、特定の病気に対して高額になりやすい医療費負担を軽くするものです。

診断を受けたら、医療機関の説明に従い申請すれば、条件により医療費助成制度を受けることができます。

「血管性浮腫」「遺伝性血管性浮腫」に効果的な治療法

血管性浮腫と遺伝性血管性浮腫の、効果的な治療法について解説します。

血管性浮腫と遺伝性血管性浮腫の主な治療方法は、浮腫の症状(発作)が表れた時の発作を静める治療と、日常的に発作を起こさないように症状をコントロールする継続的な治療の2つで進めていきます。

血管性浮腫の主な治療法

アレルギー反応と思われる場合は、抗ヒスタミン薬、ステロイドなどが有効です。

ガンなど何らかの理由で後発性血管性浮腫を発症した場合、欠損した細胞の働きを補うための薬を用います。

発作時は医療機関にて静脈注射・皮下注射または点滴をしてもらいます。

長期的な治療では、内服薬と自分で出来る皮下注射があります。皮下注射の仕方は医師からトレーニングを受けます。

遺伝性血管性浮腫の主な治療法

遺伝性血管性浮腫は、抗ヒスタミン薬、ステロイドなど、アレルギー反応に有効な治療は効果を示しません。

生まれつき欠損した遺伝子情報を修正する、または働きを補うため、後発性血管性浮腫と同様の治療をします。

具体的な治療法については、こちらの記事をご参照ください。

関連記事:遺伝性血管性浮腫(HAE)の治療法|発作時の対応から予防策まで

遺伝性血管性浮腫の治療は医師へ相談を

遺伝性血管性浮腫の疑いがあれば、迷わず医師へ相談しましょう。どこへ治療を受ければいいか解説します。

浮腫専門の医療機関を受診する

まずは内科や浮腫外来がおすすめです。

浮腫専門の医療機関であれば、浮腫の原因もほぼ特定でき安心です。内臓疾患やアレルギーなど他の専門医が必要な時も紹介してもらえるでしょう。

オンラインクリニックを受診する

内科か浮腫外来クリニックのオンライン対応窓口か、オンライン専用クリニックの浮腫外来を受診します。

血液検査がある場合は通院が必要ですが、診断後はこちらが便利です。

遺伝性血管性浮腫の継続的な治療なら処方箋と経過観察のみなので、おすすめです。

血管性浮腫の治療なら、おうち病院「オンライン血管性浮腫外来」

血管性浮腫、および遺伝性血管性浮腫の長期的な治療なら、血管性浮腫の知見が豊富な医師が担当するおうち病院「オンライン血管性浮腫外来」がおすすめです。

具体的な症状を踏まえて、浮腫に関する知見の豊富かつ最適な医師とお繋ぎします。

多忙でなかなか通院時間が取れない時、浮腫の症状がつらくて外出もままならない時、浮腫外来が遠方で通院が困難な時などに、負担になりません。

あなたの空き時間で、お好きな場所から受診できますので、わずらわしさもありません。

処方されたお薬はお近くの薬局薬店でお受け取りいただけます。

血管性浮腫で長期的な治療が必要なら最適な治療法を

浮腫に漢方が有効なケースと無効なケースがあり、さらに浮腫は体からの危険信号かもしれないとお伝えしました。

見落とされがちな症状ですが、症状をよく観察して受診しましょう。

遺伝性血管性浮腫の疑いがある場合、すぐに医師に相談し、適切な治療を受けることが重要です。

遺伝性血管性浮腫で長期的な治療が必要なら、専門医に気軽に受診できる、おうち病院「オンライン血管性浮腫外来」へご相談ください。