その肌荒れは花粉のせいかも!花粉症皮膚炎の原因・見分け方と予防・治療方法を解説

花粉症というと、くしゃみや鼻水、目のかゆみや充血といった症状をイメージする人がほとんどです。しかし花粉は、接触することで皮膚トラブルが生じる「花粉症皮膚炎」という症状も引き起こします。 「どうして花粉で肌が荒れるの?」「この肌荒れは花粉症のせい?」と、疑問や不安を感じている方も多いのではないでしょうか。 そこで今回は、花粉症皮膚炎の症状や原因、花粉症皮膚炎の特徴や見分け方、花粉症皮膚炎の予防と治療について解説します。

目次

花粉症というと、くしゃみや鼻水、目のかゆみや充血といった症状をイメージする人がほとんどです。しかし花粉は、接触することで皮膚トラブルが生じる「花粉症皮膚炎」という症状も引き起こします。

「どうして花粉で肌が荒れるの?」「この肌荒れは花粉症のせい?」と、疑問や不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、花粉症皮膚炎の症状や原因、花粉症皮膚炎の特徴や見分け方、花粉症皮膚炎の予防と治療について解説します。

花粉症皮膚炎の症状と原因

花粉症といえばくしゃみや鼻水など、鼻や目に出る症状が代表的です。しかし、それらの症状以外にも、皮膚のかゆみや湿疹といった症状を引き起こすことがあり、それを「花粉症皮膚炎」と言います。以下では、花粉症皮膚炎の主な症状と原因について解説します。

主な症状

花粉症の症状は鼻・目を中心に生じます。鼻の三大症状といわれるのはくしゃみ・鼻水・鼻詰まりで、目の三大症状とされるのは、目のかゆみ・充血・涙目です。この他にも、頭痛やイライラ、集中力が続かないなどの全身症状が引き起こされる場合があります。

また、肌にかゆみや湿疹、目の周りに赤みが出たり、かゆみが出たりする皮膚症状が生じるケースもあります。これは、鼻や目の症状が無いまたはほとんど感じられない方であっても皮膚にだけ症状が出ることがあります。

このように、花粉症が原因で皮膚症状が出ることを花粉症皮膚炎といいます。花粉症皮膚炎の代表的な症状としては、肌のかゆみや湿疹、目の周りや目の周りに赤みが出るなどがあります。

原因

花粉症皮膚炎の原因は、飛散している花粉にあります。

皮膚が乾燥などによってバリア機能が低下し、そこに花粉が付着することで刺激が与えられてしまい、免疫機能が働いて皮膚にアレルギー症状が出てしまうのです。

花粉症皮膚炎による皮膚トラブルは、目や鼻の症状と同様に、さまざまな種類の花粉が原因となります。その中でも、スギ花粉は空気が乾燥しやすく季節の変わり目でもある2~4月に飛散量が増加するため、花粉症皮膚炎におけるアレルゲンとなることが多い傾向にあります。

花粉は、肌が露出しやすい顔や首に付着しやすく、その部位を中心に花粉症皮膚炎を生じやすいです。花粉症皮膚炎の症状緩和や予防を行うためには、マスクやメガネなどをすることで肌の露出を減らし、花粉の付着を防ぐことが大切です。

花粉症皮膚炎の特徴・見分け方

花粉症皮膚炎は、どのような特徴があり、他の皮膚疾患とどのような違いがあるのでしょうか。
以下で、花粉症皮膚炎の特徴と似ている皮膚疾患との見分け方を解説します。

特徴

花粉症皮膚炎は、肌が露出していて花粉が付着しやすい首や顔などの部分に症状が出やすいのが特徴です。花粉が付着した部分が赤く腫れやかゆみが出るだけでなく、ピリピリまたはヒリヒリと痛みを生じることもあります。

赤みのある部分が盛り上がって発疹のようになることもありますが、湿疹のようにジクジクするような状態にはなりません。どちらかというと乾燥気味になるのが花粉症皮膚炎の特徴です。

さらに、花粉症皮膚炎は顔や目の周りにできやすいこともあり、アレルギー性結膜炎や、眼瞼炎を伴うことも少なくありません。女性の場合は花粉症の時期になると基礎化粧品がしみるようになるといった症状を感じることがあります。

脂漏性(しろうせい)皮膚炎との見分け方

花粉症皮膚炎は、アトピー性皮膚炎の既往歴がある人の発症率が高いと考えられています。実際に、アトピー性皮膚炎の患者は花粉が原因で皮膚症状が悪化しやすいといわれています。そのため、両者は親戚のようなものであり、症状もかなり近いです。

また、似たような皮膚症状に脂漏性皮膚炎があります。脂漏性皮膚炎は陰部や脇の下とともに、顔や頭など皮脂の分泌が活発な部位に生じやすい皮膚症状です。乾燥して角質が目立つ肌に、赤みのある発疹ができてかゆみなどの症状が現れます。症状がかなり似ていることから、顔にできるアトピー性皮膚炎との見分けは困難です。

アトピー性皮膚炎や脂漏性皮膚炎と花粉症皮膚炎を見分けるポイントは、皮膚症状の発症または悪化した時期が、花粉症の時期と合致するか否かです。花粉の時期以外であれば、アトピー性皮膚炎や脂漏性皮膚炎の可能性があり、花粉の時期であるならば花粉症皮膚炎の可能性が考えられます。また、アレルギー検査を行い、スギなどの花粉がアレルゲンであると判明したならば、花粉症皮膚炎である可能性が高いといえるでしょう。

このように、見た目の見分けは困難ですが、検査や花粉時期の確認により、花粉症皮膚炎であるかどうか判断できます。

花粉症皮膚炎の予防

花粉が多く飛ぶ時期は、少なからずその影響を受けてしまうものです。しかし、日常でさまざまな工夫を行えば、花粉の影響を減らして皮膚症状を軽くすることができます。

花粉症皮膚炎予防・緩和に効果的ないくつかの方法を解説します。

肌への花粉の付着を防ぐ

花粉症皮膚炎の予防では、できるだけ花粉が肌につかないようにすることが大切です。花粉症皮膚炎は、肌が露出している顔や目の周りに生じやすい皮膚症状です。外出時にはマスクやメガネ、帽子やマフラーなどを着用して顔や目を守りましょう。

また、外出時に着る衣服も工夫しましょう。ウールなどの毛織物は花粉が付着しやすい素材です。そのため、花粉の時期は化繊や木綿など表面がサラサラ、ツルツルしたものを着ることをおすすめします。花粉が付着しにくいだけでなく、付着した花粉を払い落としやすいためです。

帰宅後は、室内に入る前に衣服や髪の毛についた花粉をしっかり落としましょう。マスクはすぐに捨ててメガネを洗浄、帽子やマフラーは洗濯しておけば、花粉の付着をかなり防ぐことができます。

スキンケアを行う

お肌をよい状態に保つことも、花粉症皮膚炎の予防になります。

角質層には、花粉を始め外からの刺激から肌を守るバリア機能があるため、良好な状態であれば花粉症皮膚炎を起こしにくいものです。しかし、お手入れをせず肌が乾燥したり荒れたりすると、バリア機能が失われてしまい、アレルギー反応を起こしやすくなります。

バリア機能を保つためには、スキンケアにより潤いを保つことがとても大切です。入浴後や洗顔後は、乳液やクリームを塗るなどして保湿してあげましょう。体質的に乾燥しやすいのであれば、ヒアルロン酸やコラーゲンなどが配合されているものを使うと、肌の潤いを保ちやすくなります。

また、洗顔ではあまり強く洗いすぎないことも大切です。花粉を落とすためには帰宅するたびに洗顔することが大切ですが、あまりゴシゴシと洗いすぎると肌に負担がかかります。熱いお湯を使うことも、肌の皮脂を取り除き、乾燥を促してしまうのでおすすめできません。洗顔時はぬるま湯や水を使い、肌に負担をかけないようにしましょう。

腸内環境を整える

腸内環境を整えることも花粉症皮膚炎の予防につながります。

腸内環境が整うと、身体全体の免疫機能も整いやすくなり、肌のバリア機能も保たれやすくなります。そのため、胃腸に負担をかけないような食生活を送ることが大切です。

また、乳酸菌や食物繊維は腸内環境を整えるのによいとされています。花粉症皮膚炎の症状を抑えるために、これらが含まれている食品を適度に摂取するのもおすすめです。

質の高い睡眠をとる

花粉症皮膚炎の予防には、ぐっすり眠ることも大切です。

睡眠は身体を休めるだけでなく、ホルモンバランス等を整えたり、ストレスを解消できたりするため、免疫機能を高めやすくなります。免疫機能が向上すれば肌のバリア機能が高まるため、花粉の刺激から肌が守られやすくなります。

質の高い睡眠をとるためには、決まった時間に寝る、ベッドルームの環境を整える、温めのお湯に浸かってリラックスするといったことが効果的です。

ビタミンを摂取する

適切にビタミンを摂取することは、肌の調子を整えて花粉症皮膚炎の予防につながります。

スキンケア効果が高いとして有名なのはビタミンCですが、他のビタミンも肌によい影響をもたらすとされています。ビタミンAは粘膜を整えて免疫機能を高めやすく、ビタミンBは疲労の回復やコラーゲンの生成を促すなどして健康な肌をつくりやすくなります。ビタミンEは、免疫細胞を活性化したり、抗酸化作用により免疫機能低下を防いだりするといわれています。

ビタミンは可能であれば食事から摂るのがおすすめです。しかし、食事だけでは十分な量を摂取できないという場合は、サプリメントを摂取してもよいでしょう。

病院の受診も検討

花粉症皮膚炎は、日頃から対策を行うことである程度予防できます。しかし、花粉の付着を完全にシャットアウトすることは難しく、適切な対策をしていても花粉症皮膚炎になってしまったり、症状がなかなか治まらなかったりすることはあるものです。

そのような場合は、放置し続けると症状が悪化してしまい、肌の状態がもとに戻るまでに時間がかかってしまいます。症状がなかなか治まらない、そんなときは病院の受診を検討しましょう。次項以降、病院の受診について詳しく解説していきます。

花粉症皮膚炎がひどい場合は病院へ

花粉症皮膚炎を始め、花粉症の諸症状を改善するためには、病院を受診するのがおすすめです。ひどくなる前に治療を始めれば、症状が軽い状態が長く続きやすくなります。

また、症状がひどくなった場合も、病院を受診して適切に治療を受ければ改善されます。

病院を受診すべき理由

花粉の時期であり、肌荒れ症状が花粉症皮膚炎である疑いがある場合は、なるべく早く病院を受診しましょう。肌が荒れた状態を放置すると、症状がよりひどくなる可能性が高いためです。

病院を受診する最も大きな意味、それは血液検査によってアレルゲンの特定を行えることです。肌荒れの原因が何なのか、花粉であればどの種類なのかがわかるため、適切な治療を行えるようになります。

花粉症皮膚炎であれば、抗アレルギー薬等を用いた薬物療法を行えますし、肌荒れの原因が花粉以外にあると判明すれば、その病気にあった治療を進められます。

つらい皮膚症状を速やかに改善するためにも、まずは病院を受診しましょう。

病院で行う治療方法

病院で行う花粉症皮膚炎の治療は、症状に合わせた薬物療法を中心に行います。

通常まずは、抗アレルギーや抗ヒスタミンの飲み薬を使用し、アレルギー誘発物質の働きを抑えることで、花粉症皮膚炎を始めとした花粉症の諸症状を抑えていきます。その上で保湿の塗り薬により肌の乾燥を改善してバリア機能の回復を促していきます。

もし、肌の炎症やかゆみが強い場合は、保湿だけでなくステロイド系の塗り薬により皮膚の状態を整えていきます。ただし、ステロイドの塗り薬は副作用もあるため、使用には注意が必要です。

また、皮膚症状とともに目や鼻の症状もあれば点眼薬や点鼻薬が処方されることもあります。

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くしゃみ・鼻水・鼻詰まりなど花粉症の代表的な症状はもちろん、皮膚が荒れてしまう花粉症皮膚炎も発症してしまうとつらいものです。肌に花粉を付着させないように工夫をすることで予防や症状の軽減が可能ですが、完全にシャットアウトするのは難しいものです。そのため、なるべく早く病院を受診して、お薬による治療を行うことをおすすめします。

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