夜勤のある仕事をしている方は不眠症の悩みを抱えやすい傾向にあります。
夜勤明けに眠ろうとしても日中は眠れない、昼夜逆転してしまう、など様々な悩みを抱えていることでしょう。夜勤など交代勤務による不眠は、「交代勤務睡眠障害」とも呼ばれています。
本記事では、夜勤のある仕事をしている方がなぜ不眠症を引き起こしやすいのか、そのメカニズムと対策を解説します。
また、急ぎ不眠症の治療を受けたい場合は「おうち病院 オンライン不眠症外来」をぜひご利用ください。
目次
なぜ夜勤が不眠症を引き起こしやすいのか?
夜勤のある仕事に従事している方は、なぜ不眠症を引き起こしやすいのでしょうか?
まずは人間の睡眠のメカニズムから見てみましょう。
睡眠と不眠症のメカニズム
睡眠は、以下の3つの要素によって成り立ち、脳と身体の休憩を保っています。
体内時計(概日リズム)
人間の体は約24時間の体内時計に従って、睡眠や活動が行われています。朝の光をあびるとリセットされ、夜になると眠くなる仕組みが働きます。
夜勤や時差ボケがあると、このリズムが狂い、眠れなくなります。
睡眠ホルモン(メラトニン)
メラトニンは、睡眠準備をするホルモンです。夜になると増えて、眠くなります。朝の光があると分泌は止まり、目が覚めます。
夜、スマホのブルーライトや蛍光灯をあびるとメラトニンが減り、寝つきが悪くなります。
睡眠圧
「睡眠圧」とは、睡眠を引き起こす駆動力のことです。
目が覚めると、アデノシンと呼ばれる神経伝達物質が脳に蓄積され始め、充分に蓄積されると眠くなります。
昼寝をしすぎると、夜に寝つきが悪くなるのは、睡眠圧が低下するためです。
カフェインはアデノシンの働きを邪魔するため、眠れなくなります。
夜勤と不眠症の関係性
夜勤のある仕事をしている方の場合、ずっと夜勤であれば完全に昼夜逆転するかもしれません。
シフト制で日勤と夜勤を両方経験する場合は、体内時計(概日リズム)がかなり乱れるので、自然な睡眠のリズムを崩してしまいます。
また夜勤終了後、帰宅時などに朝陽をあびてしまうことで、体内時計がリセットされ、疲れているのに寝付きが悪くなることがあります。特に日中は外の音がうるさい、落ち着ける環境がないなどの理由で仮眠出来ない場合も多いでしょう。
このようなことから、不眠症になりがちです。
夜勤明けでもぐっすり眠るための不眠対策
夜勤明け、体は疲れているはずなのに眠れないという悩みを持つ方は少なくありません。
ここでは、夜勤明けにぐっすり眠るための対策法をお伝えします。
光対策で体内時計を整える
体内時計(概日リズム)の司令塔は、視交叉上核(しこうさじょうかく)と呼ばれる、脳の視床下部に存在する神経核です。
眼から入った光が視神経を経て視交叉上核へ伝えられ、松果体に達します。松果体は、メラトニン(睡眠ホルモン)が生成される場所ですが、血中メラトニン量は夕方から夜にかけて増加し、日中は分泌が止まります。
つまり、朝陽が目に入ることで体内時計がリセットされ、メラトニンの分泌が抑えられます。
そのため、夜勤明けの帰宅時には、サングラスをかけるなどして、日の光を目に入れないことで、スムーズな仮眠に繋がるでしょう。
睡眠環境を整える
日中は、周囲の生活音などにより、暗くて静かな環境を求めるのは難しいかもしれませんが、できる工夫はしましょう。
例えば、寝室のカーテンを遮光カーテンにする、アイマスクを活用するなどが有効です。可能であればなるべく静かな部屋で休む、あるいは耳栓を活用するのも良いでしょう。
ただし、あまり寝すぎると夜に影響するため、寝すぎないことが大切です。日勤に切り替えなければいけない方は、仮眠は2~4時間くらいにとどめましょう。例えば、10:00から入眠したのであれば12~14時くらいには起きるのが理想です。
食事・カフェインの摂取を見直す
カフェインは、目を覚ましてくれるので、夜勤時についつい飲んでしまう方も多いでしょう。コーヒー・紅茶や滋養強壮ドリンク・眠気防止ドリンクの摂取には注意が必要です。
カフェインは、アデノシンの働きを邪魔するため、眠気覚ましに効果的とされています。逆を言えば、カフェインの過剰摂取によりアデノシンの蓄積が抑えられると寝付きが悪くなります。
目安としては、就寝する時間から逆算して、6時間前にはカフェインの摂取は控えることをおすすめします。
また、夜勤明けの食事は消化の良いものを選び、寝る直前の食事は避けます。消化活動が活発になると、深い眠りを妨げるためです。アルコールは眠りを浅くするため、できるだけ控えましょう。
仮眠を活用する
2交代制であれば、宿直といった形で2~3時間、多いところでは4時間、仮眠がとれるところもあるでしょう。しかし勤務中なので、緊張して眠れないという方も多いかもしれません。それでも仮眠時間がとれるのであればしっかり休みましょう。
3交代ですと、仮眠時間等はとれない場合がほとんどです。しかし可能であれば休憩時間中に15~20分の短時間でも仮眠を取ると、脳をリフレッシュできるのでおすすめです。
また、夜勤前に90分の仮眠を取ると良いでしょう。
それでも改善しなければ医師に相談を
前述した不眠対策を試してもなお改善しなければ、受診をおすすめします。睡眠に関する相談が出来る医師に相談して、適切な治療を行いましょう。おすすめの診療科目は下記に示します。
不眠症の可能性がある時の受診する目安としては、症状が週3日以上、3ヶ月以上続いている場合や、いちじるしく日常生活に支障をきたし日中の活動に影響している場合です。
また、先述した不眠対応策を2週間以上行なっても改善されない場合は、日常生活の改善では解決できない可能性が高いです。ただちに受診しましょう。
夜勤による不眠症予防のため、職場環境も注意しよう
可能であれば職場環境を見直しましょう。
もし改善すべき事柄があるならば、あなた一人では解決できないかもしれません。しかしスタッフ同士で協力し合い、上司に掛け合う事は可能かもしれません。また、あなたがシフトを組むような立場であれば、全スタッフの健康を考えたシフトを組むことが求められます。
身体に負担のかかるシフトの組み方は、あなたや他のスタッフの健康を損なうだけでなく、仕事の効率も下がり、職場にとっても良くないことです。
理想とする働き方は、2交代であれば仮眠や休憩時間の確保を、3交代であれば日勤→準夜勤→深夜勤→明け日→休日のシフトです。この働き方が最も体に負担が少なく、体内時計(概日リズム)の調整がしやすいとされています。
どうしても職場での改善が難しい時や自分の身体に限界を感じた時は、転職もやむをえないでしょう。
参照元:交代勤務睡眠障害 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
夜勤による不眠症の医療的アプローチ
夜勤による不眠症の主な治療法は、どのようなものがあるのか、確認してみましょう。
薬物療法
薬を用いた治療は、体内時計を改善する治療法と一時的な不眠の改善の2種類のアプローチがあります。
1.体内時計(概日リズム)を調整する|メラトニン製剤
メラトニンは自然な眠気を高めるホルモンで寝つきを良くする効果があります。
海外では「メラトニン補充療法」がありますが、日本では海外輸入薬品による自費診療が多く、一般的ではありません。
日本では、処方薬としてロゼレム(メラトニン受容体作動薬)が利用可能です。
2.一時的な不眠の改善|睡眠導入剤
眠れない時間が長く続く場合、短時間作用型の睡眠薬(マイスリー、ルネスタなど)が有効です。
ただし、長期間の使用は依存のリスクがあるため、医師と相談の上、慎重に使用することが大切です。
漢方療法
漢方療法は、自然な形で睡眠の質の改善を目指します。効果が期待できる漢方薬は以下の通りです。
鬱肝散(よくかんさん)
ストレスによる不眠やイライラに働きかけます。気がたかぶってしまう方、感情の起伏が激しい方、目がさえて寝つけない方に適しています。
加味帰脾湯(かみきひとう)
貧血・倦怠感・食欲不振・胃腸の不調などに働きかける事で、気持ちを落ち着かせ、精神症状が和らぐ作用があるとされています。交感神経が過敏で、寝つきが悪い方に適しています。
酸棗仁湯(さんそうにんとう)
心身が疲れている、精神不安、不眠症、神経症などの症状改善へ働きかけます。中途覚醒や浅い眠りに悩む方におすすめです。
夜勤による不眠症の治療ができる病院
夜勤による不眠症治療は、睡眠専門外来がおすすめです。
イライラ・不安・気分の落ち込み・感情の高ぶりなど、心の状態に原因があると感じる場合は、心療内科・精神科に相談しても良いでしょう。
診療科が不明な時は、内科でも可能です。自然な形に近い治療として漢方薬がお好みの方は漢方外来も可能です。しかし、睡眠のプロに受診するのが一番おすすめですので、睡眠外来・不眠症外来などが良いでしょう。
また、多忙でなかなか受診できない方は、オンラインの利用も検討しましょう。心療内科・精神科・内科のオンライン外来か、オンライン専用クリニックの睡眠外来・不眠症外来で、受診可能です。
夜勤が原因と思われる不眠症に悩んだら、「おうち病院 オンライン不眠症外来」
不眠症の治療相談とお薬の処方なら「おうち病院 オンライン不眠症外来」がおすすめです。
特に夜勤が原因と明確にわかっている場合は、体内時計(概日リズム)の調整が大前提となります。あなたにあった適切な薬の処方とともに、経過観察を行なっていく場合、通院は面倒です。夜勤を含む交代勤務で忙しいあなたが、時間を作って通院するのは負担が重いでしょう。
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夜勤に不眠症はつきものとあきらめないで。きちんとケアしても改善しない場合は受診しよう
私たちの体には、体内時計(概日リズム)が刻まれており、睡眠と活動を調整しています。また、睡眠ホルモン(メラトニン)の分泌とアデノシンという神経伝達物質の働きが大きく影響しています。
それらは、朝陽をあびる事や規則正しい生活リズム、日中の活発な活動等で形成されますが、夜勤を含む交代勤務の方は不規則になってしまうため、体への負担が大きくなります。
そのため、夜勤と不眠症は密接な関係にありますが、あきらめずしっかり対策しましょう。
それでも改善しない場合は、医療的アプローチも必要です。
多忙でなかなか受診が難しい方や人に知られたくない方は、オンラインを活用するのがおすすめです。「おうち病院 オンライン不眠症外来」へ、お気軽にご相談ください。