ちまたで噂の糖質制限ダイエット。
糖質を抑える事は本当にダイエットに効果があるのか、身体に悪くないのか、気になるところかと思います。
実は様々な情報が飛び交っており、間違った糖質制限をして健康被害を引き起こすケースもあります。
本記事では、糖質について深掘りし、無理なく痩せるための賢い糖質ダイエット方法についてお伝えします。

目次
糖質とダイエットの密接な関係
糖質は、炭水化物の一部であり、私たちの体の主要なエネルギー源です。
ご飯、パン、麺類、イモ類、果物、砂糖など、さまざまな食品に含まれています。
糖質の働き
糖質は体内でエネルギーに変わります。
食事から摂取された糖質は、消化管でブドウ糖に分解され、血液中に吸収されます。このブドウ糖の濃度を血糖値と言います。食事によって血糖値が上昇すると、膵臓から「インスリン」というホルモンが分泌されます。
インスリンは、ブドウ糖を細胞に取り込ませ、エネルギーとして利用したり、グリコーゲンとして肝臓や筋肉に貯蔵したりする働きがあります。
しかし、エネルギーとして使いきれなかったブドウ糖は、最終的に脂肪として蓄えられてしまいます。
つまり、糖質そのものは悪ではなく、エネルギー源となるため必須栄養素ですが、過剰の摂取は脂肪をためる可能性があるということです。
また、血糖値の乱高下を招く食べ物は食欲を増進させさらに甘いものを欲し体に良くないといった指摘もあります。
糖質制限ダイエットで期待できる効果
糖質を適切に摂取することで健康な身体を目指すのが糖質制限ダイエットです。別名「低炭水化物ダイエット」とも言います。
日本人の一般的な食生活では、特に外食やコンビニ食が多い場合、糖質の過剰摂取に陥りがちです。意識して糖質を取りすぎないようにすること、栄養バランスの良い食事をとることが重要です。
糖質制限ダイエットで期待できる効果は以下の通りです。
体重減少効果
糖質摂取量を減らすことで、インスリンの分泌が抑えられ、体脂肪の分解が促進されやすくなります。
また、糖質の代わりにタンパク質や脂質を適切に摂取することで、満腹感が持続し、結果的に総摂取カロリーを抑えやすくなります。
血糖コントロールの改善
血糖値の急激な上昇と降下を抑え、安定させる効果が期待できます。
脂質代謝の改善
一部の研究では、適切な糖質制限が中性脂肪の減少やHDL(善玉)コレステロールの増加に寄与すると報告されています。
参照元:糖・脂質代謝疾患予防・改善のための食事療法のエビデンス|東京大学
糖質制限ダイエットの種類とやり方
糖質制限ダイエットと言っても糖質をいっさい断ち切るわけではなく、健康を害さない程度に糖質を摂取します。そのやり方は、大きく分けて3種類あります。
無理せず行うには、「ゆる糖質制限(ロカボ)」がおすすめです。極端な制限は、エネルギー不足に陥る可能性があります。
一般的な糖質制限ダイエット
1日の糖質摂取量を20g〜70g程度に制限する方法です。主食(ご飯、パン、麺類)を大幅に減らすか、完全に抜くケースが多いです。
例えば、1日のうち朝と夜は主食なし、昼にごはん茶碗1/2程度などです。その分、肉、魚、卵、大豆製品などのタンパク質や、野菜、きのこ、海藻類、良質な脂質を積極的に摂取します。
比較的早く体重減少の効果を感じやすいとされていますが、通常の食事に戻すとリバウンドする可能性があります。
向いている方
- ある程度の効果を早く実感したい方
- 食事内容をしっかりと管理できる方
- 医師や管理栄養士の指導を受けられる環境にある方
ゆるやかな糖質制限ダイエット
1日の糖質摂取量を70g〜130g程度に抑える方法です。
1食あたり20~40g×3食、プラス間食で10g程度が目安です。
ごはん茶碗1杯(炊いた白米)で、糖質含有量は36.8gですので、ごはん茶碗軽く1/2~1杯分は食べられます。間食やおかずで糖質含有量が高めの場合は、ごはんを減らすなどトータルで調整します。
極端な制限ではないため、比較的ストレスなく続けやすいのが特徴です。
主食の量や種類(白米を玄米にする、パン食をやめる、和食中心にするなど)を見直したり、お菓子やジュースを控えたりといった形で実践します。適度な糖質を摂るため、体調不良を起こしにくいとされています。
これらは、短期的なダイエットというよりは、長期的に食べ方を変えるといったスタンスの場合が多いです。
糖質のg目安は下記の一覧表が便利です。
向いている方
- 初めて糖質制限に挑戦する方
- 無理なく長く続けたい方
- 健康的な食生活を意識したい方
- 糖尿病予備群など、血糖コントロールを意識したい方
スーパー糖質制限ダイエット
ケトジェニックダイエット(厳格な糖質制限)とも言う、ストイックな糖質制限ダイエットです。
1日の糖質摂取量を20g〜50g以下(極端な場合は20g以下)に厳しく制限する方法でうす。これは、主食(炭水化物系のもの)を全くとらないといったものが主流です。
糖質を極限まで減らすことで、体を「ケトーシス」と呼ばれる状態に誘導します。この状態では、体はブドウ糖の代わりに脂肪を分解して生成される「ケトン体」を主なエネルギー源として利用します。
脂肪燃焼が非常に効率的に行われるため、短期間で大きな体重減少効果が期待できるとされ、短期集中で糖質制限を行う場合が多いです。
ただし、これは極端な糖質制限でもあり、期間終了後に急激に通常食に戻すとリバウンドを起こす可能性があります。
また、糖質不足による健康被害も懸念されるため、専門知識のない方が自己流で行ってはいけません。また、実践中に体調の異変が起きた場合はただちに中止するべきです。
向いている方
- 短期間で集中的に体重を減らしたい方
- 自己管理能力が高い方
- 専門家の指導を継続的に受けられる方
- 医師の許可がある人(特に持病がある場合)
極端な糖質制限ダイエットが危険な理由
前述したスーパー糖質制限ダイエットのような極端な糖質制限は危険を伴うため、おすすめできません。
どのような危険があり、なぜおすすめできないのかは以下の通りです。
栄養バランスの偏り
糖質を極端に制限しすぎると、必要なビタミン、ミネラル、食物繊維が不足しやすくなります。これらは体の機能を正常に保つために不可欠な栄養素です。
体調不良のリスク
糖質は脳の主要なエネルギー源です。極端な糖質制限は、集中力や思考力の低下、倦怠感、頭痛、めまいなどの症状を引き起こす可能性があります。
筋肉量の減少
糖質が不足すると、体はエネルギー源として筋肉を分解してしまうことがあります。筋肉量が減ると基礎代謝が低下し、かえって痩せにくい体質になる可能性があります。
リバウンドのリスク
極端な食事制限は長続きしにくく、反動で過食に走り、リバウンドしてしまう可能性が高いです。
腎臓への負担
糖質を極端に制限し、その分、タンパク質を過剰に摂取すると、腎臓に負担をかける可能性があります。
これらを回避するため、糖質制限ダイエットをする場合は、専門家の指導のもと行うことを推奨します。

無理なく痩せる、賢い糖質ダイエットのポイント
無理なく痩せるには緩やかな糖質制限をおすすめします。賢い糖質制限ダイエットのポイントやおすすめの食べ物をまとめましたので、参考にしてください。
主食の糖質を未精製穀類に変える
糖質を多く含むかどうかも大切ですが、血糖値の上昇と降下がゆるやかで比較的安定する食べものを選ぶのも重要なポイントです。
食事をした後の血糖値の上昇度を数値化したものをGI値と呼びますが、GI値が低いもの、つまりゆっくり上昇するのもが健康によく、GI値が高いもの(血糖値を急上昇させる食べ物)ほど生活習慣病や肥満のリスクが高まるとされています。
GI値が低いものを選ぶには、未精製穀類を選ぶのがポイントです。
白米を玄米や雑穀米に、食パンを全粒粉パンに、うどんを蕎麦に変えると、食物繊維や他の栄養素もたっぷり摂れておすすめです。
間食や甘いものを見直す
砂糖タップリジュースや小麦粉系お菓子はやめましょう。
間食は控えるのが一番ですが、我慢しすぎて後でドカ食い等を引き起こしては元も子もないので、間食をするさいは食べるものを工夫します。ナッツ類や果物、ヨーグルトやチーズがおすすめです。
果物は果糖がありますが、ビタミンも取れて栄養たっぷりなので、多量でなければ体に良いです。無糖ヨーグルトに果物をトッピングするなどが理想的です。
勘違いしがちなのが、野菜ジュースです。野菜が苦手な方など、野菜がたっぷりとれて良いのでは、と考えがちですが、栄養よりも糖質過多になってしまうので、おすすめできません。
野菜を先に食べる「ベジタブルファースト」
食事の順番が、実は血糖値に非常に影響します。
野菜やキノコ、海藻類など食物繊維が豊富なものを最初に食べるようにしましょう。そうすることで、その後の糖質の吸収を緩やかにし、血糖値の急上昇を抑えることができます。
次にタンパク質(肉、魚、卵、豆腐など)、最後に主食の炭水化物、という順番がおすすめです。
満腹中枢が働くまでには、食事開始から少し時間がかかるため、早食いは食べすぎの元になります。
上記の食べ方と、よく噛んでゆっくり味わう事で、ほどよく満足感を得られて食べすぎを抑えます。
タンパク質をしっかり摂る
肉、魚、卵、大豆製品などのタンパク質は、満腹感を持続させ、筋肉の維持にも役立ちます。この時注意すべきは調理方法や肉の部位です。脂質の取りすぎにならないよう注意しましょう。
外食やコンビニ食が多い方は、特に丼物や麺類、おにぎりなどをチョイスしてタンパク質が不足しがちです。
タンパク質は筋肉の元になるため、しっかり摂りましょう。特にダイエット中は筋肉が減少してしまう危険性があります。そのリスクを低減するためにも、少し運動を取り入れてタンパク質をしっかり摂るといった事が大切です。
糖質制限ダイエットをおすすめできない方、注意が必要な方
糖質制限ダイエットは、誰でも向いているわけではありません。糖質コントロールに関わってくるため、不向きの方がいます。
糖質制限ダイエットをおすすめできない方、注意が必要な方は以下の通りです。
- 糖尿病で特定の薬を服用している方。特にインスリン注射など、血糖値を下げる作用の強い薬を服用している方
- 腎臓や肝臓に疾患のある方(腎臓や肝臓に負担をかける可能性があります)
- 妊娠中または授乳中の女性(母体と胎児・乳児の健やかな成長のために、バランスの取れた充分な栄養摂取が不可欠です)
- 成長期、思春期のお子さん(活発な成長と発達のために充分なエネルギーと多様な栄養素を必要とします)
- 膵臓に疾患がある方(膵臓はインスリンを分泌する重要な臓器であり、糖質代謝に深く関わるため、糖質制限が病態に影響を与える可能性があります)
- 低血糖の恐れのある方(糖質制限によって、低血糖になる可能性があります)
- 高強度の運動を行うアスリートや、肉体労働など活動量が多い方(エネルギー源として糖質が非常に重要で、極端な糖質制限はパフォーマンスの低下や疲労の蓄積につながる可能性があるため、適切な糖質摂取が必要です)
医療の力を借りて痩せるメディカルダイエットという新たな選択肢
ダイエットには医療的なアプローチという選択肢もあります。
医師の指導のもと、生活習慣改善や食事療法・運動等に取り組んでもらうほか、薬物治療を行う場合があります。
ここからは、メディカルダイエットで用いられる処方薬について、解説します。
肥満症治療には、以下の薬があります。
セマグルチド (商品名ウゴービ)
GLP-1受容体作動薬で、食欲を抑制し、満腹感を持続させる効果があります。自分で皮下注射できる薬です。肥満症治療薬として初めて日本で承認された薬です。肥満症と診断された場合に保険適用となります。
マジンドール (商品名サノレックス)
SGLT2阻害薬で、腎臓での糖の再吸収を阻害し血糖値を下げる薬です。糖尿病の薬ですが、肥満症を合併する2型糖尿病患者さんに多く用いられます。ただし、肥満症の単独治療としては保険適用されません。
漢方薬
防風通聖散、防已黄耆湯、大柴胡湯などが用いられます。漢方薬は、体質により合う合わないがあるので、希望する場合は通販等で手に入れるのではなく、必ず医師に処方してもらいましょう。
ダイエット目的の場合や、肥満症と診断されなかった場合、保険適用となりませんが、自由診療を取り扱っているクリニックもあります。
メディカルダイエットはどこでできる?
メディカルダイエットは、生活習慣病外来・肥満症外来やダイエット外来等で行えます。
しかし、自由診療となる場合も多く、保険適用になるかどうか、肥満症の診断にはひとまず基本は内科に受診すると良いでしょう。
肥満症治療には、生活習慣と食生活の改善が大前提なので、そのような指導を行う医療機関もあるでしょう。
また、オンラインクリニックの肥満外来やダイエット外来も最近では増えており、利用可能です。
ウゴービ等の処方もオンライン診療で処方可能、自宅へ配送してもらうか近所の薬局薬店で受け取れます。
肥満やダイエットで悩んでいるけど恥ずかしくて通院できない方も、多忙で通院する時間がとれないという方も、オンラインなら気軽に受診できます。
肥満症薬の処方なら「おうち病院Privateシリーズ きちんと向き合う肥満症改善外来」
肥満や過体重は、高血圧・糖尿病・脂質異常症など、さまざまな生活習慣病のリスク因子となります。運動や食事に気を配っているつもりでも、加齢やホルモンバランスの変化、ストレスなどの影響で、思うように体重が落ちないと感じている方も多いのではないでしょうか。
そのような方には、医師の継続的な診察とサポートを受けながら、医療的介入(薬物治療)と生活習慣の見直しを組み合わせた治療が推奨されます。
「他サービスのように、お薬の処方だけで終わりでは不安…」そんな声に応えるのが、「おうち病院Privateシリーズ きちんと向き合う肥満症改善外来」です。
「おうち病院 きちんと向き合う肥満症改善外来」なら、
✅ 1回30分の診察時間を確保:患者様の背景や課題を丁寧にヒアリングし、きめ細かい治療方針を提案
✅ リバウンド防止にも対応:体重減少後も、生活習慣改善の継続支援あり
✅ 平日・土日祝すべて対応:朝8時〜夜22時まで診察可能
✅ 診察後、薬はご自宅に配送:通院不要で治療継続がしやすい
✅ 予約時間ぴったりに診察開始:出社前、会議の合間、就寝前など、スキマ時間で受診可能
「きっちり向き合う肥満症改善外来」では、自宅にいながら専門医の診察を受け、必要なお薬は自宅へ配送されます。忙しい方でも、医療の力を味方につけて無理なく継続できる環境を整えています。
なお、初回受診時には医師が正確に状態を把握するため、「健康診断書」または「体重計測結果の画像」のご提出が必要です。ご予約の前にご用意いただくようお願いいたします。
本気で体重改善に取り組みたい方、自己流のダイエットに限界を感じている方は、
ぜひ「おうち病院 きっちり向き合う肥満症改善外来」での診察をご検討ください。

ゆるい糖質制限で無理のないダイエット生活を。自己流に限界を感じたら医師へ相談するのも手
糖質制限ダイエットは、偏った栄養になってしまう危険性をはらんでいるので、ゆるい糖質制限で、無理のないダイエットを行いましょう。
ゆるい糖質制限ではなくストイックに行いたい場合は、専門家の指導のもと行うことが推奨されます。自己流で行うのは健康被害リスクを伴います。
ダイエットに関する相談は、実は医療機関でも可能です。人によっては、保険適用となる可能性もあります。
ダイエットをしてきたけど効果を感じないなど、自己流ダイエットに限界を感じたら、一度相談してみてはいかがでしょうか。
オンライン診療で、まずは相談してみてはいかがでしょうか。