「なんとなく調子が悪い」「病気というわけではないけど、なんだか元気が出なくて……」
そんな時はありませんか?それは、栄養不足が原因かもしれません。
昨今注目されている、分子栄養学にもとづいた栄養療法と、あなたが今不足している、または積極的に取り入れたい栄養素がわかる血液検査について、解説いたします。
分子栄養学とは、栄養学の一分野ですが、食品や栄養素が体の分子レベルでどのように作用するか研究する学問です。
「成人女性(男性)は1日にこれくらい〇〇の摂取量が必要です。バランスよく食事しましょう」というのが一般の栄養学。
分子栄養学は、さらに深掘りし、食品や栄養素が体の分子レベルでどのように作用するかを研究しています。
栄養素が身体の細胞や組織に与える影響や、代謝経路、遺伝子発現などの生化学的メカニズムを理解することが主な目的とされます。
研究成果にもとづいて、栄養指導や疾患予防、治療法の開発など、健康に関するさまざまな分野に応用されます。
私たちの体は、食事から栄養を吸収しています。しかしある栄養素を取りすぎると過剰摂取によるトラブルが起き、不足すると欠乏症になるなど、なんらかの不調を引き起こします。
そのような体の不調に対して、分子栄養学に基づいた適切な食事とサプリメントで必要な栄養補給を行い、体調の改善を目指す治療法を「栄養療法」と呼びます。
体を構成するのは約60兆個の細胞。必要な栄養素を補う事で働きを向上させ、人間が持つ自然治癒力を引き出します。
海外では、オーソモレキュラー療法と呼ばれ、近年注目されています。
頭痛、めまい、肩こりなどの症状の軽減から、高脂血症(脂質代謝異常)、糖尿病、うつ病、統合失調症、パニック障害、発達障害など、様々な症状に対し働きかけます。
また、女性特有の健康に関する悩みについても、栄養素の補給や生活習慣・食生活の見直しを通して最適な状態を目指します。ホルモンバランスの調整へアプローチし、健やかな生活へとサポートしてくれます。
目次
通常の血液検査と分子栄養学に基づく血液検査の違い
分子栄養学にもとづいた栄養療法を受けるには、まずは血液検査で詳しく調べる必要があります。
通常の健康診断等による血液検査と、分子栄養学に基づく血液検査(血液解析)は、検査する項目や基準値に違いがあります。違いを詳しく見ていきましょう。
通常の血液検査
健康診断や人間ドック等でよくある一般的な血液検査は、明確な数値基準に基づき糖尿病や高血圧等の病気を発見します。
大幅に基準値を越えなければ、病気と判定されないので健康診断では発見されなかったけどなんとなく不調、といったケースはよくあります。
スギ花粉症や食物アレルギー等も通常の血液検査では判定できません。
分子栄養学に基づく血液検査(血液解析)
栄養素の過不足は、血液検査データから読み取ることができます。そのデータに基づき必要な栄養素と量を解析します。
分子栄養学に基づく血液検査(血液解析)では、下記のようなことがわかります。
・鉄分は不足していないか。貧血気味ではないか
・ビタミンB群は不足していないか
・たんぱく質は充分たりているか
・血糖コントロールは正常か
・酸化ストレスの状況はどうか
・交換神経は緊張状態か
・筋肉量は正常か
・胃酸の分泌量に問題はないか
・亜鉛、銅、カルシウム、マグネシウムは適切な量か
西洋医療(対症療法)と栄養療法の違い
分子栄養学に基づく血液検査(血液解析)の結果を基に、個人個人に必要な栄養素と量を分析して、食事とサプリメントからの摂取で体にアプローチしていく栄養療法。
ここでは、西洋医療と栄養療法のアプローチの違いを解説します。
目的 | タイミング | 方法 | |
西洋療法 | 病気の治療 | 症状の発生後 | 薬の処方 |
栄養療法 | 治療と予防 | 常時 | 食事指導とサプリメント |
西洋医療(対処療法)
西洋療法は、対処療法とも呼ばれ、病気にかかった時に、その症状に対して治療する処置や薬のことです。
病気が表れてから対応するので、気が付いた時はかなり病気が進行している場合もあります。人によっては、自覚症状があまりない、あっても我慢していた等の理由で発見が遅れるためです。
抗がん剤投与など、激しくつらい副作用を伴うものも存在します。外科的治療(手術等)もなども含みます。
このような対処療法では、「健康診断は引っかかっていないけどなんとなく不調」という状況では処置ができません。
栄養療法
栄養療法はわかりやすくまとめますと以下のような流れで行われます。
1.不足している栄養素を血液解析の結果にもとづき見極める
2.なぜ不足したのか分子レベルや遺伝・生活習慣等を含めた根本原因を探る
3.根本原因を改善し栄養素の不足を改善させる
前述した血液解析により、その方が必要とする栄養素を取り入れるのが栄養療法です。
一人一人違う遺伝子・代謝経路・細胞機能などを考慮し、栄養素の摂取や食事パターンを最適化します。それにより細胞レベルへ働きかけ、健康な体づくりをサポートします。
栄養素の摂取は、食事指導とサプリメントの併用で行うのが主流となっています。
栄養療法は、自らの細胞再生をサポートします。そのため、体の中から体質改善、未病対策、病気予防に有効とされており、健康対策・病気予防の意識が高い方に非常に向いていると言えます。
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栄養療法は、様々なクリニックで受診可能です。
皮膚科・内科・脳神経外科・精神科・心療内科・婦人科などで取り扱っています。しかし、栄養療法を導入していないクリニックもあるので、事前に確認する必要があります。
仕事や育児・家事で多忙、もしくは近所に取り扱っているクリニックがない等の理由で通院が難しい方、煩わしいと感じる方は、ご自宅で気軽にドクターに相談できるおうち病院がおすすめです。
血液解析のみ対応するクリニックに行っていただき、検査結果があればあとはオンラインですべて解決します。
まとめ
これを読むあなたは、なんとなく体調がすぐれないのに原因がわからなくて、悩んでいるかもしれません。
健康診断では問題ないけど、なにかしら抱えていてどうにかしたいと思っているかもしれません。
そんな方には、分子栄養学にもとづいた栄養療法がおすすめです。
また、現在はクリニックに行くほどでもないけど、生活習慣や食生活を改善して健康的な体作り、病気予防をしていきたい方にもおすすめです。
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