なぜ太ると腰痛になる?肥満体型から脱却し腰痛を改善

「腰痛の原因は姿勢?」
「仕事で長時間腰に負担のかかる姿勢をしていた?」
「最近太り気味だからそのせいだろうか?」

など、肥満ぎみになってから腰痛がひどくなったとお悩みの方は多いのではないでしょうか。

実は、肥満は思った以上に腰痛と関連性があり、放置すると危険なサインです。

本記事では、肥満と腰痛の関連性とリスクを解説します。合わせて、腰痛を改善する方法をお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。

この記事でわかること

  • 肥満は過剰な体重と内臓脂肪が原因で、腰に機械的負担と慢性的な炎症を引き起こす
  • 肥満による腰痛を放置すると、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症など手術が必要な重篤な疾患へ悪化するリスクが高まる
  • 腰痛改善のためには肥満解消が最優先で、食事・運動の改善と、医師による専門的な治療が有効
  • 多忙で通院が難しい方は、オンライン診療サービスを利用して専門医のサポートを受けられる

肥満が腰痛を悪化させるメカニズム

肥満の方が腰痛に悩むケースは非常に多いです。また、肥満体型になると腰痛リスクは高まります。

なぜ肥満と腰痛は密接に関連しているのでしょうか。その理由や体の仕組みを確認してみましょう。

過剰な重さによる機械的負担

肥満の方の腰痛で最も大きな要因は、増加した体重が腰椎(背骨の腰の部分)や椎間板、周囲の筋肉にかける過剰な負担です。

体重が増えることで、背骨のクッションの役割を果たす椎間板が常に強い圧力を受け続けているためです。これにより、椎間板の損傷を引き起こしてクッション機能が低下(変性)し、進行するとヘルニアのリスクが高まります。

また、腹部に脂肪が多くつくと、重心が前方に移動しやすくなるため、このバランスを保とうとして、無意識のうちに反り腰の姿勢になりがちです。反り腰は、腰の筋肉や関節に常に緊張と負担をかけ、腰痛を引き起こす原因となります。

腰椎の椎間関節にも過度な負荷がかかり、関節の炎症や変形(変形性脊椎症など)を進行させます。

脂肪細胞が引き起こす炎症の影響

最近の研究では、脂肪組織(特に内臓脂肪)が単にエネルギーを蓄えるだけでなく、アディポカインという生理活性物質を分泌していることが分かっています。

アディポカインは、動脈硬化を促進する「悪玉」と、予防する「善玉」に分けられ、血糖値や食欲、代謝などを調節する働きを持っています。

肥満では、このアディポカインの悪玉と善玉のバランスが崩れます。

特に内臓脂肪が増えると、脂肪細胞が肥大化し、善玉アディポカインの分泌量が減少し、悪玉アディポカインの分泌が増加します。これにより、インスリンの効果が効きにくくなり、メタボリックシンドロームや動脈硬化のリスクを高めます。

これは、全身に微弱な慢性炎症が起こっている状態になります。この慢性炎症が、腰椎周囲の組織や神経に対しても悪影響を及ぼし、痛みの発生や症状の悪化に関わっていると考えられています。

肥満が引き起こす腰痛を見逃すと手術の可能性も

腰痛は段階的に悪化していきます。

進行した場合の危険リスク、手術にまで及んでしまいそうな病気について解説していきます。具体的な症状もまとめましたので、ご自身の症状と照らしわせて参考にしてみてください。

どんな症状?肥満がもたらす腰痛の危険度チェック

腰痛には、軽いものから重症度の高いものまであります。肥満状態が続くと、腰痛は単なる不快な痛みから日常生活を脅かす重篤な症状へと進行する危険性が高まります。

主な症状と可能性のある病気は以下の通りです。危険度はレベル1から3で評価し、最も危険なレベルを3とします。

危険度リスク詳細症状
レベル1活動性の低下腰痛のために運動を避けるようになり、その結果としてさらに体重が増加し、腰痛も悪化するという負の悪循環に陥る危険・腰に軽い違和感や重だるさ、疲労感を覚える・長時間同じ姿勢の時や、急に立ち上がった時等の痛み
レベル2慢性腰痛への移行レベル1が進行して、鎮痛剤が手放せなくなり、病気への進行のリスクが高まる・常に痛みを抱える状態・急性的なぎっくり腰(激しい痛みや動けないほどの痛み)が頻繁に起こり、治りにくくなる。
レベル3手術レベルの疾患へ悪化脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニア等へと悪化するリスクが増加。過剰な圧迫と変性により、神経の通り道(脊柱管)が狭くなったり、椎間板が飛び出したりする(ヘルニア)の危険性が増します。・足の痛みやしびれを伴う重度の症状・感覚麻痺・筋力低下・神経症状(排尿・排便障害など)

また、腰痛が悪化して手術が必要になった場合でも、肥満状態が続いていると術後の回復が遅れたり、回復しても再発するリスクが高くなったりすることが指摘されています。

腰痛治療のためにも肥満解消が最優先

山形大学医学部の論文によれば、BMI※が4年間で5%増加すると、腰痛の発症リスクが11%高いことが分かりました。また、BMIが4年間で10%ずつ減少すると、腰痛の発症リスクが18%低いことも分かりました。

BMI=体重(kg) ÷ 身長(m) ÷ 身長(m)  

(※肥満度を判定するための国際的な体格指数)

腰痛を改善するためにも、肥満の解消に本気で向き合うことが大切です。そのためにやるべきことと、おすすめ治療法を解説します。

参照元:山形大学医学部論文

肥満解消を目標にした食事と生活改善

まずは、腰痛の原因となっている肥満解消のために、食事改善・生活習慣改善から始めましょう。

「何から始めたらよいか、わからない」という方や「特に太る食生活はしていないのに…」という方は、食事記録がお勧めです。食事をした時間や食事内容を記録することで、課題や改善点を可視化できます。

例えば、無意識に仕事の合間に口に放り込んでいた間食や、夜糖質やお酒が多かったなど、課題点が見えてきます。

大切なことは、以下の通りです。

  • 極端な食事制限ではなく、栄養バランスの良い食事を心掛ける(丼物より一汁三菜など)
  • 野菜やきのこ類・海藻類などビタミン・ミネラル・食物繊維をたっぷりとり、魚や赤身肉、卵、大豆製品などの良質なタンパク質を摂取
  • 糖質・脂質・塩分の取りすぎに注意
  • 食事時間はなるべく規則的に、夕食は寝る3時間前には済ませる
  • 腹八分目を心掛ける
  • 間食や夜食は控える

運動は取り入れたいところですが、すでに腰痛や関節痛でお悩みの場合は、無理せずウオーキングから始めましょう。通勤のさいに一駅分余計に歩く、などのちょっとした工夫でも良いでしょう。

散歩程度でも1日30分を毎日とか、1時間を週に3回などでも運動不足を解消できれば1歩前進です。

参照元:肥満・メタボリックシンドローム予防の食事|健康日本21アクション支援システム

医師と二人三脚で肥満解消に取り組む(生活改善+薬物療法)

前述の食事や生活改善と運動を取り入れる行動は、1人では正しい方法がわからず、腰痛を悪化させてしまう不安もありますよね。せっかくやるのであれば、正しい努力をしたいところです。

そこで、医療の介入です。医師と二人三脚で取り組む肥満治療をおすすめします。

医師の管理のもと、個々の症状に合った治療計画を立てて、サポートしてくれます。

病院によっても異なりますが、医師とともにそれぞれの専門家がサポートしてくれる場合もあります。例えば、食事改善は管理栄養士が指導して、運動は理学療法士か健康運動指導士が指導してくれるなど、心強いサポートがあります。

また、食事や生活改善と運動を取り入れることが大前提ですが、半年ほど実践してみて効果を実感できない場合、肥満治療薬を取り入れます。食欲抑制や血糖値の安定に作用する薬を用いて、治療を行います。

医師による定期的な体調確認

医療機関には定期的に通院しましょう。

医師の定期的な診察による体調管理を行います。肥満解消へと効果は出ているか、腰痛は改善されているか、合併症はないか、などを確認していきます。

腰痛が改善されない場合には、整骨院や整形外科の受診も視野にいれます。

肥満治療では、肥満に伴う合併症のリスクを低減するため、定期的な受診が推奨されています。

頻度は、症状などで個人差はありますが、初めのうちは2週間に1回程度、症状が安定してきたら1ヵ月に1回程度と徐々に感覚を開けていきます。

特に薬物療法を取り入れた場合は、用量の調節や薬が合っているかなどの確認も含めて、定期的に受診しましょう。

肥満治療は保険適用の可能性も

肥満治療は、保険適用となる可能性もあります。

たんなるダイエットではなく、肥満解消のための治療、というくくりです。

保険適用となる条件は以下の通りです。

  • BMIが25以上で肥満に関連する11の健康障害のうち1つ以上有する患者
  • 健康障害を起こしやすい内臓脂肪蓄積がある場合(腹囲が男性で85cm以上、女性で90cm以上のいわゆるメタボリックシンドロームの判断基準)

該当した場合、「肥満症」と診断されます。また、BMIが35以上では、「高度肥満症」と診断されます。

該当しない方でも、自由診療で治療が可能な場合もあります。

肥満に関連する11の健康障害(合併症)は以下の通りです。

  1. 耐糖能障害(2型糖尿病・耐糖能異常など)
  2. 脂質異常症
  3. 高血圧
  4. 高尿酸血症・痛風
  5. 冠動脈疾患
  6. 脳梗塞・一過性脳虚血発作
  7. 非アルコール性脂肪性肝疾患
  8. 月経異常・女性不妊
  9. 閉塞性睡眠時無呼吸症候群・肥満低換気症候群
  10. 運動器疾患(変形性関節症:膝関節・股関節・手指関節、変形性脊椎症)
  11. 肥満関連腎臓病

参照元:肥満と肥満症について:日本肥満学会/JASSO

肥満治療と腰痛改善を相談できる病院

腰痛は、整骨院や鍼灸、整体、マッサージ等に行って一時的に解消する場合もありますが、根本的には何も解決していません。

肥満体型で腰痛改善をしたい場合何科に行けばよいのか、確認しておきましょう。

専門医のいる内科(生活習慣病外来・肥満症外来など)

肥満が原因の可能性があれば、肥満専門の医療機関の受診をすすめます。

専門医がいるのは、肥満症外来・生活習慣病外来です。肥満外来・ダイエット外来などの場合もあります。

またはかかりつけ内科医でもまずは相談してみてください。専門的なサポートが必要なら紹介される可能性があります。

緊急で腰痛を改善したい、痛みがひどくて動けないなどの場合は、すでに腰痛が進行していて緊急性の高い治療が必要かもしれません。その場合は、整形外科を受診しましょう。

腰痛がつらくて通院できない方はオンラインクリニックの肥満症外来がおすすめ 

多忙な方や腰痛がつらくて動けないなど、通院が難しい場合は、オンラインクリニック肥満症外来がおすすめです。

慢性腰痛の場合、シップを貼ったりマッサージ等に通ったりしてごまかしながら、通院するほどではない、と後回しにしてしまう方もいます。

多忙で働き盛りの場合、それも仕方ないでしょう。しかし、腰痛も肥満も放置してしまうと悪化します。

まずはオンラインでも、相談しましょう。

オンラインであれば、Webで予約して仕事の空き時間にサクッと受診できます。早朝や深夜も受診可能な場合が多く便利です。

肥満症治療なら「おうち病院Privateシリーズ きちんと向き合う肥満症改善外来」

肥満や過体重は、高血圧・糖尿病・脂質異常症など、さまざまな生活習慣病のリスク因子となります。運動や食事に気を配っているつもりでも、加齢やホルモンバランスの変化、ストレスなどの影響で、思うように体重が落ちないと感じている方も多いのではないでしょうか。

そのような方には、医師の継続的な診察とサポートを受けながら、医療的介入(薬物治療)と生活習慣の見直しを組み合わせた治療が推奨されます。
「他サービスのように、お薬の処方だけで終わりでは不安…」そんな声に応えるのが、「おうち病院Privateシリーズ きっちり向き合う肥満症改善外来」です。

「おうち病院 きっちり向き合う肥満症改善外来」なら、
✅ 1回30分の診察時間を確保:患者様の背景や課題を丁寧にヒアリングし、きめ細かい治療方針を提案
✅ リバウンド防止にも対応:体重減少後も、生活習慣改善の継続支援あり
✅ 平日・土日祝すべて対応:朝8時〜夜22時まで診察可能
✅ 診察後、薬はご自宅に配送:通院不要で治療継続がしやすい
✅ 予約時間ぴったりに診察開始:出社前、会議の合間、就寝前など、スキマ時間で受診可能

「きっちり向き合う肥満症改善外来」では、自宅にいながら専門医の診察を受け、必要なお薬は自宅へ配送されます。忙しい方でも、医療の力を味方につけて無理なく継続できる環境を整えています。

なお、初回受診時には医師が正確に状態を把握するため、「健康診断書」または「体重計測結果の画像」のご提出が必要です。ご予約の前にご用意いただくようお願いいたします。

本気で体重改善に取り組みたい方、自己流のダイエットに限界を感じている方は、
ぜひ「おうち病院 きっちり向き合う肥満症改善外来」での診察をご検討ください。

腰痛の痛み解消のためにも肥満に本気で向き合おう

肥満と腰痛には密接な関係がありました。そして、腰痛改善のためにも肥満治療をすべきです。放置すると腰痛が悪化して、手術しなければならないほどの危険性があります。

マッサージや整骨院・整体等に行って腰痛が一時的に改善されても、根本的には治りません。

しっかり痛みを解消するには、まずは本気で肥満に向き合いましょう。

1人で減量を頑張るのではなく、正しい知識を得てサポートを受けて肥満治療しませんか。

特に腰痛に悩む方は、悪化を絶対さけるべきですから、知識のある専門家にサポートしてもらうことが、最善の道です。

多忙で時間がとれず通院が難しい方は、仕事の合間に、おうち病院「きちんと向き合う肥満症改善外来」へ気軽にご相談ください。