健康診断で「LDLコレステロールが高い」と指摘されても、自覚症状がないために放置してしまう方は少なくないのではないでしょうか。LDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)の高値は、長期間にわたって血管を傷め、心筋梗塞・脳梗塞・動脈硬化などの命に関わる疾患の引き金になります。本記事では、高LDLコレステロール血症の基準・原因・放置リスク・生活習慣改善法を医学的根拠とともに解説します。
この記事で分かること
- LDL 140 mg/dL以上は「高LDLコレステロール血症」と診断され、放置すると動脈硬化・心筋梗塞・脳梗塞のリスクが高まる
- 肥満は肝臓でのLDL合成を促進し、LDL受容体の発現を低下させることでLDL値を上昇させる
- 体重を5〜10%減量することで、LDLコレステロールが5〜10%低下することが期待できる
- 食事療法・運動療法・必要に応じた薬物療法(スタチン等)が治療の柱となる
- 肥満が根本原因の場合、肥満症治療が脂質全体を改善する近道となることがある

目次
健康診断でのLDLコレステロールの基準値とは?
LDL(低密度リポタンパク)コレステロールは、肝臓で生成されたコレステロールを全身の細胞に運ぶ役割を担っています。血中に過剰になると血管壁に沈着し、動脈硬化を引き起こすことから「悪玉コレステロール」と呼ばれます。
日本動脈硬化学会ガイドライン2022に基づく判定基準は以下の通りです。
| 判定 | LDLコレステロール値 | 推奨アクション |
|---|---|---|
| 正常 | 60〜119 mg/dL | 現状維持(年1回の健診継続) |
| 境界域高値 | 120〜139 mg/dL | 生活習慣改善・3〜6ヶ月後に再検査 |
| 高値(高LDL血症) | 140〜179 mg/dL | 医療機関受診・リスク評価を実施 |
| 非常に高値 | 180 mg/dL以上 | 速やかに受診(家族性高コレステロール血症の除外も) |
LDLコレステロールの目標値は、心血管リスクの程度によって異なります。糖尿病や高血圧・喫煙などの危険因子がある方、または冠動脈疾患の既往がある方は、より厳格な管理(LDL 100 mg/dL未満)が必要です。
参考:日本動脈硬化学会 動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版
LDLコレステロールが高くなる原因
LDLコレステロール値が上昇する原因は、生活習慣・体質・疾患など多岐にわたります。
| 原因区分 | 具体的な原因 | メカニズム |
|---|---|---|
| 食事 | 飽和脂肪酸・トランス脂肪酸の過剰摂取 | 肝臓でのコレステロール合成を促進 |
| 肥満(★主要因) | 内臓脂肪型肥満 | 中性脂肪増加→VLDL増加→small dense LDL増加、LDL受容体発現低下 |
| 運動不足 | 身体活動量の低下 | HDL減少・LDL代謝低下 |
| 遺伝・体質 | 家族性高コレステロール血症(FH) | LDL受容体の機能異常・PCSK9遺伝子変異 |
| 加齢・閉経 | 女性ホルモン(エストロゲン)の低下 | LDL受容体活性の低下でLDLが血中に滞留 |
| 疾患 | 甲状腺機能低下症・糖尿病・ネフローゼ症候群 | 脂質代謝の二次的な異常 |
| 薬剤 | ステロイド・利尿薬・一部の降圧薬 | 脂質代謝への副作用 |
特に注意が必要なのは家族性高コレステロール血症(FH)です。親族にLDH高値・早期の心筋梗塞がある場合は、遺伝性の可能性があり、より積極的な治療が必要です。
LDLコレステロールと肥満・メタボリックシンドロームの関係
健診でLDLコレステロールの異常を指摘された場合、肥満との関連を確認することが重要です。
肥満がLDLコレステロールを上昇させるメカニズム:
肥満(特に内臓脂肪型)になると、肝臓での中性脂肪(TG)産生が亢進し、VLDLが血中に多く放出されます。VLDLが代謝される過程でLDLが生成されるため、肥満はLDL上昇の間接的な要因になります。また、肥満に伴うインスリン抵抗性によって、LDL受容体の発現が低下し、LDLが血中に滞留しやすくなります。
体重減少による改善効果(エビデンス):
体重を5〜10%減量することで、LDLコレステロールが5〜10%低下することが臨床的に示されています。同時に中性脂肪の低下・HDLの上昇も期待でき、脂質プロファイル全体の改善につながります。
メタボリックシンドロームとの関係:
メタボリックシンドロームでは、LDL高値に加えて、中性脂肪高値・HDL低値・高血圧・高血糖が複合的に存在することが多く、動脈硬化のリスクが相乗的に高まります。
| 判定基準 | 数値 |
|---|---|
| ウエスト周囲径(必須) | 男性85cm以上 / 女性90cm以上 |
| 中性脂肪(TG) | 150 mg/dL以上 |
| HDLコレステロール | 40 mg/dL未満 |
| 血圧 | 収縮期130mmHg以上 または 拡張期85mmHg以上 |
| 空腹時血糖 | 110 mg/dL以上 |
参考:厚生労働省 健康日本21アクション支援システム「メタボリックシンドロームの診断基準」
高LDLコレステロール血症を放置するリスク(合併症一覧)
高LDLコレステロール血症の状態を放置すると、以下のような重篤な合併症につながる可能性があります。動脈硬化は10〜20年かけて進行するため、若い時期からの管理が重要です。
| 臓器・系統 | 合併症名 | 主な症状・影響 |
|---|---|---|
| 血管 | 動脈硬化 | 血管の弾力性低下・プラーク形成による血流悪化 |
| 心臓 | 心筋梗塞・狭心症 | 胸痛・息切れ(突然死のリスクあり) |
| 脳 | 脳梗塞・一過性脳虚血発作 | 手足のしびれ・言語障害・意識障害 |
| 末梢血管 | 閉塞性動脈硬化症 | 足のしびれ・歩行時の痛み・壊疽 |
| 腱・皮膚 | 腱黄色腫・眼瞼黄色腫 | 家族性高コレステロール血症の特徴的な所見 |
動脈硬化は長期間に渡って自覚症状なく進行します。心筋梗塞・脳梗塞は突然発症することが多く、後遺症や死亡リスクを伴います。早期発見・早期治療が生命予後の改善につながります。
LDLコレステロールの検査と治療方法
推奨される追加検査:
LDLコレステロールが高い場合、以下の検査を合わせて受けることをおすすめします。
- 中性脂肪(TG)・HDLコレステロール・non-HDLコレステロール
- 空腹時血糖・HbA1c(糖尿病スクリーニング)
- 血圧測定・腹囲測定
- 甲状腺機能(TSH・FT4)— 甲状腺機能低下症の除外
- 家族歴確認(心筋梗塞の早期発症・LDH高値の家族)
治療方法:
まず3〜6ヶ月の生活習慣改善(食事療法・運動療法・禁煙)を試みます。それでも目標値に達しない場合、または心血管リスクが高い場合はスタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)などの薬物療法を開始します。家族性高コレステロール血症の場合は、初診時から薬物療法が必要なケースがあります。
生活習慣改善でどこまで改善できる?
| 改善方法 | 期待できる効果 | 具体的なアクション |
|---|---|---|
| 食事療法(飽和脂肪酸削減) | LDL 10〜15%低下 | 赤身肉・バター・チーズ・揚げ物を週3回以下に |
| 食物繊維の増量 | LDL 5〜10%低下 | 野菜・豆類・海藻・きのこを毎食取り入れる |
| 減量(5〜10%) | LDL 5〜10%低下 | 1日200kcal制限+週3回有酸素運動 |
| 有酸素運動(週150分) | HDL上昇・LDL緩やかに低下 | 1回30分のウォーキング×週5回 |
| 植物ステロール摂取 | LDL 5〜10%低下 | マーガリン(植物ステロール強化)・大豆食品の活用 |
| 禁煙 | HDL上昇・心血管リスク低下 | 禁煙外来の活用も選択肢 |
食事・運動だけでは目標値(例:LDL 140 mg/dL未満)に達しないケースも多くあります。特に家族性高コレステロール血症の方や、心血管リスクが高い方は、早期に薬物療法を組み合わせることが推奨されます。
こんな方はおうち病院 肥満症外来へ(セルフチェック)
以下の項目に当てはまるものはありますか?
□ BMI 35以上(高度肥満)
□ 「ダイエットしても続かない」「リバウンドを繰り返している」と感じている
□ 肥満による合併症(高血圧・高血糖・膝痛など)が気になっている
□ 健診でLDLコレステロール140 mg/dL以上を繰り返し指摘されている
□ LDLと合わせて中性脂肪高値・HDL低値・血圧高値など複数の異常を指摘された
□ 親族に心筋梗塞の早期発症やLDH高値を指摘されている方がいる
2つ以上当てはまる場合は、肥満症治療による体重管理がLDLコレステロールを含む脂質全体の改善につながる可能性があります。おうち病院 肥満症外来への受診をご検討ください。

医療的コントロールに興味があるなら「おうち病院 きちんと向き合う肥満症改善外来」
LDL異常の根本にある「肥満」を治療する選択肢
LDLコレステロールが高い方の多くは、肥満に伴う脂質代謝異常が背景にあります。「生活習慣を改善しようとしても続かない」という方に知っていただきたいのが、肥満症治療という選択肢です。肥満症を専門的に治療することで、LDLだけでなく中性脂肪・HDL・血糖・血圧を含む複数の代謝指標を同時に改善できる可能性があります。
肥満症治療には、認定肥満症専門病院での保険診療と、オンライン診療(自費)の2つのルートがあります。認定専門病院は数が限られており、通院が難しい方や待ち時間が長い場合には、自宅から受診できるオンライン診療が選択肢になります。
そのような方には、医師の継続的な診察とサポートを受けながら、医療的介入(薬物治療)と生活習慣の見直しを組み合わせた治療が推奨されます。「他サービスのように、お薬の処方だけで終わりでは不安…」そんな声に応えるのが、「おうち病院 きちんと向き合う肥満症改善外来」です。
肥満症治療薬(ウゴービ・マンジャロ・ゼップバウンド・リベルサスなど)は体重管理と同時に血圧・血糖値の改善効果も報告されており、LDL異常の根本原因にアプローチできます。
おうち病院 きちんと向き合う肥満症改善外来の特徴
✅ 自宅から受診できる
診察室に行かずにスマートフォン・PCから問診・診察が完了します。肥満やダイエットの悩みを対面で話すことへの心理的なハードルを軽減できます。
✅ 時間通りに診察が始まる
予約した時間に診察が開始するため、仕事の合間にも受診を計画的に組み込めます。平日・土日祝日も朝8時〜夜22時まで診療可能です。
✅ 女性医師が丁寧に診察
おうち病院の肥満症改善外来では、初回診察時間を30分確保しています。医師は事前に問診票を読み込んで診察に臨みます。これまでのダイエット歴・食生活・ライフスタイルを丁寧にヒアリングし、あなたに合った治療方針を提案します。リバウンド防止のサポートも行います。
✅ 薬は自宅に配送される
自宅配送「おくすりおうち便」にて配送。薬局に行く手間がありません。
対応している薬剤(2026年4月現在):
- ウゴービ(セマグルチド)
- ゼップバウンド(チルゼパチド)
- リベルサス(セマグルチド)
- マンジャロ(チルゼパチド)
費用の目安(自費診療):
- 初回相談:無料
- 薬剤費:処方される薬の種類・用量・期間によって異なります。最新の料金は公式ページの価格表をご確認ください → おうち病院 肥満症外来 料金ページ
※ この外来は自費診療(保険適用外)です。保険診療を希望の場合は、保険適用条件を満たすか医師にご確認の上、認定肥満症専門病院を受診してください。
受診の流れ:
- 予約 — 公式サイトまたはアプリから希望日時を選択
- 問診票の記入 — 症状・現在の体重・BMI・生活習慣について入力
- オンライン診察(初回30分) — 医師がこれまでの経緯を丁寧に確認し、治療方針を説明
- 処方・配送 — 処方が決まり次第、おくすりおうち便で自宅にお届け
- 定期フォロー — 月1回以上の診察で経過確認・薬の調整
初回受診時の必要書類: 初回受診時には医師が正確に状態を把握するため、「健康診断書」または「体重測定結果の画像」のご提出が必要です。ご予約の前にご用意いただくようお願いいたします。

よくある質問(FAQ)
Q. LDLコレステロールが高いと言われましたが、すぐに病院に行くべきですか?
A.LDLが140 mg/dL以上(高LDLコレステロール血症)の場合は、医療機関への受診をおすすめします。特に、高血圧・喫煙・糖尿病などの心血管リスク因子が重なっている場合や、180 mg/dL以上の場合は早期の受診が重要です。症状がなくても動脈硬化は静かに進行しているため、「症状がないから大丈夫」という判断は危険です。
Q. LDLコレステロールは生活習慣の改善だけで下がりますか?
A.境界域高値(120〜139 mg/dL)であれば、食事療法・有酸素運動・減量・禁煙の組み合わせで目標値に達することがあります。ただし、140 mg/dL以上の場合や心血管リスクが高い場合は、生活習慣改善と並行してスタチンなどの薬物療法が必要なケースが多くなります。家族性高コレステロール血症の場合は、初診時から薬物療法が推奨されます。
Q. 肥満とLDLコレステロールはどのような関係がありますか?
A.内臓脂肪型肥満は、中性脂肪の産生を増加させ、VLDLを経由してLDLを増加させます。また、肥満に伴うインスリン抵抗性によってLDL受容体の発現が低下し、血中LDLが滞留しやすくなります。体重を5〜10%減量することで、LDLが5〜10%低下し、中性脂肪の低下・HDLの上昇も同時に期待できます。
Q. おうち病院 肥満症外来の受診対象は誰ですか?
A.BMI 27以上の方、もしくはBMI 25〜27で肥満の腹囲基準または既往症基準の条件を満たす方が対象です。ただし、医師が診察した上で治療適応を判断しますので、まずは初回相談にお越しください。かかりつけ医への照会や他の医療機関の受診が適切と判断した場合は、そのようにご案内することもあります。おうち病院の肥満症外来は美容目的のダイエットは推奨しておらず、肥満を解消し健康体を目指すことを目的とした受診をお願いしております。
Q. コレステロールを下げる薬(スタチン)を飲んでいますが、肥満症外来も受診できますか?
A.はい、スタチンなどの脂質改善薬を服用中の方でも受診いただけます。肥満症治療によって体重管理が進むと、薬の必要量が変化する場合があります。現在服用中の薬(薬剤名・用量)は必ず問診票にご記載ください。かかりつけの主治医との連携についても、診察時にご相談いただけます。
Q. LDLコレステロールが高い場合、食事で特に気をつけることは何ですか?
A.飽和脂肪酸の摂取を減らすことが最も重要です。赤身肉(牛・豚)・バター・チーズ・生クリーム・揚げ物・加工肉(ソーセージ・ベーコン)を控えてください。代わりに、青魚(サバ・イワシ・サンマ)・大豆食品(豆腐・納豆)・野菜・果物・全粒穀物を積極的に摂取してください。食物繊維はLDLコレステロールの腸管吸収を抑える効果があります。
Q. LDLが高いだけでなく、中性脂肪や血圧も指摘されました。どうすればいいですか?
A.LDLコレステロール・中性脂肪・血圧の複数指標が異常を示している場合、メタボリックシンドロームの可能性があります。これらの異常は肥満(特に内臓脂肪)を共通の原因とすることが多く、体重管理によって複数の指標が同時に改善することが期待できます。まずは内科または肥満症専門外来への受診をおすすめします。おうち病院の肥満症外来では、LDLを含む複合的な脂質異常について医師が丁寧にご相談に乗ります。