健康診断でLDLコレステロール値が高い原因は?リスクや対策を解説

健康診断でLDLコレステロールが高いと言われ、対策に困る人がいるかもしれません。また、治療に向けてどのようなことを意識して生活していけばいいか、わからない人もいるのではないでしょうか。 本記事では、LDLコレステロール値が高い原因や、リスク・対策を解説します。

目次

健康診断でLDLコレステロールが高いと言われ、対策に困る人がいるかもしれません。また、治療に向けてどのようなことを意識して生活していけばいいか、わからない人もいるのではないでしょうか。

本記事では、LDLコレステロール値が高い原因や、リスク・対策を解説します。

健康診断でLDLコレステロール値が高い原因

LDLコレステロールは、肝臓で生成されたコレステロールを全身へ運ぶ役割を担っています。増加しすぎると脳梗塞や心筋梗塞、動脈硬化などを引き起こすため、悪玉コレステロールと呼ばれています。

LDLコレステロールにおける基準範囲や要注意、異常範囲は以下の通りです。

  • ・60〜119mg/dl:基準範囲
  • ・120〜179mg/dl:要注意
  • ・180mg/dl異常:異常

要注意・異常と診断される原因は、以下が挙げられます。

  • ・肥満
  • ・ストレス
  • ・遺伝・体質
  • ・食生活の乱れ

LDLコレステロールは、後天的な要因から、先天的な要因までさまざまなものが関係しています。LDLコレステロールが高い人は、医療機関を受診し、原因を突き止めましょう。

肥満

肥満になると、LDLコレステロールの合成を促す中性脂肪を増やすおそれがあります。LDLコレステロールの原料となる中性脂肪が増加すると、LDLコレステロールも増加します。

そのため、肥満の人はダイエットなどをして体重を減らさなければなりません。

ストレス・生活習慣の乱れ

ストレスの度合いが強くなったり、生活習慣が乱れたりすると、LDLコレステロール値を一定に保つホルモンバランスが乱れます。そのため、ストレス対策や生活習慣を整えることが重要です。

遺伝・体質

遺伝や体質は、コレステロールと密接な関係があります。たとえば、親が高コレステロール症の場合、子供もコレステロール値が高くなる可能性があります。

また、人によって、コレステロールを吸収する量・合成する量・消費する量が異なります。コレステロールを合成する量が多い人の場合、必然的にコレステロール値が高くなるでしょう。

女性の場合、閉経によってホルモンバランスが乱れ、LDLコレステロールが高くなる傾向があります。

食生活の乱れ

飽和脂肪酸やトランス脂肪酸を摂りすぎると、コレステロールが高くなる可能性があります。牛乳やバター、魚介類や牛脂、ラードや赤身肉などを食べ過ぎるとコレステロールが高くなるおそれがあります。

健康診断でLDLコレステロール値が低い原因

LDLコレステロールの基準範囲は60〜119mg/dlとされています。59mg/dlを切ると、要注意です。

LDLコレステロール値が低い原因はおもに以下が挙げられます。

  • ・栄養不足
  • ・疾患
  • ・過度なダイエット

体に無理なダイエットや食事制限などを行うと、LDLコレステロールが低くなる可能性があるため、注意が必要です。

栄養不足

中性脂肪とLDLコレステロールは相関関係にあります。LDLコレステロールが低い場合、中性脂肪が足りておらず、栄養不足になっている可能性があります。

疾患

たとえば、甲状腺機能亢進症になると甲状腺ホルモンが過剰になり、LDLコレステロールが不足する可能性があります。

過度なダイエット

過度なダイエットを目的に、脂質や糖質を極端に制限したり、食事自体を控えたりすると、中性脂肪の値が低くなります。同時に、LDLコレステロールが不足する可能性があるでしょう。

また、身体に負担がかかる運動を継続すると、中性脂肪が低くなります。同時にLDLコレステロールが不足する可能性があるため、注意が必要です。

高LDLコレステロール血症を放置するリスク

LDLコレステロールが高いままだと、高LDLコレステロール血症(140mg/dl以上)になる可能性があります。高LDLコレステロール血症を放置するリスクは以下の通りです。

  • ・動脈硬化
  • ・その他の疾患(脳梗塞・心筋梗塞)

動脈硬化から発展し、脳梗塞や心筋梗塞までに至ると、命の危険につながる可能性があります。重篤な健康被害を受ける前に、早期発見・早期治療を心がけましょう。

動脈硬化

動脈は血液の通り道であり、必要なときに血液を心臓に押し戻すといったポンプ作用と、弾力性を兼ね備えています。高コレステロール血症により、これらの作用が失われた状態が動脈硬化です。

高コレステロール血症の血管では、コレステロールを運ぶLDLが増加し、血管壁にダメージが生じます。ダメージを受けることで、傷が入り、LDLが血管内に侵入します。

侵入したLDLを排除するために、LDLを取り込み泡沫細胞に変化させるのが、マクロファージです。マクロファージによって変化した泡沫細胞は、血管壁に沈着し、脂質プラークと呼ばれるコブを生成します。

コブができると、血管の通り道が狭くなり、血流が悪化します。ひいては、さまざまな

疾患を引き起こす引き金になる可能性があるでしょう。

その他の疾患

動脈硬化が進行すると、血管がどんどんダメージを受け、弾力性を失います。場合によっては血管に負荷がかかり、動脈が切れ、脳出血を起こすこともあります。

一時的に心臓の血管が詰まった場合は狭心症、脳の血管が詰まった場合は、一過性脳虚血発作が起こるでしょう。

血管が詰まった状態が継続し、酸素や栄養が行き渡らなくなった場合、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高まります。

いずれにおいても、処置が遅れてしまうと死に至る可能性があるでしょう。

LDLコレステロールが低い状態が続くリスク

LDLコレステロールが低いままだと、さまざまな疾患が起こるリスクがあります。

おもな疾患は以下の通りです。

  • ・甲状腺機能亢進症
  • ・貧血
  • ・C型肝炎

それぞれの疾患に応じて、治療薬を服用したり、食生活の改善を行ったりして治療を進めましょう。

甲状腺機能亢進症

甲状腺機能亢進症とは、甲状腺の作用が効きすぎている状態を指します。そのため、過剰な発汗や不整脈、睡眠障害や体重減少などが起こります。バセドウ病や甲状腺炎などを原因とする甲状腺機能亢進症を治療するためには、ベータ遮断薬や外科手術などが必要です。

貧血

貧血とは、赤血球の数が少ない状態を指します。赤血球には、肺から酸素を運び、全身へ届ける役割を担います。そのため、赤血球数が不足すると酸素が十分に供給できなくなり、貧血の症状が現れるでしょう。

貧血になると、疲労感や脱力感が出始め、顔色が青白くなります。重度の貧血に発展すると、痙攣が生じたり、胸痛や息切れなどの症状につながったりする場合があります。治療するためには、食生活の改善や鉄分の補給などが必要です。

C型肝炎

C型肝炎とは、C型肝炎ウイルスを原因として、6ヶ月以上持続している肝臓の炎症を指します。C型肝炎を放置すると、肝硬変に発展し、肝臓がんのリスクが高まるとされています。

C型肝炎を発症すると、黄疸や発赤、脳機能の低下や脾臓の腫大などが起こるのが特徴です。抗ウイルス薬などを服用することで、体内からウイルスを排除し、肝硬変のリスクを低減できます。

LDLコレステロールが基準値から外れる場合の対策

LDLコレステロールが基準値から外れる場合は、対策をしっかりしておかないと、健康状態を損なう可能性があります。

有効となる対策は以下の通りです。

  • ・食事療法
  • ・運動療法
  • ・薬物療法

いずれの方法を実践する場合も、無理のない範囲で専門医と相談しながら進めていきましょう。

食事療法

食事療法として、バランス良く1日3食を心がけることが大切です。たとえば、高コレステロール血症の人の場合、脂質が多い食品を取り入れる傾向があります。この場合、脂質を含む食材を減らすことに加え、バランスの良い食事をとることが重要です。

炭水化物を摂る場合は、繊維質を多く含む雑穀や玄米を選び、野菜を積極的に食べることを意識しましょう。また、ビタミンやミネラルをしっかり摂取することも大切です。

以降では、特に取り入れるべき食材を解説します。

野菜や果物

ブロッコリーやレンコン、りんごやバナナなどは、ビタミンC・E・βカロチンなどの抗酸化ビタミンやポリフェノールなどを含みます。これらは、増えすぎると動脈硬化やがんなどの原因になる活性酸素を除去する作用があるため、積極的に摂り入れていきましょう。

青魚

青魚は中性脂肪を下げる作用が期待できるEPAやDHAなどを多く含んでいます。特に、サバやブリ、サンマやイワシなどを食べることをおすすめします。ただし、干物になると、酸化LDLが増加するリスクが高まるため、注意が必要です。

きのこ・豆類・海藻

食物繊維を多く含む豆やきのこ、海藻などは、コレステロール値を下げる作用を持っています。コレステロールの吸収を防止し、体外に排出する作用があるため、積極的に摂り入れていきましょう。

運動療法

運動を継続することで、善玉コレステロールと呼ばれるHDLコレステロールが増加し、中性脂肪が減少します。特におすすめなのは、有酸素運動です。少し息が上がるぐらいの程度で歩いたり、泳いだりすると良いでしょう。

理想は、1日30分の運動を心がけることが望ましいです。家事や仕事などで忙しい人の場合は、1週間に最低でも3日以上の運動を意識するようにしましょう。

薬物療法

食生活の改善や運動習慣を継続しても改善されない場合、薬を服用してLDLコレステロールを下げる必要があります。

高血圧や糖尿病などがある場合、薬の飲み合わせがあります。服用していく場合は、医師の説明をしっかり聞き、正しい知識のもと服用していくことが大切です。

健康診断でLDLコレステロールが気になり始めた人は「健診サポート」で自己管理を

LDLコレステロールが基準値から外れる状態が続くと、さまざまな健康被害が生じるリスクがあります。動脈硬化だけでなく、脳梗塞や心筋梗塞、甲状腺機能亢進症なども起こりうるでしょう。

重篤な健康被害を防ぐためには、日々の健康管理をしっかりと行い、対策をしていかなければなりません。

このように考える人の中には、専門医の指導のもと、正しい方法で着実に健康的な生活を送りたい人もいるでしょう。

そんな人におすすめなのが、おうち病院「健診サポート」です。LDLコレステロールの数値が気になる人が、自宅や出先にいながら気軽に専門医へ相談できます。

近所に医療機関がない人や、仕事などで受診する時間がない人であっても利用しやすいサービスといえるでしょう。

健診サポートは自身の健康状態を改善したい人や、専門医から具体的なアドバイスを受けたい人におすすめのサービスです。健康的な生活を送るためにも、健診サポートを活用してみてはいかがでしょうか。