不眠で悩むあなたへ。自分に合う睡眠薬をお探しでしょうか。睡眠薬は体に負担がかかる?癖になる?など不安もあることでしょう。
ここでは、あなたの症状別に身体の負担が少ないおすすめの睡眠薬を紹介します。
医師に相談しながら、症状にあった睡眠薬を選び適切な治療を行う第1歩となれば幸いです。
目次
おすすめの睡眠薬を選ぶ前に
大前提として、睡眠薬を選ぶ前に、生活習慣や生活リズムの改善に取り組みましょう。
日常の何気ない行動が睡眠リズムを壊しているケースもあります。それらの改善だけでも、睡眠か改善される場合があります。
まずは生活習慣の改善がおすすめ
まずは生活習慣の改善がおすすめです。
1~2週間実践してみて、それでも症状が改善されない場合は、受診をおすすめします。
具体的な改善案は以下の通りです。
- 規則正しい生活リズムを心掛けましょう。毎日同じ時間に起床、就寝します。休日もできるだけ同じ時間にしましょう。
- 寝室の環境を整備しましょう。光、音、温度、湿度を快適に保ちましょう。
- カフェイン・ニコチン・アルコールの摂取を制限します。特に夕方以降は控えましょう。アルコールは一時的に眠気を誘っても、睡眠の質を悪化させます。
- 寝る前にはリラックスタイムをもうけましょう。スマートフォンやパソコンの光は避け、入浴や読書などで心身を落ち着かせましょう。
- 適度な運動を心掛けましょう。しかし寝る直前の激しい運動は、交感神経を刺激し睡眠を妨げるので避けましょう。
市販薬やサプリメントより受診がおすすめ
ドラッグストアやネットショップで簡単に手に入る、市販薬や市販サプリメントでは効果が薄い可能性があります。なぜなら、期待される作用の主成分が十分に入っていないためです。
これらは厚生労働省で定められており、主成分が十分に含まれている薬は必ず医師の処方が必要です。
また、市販薬や市販サプリメントでは、自己判断で選んでいるため、自分に合っていない可能性もあり危険です。安全性と正確な判断のため、心療内科・精神科・不眠外来等へ受診し、処方してもらう事をおすすめします。
睡眠薬の作用メカニズム
現在不眠治療の主流となっているおすすめの睡眠薬を作用メカニズム別に大きく分けると、以下の2種類です。
脳の機能を低下させる睡眠薬
脳の機能を低下させる作用で眠気を引き出す睡眠薬は、ベンゾジアゼピン系睡眠薬と非ベンゾジアゼピン系睡眠薬があります。
GABA受容体に作用し、脳の活動を抑制することで催眠効果を発揮します。抗不安作用や筋弛緩作用も併せ持つため、不眠症だけでなく不安障害や筋肉の緊張にも用いられます。しかし、依存性や持ち越し効果(翌朝の眠気)などの副作用も懸念されます。
ベンゾジアゼピン系よりリスクが低減されている非ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、ベンゾジアゼピン系と同様にGABA受容体に作用しますが、ベンゾジアゼピン骨格という構造を持たないため、筋弛緩作用や依存性が比較的少ないとされています。
自然な眠気を強くする睡眠薬
オレキシン受容体拮抗薬・デュアルオレキシン受容体拮抗薬
脳内で覚醒を維持する神経伝達物質「オレキシン」の働きをブロックすることで、覚醒状態を抑え、自然な眠りへの移行を促します。
従来の睡眠薬とは異なる作用メカニズムで、自然な眠りに近いため、依存性や離脱症状のリスクが低いとされています。
メラトニン受容体作動薬
脳内で分泌される睡眠ホルモン「メラトニン」の働きを助けることで、自然な眠気を誘い、睡眠・覚醒のリズム(概日リズム)を整えます。生理的な眠りに近いため、依存性の心配がほとんどありません。
漢方薬
不安や緊張を静め精神の安定を促す、血行をよくする、胃腸など体調を整えるなどのアプローチから不眠の改善が期待できます。自然由来のため、副作用のリスクは低いとされています。
【症状別】入眠困難タイプにおすすめの睡眠薬
布団に入ってから30分以上寝付けないなど、寝つきが悪い症状の方には、比較的早く効果が現れ、作用時間が短いタイプの睡眠薬、いわゆる睡眠導入剤がおすすめです。
非ベンゾジアゼピン系睡眠薬(超短時間型)
入眠困難タイプの方には、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬(超短時間型)がおすすめです。
代表的な成分(薬品名):
ゾルピデム(マイスリーなど)、エスゾピクロン(ルネスタなど)
服用後、15〜30分程度で効果が現れ始めるため、内服後は速やかに布団に入りましょう。作用持続時間は2〜4時間と非常に短いです。寝つきを良くする効果に優れ、朝まで眠気が残りにくいのが特徴です。
寝つきが悪くて困っているが、中途覚醒や早朝覚醒はあまりない方、翌朝に影響を残したくない方におすすめです。
エスゾピクロンは、ゾルピデムと同様に早く効果が現れますが、作用時間はゾルピデムよりやや長く、約5時間程度です。こちらも寝つきの改善に有効です。
【症状別】中途覚醒タイプにおすすめの睡眠薬
「一度眠っても夜中に何度も目が覚めてしまい、その後なかなか眠れない」という方には、作用時間が中程度の睡眠薬や、自然な睡眠リズムを整える薬が適しています。
非ベンゾジアゼピン系睡眠薬(中時間作用型)
中途覚醒タイプには、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬の、超短時間型よりやや作用時間の長い(中時間作用型)がおすすめです。
代表的な成分(薬品名):
ゾピクロン(アモバンなど)
入眠困難タイプの方におすすめの睡眠薬ゾルピデムやエスゾピクロンよりも作用時間がやや長く、中途覚醒の改善にも期待できます。ただし、翌朝の眠気やふらつきには引き続き注意が必要です。
メラトニン受容体作動薬
メラトニン受容体作動薬は、脳内で分泌される睡眠ホルモン「メラトニン」の働きを補強し、自然な眠りを誘います。睡眠の生理的な仕組みに働きかけ、自然な睡眠に近いため、依存性や離脱症状のリスクが非常に低いとされています。
代表的な成分(薬品名):
ラメルテオン(ロゼレム)
即効性はあまりありませんが、服用を続けることで睡眠リズムを整え、体内時計(概日リズム)の改善に働きかけます。
自然な入眠と中途覚醒の改善に効果が期待できます。特に睡眠リズムが乱れている方に適しています。服用後、効果が現れるまでに時間がかかるため、寝る30分前くらいに服用すると良いでしょう。
また、効果を実感するまでに数日から数週間かかることがあります。
【症状別】早朝覚醒タイプにおすすめの睡眠薬
「朝、希望する起床時間よりもだいぶ早く目が覚めてしまい、その後眠れない」という方には、作用時間が長めの睡眠薬が適しています。ただし、日中の眠気を避けるため、比較的安全性の高いものを選びます。
オレキシン受容体拮抗薬
早朝覚醒タイプの方には、覚醒を促す物質の働きを抑える、新しいタイプの睡眠薬が有効です。従来の睡眠薬の作用メカニズムとは異なる新しいタイプの薬です。
脳内で覚醒を維持する神経伝達物質であるオレキシンの働きをブロックすることで、覚醒状態を抑制し自然な眠気を引き出します。
依存性や離脱症状のリスクが低いとされています。
代表的な成分(薬品名):
スボレキサント(ベルソムラ)、レンボレキサント(デエビゴ)
作用時間は比較的長く、寝つきの改善から中途覚醒、早朝覚醒まで幅広く対応できます。自然な眠気を促すため、目覚めがすっきりすると感じる方も多いです。
しかし、レンボレキサントは、作用持続時間はスボレキサントよりもやや長めで、翌朝に眠気が残る場合があります。
デュアルオレキシン受容体拮抗薬
オレキシン受容体拮抗薬は、オレキシン1受容体(OX1R)とオレキシン2受容体(OX2R)の片方を阻害する薬と、両方阻害するけど片方の阻害作用が強い薬がありますが、デュアルオレキシン受容体拮抗薬は、両方をバランスよく阻害します。
オレキシン受容体拮抗薬をさらにリスクや副作用をおさえるために研究開発された、比較的新しい薬です。オレキシン受容体拮抗薬の懸念点を改善し、より安全性を高めるために開発された新薬です。
代表的な成分(薬品名):
ダリドレキサント(クービビック)
半減期(薬が体に残っている時間)が、スボレキサント(ベルソムラ)、レンボレキサント(デエビゴ)よりも短く、比較的持ち越し効果が少ないとされているため、日中眠くなりにくいとされています。
また、重篤な副作用は報告されておりません。
症状が特定できない方におすすめの睡眠薬
タイプが特定できない、または睡眠に関して全体的にサポートしたい場合は、どんな不眠タイプにも対応しやすい、睡眠リズムを整える薬がおすすめです。
全体的に睡眠の質をサポートする睡眠薬
タイプが特定できないか、全体的に睡眠の質を改善したいなら、良質な睡眠をサポートする、オレキシン受容体拮抗薬、デュアルオレキシン受容体拮抗薬、メラトニン受容体作動薬などがおすすめです。
これらの薬は、自然な睡眠サイクルを整えたり、覚醒のメカニズムに働きかけたりするため、特定の症状に限定されず睡眠全体の質を高める効果が期待できます。
依存性が低いという点で、長期的な使用も比較的安心です。
ただし、睡眠時無呼吸症候群等、不眠症とは別の病気が考えられる場合は、医師に相談しながら不眠症とは別のアプローチになります。
漢方薬
漢方薬は睡眠薬ではありませんが、精神を安定させ、体調を整えてくれる可能性があります。
漢方薬は自然由来の成分で作られているため、睡眠薬に比べて副作用が少ない傾向にあり比較的安心です。
主に下記のような漢方薬が睡眠の質改善に向いています。
酸棗仁湯(サンソウニントウ)
興奮を静めて心を落ち着かせ、睡眠を促す作用があります。不眠や神経の高ぶりに効果がある漢方薬で、特に寝つきの悪さや中途覚醒に適しています。
加味帰脾湯(カミキヒトウ)
体力があまりなくいわゆる虚弱体質の方に適しており、気血(生命活動の源泉となるエネルギーと血液)の不足を補い、心身を落ち着かせます。精神的なストレスや疲労による不眠や不安、動悸などに用いられます。
抑肝散(ヨクカンサン)
イライラや神経過敏、怒りっぽさなど精神的な興奮状態を鎮め、精神を安定させる効果があります。特に高齢者や子どもの神経症状に良いとされています。
半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)
気のめぐりを改善し、心身の緊張を和らげることで睡眠にも良い影響をもたらします。ストレスによるのどの違和感や不安感、胃腸の不調などにも用いられます。
【目的別】即効性を求めたい方におすすめの睡眠薬
不眠症状に困っていて、すぐに効果を実感したい方、「ストン」と眠りに落ちたい方におすすめの睡眠薬を紹介します。
ベンゾジアゼピン系睡眠薬(超短時間型)
即効性を求めたい方には、ベンゾジアゼピン系睡眠薬(超短時間型)と、(短時間型)の中でも早く効くものがおすすめです。
主な薬の成分名(薬品名):
トリアゾラム(ハルシオン)、ブロチゾラム(レンドルミン)・ロルメタゼパム(エバミール/ロラメット)
ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、脳の活動を抑制するGABA(脳の神経伝達物質)の働きを強めることで、リラックスを促す神経伝達物質の働きを強めます。これにより、催眠や鎮静作用を発揮します。
効き目が早く、「ストン」と眠りに落ちる感覚があります。即効性が期待できるいっぽう、副作用の課題があります。依存性や、筋弛緩作用による転倒リスク、持ち越し効果(翌朝に眠気が残る)などです。
非ベンゾジアゼピン系睡眠薬(超短時間型)
即効性を求めたいけど、副作用の危険リスクを押さえたい方には、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬(超短時間型)がおすすめです。
主な薬の成分名(薬品名):
ゾルピデム(マイスリー)・エスゾピクロン(ルネスタ)
脳のGABA-A受容体という部分に作用し、神経の興奮を静めることで眠気を促します。従来のベンゾジアゼピン系に比べて、筋弛緩作用や抗不安作用が低く、翌朝のふらつきや持ち越し効果(眠気)のリスクが比較的少ないとされています。
しかし、まれに残ることがありますので、自動車や機械の運転等の危険を伴う作業はさけるべきです。
服用後、15〜30分程度で効果が現れ始めるため、服用したらすぐに布団に入りましょう。
【目的別】自然な睡眠リズムへ導きたい方におすすめの睡眠薬
自然な睡眠リズムへ導きたい方は、睡眠のメカニズムに働きかける薬がおすすめです。
「全体的に睡眠の質が悪い」「睡眠リズムが乱れている」といった方は、即効性よりも本来の睡眠サイクルを整えたり、覚醒を促すメカニズムに働きかけたりすることで、自然な眠りを取り戻すことを目指します。
オレキシン受容体拮抗薬・デュアルオレキシン受容体拮抗薬
脳内で覚醒を維持する神経伝達物質「オレキシン」の働きをブロックすることで、覚醒状態を抑制し、自然な眠りへの移行を促します。自然な眠りに近いため、依存性や離脱症状のリスクが低いとされています。
主な薬の成分名(薬品名):
スボレキサント(ベルソムラ)・レンボレキサント(デエビゴ)・ダリドレキサント(クービビック)
作用時間は比較的長く、入眠困難から中途覚醒、早朝覚醒まで幅広い不眠症状の改善が期待できます。
ダリドレキサント(クービビック)は、スボレキサント(ベルソムラ)・レンボレキサント(デエビゴ)の翌日への持ち越し、夢遊病等の懸念されるリスクを低減するため開発された新薬で、比較的副作用が少ないとされています。
メラトニン受容体作動薬
メラトニン受容体作動薬は、体内時計(概日リズム)を整え睡眠を促す睡眠ホルモン「メラトニン」の働きをサポートし、自然な眠りへ導く薬です。睡眠のメカニズムに働きかけるため、即効性はありませんが自然に近い状態のため、依存性や離脱症状のリスクは極めて低いです。
主な薬の成分名(薬品名):
ロゼレム(ラメルテオン)
即効性はありませんが、継続して服用することで乱れた体内時計をリセットし、睡眠・覚醒リズムを徐々に整える効果が期待できます。
睡眠薬はオンラインでも処方可能
睡眠薬は、心療内科や精神科を受診し、医師に処方してもらう必要があります。
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代わりに、ラメルテオン(ロゼレム)やレンボレキサント(デエビゴ)など、より依存性の低い薬剤を中心に処方しています。
おすすめの睡眠薬は症状や目的によって違う。医師へ相談してあなたに合った睡眠薬を選ぼう
睡眠薬といっても、作用メカニズムや効果、副作用などの課題もさまざま、いろいろな薬があります。
おすすめの睡眠薬は症状や目的によって違います。医師へ相談してあなたに合った睡眠薬を選びましょう。
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