口内炎とヘルペスの違いとは?共通点と見分け方を解説

口腔内について、「口内炎がよくできる」「ヘルペスと口内炎は何か違いがあるの?」といった悩みや疑問を抱えている方もいるのではないでしょうか。本記事では、口内炎とヘルペスの違いについて解説していきます。

目次

口内炎は自然治癒するケースが多く、重篤な症状に至ったことがある方は少ないといえるでしょう。

そのため、人によっては「全ての口内炎は同じで自然治癒するものでは?」とお考えの方は多いかと思いますが、実際のところ口内炎にはウィルス性のものもあり、その場合は自然治癒しないのです。

そこで、本記事では、口内炎の種類にふれたうえでヘルペスとの違いについて詳しくみていきましょう。

また、「普通の口内炎だと思っていたけど治癒が遅い」「口腔内だけでなく口唇にも水ぶくれある」という方は、おうち病院の『オンラインヘルペス外来』を活用してみましょう。

口内炎の種類

一般的な口内炎は次の4種類に分かれます。

・アフタ性

・カタル性

・ヘルペス性

・カンジタ性

それぞれの口内炎の詳細についてみていきましょう。

アフタ性

アフタ性口内炎はストレスや疲労によって発生します。見た目は、白や黄色の膜で覆われたうえで、口内炎が発生している箇所が赤くなっている状態になります。

粘膜を守るビタミンB不足や慢性的な疲労蓄積によって発生するため、普段から規則正しい生活とビタミンBの接種が大事です。 

カタル性

カタル性口内炎は矯正器具や入れ歯による傷、やけどなどの刺激によって細菌が繁殖することによって発生する病気です。粘膜に対して白っぽい炎症や赤い炎症が発生し、口臭にも影響をもたらすことがある点が特徴です。

傷や刺激によって発生し、抗生物質を含んだトローチや塗り薬によって治療します。 

ヘルペス性

ヘルペスウイルスに感染したうえで、ヘルペスの症状によって発生した口内炎は、ヘルペス性口内炎と呼びます。

喉の表面や下、口内・口唇など幅広い場所に症状が現れます。完治せずに再発を繰り返すだけでなく、免疫力の低下によって再発する点が特徴です。発疹や水ぶくれ、強い痛みなどが発生します。

人から人へ対して簡単に感染するため、予防手段はありません。また、自然治癒するケースもあるものの、自然治癒を待つよりも抗ウイルス薬での治療をおすすめします。 

カンジタ性

カンジタ性の口内炎は、口内に存在するカンジタが増加することで発生する口内炎です。 免疫力の低下や糖尿病、全身衰弱が原因で発生します。味覚の変化や痛みの発生、口唇のひび割れなどの症状が発生します。

また、種類が次の3つにわかれる点も特徴です。

・偽膜性―粘膜に対して白い膜ができる

・萎縮性―粘膜が赤く腫れる

・肥厚性―症状の慢性化によって粘膜が肥厚する

健康的な生活を送っている場合は発症しにくい口内炎となっています。 

口内炎とヘルペスの共通点 

ここからは口内炎とヘルペスの共通点について、みていきましょう。

口内炎は免疫力の低下や常在菌、外傷からも発生します。

共通点として、ヘルペスも免疫力の低下によって症状が表れる点は同様です。ただし、ヘルペスは感染症であるため、感染していなければ症状が表れることはありません。

また、感染後のヘルペスウイルスの活性化による症状は口腔内だけでなく全身のどこにでも現れる可能性があります。そのため、その他の口内炎と間違えるケースもあるものの、治療にはヘルペス用の抗ウイルス薬が必要です。 

自己判断で薬を使用しない

口内炎に関しては市販の薬も使用することが可能です。しかし、 何が原因で口内炎を発症しているのか分からない場合であれば、自己判断での薬の使用は塗り薬・内服薬、どちらも 推奨できません。

自己判断で薬を使用しより悪化してしまうパターンも考えられるためです。また、次のような症状であれば、単純な口内炎ではなく別の病気である可能性があります。

・発熱

・皮膚の水ぶくれ

・目の炎症

・全身疾患、全身のだるさ

・強い痛み 

食事が喉を通らない状態なのであれば、他の病気の可能性があるため、早急に医師の診断を受けるようにしましょう。

ウイルス性であれば感染する

口内炎に関しては、次のようなウイルスを保持してれば感染します。

・ヘルペスウイルス

・梅毒トレポネーマ

どちらのウイルスも皮膚接触、粘膜接触によって感染し、重症化した場合は命に関わる可能性がある点は同様です。ただし、大きな違いがあります。

ヘルペスウイルスは活性化を防ぐ手段はあるものの、体内除去はできません。対して、梅毒トレポネーマはペニシリンの投薬によって除去可能です。

有効となる薬が異なることから、どちらのウイルスの影響によって口内炎が発生しているのか医師の診断 が必要だといえます。

長引く場合はすぐに医療機関へ診察に行く

カンジタ性・ウイルス性口内炎は慢性化する可能性があるものの、アフタ性やカタル性の場合は自然治癒するケースがほとんどです。その上で、10日以上口内炎が治らず長引くようであればすぐに医療機関へ診察に行くことをお勧めします。

口内炎を発症する条件は様々であるものの、ガンなどの重篤な病気の影響によって発症するケースも少なくありません。そのため、長引いていると感じた場合は他の病気の影響によるものだと想定されることから、早めの診察が大切です。

口内炎とヘルペスの違い

ここからは、口内炎の中でも最も発生しやすい「アフタ性口内炎」とヘルペスの違いについて見ていきましょう。カタル性は傷、カンジタ性は真菌が原因であり、日常生活で発生するケースはアフタ性と比較すると多くはありません。

また、それぞれの原因が明確に異なるため、同じような見た目であっても自己判断が難しい点は知っておきましょう。 

口内炎は免疫力低下やストレスなどの環境要因

口内炎は、免疫力の低下やストレスなどの環境要因によって起こることが多くなっています。 特定の物質などに反応するアレルギーやタバコなどが要因となるケースもあるものの、普段から睡眠不足や疲労を溜めない生活によって、口内炎を防ぎやすくなるといえるでしょう。

また、口腔内の環境によっても口内炎が発生しやすくなることか、定期的なはみがきも大切になります。

ヘルペスはウイルスから発症する

ヘルペスはヘルペスウィルスから発生します。ヘルペスウイルスは、世界で8割の人々が保有しているウイルスであり、次のような感染経路で感染するため、予防が難しいといえるでしょう。

・粘膜や唾液、飛沫

・共有のタオルやコップ、食器を使用する

・罹患していない人が罹患している人のみずぶくれなどの患部に接触する

ヘルペスはヘルペスウイルスのみで発症するため、口内炎よりも発生要因は少ないといえます。しかし、ヘルペスウイルスに罹患している人々が多く、免疫力の低下によって再発を繰り返すことから一般的な口内炎と混同されるケースも多いのが現状です。

口唇ヘルペスは口内炎を発症することがある

口唇ヘルペスは口内炎を発症することがあります。この場合、口唇付近のヘルペスウイルスが活性しているため、口内炎も併発していると想定されます。そのため、活性化したウイルスを抗ウイルス剤で抑えなければ、口唇・口内炎の症状は収まりにくいといえるでしょう。

ヘルペスは発症する場所によって呼び名が変わるものの、どれも同じウイルスであることには変わりがありません。場合によっては帯状疱疹や水ぶくれを併発することもあります。

免疫力の低下によって再発する点はアフタ性口内炎と同様であるものの、明確に発生要因が異なるため、治療方法や治療薬が異なってくる点は知っておきましょう。

治療薬が異なる

アフタ性やカタル性口内炎であれば、ビタミンを含んだ内服薬や抗生物質、炎症を抑える トラネキサム酸などが効果的です。一方、ヘルペスウイルスによる口内炎であればアシクロビルやバラシクロビルなどの抗ウイルス剤でなければ効果は薄いと想定されます。

服用する治療薬によってはどちらも悪化してしまう可能性があることから、早めに口内炎を治療したいと思った場合には、医師の診断に基づいた治療を行いましょう。 

アフタ性口内炎とヘルペス性口内炎の見分け方

ここでは、一般的に多く見られるアフタ性口内炎とヘルペス性口内炎の見分け方について見ていきましょう。アフタ以外の口内炎は、傷・真菌・アレルギー・タバコ・がんなどの重篤な病気などの要因で発生し、アフタ性と比較すると見分けやすいといえます。

アフタ性口内炎は水ぶくれができない

アフタ性口内炎を発症した場合、楕円形で白っぽい色の膜が張られ、周辺が赤くなります。ただし、水ぶくれが発生することはありません。そのため、水ぶくれが発生した時点で他の病気が想定されるといえるでしょう。

カンジダ性口内炎では、水ぶくれが発生するケースもあるものの、 口腔内が白い斑点でおおわれるため、見た目からアフタ性口内炎と明確な違いがあります。

ヘルペス性口内炎は水ぶくれが必ずできる 

ヘルペス性口内炎は水ぶくれが必ずできます。対して、アフタ性口内炎は水ぶくれができる口内炎ではないことから、発生する要因が同様でも、効果的な治療方法が明確に異なります。

また、ヘルペス性口内炎も接触、痛みを伴うものの、アフタ性口内炎で使用されるステロイドを使用した場合は、より悪化する可能性がある点に注意が必要です。

アフタ性口内炎とヘルペス性口内炎自体は見分けやすいとはいえ、水ぶくれが本当にヘルペス性口内炎によるものかどうか分からない方は多いかと思います。
ご不安の方は、おうち病院『オンラインヘルペス外来』を活用して自宅でお気軽に受診してみてください。

「これって口内炎?ヘルペス?」分からない場合は迅速に医療機関へ

一般的な口内炎とヘルペスは似たような要因で発症するといえます。傷や真菌、アレルギー・タバコなどでも口内炎を発症するケースも多いものの、軽症であれば自己判断で自然治癒するものだと思うこともあるでしょう。

しかし、口内炎と一言でいっても発生した要因によって適切な治療方法が大きく異なります。アフタ性口内炎に効果的な治療薬は、ヘルペス性口内炎には効果的ではないといえます。

そして、一般的な口内炎とヘルペスによる口内炎は見た目が異なるケースが多いものの、わからない場合は迅速に医療機関を利用しましょう。どちらも自然治癒する可能性は高いものの、原因がわからなければ頻繁に再発を繰り返す可能性があるためです。

おうち病院『オンラインヘルペス外来』では、24時間365日オンライン診療をおこなっています。そのため、迅速な診断が可能であり、ヘルペスの重症化を防ぐことも可能です。

仮に、「数日間改善していない」「見ても判断がつかない」という方はおうち病院の『オンラインヘルペス外来』を利用してみましょう。