最近注目のウゴービについて、気になっている方も多いのではないでしょうか?
ウゴービは、肥満症に有効な保険適用薬です。肥満症の治療薬としては日本で最初に認められた薬です。
本記事では、その効果や使い方、気になる副作用や費用について、解説します。
ウゴービでの治療を検討している方は、ぜひ最後までお読みください。

目次
肥満症治療の新薬「ウゴービ」
肥満症と診断されて治療を検討している方へ、新たな選択肢となる「ウゴービ」。
一般名をセマグルチドといい、GLP-1受容体作動薬という種類の注射薬です。もともと2型糖尿病の治療薬として開発されたものですが、肥満症治療薬としても厚生労働省より承認され、2024年2月22日より保険適用の日本で初めての肥満症治療薬となりました。
ウゴービは、皮下注射する薬であり、医師の指導の後、自宅で簡単に自己注射できます。
皮下注射、つまり皮膚と筋肉層の間に薬を注入すると、末梢血管に吸収され、末梢の静脈に入って全身に送られます。これにより、比較的ゆっくりした薬の吸収を実現させ、効き目を持続させることが可能になります。
ウゴービの作用メカニズムと効果
ウゴービは、体内で自然に分泌されるホルモンGLP-1と似た働きをします。
GLP-1とは、食事をすることで分泌され、満腹感を感じさせたり、血糖値を調整したりする役割があるホルモンです。脳の食欲中枢に作用、胃の動きを抑えて食欲を抑制し、満腹感を高めます。
また、胃の排出を遅らせすることで、食事が胃に長くとどまり、食後の急激な血糖上昇を抑えて満腹感が持続します。
これらの作用により、食事摂取量が自然と減少し、体重減少につながります。
ウゴービの懸念される副作用
ウゴービは、いくつかの副作用が報告されていますので、知っておきましょう。投与中の体調の異変はすぐに医師に相談する必要があります。
副作用は以下の通りです。
- 低血糖症状(脱力感、倦怠感、高度の空腹感、冷汗、顔面蒼白、動悸、振戦、頭痛、めまい、嘔気、視覚異常等)
- 急性膵炎(嘔吐を伴う持続的な激しい腹痛)
- 吐き気、嘔吐、便秘、消化不良、下痢、おくび(げっぷ)、腹痛、腹部膨満など
これらの副作用は、薬の量を徐々に増やしていくことで、多くの場合、軽減することができます。しかし、ごく稀に、胆嚢炎、胆管炎、胆汁うっ滞性黄疸などの重篤な副作用が起こる可能性も報告されています。
参照元:医療用医薬品 : ウゴービ (ウゴービ皮下注0.25mgSD 他)
ウゴービは保険適用になる?
ウゴービは肥満症の保険適用薬ですが、適用条件に付いておさえておきましょう。
ウゴービが保険適用される患者
ウゴービは、医師の診察のもと、以下の条件を満たす方が保険診療で治療を受けることができます。
・肥満症の診断を受けた方。ただし、高血圧、脂質異常症、2型糖尿病のいずれかを有し、食事療法・運動療法を行っても充分な効果が得られず、以下に該当する場合に限る。
- BMIが27kg/m2以上であり、2つ以上の肥満に関連する健康障害を有する
- BMIが35kg/m2以上
引用元:医療用医薬品 : ウゴービ (ウゴービ皮下注0.25mgSD 他)
BMIは、肥満度を知るための国際的指標(Body Mass Index)です。日本肥満学会の基準では、BMIが25以上を「肥満」と定義しています。
ご自身のBMIがどのくらいか、一度計算してみてください。
<BMI計算式>
BMI=[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]
参照元:BMI|健康日本21アクション支援システム Webサイト 厚生労働省
また、腹囲(ウエスト周囲)の基準値が男性85cm,女性90cm以上でも、判断基準になります。
参照元:メタボリックシンドロームの診断基準|健康日本21アクション支援システム Webサイト 厚生労働省
ウゴービが保険適用されない患者
ウゴービが、保険適用されないのは、肥満症と診断されない、たんなるダイエットまたは美容目的の場合です。
また、肥満予備軍等でBMI値がギリギリで心配な方、肥満状態でも健康に問題がなく肥満症と診断されない場合も保険適用されません。
ただし、自由診療は可能であり、全国に対応クリニックがいくつか存在します。
厚生労働省では、ウゴービの取り扱いを、専門医師の診断と管理のもと適切に行われるよう定めています。
ウゴービの使用が禁止されている方と注意が必要な方
ウゴービの添付文書によると、禁忌(ウゴービの使用が禁止されている方)は以下の通りです。
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
※有効成分:セマグルチド (遺伝子組換え)
※添加剤:リン酸水素二ナト リウム二水和物、塩化ナトリウム、水酸化ナトリウム、塩酸
- 糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡、1型糖尿病の患者
- 2型糖尿病を有する患者における重症感染症、手術等の緊急の場合
注意が必要な方は以下の通りです。
- 膵炎の既往歴のある患者
- 度胃不全麻痺等、重度の胃腸障害のある患者
- 低血糖を起こすおそれがある
- 妊婦の方、またはその可能性のある方
- 授乳中の方
- 小児
- 高齢者
参照元:ウゴービ添付文書
ウゴービの気になる費用は?
ウゴービを取り入れて治療した場合の費用は気になるところですね。保険適用と自由診療で表にまとめました。参考にしてください。
少しずつ体に慣らしていくため、初回より0.25mg、0.5、1.0、1.7、2.4と少しずつ増量、以降2.4mgを投与します。ここでは、2.4mgを週1回注射で算出します。
ウゴービの薬価は、2.4mg=11,009円/キットです。
1週間分/1本 | 4週間分/4本 | |
保険適用3割負担の場合 | 3,303円 | 13,210円 |
自由診療全額負担の場合 ※医療機関により異なる | 11,009円 | 44,036円 |
※診察料・検査料・処方箋料等は計算に含めていません。
参照元:医療用医薬品 : ウゴービ (ウゴービ皮下注0.25mgSD 他)

ウゴービの使い方
ウゴービは週に1回、ご自身で皮下注射する薬です。毎週同じ曜日に注射します。
細い針を使用するため、痛みは比較的少ないです。
最初は少ない量から始め、体を慣らしながら徐々に量を増やしていきます。これは副作用を軽減するためにも非常に重要です。量を増やしていくタイミングは医師が判断しますので、指示にしたがってください。
使い方(注射の仕方)は、医療機関で処方された際、初回に医師または薬剤師から説明をうけます。また、説明書が入っていますので、よく読んで手順を間違えないように落ち着いて注射しましょう。皮下注射のため間違えて筋肉や血管に刺さぬよう皮膚をつまんで行います。
また、注射する場所は、腹部・大腿・上腕になどで、注射箇所は毎回変更し、少なくとも前回の注射箇所より2〜3cm離すこととされています。
参照元:医療用医薬品 : ウゴービ (ウゴービ皮下注0.25mgSD 他)
ウゴービと一緒に!今日から実践したい痩せる習慣
生活改善と食生活の改善は大前提です。医療機関においても栄養指導等を並行する場合もあります。ウゴービだけに頼らず、ぜひ実践してください。
生活習慣の改善
痩せ体質になる生活習慣のアイディアをまとめました。
普段の生活にちょっとした工夫を取り入れるだけでも、大きな違いが生まれ、習慣化できます。
- 通勤や移動中1駅分歩く、エスカレーターではなく階段等、スキマ時間を活用して「ながら運動」を意識する
- 寝る前に軽いストレッチで体をほぐす、週に数回ウォーキングを取り入れるなど軽い運動を取り入れる
- 毎日同じ時間に寝起きするよう心がけ、質の良い睡眠を目指す
- ストレスと上手に付き合う(ストレス解消法をみつける)
食生活の改善
食べるのを我慢するのではなく、食べ方を変えます。
ウゴービの効果で食欲は抑えられているはずなので、下記を意識すると効果的です。
1.食べる順番と食べ方を意識する
野菜やキノコ、海藻類など食物繊維が豊富なものを最初に食べるようにしましょう。
次にタンパク質(肉、魚、卵、豆腐など)、最後にご飯やパンなどの炭水化物、という順番がおすすめです。食物繊維が血糖値の急上昇を抑え、満腹感も得やすくなります。
また、よく噛んでゆっくり味わう事で満腹中枢が働き、食べすぎを抑えます。
2.栄養バランスの良い食事を心がける
主食・主菜・副菜をバランスよくとりましょう。
例えばラーメンとチャーハン、パスタとパン、のような炭水化物に偏った食事をしてはいけません。炭水化物、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラルをバランスよく摂ることが大切です。
食品のバランスは、厚生労働省発表の下記サイトを参考にすると良いです。
ただし、合併している病気により注意すべき食材がありますので、医師の指導をしっかり守ることも大切です。
参照元2:毎日の食生活チェックブック|厚生労働省 農林水産省
3.賢い食材選び
脂肪の少ない食品を選び、油の多い料理は減らし、食べる頻度や量に気を付けましょう。
エネルギー量の低い野菜やこんにゃく、きのこ類、海藻類などを、ふんだんに取り入れましょう。罪悪感なく食べることができて満足感も得られます。飲み物は、水やお茶などエネルギーがないものにします。
ウゴービを処方している病院は?
ウゴービを処方できる医療機関は、基本は内科です。
肥満症の診断、治療に関わるため、生活習慣病外来・肥満症外来やダイエット外来でも可能です。ただし、医療機関によっては取り扱っていない可能性もあるため、事前にホームページ等で確認してみましょう。
また、オンラインクリニックの肥満外来やダイエット外来でも、対応可能です。
近くに該当する病院がない、多忙でなかなか通院の時間がとれない、肥満の相談は恥ずかしくて通院をためらう、という方には、オンラインが向いています。
自宅など好きな場所で受診できるため、スキマ時間で受診可能で、誰にも見られる心配はありません。
肥満症薬の処方なら「おうち病院Privateシリーズ きっちり向き合う肥満症改善外来」
肥満や過体重は、高血圧・糖尿病・脂質異常症など、さまざまな生活習慣病のリスク因子となります。運動や食事に気を配っているつもりでも、加齢やホルモンバランスの変化、ストレスなどの影響で、思うように体重が落ちないと感じている方も多いのではないでしょうか。
そのような方には、医師の継続的な診察とサポートを受けながら、医療的介入(薬物治療)と生活習慣の見直しを組み合わせた治療が推奨されます。
「他サービスのように、お薬の処方だけで終わりでは不安…」そんな声に応えるのが、「おうち病院Privateシリーズ きっちり向き合う肥満症改善外来」です。
「おうち病院 きっちり向き合う肥満症改善外来」なら、
✅ 1回30分の診察時間を確保:患者様の背景や課題を丁寧にヒアリングし、きめ細かい治療方針を提案
✅ リバウンド防止にも対応:体重減少後も、生活習慣改善の継続支援あり
✅ 平日・土日祝すべて対応:朝8時〜夜22時まで診察可能
✅ 診察後、薬はご自宅に配送:通院不要で治療継続がしやすい
✅ 予約時間ぴったりに診察開始:出社前、会議の合間、就寝前など、スキマ時間で受診可能
「きっちり向き合う肥満症改善外来」では、自宅にいながら専門医の診察を受け、必要なお薬は自宅へ配送されます。忙しい方でも、医療の力を味方につけて無理なく継続できる環境を整えています。
なお、初回受診時には医師が正確に状態を把握するため、「健康診断書」または「体重計測結果の画像」のご提出が必要です。ご予約の前にご用意いただくようお願いいたします。
本気で体重改善に取り組みたい方、自己流のダイエットに限界を感じている方は、
ぜひ「おうち病院 きっちり向き合う肥満症改善外来」での診察をご検討ください。

ウゴービを活用して健康的な身体を手に入れよう
「ウゴービ」は、肥満症治療薬として大変注目されている新薬です。肥満症治療が1歩前進したと言えます。
肥満症と診断された場合、緊急性が高いため、自己流ダイエットではなく医療機関での治療をおすすめします。
自己流ダイエットは、極端な栄養の偏りや食事制限による健康被害の危険がありますので、無理なく健康な身体を手に入れるには、医療の力を借りる事を検討しましょう。
「健康診断で体重やメタボを指摘された」「BMI値が気になる」などお悩みの方は、一度サクッとオンライン診療へ相談してみてはいかがでしょうか。