血管性浮腫とストレスは関係しているのでしょうか?
悪化や再発はさけたい、と治療中の患者さんにとっては気になるテーマでしょう。
本記事では、血管性浮腫とストレスのメカニズムと、ストレスをためると血管性浮腫が再発、または悪化する可能性があることを解説します。
あわせてその対処法をお伝えします。発作を起こさないよう、正しく対応していきましょう。
目次
血管性浮腫とストレスは関係している?
ストレスは、血管性浮腫の悪化や再発に影響しているのでしょうか?
ここでは、血管性浮腫とストレスの関係性を解説します。
そもそも血管性浮腫はなぜ起きる?
一般的な浮腫は、何らかの理由で血流障害が起こり、体内の水分バランスを調整する働きが崩れて、本来排出するべき水分が体内に過剰にたまってしまうことが原因です。
一過性の生理現象から病気から来るものまであります。
対して、血管性浮腫は、血管が関係しているため、血管性浮腫と言います。
血管の壁の小さな穴が、通常より開いてしまう状態で、血液中の水分が血管の外へ染み出てしまい、余分な水分がたまって浮腫を引き越します。
血管性浮腫には、遺伝性のものとそうでない後天性のものがあります。
ストレスがたまると血管性浮腫の発作を誘発する
血管性浮腫は、急激に症状が表れる発作の危険性がはらんでいますが、発作を誘発させるものや、再発させる原因のひとつとしてストレスホルモンが関係しています。
血管性浮腫の治療と、発作を起こさないようにコントロールしていく中で、ストレスの軽減を図ることは非常に重要です。
ストレスを受けると「コルチゾール」という通称「ストレスホルモン」が分泌されます。コルチゾールは、体内の血液・リンパ液・細胞間室液(細胞間の体液)が血管やリンパ管、細胞間をスムーズに流れて体内へ栄養や酸素を運んだり、細胞の老廃物を排出したり、といった働きを低下させます。
したがって、過度なストレスを受ける→コルチゾールの過剰な分泌→体内の水分バランスが崩れる→浮腫症状の発作・再発を引き起こす、ということが起こるのです。
血管性浮腫を悪化させないためのストレス対策
浮腫症状の悪化や再発を予防するためには、ストレス管理が重要ということがわかったところで、ストレス対策をいくつかお伝えします。
実際に自分で出来ることを考えてみましょう。
血管性浮腫のストレス対策1.精神的ストレスの軽減
精神的なストレス管理は難しいという方もいらっしゃるかもしれません。
仕事や家事・育児で多忙で、日々ストレスを抱える方も多いでしょう。しかしこれが一番重要です。癒される事やリフレッシュできる時間を意識的に持ちましょう。気分転換できる趣味や適度な運動を取り入れるのも良いでしょう。
病気を心配するあまり神経質になるのも逆効果です。ゆったりと過ごせる時間、好きなことに夢中になれる時間、誰かに悩みを言える時間などは非常に有効です。
過度なストレスの引き金となっているものが、例えば職場など、もし環境を変えられるものであれば、思い切って変えてしまうのも手です。
血管性浮腫のストレス対策2.肉体的ストレスの軽減
肉体的ストレスとは、疲労の蓄積や睡眠不足などから来るものです。睡眠を充分にとり、疲れはなるべく取り除くべきです。
入浴はシャワーで済ませず、しっかりと浴槽につかりゆっくり温まりましょう。体が温まり疲れが取れるうえに安眠効果やリフレッシュ効果も期待できるのでおすすめです。
夜更かしは禁物です。規則正しい生活リズムが理想です。
また、食事はパワーのもととなります。栄養バランスのとれた食事で栄養をつけましょう。カリウムを多く含む緑黄色野菜や果物、たんぱく質が豊富な肉類・魚類・卵・乳製品・大豆製品などは、血管の健康に役立ちます。
身体を冷やすようなことは避けましょう。冷房が効いているオフィシャルサイトなどでは上着を着るなど、冷やさないよう努めます。
血管性浮腫を悪化させるストレス以外の原因も知っておこう
血管性浮腫はストレスを受けると再発したり発作を誘発したりすることがある、と前述しました。
しかし、血管性浮腫の再発や発作はストレスだけが原因ではありません。
ストレス以外の原因は以下の通りです。症状をコントロールするうえで大事なことですので、おさえておきましょう。
- 激しい運動や過度な圧力
- 風邪やインフルエンザ・コロナな度の感染症
- 高脂肪・高塩分の食事や過度なアルコール摂取
- 気候の激しい変動や気圧(寒暖差が激しい・低気圧など)
- 手術、歯科治療、抜歯、注射等の医療行為
- 女性ホルモンの変動(月経周期、妊娠、出産、更年期など)
- アレルギー反応
- 特定の薬剤に反応
特定の薬剤に反応するケースとしては、例えば、エストロゲンを含む経口避妊薬(ピル)や更年期障害などに対するホルモン補充療法、高血圧の薬であるACE阻害など、別の治療で服薬中の方は減薬か薬を止める対処が必要なことがあります。
必ず医師へ相談しましょう。
なかなか治らない血管性浮腫は遺伝性の可能性も
血管性浮腫の治療をしていてもなかなか治らない、頻繁に再発するなどの場合、遺伝的要因の可能性があります。
血管や体内の水分バランスを調整する働きの細胞の遺伝子情報が、何らかの理由で欠損していることが原因で血管性浮腫を引き起こしています。
遺伝性血管性浮腫かどうかの判断基準は以下の通りです。
- 痛みを伴わない浮腫が体の様々な部位に急激に表れる
- 急激に腹痛、吐き気、嘔吐、下痢などが表れることがある
- 急激に息苦しくなり喘息のような発作が起きたことがある
- 外傷や抜歯、過労などの肉体的ストレス、妊娠、月経、薬物、精神的ストレスなどをきっかけに症状が表れたことがある
- 発作は2~3日で収まるが、繰り返し再発することがある。
- 10代から20代で初めて発症した
- 血縁関係に同じ症状の人がいる
このなかで、1つでも当てはまる場合は遺伝性の可能性があります。
遺伝性血管性浮腫は継続的な治療が不可欠
遺伝性血管性浮腫の疑いがある時は、発作の恐れもあるため注意すべきです。
遺伝性血管性浮腫の治療は、発作を静める短期的な治療だけでなく、発作を起こさないように体調を管理し、症状をコントロールする継続的な治療が必須となります。発作時の短期的な治療は一時しのぎでしかありません。
遺伝性血管性浮腫の発見が遅れて、繰り返し発作時の対処だけをしていると大きな発作を起こすなど、悪化する恐れがあります。
血管性浮腫で通院できる病院
血管性浮腫の治療で通院できる医療機関は、循環器科・循環器内科・血管外科・浮腫専門外来などです。遺伝性かそうでないかの診断も可能です。
どこへ行けばいいかわからない時や、近所に該当の医療機関がない時は、まずは内科でも可能です。
または、オンライン受診も現代では可能です。循環器科、循環器内科、血管外科、内科、浮腫専門外来クリニックのオンライン受診、またはオンライン専用クリニックの浮腫外来で受診しましょう。
通院しなくては、と思いながら多忙で後回しになってしまう方は、こちらが便利です。
血管性浮腫の継続治療なら、おうち病院「オンライン血管性浮腫外来」
血管性浮腫の治療は、重大な腫れ症状が出ている時(いわゆる発作時)の処置だけでなく、継続治療が重要です。
遺伝性の場合、症状をコントロールし、血管性浮腫と付き合っていくことになります。
しかし日々多忙だと、通院が難しい方も多いでしょう。時間が取れない、子どもが小さい、病院が遠い、公共機関での移動が大変など、医療機関へ通院するのが難しい方におすすめなのが、おうち病院「オンライン血管性浮腫外来」です。
血管性浮腫の継続的な治療に、わずらわしさがなく手軽で便利です。
処方された薬は配送かお近くの薬局薬店で受け取れ、薬が切れる心配がなくなります。
ただし、遺伝子情報の血液検査や、医師が行わなければならない注射や点滴治療はオンラインで行えないため、継続治療向けです。
血管性浮腫の悪化・再発を防ぐにはストレス管理を
血管性浮腫とストレスの関係は密接であることがわかりました。
ストレス管理、セルフケアを行い、発作をおこさないようコントロールしていく事が大切です。
遺伝性血管性浮腫の可能性があるなら、特に注意が必要です。
血管性浮腫の継続治療なら、多忙でなかなか受診できない場合にスキマ時間で予約できてご自宅から受診できる、おうち病院「オンライン血管性浮腫外来」のご利用を検討してはいかがでしょうか。