コロナの後遺症で咳症状が続くケースが多くあります。
咳が続くと夜間眠れない、体力を消耗する、など日常生活に支障をきたし、悩んでいる方も多いようです。
本記事では、長引くつらい咳の原因と解決法を、生活の中で出来る咳のケアも含めて紹介します。
目次
コロナ後遺症による咳症状と原因
コロナに感染して、症状のピークを越えて快復に向かっているのに、咳だけ続くケースがあるようです。
ここでは、咳症状の特徴や原因について解説します。ご自身の症状と照らし合わせてみてください。
コロナ後遺症による咳の特徴
コロナウイルスに感染した後、快復したのに咳症状だけが長引いている場合、後遺症かもしれません。
コロナ後遺症と思われる咳の特徴は以下の通りです。
- 痰があまり出ない、のどがヒリヒリするような乾いた咳(空咳)が続く
- 反対に痰が絡むような湿った咳が続く場合もある
- 痰が絡んで出しづらい
- 頻繁に咳き込み、一度咳が出始めると止まらない発作的な咳
- 症状が強く、発症から2~4週間経っても症状が続く
以上の中で1~4の中で1個でも当てはまる症状があり、かつ5が当てはまるようであれば、コロナ後遺症の可能性が高いです。
コロナ後遺症による咳の原因
コロナ後遺症による咳はなぜ起こるのか、その原因はいくつかあります。
- ウイルス感染によって気道が炎症を起こして過敏になり、刺激に敏感になった
- 肺炎による損傷が回復しきれず、長引く咳の原因になることがある
- 胃食道逆流症が合併している可能性(ストレスや薬の影響で胃酸が逆流し、咳が誘発される)
- コロナが引き金となり、二次的な細菌感染を起こしている
長引く咳はコロナ後遺症ではなく別の病気の可能性も
前述した、コロナの後遺症から別の病気を併発している可能性について、詳細を深掘りしてみましょう。
逆流性食道炎による咳
胃酸が胃から食道に逆流して食道に炎症が起きる病気です。逆流した胃酸が、食道や喉の神経を刺激するため、咳を誘発します。コロナから合併する症例が多く報告されています。
二次的な細菌感染
コロナに感染して免疫力が低下し、別のウイルスや細菌に感染して咳を誘発することがあります。
咳喘息に移行している
コロナがきっかけとなって気道の炎症がおさえられず、咳喘息へと移行している可能性もあります。
コロナ後遺症の咳症状の治療法
コロナ後遺症の咳症状の主な治療法を解説します。症状により喘息患者と同じ薬になることもあります。ご自身の治療がどんなものになるのか知っておきましょう。
吸入器による気道保護と鎮静
今のところ、コロナ後遺症の咳の治療法として確立されているものはありません。症状に合わせて対処療法を行います。
最も一般的なのが、喘息・咳喘息の患者と同じような治療法です。吸入器を使った治療や抗炎症薬で、気道炎症を抑え気管支を広げます。
吸入ステロイド薬や気管支拡張剤を用います。これにより、次第に気道の炎症が治まり改善が見込めます。気道の炎症が著しい場合最も効果的な治療です。
咳止め薬や痰を切る薬
咳を止める薬や痰を吐き出しやすくする薬が処方されます。中枢性鎮咳薬、末梢性鎮咳薬、去痰薬を用います。
通常、咳止め薬や痰を切る薬は、一時的に症状を和らげてくれるもの、根本的な治療ではないので、前述の吸入ステロイド薬や気管支拡張剤と併用するケースが多いです。
患者の症状改善に合わせて、徐々に薬を減らしていきます。
症状の快復には、体力が不可欠ですが、後遺症による咳症状が続く場合、夜間や早朝も咳症状が強くて眠れないと訴える患者も多いです。そのため症状が強い時などに用いられます。
根本的な原因への対処
必要な検査を行い症状の経過を観察しながら、別の病気を合併した可能性がある場合には根本的な原因へアプローチします。
逆流性食道炎の場合、まずは胃酸の逆流をおさえるための生活習慣を身に付けてもらう、生活療法を行います。(寝る時は上半身をあげて寝る、寝る前3時間はものを食べないなど)それでも改善されない時は、胃酸分泌を抑える薬や、胃の動きを改善する薬を処方します。
二次的な細菌感染が疑われる場合、胸部レントゲン、血液検査などを行って診断した後、抗生剤(抗菌薬)を用いて治療します。
代替医療(補完療法)
コロナ後遺症による咳症状が止まらない時、対処療法の補完的な役割として、代替医療が用いられる場合があります。
例えば、根本から体の健康を目指すために、漢方薬による治療や、食事指導・医療用サプリメントを用いる栄養療法などがあります。また、鍼灸や呼吸リハビリが気管支をリラックスに導くことがあります。リラクゼーションのため、アロマやハーブのセラピー・ヨガなどを取り入れることもあります。
関連記事:コロナ後遺症に効く薬とは?症状別にわかりやすく解説
コロナ後遺症の咳症状を和らげるセルフケア
コロナ後遺症の咳症状を和らげるため、自宅でもセルフケアを行いましょう。すぐに実践できるので実践してみてください。
充分な休息
たかが咳と甘く見ずに、充分に休息しましょう。しっかり睡眠を確保します。
コロナに感染したあと快復し、自宅療養期間を経て職場や学校に復帰したタイミングの方もいるかもしれません。しかし、咳が強く出る時はまだ体が充分に快復しているとはいえませんので、しっかり休んだ方が良いでしょう。
咳が原因で夜眠れないなどの方は、体を起こして寝る、医師に相談するなどして対策をしましょう。自己判断での市販薬でごまかす方も多いようですが、必ず医師に相談しましょう。
喉の保湿をする
喉の保湿には充分気を使いましょう。
部屋では、加湿器を利用するか濡れたタオルを部屋に干す、浴室や夜間の湯気を利用するなど、部屋を冷たい乾燥した空気にしないことが大切です。
また、マスクをして喉を保護すると、保湿効果も高まります。
同様に、水分摂取やのど飴も効果的です。こまめに水や白湯を飲むと良いでしょう。
のど飴やトローチは、医師から処方されたものもありますが、市販品でもかまいません。そのさいは、喉に良いとされる、生姜・大根・はちみつ・花梨・ゆずなどが配合されているものがおすすめです。
食生活の改善
コロナ後遺症による長引く咳症状には、食生活の見直しも大切です。
抗炎症作用がある食材を中心に、喉に優しい温かい食品や水分を積極的に摂りましょう。刺激物や冷たい食品、脂っこいものや味の濃いもの、糖分の多い食品は避けてください。
喉に良い食品と食べるとよくない食品は、以下の通りです。
喉に良いおすすめの食品 | 生姜・大根・緑黄色野菜(ブロッコリー、ほうれん草、にんじんなど)・はちみつ・柑橘類・ヨーグルト・青魚(サバ、イワシ、サーモンなど)・温かいハーブティーやスープ |
避けた方がよい食品 | からい食べ物(刺激物)・香辛料・揚げ物・糖分が多いお菓子・炭酸飲料・冷たい飲み物・カフェイン・アルコール |
以上に気を付けて食事をしてみてください。
また、少し食べてみて喉がイガイガすると感じれば、その食べ物は避けた方が良いです。
長引く咳は、咳喘息に移行した可能性もある
長引く咳は、咳喘息に移行している可能性もあります。
咳喘息かどうかの見分け方は、以下のチェックリストを参考にしてください。
- 3週間以上咳が続く
- 特に夜間や朝方に悪化することが多い。
- 寒暖差やタバコの煙に反応して咳が出やすい。
- 痰が絡まない乾いた咳が出る
- 市販の咳止めが効かない
- 体を横にすると咳が多くなる
- 会話の途中で咳が止まらなくなる
- 息苦しさを感じる
以上の中で2個以上当てはまる場合は、咳喘息の可能性があります。すぐに医師に相談しましょう。
自己判断での市販薬では、気道の炎症をおさえることはできません。そのためどんどん悪化してしまい、重篤な発作を起こす可能性があります。
コロナ後遺症の長引く咳を治療できる医療機関
コロナ後遺症による咳症状がある時にはどこへ受診すれば良いのでしょうか。
治療できる医療機関について解説します。
コロナの症状が治まり後遺症に咳症状だけの場合は、コロナ外来へ行く必要はありません。
内科でも問題ないですが、呼吸器の専門家や喘息の専門家に受診すると良いでしょう。
具体的には、呼吸器内科、消化器内科、耳鼻咽喉科、アレルギー科、喘息外来などです。
また、コロナ禍以降、オンライン受診の仕組みを導入しているクリニックも増えてきました。小さなお子さんがいる、症状がつらい、病院が遠い、など通院が難しい方は、オンライン受診の選択もあります。
呼吸器内科、消化器内科、耳鼻咽喉科、アレルギー科、喘息外来のオンライン対応窓口、またはオンライン専用クリニックの喘息外来も治療が可能です。
多忙で時間が取れない、咳症状が重くて病院に行くのもつらいなど、なかなか病院に行けない時は、外出しないですむオンラインが便利です。
コロナ後遺症による長引く咳にお悩みなら、おうち病院「オンライン喘息外来」
コロナ後遺症による長引く咳にお悩みなら、おうち病院「オンライン喘息外来」がおすすめです。
症状がつらくて病院に行けなくても、多忙で時間が取れなくても、オンラインなら通院せずに受診可能です。あなたの症状から、コロナ後遺症による咳症状をしっかり診察して、適切な治療をご提案、アドバイスさせていただきます。
病院への通院は、咳症状が強いと体がつらいのと、咳がたまらなくなったらどうしようという不安がつきまといますが、ご自宅からお好きな時間にオンライン受診していただけますので、安心していただけます。
また、処方した薬は、配送かお住まいの近くの薬局薬店でお受け取り可能です。
コロナ後遺症の咳症状が治らないと感じたら、無理せず病院へ
コロナ後遺症による長引く咳の治療は、喘息患者と同じ薬でアプローチする場合もあります。
また、症状によっては後遺症から咳喘息に移行している可能性もあります。
コロナ後遺症の咳症状が治らないと感じたら、セルフケアも行いながら、「たかが咳」と我慢したり放置したりせず、受診し適切な治療を受けましょう。
自己判断での市販薬は、効果を感じられず悪化する恐れもあります。
多忙な方や通院が困難な方は、時間的にも体力的にも負担のかからない、おうち病院「オンライン喘息外来」へ相談してみてはいかがでしょうか。