新型コロナの初期症状に鼻水?早期発見のために注意すべきポイント

鼻水症状だけだと、コロナか風邪か、もしくは花粉症なのか判断がつかず不安になりますね。

分からないため見過ごしていたら、実はコロナに感染していた例もあります。

本記事では、鼻水症状からコロナの初期症状として見分けるポイントと、対処法や症状を緩和するヒントなどを解説します。

鼻水症状が気になる方は参考にしてください。

鼻水症状は、新型コロナを疑うべき?

鼻水症状だけでもコロナを疑うべきでしょうか?

実際のところ、鼻水症状や鼻づまり・くしゃみだけだと判断は難しいかもしれません。

鼻水だけでもコロナの疑いはある

結論から言えば、鼻水症状だけでも、コロナに感染している可能性はあります。

実際に鼻水症状だけでコロナだった事例の報告もあります。

しかし、鼻水症状のみの時に判別するのは難しく、この段階でコロナの検査をしても、偽陰性となる可能性もあります。

それではどうすれば判別できるのか、見分け方については、後ほど解説します。

コロナの初期症状は鼻水が多い

初期症状として鼻水が報告されるケースは多いです。

以前はそれほどでもなかったのですが、2023年冬から2024年春にかけて流行した変異株では、鼻水症状を訴える患者の報告が増えたようです。

ただし、初期症状が鼻水のみだったというだけで、後に病状が進行して別の症状が表れる場合がほとんどです。

つまり、花粉症か風邪だと思って見落としていたら、コロナが悪化してしまったということになりかねません。

鼻水以外の主な症状

前述の通り、鼻水症状だけではコロナかどうか分かりにくいため、他の症状が表れてから総合的に判断するのが一般的です。

鼻水以外の代表的なコロナ症状としては、鼻づまり・発熱(微熱の場合もある)・悪寒・咳・痰・喉の痛み・息切れまたは呼吸困難・頭痛・筋肉や体の痛み・疲労感・倦怠感・味覚の喪失・嗅覚の喪失・吐き気及び嘔吐・下痢・腹痛などが挙げられます。

症状は人により様々です。

鼻水症状から新型コロナを早期発見するポイント

鼻水だけでは判断しにくいものの、見分け方の参考になるポイントがあります。下記のチェックポイントを意識してみましょう。

環境や行動のチェック

周囲の環境や感染状況、自分や家族の行動が判断材料のひとつになる時があります。

思い返して、受診の際は医師に報告しましょう。

目安は以下の通りです。

  1. 感染者と接触したか
  2. 家族や職場等、近しい人に感染者がいるか
  3. 職場(学校)の人など近しい人の家族に感染者がいるか
  4. 感染者がいた可能性のある場所に行ったか
  5. 人混み、イベントや飲み会等へ参加したか
  6. 家族は、上記1~5に該当するか

1つでも当てはまれば、コロナ感染の可能性があります。

症状のチェック

他の症状も出てきているか、普段と違うところはないか、よく症状を観察しましょう。

まず、こまめに体温を計測します。朝より夜体温はあがりやすいので、こまめに記録して同じ時間で比較するのも良いでしょう。

また、熱があがってきた場合、自己判断で解熱剤等を飲んでしまうと計測しにくくなるのでご注意ください。

鼻をかんだら、鼻水の状態もたしかめておきます。

コロナの鼻水症状と、混同しやすい風邪やアレルギーとの違いは、次に詳細を解説します。

新型コロナと風邪・アレルギーの違い

間違えやすい鼻水症状として、風邪やアレルギーとコロナの違いや特徴を表にまとめました。他の症状も含めて、判断の参考にしてください。

新型コロナウイルス風邪アレルギー(花粉症等)
鼻水の
状態
初期は水様性鼻水
(サラサラ)後に粘性が強い鼻水(ネバネバ)
初期は水様性鼻水
(サラサラ)後に粘性が強い鼻水(ネバネバ)
水様性のサラサラした鼻水絶え間なく出る
鼻水の色無色から黄色みがかったものに変化無色から黄色みがかったものに変化無色透明
症状の
表れ方
初期に表れ、後に他の症状も急激に表れる。急激に進行し、悪化することもある。他の症状も含め、ゆるやかアレルゲンに反応する花粉など季節による場合と、カビやホコリ等通年の場合がある
他の症状鼻づまり・くしゃみ・発熱/微熱・悪寒・咳・痰・咽頭痛・呼吸困難・頭痛・筋肉痛・関節痛・疲労感・倦怠感・味覚/嗅覚の喪失・吐き気/嘔吐・下痢・腹痛など鼻づまり・くしゃみ・咳・咽頭痛・発熱/微熱鼻づまり、くしゃみ、嗅覚障害、目のかゆみ、喉のイガイガ感など。鼻づまりがひどくなると、口で呼吸するため息苦しさを伴う。

上記のような判断基準がありますが、やはり鼻水のみでの判断は難しく、他症状や周囲の感染者等の情報から判断することになります。

最もわかりやすいのは、他症状の進行程度ではないでしょうか。

急激に体調が悪化するようなら、コロナの可能性が高まります。

自己判断が難しい時は医療機関へ

前述したように、自己判断は難しい場合が多いです。間違った判断をしてしまい、コロナの発見が遅れることもあります。

あきらかに花粉症などのアレルギーではないなら、受診することをおすすめします。

新型コロナと思しき鼻水症状が出たら取るべき行動

コロナと思しき鼻水症状が出たら、気を付けて欲しいポイントや取るべき行動について解説します。

鼻水症状が出て、体調が悪くなっていく感じがしたら、「風邪だろう、たいしたことない」と思わず「コロナかもしれない」という気持ちを持って行動してほしいと思います。

人との接触を避ける

コロナの可能性が否定できないうちは、可能な限り会社等は休みましょう。出来るだけ外出しないようにします。

家族とも念のため接触を避けます。タイルや食器の共有を避けてください。

出来れば、部屋も分けて自己隔離をすることをおすすめします。

やむを得ず外出する際も、移さないためのマナーとしてマスクを着用します。

充分な栄養と休養

充分に栄養を取りましょう。

可能であれば、栄養たっぷりでのど越しの良さそうなもの、消化の良いものを食べてください。

また、鼻水が出る時は味覚もわかりにくくなり、食欲がわかない時もあります。

そのような時は、少量でたんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルをバランス良く補給出来る栄養補助食品がおすすめです。プリンやゼリー、栄養補助ゼリー飲料なども良いでしょう。

さらに、しっかり睡眠もとり休養してください。

なるべく早く病院へ行く

鼻水症状だけでなく、他の症状も急激に表れる可能性がありますので、その前に受診しましょう。

鼻水だけでも、あきらかにいつもより疲労感や倦怠感を感じる等、体調がすぐれない状態が表れている可能性もあります。

早期発見・早期治療の大切さ

鼻水や鼻づまりだけだと判断が難しく、病院へ行くのを躊躇してしまう方は多いでしょう。

しかし、明らかな花粉症などと違い、コロナの疑いがあれば対処すべきです。

少し様子を見たとしても、他の症状が出てきたり、近しい人が感染したとわかったりした時はすぐに受診しましょう。

早期にコロナ感染を確認して、早いうちに適切な治療を開始すれば、症状の進行を抑えることが出来ます。同時に後遺症の発症も防ぐ事ができる可能性があります。

早期発見・早期治療がなぜ良いのかと言うと、体内でウイルスが増殖される前に抗ウイルス薬を服用するのが効果的と言われているからです。そのため、今現在コロナ治療で主に使用されている抗ウイルス薬は、発症から3日以内の服用が望ましいとされています。

コロナ治療薬”ゾコーバ”は、発症後72時間(3日)以内に服用することで、コロナの重症化を防ぎ、辛い症状が出る期間を短縮してくれると臨床試験(治験)で認められました。

ゾコーバの開発元である塩野義製薬による日本感染症学会での研究発表によれば、「16万人以上のコロナ患者を対象とした研究で、ゾコーバを服用した人は服用していない人と比較すると、入院リスクが37%減少していた」という事です。

そのため、コロナの治療は、初期サインを見逃さずに、早い段階で正しく診断し、適切な治療をすることが大切なのです。

参照元:塩野義製薬のコロナ薬「ゾコーバ」、入院リスク37%減 – 日本経済新聞 (nikkei.com)

新型コロナによる辛い鼻水鼻づまりを和らげるケアの方法

辛い鼻水鼻づまり症状を和らげるケアの方法をご紹介します。

自宅でできるので、ぜひやってみてください。

蒸気を吸入する

湿ったタオルやお湯の蒸気などを使って、蒸気吸入を行います。

蒸気吸入は、鼻の通りを良くし、鼻水や鼻づまりの症状を和らげてくれます。以下に、蒸気吸入の具体的な方法と手順を詳しく説明します。

<方法1.湿ったタオルを使った蒸気吸入>

・準備するもの

清潔なタオル、耐熱用のボウルまたは洗面器、ヤカン・湯沸かしポットなどお湯を沸かすもの、熱湯

・注意点

熱湯と、熱いタオルの取り扱いには充分注意して下さい。

・手順

1.お湯を用意する:

ヤカン等でお湯を沸かし、耐熱用のボウルまたは洗面器に熱湯を注ぎます。

2.タオルを湿らせる:

清潔なタオルを熱湯に浸したあと、余分な水分を絞ります。

この時、タオルが非常に熱いので、少し冷ましてから絞っても良いでしょう。

3.顔をタオルで覆う:

湿ったタオルを顔にかぶせ、タオル越しに蒸気を吸い込みます。この時、タオルの端と端をしっかりと押さえ、蒸気が逃げるのを防ぎます。

4.蒸気を吸い込む:

これを5~10分間続けます。必要に応じてお湯を追加し、蒸気を保ちます。

<方法2.マグカップなどを使った気軽な蒸気吸入>

・準備するもの

マグカップなどの耐熱容器、ヤカン・湯沸かしポットなどお湯を沸かすもの、熱湯

・注意点

熱湯の取り扱いには充分注意してください。エッセンシャルオイルなどを垂らす場合は、食品や飲料に混ぜることが可能な商品以外は、飲んではいけません。

・手順

1.お湯を用意する:

ヤカン等でお湯を沸かし、耐熱用のマグカップに熱湯を注ぎます。
※お好きなエッセンシャルオイル(100%天然由来)などを垂らしても良いでしょう。

2.蒸気を吸い込む:

マグカップから蒸気が立っています。それを感じながら深呼吸をして蒸気を吸い込みます。それを5~10分繰り返します。

どちらも長時間1日に何度も行わないように注意してください。

目安は、1回5~10分、1日2~3回です。

その他、蒸気吸入器を使用する方法もあり、一般家庭にはあまりないかもしれませんが、冬の乾燥時など喉も合わせてケアしてくれるので、おすすめです。

特に、喉が弱いと感じる方、シンガーや講師など喉の健康管理に気をつけなければいけない方、アレルギー性鼻炎に悩む方などは愛用している方も多いでしょう。

通販サイトで購入できます。

鼻うがいをする

生理食塩水で鼻を洗浄することで、鼻腔内の粘膜を清潔に保つことが出来ます。

鼻炎の症状緩和の他、インフルエンザやコロナの予防にも役立ちます。

耳鼻咽喉科も推奨しているやり方をお伝えします。

・準備するもの

生理食塩水(市販のものもありますが手作り可能です)、鼻うがい専用の道具(生理食塩水を注入する機械※通販や薬局、ドラッグストア等で手に入ります)

・注意点

勢いよく吸い込むと、鼻の粘膜を傷つける恐れがあります。優しく行いましょう。

・手順

1.生理食塩水を作る:

生理食塩水は濃度1%程度で人肌くらいの温度が望ましいです。

沸騰したお湯500mlに5gの塩(小さじ1杯)を溶かし、40℃くらいまで冷まします。

2.片方ずつ鼻うがいをする:

洗わないほうの片側の鼻の穴を手で押さえます。洗う方の鼻からゆっくり丁寧に、生理食塩水を吸い込みます。洗浄し終わって流れてきた生理食塩水液は、鼻や口から出します。終わったら反対の鼻の穴を同じように洗浄します。

3.鼻をかむ:

最後に、片方ずつゆっくり、優しく鼻をかんで終了です。

頻繁に鼻うがいをやりすぎると、自身のバリア機能が低下してしまう恐れがあります。

適度な回数は、 1日2~3回です。

新型コロナに罹患してから長引く鼻水は、二次的な感染の恐れ

罹患中や、回復期に長引く鼻水鼻づまりは、二次的に別の病気に感染している恐れがあります。コロナ罹患による免疫力低下に伴い、細菌やウイルスに感染し、合併症を引き起こすのです。

例えば、副鼻腔炎の可能性があります。

副鼻腔炎とは、鼻腔の奥の副鼻腔と呼ばれる空洞に細菌やウイルスが繁殖した状態です。鼻づまりや後鼻漏(のどの奥に鼻水が垂れてくる)症状があります。

喉にからむ痰でもなく、鼻水でもない粘性のあるもの(膿)が、奥で溜まっています。この症状は、嗅覚障害や味覚障害と関係しているとも考えられています。

思い当たる場合は、受診して医師に相談をしましょう。

新型コロナによる鼻水症状で受診できる病院

コロナによる鼻水症状は実際にどこへ受診すれば良いのか説明します。

あきらかにアレルギー症状以外は、熱がなくても発熱・コロナ外来へ行きましょう。

耳鼻咽喉科または発熱・コロナ外来を受診する

病院やクリニックの内科や発熱・コロナ外来、またはコロナ対応の耳鼻咽喉科または内科を受診します。(一般外来と、時間や場所を区別して行っています)

耳鼻咽喉科でも、コロナに対応しないところがあるので、確認が必要です。

また、耳鼻咽喉科の場合は、倦怠感や発熱・下痢等の他症状に対応できない場合があります。

オンラインクリニックのコロナ・発熱外来を受診する

病院、クリニックのオンライン受診コロナ対応窓口か、またはオンライン専用クリニックの発熱・コロナ外来を受診します。

症状が辛い場合や、時間が取れず通院が億劫な場合などはこちらがおすすめです。

受診前に、新型コロナウイルス抗原検査キットで、検査しておくとスムーズです。

新型コロナウイルス感染症の鼻水治療なら、おうち病院「オンライン発熱・コロナ外来」

鼻水症状でコロナの疑いがあるなら、または罹患して長引く症状が辛いなら、おうち病院「オンライン発熱・コロナ外来」がおすすめです。

症状が重く、通院が辛いと感じる方も、受付や会計で待たされる事が面倒に感じる方も、多忙で通院の時間が取れない方も、おうち病院「オンライン発熱・コロナ外来」は便利です。

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鼻水で「コロナかも?」と思ったらすぐに受診し適切な治療を

鼻水症状のみでコロナと判断するのは難しいですが、コロナの可能性はある事をご理解いただけましたでしょうか?

様子を見て、他の症状との関連や周囲の感染者の有無等で、総合的に判断していきますが、コロナではないと判明するまでは慎重に行動しましょう。

風邪やアレルギーとの違いを見極め、コロナの可能性があれば、すぐに受診して適切な治療をうけましょう。コロナは早期発見・早期治療が悪化を防ぐカギになります。