月経困難症に効果的な市販薬・処方薬は?効果の違いや使い分け方を解説

生理のたびに、腹痛や腰痛などの痛みに耐えていたり、毎回市販薬を飲んでいたりしませんか?つらい生理痛を伴う月経困難症は、婦人科で受けられる服薬治療が効果的です。

本記事では、ドラッグストアなどで変える市販薬と婦人科で処方される処方薬の違いや、服薬治療の種類などを詳しく解説します。

毎月市販薬の鎮痛剤を服用している方や、月経困難症の治療を検討している方はぜひ参考にしてください。

月経困難症の服薬治療

月経困難症とは、生理に伴って起こる腹痛・頭痛・腰痛・イライラ感・抑うつなどの病的症状のことをいいます。症状は幅広く、吐き気や眩暈を自覚する方もいます。

婦人科では、月経困難症の症状や体質に合わせた効果的な治療が受けられます。月経困難症の治療は基本的に服薬治療で、以下のようなものがあります。

治療内容
鎮痛剤アセトアミノェン、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)などの鎮痛剤を服用して、痛みを抑制する
ホルモン療法低用量ピルの服用で月経痛や過多月経、月経不順を軽減・改善する
漢方体質に合った漢方を服用することで、体質を整えていく

月経困難症の市販薬・処方薬の違いや使い分け

生理痛に効果的な薬は、市販薬の鎮痛剤と病院で処方される処方薬があります。市販薬と処方薬の具体的な違いを解説します。

市販薬・処方薬では効果が異なる

月経困難症に効果的な市販薬・処方薬は効果が異なります。市販薬が鎮痛剤なのに対して、処方薬はさまざまな種類があります。

種類効果費用目安副作用
市販薬・鎮痛剤生理痛の原因となる物質プロスタグランジンの発生を抑制する6回~12回分:約600円~1,000円吐き気、胃もたれ、嘔吐、眠気など、商品によって異なる副作用がある
処方薬・低用量ピル
・漢方薬
・鎮痛剤(アセトアミノフェン、NSAIDs)
・低用量ピル:子宮内膜の増殖を抑えたり、ホルモンバランスを整えたりする効果。月経痛や過多月経を軽減したり、月経不順を改善する
・漢方薬:体質を整えて、月経痛や冷え性などの症状を軽減する
・鎮痛剤:生理痛の原因となる物質プロスタグランジンの発生を抑制する
・低用量ピル:保険適用内で1シート(1ヶ月分)1,200円~2,300円くらい
・漢方:保険適用内(3割負担)で1ヶ月5,000円程度
・鎮痛剤:保険適用内
・低用量ピル:飲み始めは不正出血、腹痛、吐き気などの副作用が現れることがある。重篤な副作用は血栓症のリスク
・漢方:腹痛、下痢、胃もたれ、食欲不振のリスク

手軽に購入できる市販薬は、痛みを迅速に対処したいときにおすすめです。しかし、出血量を軽減させたり、ホルモンバランスを整えたりする効果はないので、生理痛の根本的な原因には効きません。一方、婦人科で処方される低用量ピルは出血量そのものを減らすことができます。

痛みが軽い方や、たまに生理痛がある程度でしたら市販薬でも対処できますが、毎月痛みが重くて市販薬が欠かせない方は、病院で服薬治療を受けることを推奨します。低用量ピルや漢方は継続して飲む必要がありますが、鎮痛剤と併用することも可能です。

つらい症状は市販薬だけで対処しない

市販薬の鎮痛剤は一時的に痛みに対処することはできますが、根本治療にはなりません。あまりにも強い生理痛には病気が隠れていることもあるので、まずは病院で検査を受けましょう。

月経困難症の市販薬・処方薬の種類

月経困難症に使用される市販薬・処方薬の種類を紹介します。

市販薬

ドラッグストアなどで購入できる生理痛に効果的な市販薬は、基本的に鎮痛剤になります。鎮痛剤が生理に効く仕組みは、子宮を収縮させる伝達物質をプロスタグランジン(PG)の発生の抑制です。生理痛は子宮を収縮させて内膜を排出する際に起こるため、PGの量が多いと子宮の収縮が強く、痛みを自覚しやすくなります。

生理痛の代表的な市販薬の種類は、大きく分けてNSAIDs(ロキソプロフェン、イブプロフェン)とアセトアミノフェンがあります。NSAIDsは非ステロイド性抗炎症薬の総称で、PGの働きを抑えて痛みを鎮める効果が高いです。

起こりやすい副作用として、胃腸障害などが挙げられます。アセトアミノフェンは鎮痛・解熱作用があります。効果はやや穏やかで、胃腸障害のような副作用が起こりにくいというメリットがあります。

市販薬で購入できる鎮痛剤の例

商品名主な配合成分特徴
イブA錠EX・イブプロフェン
・アリルイソプロピルアセチル尿素
・無水カフェイン
・生理痛の原因となるPG生成を抑えるイブプロフェンを最大量200mg配合※
・つらい生理痛に悩んでいる方におすすめ
エルペイン・イブプロフェン
・ブチルスコポラミン臭化物
・ほかの鎮痛剤と異なる、生理痛専用薬
・生理痛の原因となるPG生成を抑えるイブプロフェンのほか、下腹部の過剰な緊張を抑えるブチルスコポラミン臭化物配合
・下腹部の痛みがある生理痛に特に効果的
ロキソプロフェン錠
クニヒロ
ロキソプロフェンナトリウム水和物・鎮痛剤として病院でも処方されるロキソプロフェンを有効成分にした鎮痛剤
・頭痛、腰痛、生理痛などに効果的
バファリンルナi・イブプロフェン
・アセトアミノフェン
・2つの鎮痛成分配合で、生理痛・頭痛に効果的
・胃粘膜保護成分の乾燥水酸化アルミニウムゲル配合で、胃への負担を抑制

処方薬

次に、月経困難症の治療で使用される処方薬を紹介します。低用量ピル・漢方・鎮痛剤はそれぞれ月経困難症へのアプローチも効果も異なるため、症状に合ったものを服用することが大切です。

治療内容特徴
低用量ピル・女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンを低用量※配合した薬を飲むことで、ホルモンバランスを整える
・子宮内膜の増殖や排卵を抑制することから、月経痛や過多月経を軽減する
・月経移動が可能で、月経移動を改善する
・種類が豊富で、休薬期間や体質に合わせて処方される
・避妊を目的とした経口避妊薬(OC)と月経困難症治療薬(LEP)があり、LEPは保険適用
漢方体質・症状に合った漢方を服用することで、月経困難症や体質の悩みを軽減させる・長期的に服用することで、ゆっくり体質を整えていく
・月経痛、冷え性、精神不安など、体質に合った治療ができる
・1剤で複数の症状への効果が期待できる
鎮痛剤アセトアミノフェン、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs:ロキソプロフェン、アスピリン、イブプロフェンなど)といった鎮痛剤を服用し、痛みを抑える・生理痛の原因となる物質プロスタグランジンの発生を抑制する

低用量ピルは避妊を目的とした経口避妊薬(OC)と月経困難症治療薬(LEP)があり、LEPは保険適用になります。漢方や鎮痛剤も月経困難症が認められた場合は保険適用になるので、ドラッグストアで買うよりも安く入手できます。

つらい生理の症状が続くなら、まずは病院へ

月経困難症による痛みは、市販の痛み止めを使って耐えている方が多いです。しかし、生理痛には子宮内膜症や子宮筋腫など、病気が原因のことがあります。

また、月経困難症を放置していると日常生活に支障が出たり、将来的な病気の発症に繋がったりする可能性があります。症状がつらい方や毎月市販薬で耐えている方は、早めに病院にご相談ください。

薬の継続は、おうち病院「オンライン診療」がおすすめ

今回ご紹介したような、月経困難症に効果的な低用量ピルや漢方は、長期的に服用する必要があります。そのため、治療を継続するには毎月〜2ヶ月に1回くらい通院する必要がありますが、忙しいなか通院の時間を作るのはなかなか大変ですよね。

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