むくみの裏に潜む危険!浮腫チェックで健康リスクを発見

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むくみがちで健康が心配な方へ。むくみは医学用語で(浮腫:ふしゅ)と言います。

たかがむくみではなく、場合によっては重大な病気が隠れているケースもあります。

本記事では、自宅でできる浮腫のセルフチェックを紹介します。ぜひチェックして、受診の参考にしてください。

浮腫チェックで予測できる病気

浮腫の症状によって予想される病気が異なります。浮腫チェックでどんな病気が予測できるか解説します。

一過性の浮腫

一時的な浮腫の症状は、病気ではない場合が多いです。

例えば、立ち仕事や長時間座位のデスクワークの後など、下半身に水分がたまった状態になり浮腫んでいます。疲れや、狭い空間での座りっぱなし(例えば飛行機等のエコノミークラス症候群など)から来る症状もあります。

生理中や妊娠中は浮腫みやすくなります。妊娠による浮腫みがひどくなると、妊娠中毒症(妊娠高血圧症候群:HDPとも言う)の恐れがあるので、主治医の診察を受けましょう。

慢性的な浮腫

慢性的に浮腫症状が表れる場合があります。

全身性と局所性があり、症状によって疑われる病気がありますので、表でまとめました。

範囲指で押した時の反応主な症状予想される病気
全身跡が残る足や足首の浮腫、息切れ、倦怠感、体重増加心不全、心筋梗塞、心筋症、高血圧など
顔や下肢の浮腫、尿中のタンパク漏出、体重増加など腎不全(ネフローゼ症候群)(糖尿病、高血圧、慢性腎炎など)
腹水、下肢の浮腫、黄疸、倦怠感など肝硬変慢性肝炎(B型・C型肝炎)、アルコール性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝炎など
跡が残らない体重増加、顔・体の浮腫、倦怠感、寒がる、皮膚の乾燥、便秘、眠気、汗をかきにくい、などクッシング症候群、甲状腺機能低下症・更年期障害など(ホルモンバランスの乱れや異常から発症)
局所 跡が残る急に片方の足だけ浮腫む(両方浮腫む場合もある)深部静脈血栓症(血液の流れが悪くなって、静脈の中に血のかたまり(血栓)ができてしまった状態。血管が塞がれて詰まってしまう)
跡が残らない顔・手足・喉など体の一部に急激に浮腫が表れる2~3日で浮腫はひくが症状を繰り返すことがある。血管性浮腫(血管の壁から多くの体液が血管の外に染み出ることによる浮腫の可能性)後発性と遺伝性がある(遺伝性の場合、体内に浮腫が表れ、命に関わることもある)

症状やその部位により、予想される病気が分かりますので、ぜひ参考にしてください。

ご不安の方は、すぐに受診してみることをおすすめします。

気になる浮腫症状セルフチェックリスト

浮腫の症状を自分でチェックできる方法をご紹介します。

指で押してチェックする

前述の表の通り、指を押してみてチェックすると一番簡単にわかります。

押してみてくぼむか、くぼんですぐに元通りになるか、くぼんだ跡がいつまでも残るかで判斷します。

メジャーで計測してチェックする

日頃から浮腫みやすい方は、朝と夜、通常と浮腫んでいると感じる時で、足首回りなど気になる部分をメジャーで計測します。
または、指輪がキツイ、靴がキツイなど、体感も参考になります。

浮腫チェックリスト

浮腫のセルフチェックリストを紹介します。

YESが多く当てはまる場合は要注意です。自分の症状を良く観察してみましょう。

浮腫セルフチェックリスト

  1. 手足が冷たい
  2. 肩こり、首の痛みがある
  3. 頭痛持ちだ
  4. すぐに疲れてしまう、または倦怠感がある
  5. めまい、立ちくらみがよくある
  6. 頻尿だと思う
  7. 足のしびれを起こすことがある
  8. 足がむくんで重い感じがよくある
  9. 突然体の一部が腫れたように大きくなったことがある
  10. 突然浮腫が表れ2~3日するとひく症状を繰り返す
  11. 時々喘息のように息苦しくなる
  12. 感染症や風邪でもないのに突然の腹痛や嘔吐下痢になったことがある

4~5個以上当てはまる方は、なにかしら病気のサインがあるかもしれません。

特に7~12は要注意です。

判断が難しい時は医療機関へ早めに相談!

セルフチェックはいかがでしたでしょうか?

これらはあくまでも目安です。医師の診断が早ければ早いほど良い場合もあるので、病気のサインに気付くきっかけとなれば幸いです、

判断が難しい時や病気かなと感じた時は、早めに医療機関へ相談することをおすすめします。

もしかして、血管性浮腫かも?

症状から予想される病気として血管性浮腫の可能性がある場合、早めに確実な診断を受けて、適切な治療を進めていきましょう。

「遺伝性血管性浮腫」と「それ以外の血管性浮腫」がある

浮腫には「遺伝子異常によらない血管性浮腫」と「遺伝性血管性浮腫」があり、症状は似ていますが原因が全く異なります。

違いについて、表にまとめています。

遺伝性血管性浮腫それ以外の血管性浮腫
主な症状・体の局部や体内に浮腫を引き起こす。・蕁麻疹を伴わない・気道がむくむと呼吸困難になることがある・消化管がむくむと、突然の吐き気、嘔吐、激しい腹痛などを引き起こす・顔、手足、喉など体の局部に浮腫を引き起こす。・蕁麻疹を伴うことがある
再発・2~3日後、浮腫がおさまっても、繰り返し症状が出る・原因となった病気などが完治すると症状が表れない
原因遺伝性疾患の一種。生まれつき免疫系の機能に欠損があり、機能不全を引き起こすがんや自己免疫疾患など、特定の病気により、免疫系の機能が欠損して発生する。病気によって機能不全になるので後発性とも言う
発症時期幼少期から青年期前に発症する大人になってから30代以降で発症するケースが多い

見分けにくいのですが、正しい医師の診断が大切になりますので、まずは診断を受けてみましょう。

遺伝性血管性浮腫なら継続的な治療が不可欠

血管性浮腫は、浮腫症状(発作)を静める治療と、発作を起こさないための長期的な治療の2本柱で体調を管理していく必要があります。発見は早ければ早いほど良いです。

特に遺伝性血管性浮腫の継続的な治療には、医療費がかさむ事が予想されます。しかしそれらを救済する国の制度があります。遺伝性血管性浮腫は国の指定難病です。

指定難病とは、国が指定した医療費助成制度が受けられる特定の病気のことを言います。

18歳未満の「小児慢性特定疾病」と18歳以上の「指定難病」があります。

お住まいの自治体へ申請すれば、条件により医療費助成制度を受けることができ、医療費の負担が軽くなります。

浮腫のセルフチェック結果が気になったら医師へ相談を

浮腫のセルフチェックをして気になったら、以下のいずれかの医療機関へ受診しましょう。

通常の医療機関へ通院する

症状により様々な病気が考えられますが、浮腫症状にはまずは内科へ受診します。

心疾患や内臓疾患、ホルモンバランス、婦人科系などに行く必要がある場合はその専門医を紹介してくれるでしょう。

また、症状から見て血管性浮腫の可能性がある場合は、浮腫専門外来へ受診することをおすすめします。

オンラインクリニックを予約して受診する

内科や浮腫専門外来、または症状から考えられる病気に対応するクリニックのオンライン外来枠か、オンライン専用クリニックの浮腫外来を受診します。

血液検査などがある場合は通院が必要ですが、2回目以降の継続的な治療ではこちらがおすすめです。

ただし、自分で打つことが可能な皮下注射のトレーニングを医師から受ける必要があります。

遺伝性・後天性の血管性浮腫なら、おうち病院「オンライン血管性浮腫外来」

血管性浮腫、および遺伝性血管性浮腫の長期的な治療なら、血管性浮腫の知見が豊富な医師が担当するおうち病院「オンライン血管性浮腫外来」がおすすめです。

具体的な症状を踏まえて、浮腫に関する知見の豊富かつ最適な医師とのオンライン診療が可能です。

多忙で通院時間がとれない時や、病院が遠く、通院が困難な時などに、とても便利です。

スキマ時間で予約して好きな場所から受診できるので、時間的にも精神的にも通院ハードルが低くなります。(処方された薬はお近くの薬局薬店でお受け取りいただけます)

また、浮腫の症状がつらい、または恥ずかしくて人前に出たくないなどの理由で病院に行けない時、オンラインなら人目を気にする必要がありません。

浮腫が気になるなら今すぐセルフチェックして病院を受診しよう

浮腫症状で考えられる病気は様々です。体のサインを見逃さずにセルフチェックをして、適切な治療を受けましょう。

似たような症状もあるので、症状が疑わしい場合は自己判断したり後回しにしたりせず、早めに受診しましょう。

原因を突き止めて、適切な治療を受けることが大切です。