浮腫が続くのは要注意!治らない原因と今すぐすべきこと

「浮腫が治らない」と、不安に思っていませんか?

症状が一時的なものでなく、長く続く、または頻繁に起こっている場合、それは一過性のものや生理現象ではなく、病気のサインかもしれません。

本記事では、治らない浮腫の原因と症状から予想される病気について解説します。

合わせて今すぐやるべきことをお伝えしますので、重大なサインを見逃さず適切な対応をしましょう。

浮腫が治らないのはなぜ?考えられる原因

浮腫が治らないのはなぜか、考えられる原因を解説します。

自分に当てはまるか考えてみましょう。

浮腫が治らない原因1.生活習慣や食習慣の影響

浮腫は、血管から栄養や酸素を核細胞に運び、余分な老廃物を回収して排出する、という体内の働きが、何らかの理由で滞った時に起こる症状です。血液中の水分が血管の外に異常に浸み出し、皮膚の下に水分が溜まった状態です。

生活習慣や、食習慣は浮腫に影響する可能性が高いです。過度なアルコールや塩分が多い食事は体内の水分バランスを崩し、浮腫を慢性化させることがあります。

また、日常的に長時間の姿勢での座り仕事や立ち仕事など、同じ姿勢を続けていると血液の流れが滞り、浮腫が表れます。毎日眠れば朝は改善される場合は心配ありません。

浮腫が治らない原因2.薬が影響している

内服中の薬が原因で浮腫症状が表れることがあります。

副腎皮質ステロイド、非ステロイド抗炎症剤、カルシウム拮抗剤(高血圧の薬)、ピオグリタゾン(高糖尿病薬)、ホルモン治療薬(ピルなど)などです。薬を中止または変更することによって、症状が改善する可能性があります。

服薬の直後に浮腫が表れる場合は特に注意が必要です。思い当たる場合は、薬を処方してもらった医療機関へ再度受診し、医師に相談しましょう。

浮腫が治らない原因3.病気のサイン

浮腫がなかなか治らない時、病気のサインの可能性があります。

浮腫症状が表れる病気として考えられるのは、以下の通りです。

病気主な理由
心疾患心臓の機能が低下すると、血液循環が悪くなって体内に水分がとどまる
腎臓疾患腎臓の機能が低下すると、体内の老廃物の排泄が不充分になる
肝臓疾患肝臓の働きが低下すると体内のタンパク質が減少し、血液中の成分が変化して水分バランスが崩れ、血管外へしみだす
血管性浮腫何らかの理由で、血管壁の小さな穴(各細胞に栄養を運ぶ穴)が通常より開いてしまい、過剰に血液中の水分がしみだす
甲状腺疾患甲状腺ホルモンの異常により、代謝機能が低下し老廃物がとどまる

治らない浮腫を放置すると危険

浮腫症状が続く事で、血液やリンパの流れがさらに悪化し、症状が慢性化して日常生活に支障をきたします。

さらに、治らない浮腫を放置してしまうと非常に危険です。前述した病気のサインからもわかるように、重大な病気に気付かないまま症状が進行してしまう恐れがあるためです。

浮腫が治らない場合は、血液とリンパの流れを改善するセルフケアや、医師への相談など、以下の対策を行いましょう。

浮腫が治らない場合の対策法

1.同じ姿勢でずっと過ごさない

立ち仕事、座り仕事が長時間続く方は、出来る限り1時間に1回はストレッチをする、違う姿勢を意識するなど行ってみましょう。

例えば、デスクワークの方が、スタンディングデスクを利用するのも効果があります。

また、横になる時は足を高くするのもおすすめです。

2.適度な運動

体内の代謝機能は、筋肉が重要な役割を果たします。

そのため、ウォーキングやストレッチなどで筋肉を動かすことを意識しましょう。適度な運動で筋肉の働きを活発にします。

3.浮腫対策グッズを活用する

市販のフットケア用品などを活用してセルフケアを行うのもおすすめです。

例えば着圧ストッキングや靴下、マッサージ機、むくみ対策バスグッズ等を活用します。

4.食事の工夫

塩分を控え、カリウムを多く含む食品(バナナ、キウイ、オレンジ、トマト、ほうれん草、さつまいも、海藻類、豆類、乳製品、ナッツ類など)を積極的に取りましょう。

また、むくむからと言って水分を避けるのではなく、しっかり水分を取りながら代謝をあげていく行動と併用しましょう。水分不足は代謝機能をさげ、症状を悪化させます。

5.医師へ相談する

対策をしても治らない場合や、急激に浮腫症状が表れた場合はただちに医療機関を受診しましょう。

浮腫症状が治らない場合、遺伝性血管性浮腫の可能性も

浮腫症状が続く場合、症状によっては血管性浮腫の可能性があります。血管性浮腫には、遺伝性のものとそうでない後天性のものの2種類があります。

遺伝性血管性浮腫は、遺伝子情報によるものなので、完治は難しいですが、治療することで発作を起きにくくする症状コントロールが可能です。

発作は体の外だけでなく体内にも急激に浮腫が表れます。

具体的には、気管支に腫れが急激に表れ気道を狭めてしまい呼吸困難になる、消化器官の腫れにより、急な腹痛や胃痙攣、嘔吐、下痢が起こる、などです。

呼吸困難は喘息、消化器官は胃腸炎や虫垂炎など他の病気と見分けがつきにくく、診断がおりていない時に発作が起きると適切な治療を行なえない危険性があります。

そのため、場合によっては命に関わるので、1日も早く相談し、治療を行うことが大切です。

ただの浮腫?遺伝性?治らない浮腫症状を見分けるポイント

一般的な浮腫なのか、遺伝性なのか、気になる浮腫症状について見分けるポイントや違いをまとめました。

自分の症状と照らし合わせて見てください。

特徴一般的な浮腫遺伝性血管性浮腫
浮腫の部位足(足首・ふくらはぎ)、顔顔、手足、腹部、喉など全身の特定部位
全身症状基本的に局所的で、全身には影響を与えない腹痛、吐き気(消化器官の浮腫)、呼吸困難(気管支の浮腫)など全身症状を伴うことがある
浮腫の質感柔らかい(押すと指の跡が残る場合が多い)硬い(押しても跡が残らない)
片側だけの症状まれ(基本的に両側)片側だけの場合もある
痛みなし圧迫感や痛みを伴うことがある
発生頻度日常的または周期的(例: PMS中のみ)突然の発作的な浮腫を繰り返す
持続時間数時間~1日程度で回復2〜5日以上続くことが多い
家族歴ほとんどなし家族内で同様の症状がある場合が多い

遺伝性血管性浮腫の疑いがある時は速やかに受診しよう

遺伝性血管性浮腫の疑いがある時は、出来るだけ早く医療機関へ受診しましょう。

放置すると危険です。

遺伝性血管性浮腫の治療方法

遺伝性血管性浮腫の治療には、発作を静める緊急治療と、発作を起こさないようコントロールする継続的な治療があります。

主な治療法は以下の通りです。

発作時の短期治療

症状をただちに静めるための治療です。特に生命を脅かすような発作では緊急対応が必須です。医療機関を受診し、C1-エラスターゼインヒビター(血しょう分画製剤)を点滴静注(静脈内注射)します。

その他、自宅にて発作を静める方法として患者が自己注射できる、選択的ブラジキニンβ2受容体ブロッカーがあります。これを使用する場合、医療機関での使用に関する指導と訓練が必要です。

発作予防の長期治療

カリクレイン阻害薬の飲み薬と皮下注射があります。皮下注射の場合は2週間に1回、症状が安定していれば4週間に1回程度です。こちらも医療機関での指導により、自分で注射することが可能です。

また、発作が出現するきっかけとなりうる抜歯や外科手術の予定がある場合に、発作予防のためにC1-エラスターゼインヒビターを注射する場合があります。

浮腫が治らない時に受診する医療機関

浮腫が治らない時、何科を受診すべきか迷う方もいるでしょう。

明らかに心疾患や腎疾患、肝臓系、婦人系等の理由がわかっていれば、原因となっている病気を治療する病院で浮腫についても相談しましょう。

浮腫は、血管や心臓に関係しているので、循環器科、循環器内科、血管外科などで受診できます。または浮腫専門外来などがある場合もあります。わからないときは、まずは内科へ受診しましょう。

また、近年ではオンライン受診も進化を遂げています。

循環器科、循環器内科、血管外科、内科クリニックのオンライン受診、またはオンライン専用クリニックの浮腫外来で受診可能です。

多忙でなかなか通院できない方は、継続治療時などこちらが便利です。

治らない浮腫でお悩みなら、おうち病院「オンライン血管性浮腫外来」

治らない浮腫症状でお悩みなら、上記の見分け方ポイントなどを活用して、ご自身の症状をよく観察してみてください。

そして、不安や思い当たる症状がある方は、一人で悩まず専門的な医療機関へ相談することをおすすめします。

しかし、多忙だとなかなか通院が難しい方もいるでしょう。そんな方には、おうち病院「オンライン浮腫外来」がおすすめです。

仕事や家事・育児で日々多忙なため、または病院が遠くて、通院にかかる時間と労力が大変、など様々な事情を抱えた方に、便利にご利用いただいています。オンラインなら通院せずにご自宅など好きな場所から空き時間に予約して受診が可能です。

また、処方された薬は配送かお近くの薬局薬店で受け取れます。

ただし、医師が行わなければならない点滴静注などはオンラインで行えないため、症状をコントロールする長期治療向けです。

浮腫が治らない時は病気のサインかも!ただちに受診して適切な治療を受けよう

浮腫症状が治らない場合は、自分の症状を注意深く観察してみましょう。

セルフケアを行い、食生活や生活習慣、運動などを見直し、それでも改善が見えない場合は、医師へ相談しましょう。重大な病気が隠れていることもあるので、1日も早い受診をおすすめします。

しかし多忙でなかなか受診できない場合や判断が難しくてわからない場合、後回しにせず、通常の通院よりハードルが下がり便利に使いやすい、おうち病院「オンライン血管性浮腫外来」をご利用してみてはいかがでしょうか?