ダイエットをしようと考えた際、「とりあえず食べなければ痩せる」と断食を選択する人もいるでしょう。
しかし、ダイエット目的で断食を検討している場合、正しい方法で行わないと危険が伴う可能性があります。
本記事では、断食をする際に注意すべき点と成功させるためのポイントを解説。ダイエットを成功させるためのヒントも紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

目次
断食(ファスティング)ダイエットの基礎知識
断食(ファスティング)ダイエットは、近年注目を集める健康法のひとつです。
かつての断食といえば、極端な食事制限や体への負担が懸念される方法も多くありました。
しかし現在では、栄養学や生理学の知見をもとに、無理のない断食の手法が確立されつつあります。
そもそも断食ダイエットとは?
断食ダイエットとは、ファスティングとも呼ばれる「一定期間固形の食事を摂らないダイエット」のことです。
固形物を摂らないことで疲れた消化器官を休ませ、体の中からリセットするのを目的に行われます。
内臓を休ませると、消化や吸収に使われていたエネルギーを他部位の修復に使ったり、腸内環境を整えたりする効果が期待できます。
ただし、長期間に及ぶ断食は健康を損なうリスクもあります。断食ダイエットをする際は、期間を決めて正しい方法で行うのがおすすめです。
断食ダイエットで本当に痩せるの?
断食ダイエットは、適切に行えば体重減少が見込める可能性があります。
固形物を口にしないことで総摂取エネルギー量が少なくなり、消費エネルギーを下回った際に結果的に体重が減少する可能性があるでしょう。
しかし、体重減少はあくまで一時的な効果。断食は消化器官を休ませて、身体の機能を整え、回復を促す側面が強いです。
そのため、断食により直接痩せるのではなく、断食によって得た二次的な効果により結果的に理想の体に変化すると言えるでしょう。
断食(ファスティング)ダイエットの種類と方法
断食ダイエットとひとまとめに言ってもさまざま種類がありますが、無理せず行うには、「半断食」や「プチ断食」がおすすめです。それぞれの特徴をみていきましょう。
半断食ダイエット
半断食ダイエットは半日断食とも言い、12時間や16時間など1日の中で一定時間固形物を摂取しない時間を作るダイエット方法のことです。
たとえば夜8時に夕食を終えたら、翌日のお昼まで(16時間)何も食べずに残りの8時間で食事を摂ります。
食事を摂ってよい8時間の間は、基本的に好きなものを食べても問題ありません。しかし、食事の直後は血糖値が急上昇しやすいため、食事内容には気を配る必要があります。
好きなものを食べられるためストレスが少ない一方で、女性が16時間断食をするとホルモンバランスが乱れる可能性があるという説もあります。女性は月経があるため、長時間の空腹により体の血の巡りが悪くなり、月経周期に影響を及ぼす可能性もあります。
そのため、女性が断食を行う際は12時間程度にとどめる方がよいかもしれません。
プチ断食ダイエット
決めた期間に固形物を一切口にしない代わりに、消化に負担の少ない酵素ドリンクやスムージーなどでエネルギーを摂取する方法を指します。
体に必要なエネルギーや栄養素を最低限確保しつつ、消化器官を休ませることが可能です。
固形物を摂らない断食でも、酵素ドリンクなどを用いて必要最低限のカロリーやビタミン・ミネラルを補給しながら行うため、無理なく実施しやすいのがポイントです。
ただし、栄養バランスに偏りが出て危険を伴う可能性があるため、酵素ドリンクやスムージーは自己判断ではなく、専門家の指示に従うか正しい知識を得ることが大切です。
週末断食ダイエット
週末断食ダイエットは、週末(休日)の1〜3日を利用して行うプチ断食です。
土日だけ断食をする方法や、金曜夜から日曜朝までのように1~2日を断食にあてて体をリセットする方法があります。
主に休日を活用するため、仕事や学校への影響を与えにくい点がメリットです。
平日に外食や会食が多い社会人でも、週末に断食をして胃腸を休ませることで、効率的に身体機能をリセットできるでしょう。
1週間の中で固形物を摂取しない期間を設けることで、摂取カロリーを抑え、体重減少につながる可能性もあります。
週末断食の間は、野菜ジュースやスープ、酵素ドリンクなどの水分が多く消化によいものを意識して摂取します。
固形物を摂取しない分、水分は多めに摂るのがおすすめ。目安として、1日2〜2.5リットル程度を意識するとよいでしょう。
完全断食ダイエット
完全断食ダイエットは、数日の間固形物は一切摂らず、水やお茶、ミネラルのみで過ごす方法です。3日〜4日、場合によっては1週間程度の断食を行うケースもあります。
完全断食では、期間を決めて集中的に断食を行い、終了後は必ず復食期を設けます。復食期とは、体に負担をかけないよう徐々に食事を回復する期間のこと。
断食明け直後にいきなり通常の食事に戻すと、胃腸に大きな負担がかかり、不調になったりリバウンドしやすい状態になったりするためです。
たとえば、3〜4日の断食をしたら、その後は2〜3日かけて元の食生活に戻していくとよいでしょう。
断食(ファスティング)ダイエットのメリット
断食ダイエットを行うことで得られるメリットは、主に次の5つです。それぞれ詳しく解説します。
メリットを正しく理解し、目的意識を持って断食ダイエットを行うことが大切です。
体内のデトックス効果
断食ダイエットは、体内の老廃物を排出するデトックス効果を期待できます。
通常、胃腸は食事から体に必要な栄養を消化し、吸収する働きがありますが、次から次へと食べ物が入ってくると、消化の作業が休む間もなく続くため不要な老廃物が腸内に残りやすくなるケースも。
断食によって一定時間胃腸を空にして休ませると、腸の動きが活発化して溜まっていた老廃物の排泄が促されます。
その結果、体が軽く感じて肌の調子が良くなるなど、デトックス効果を実感できるかもしれません。
腸内環境が整う
断食ダイエットには、腸内環境を整える効果も期待できます。
一定期間食べない時間を設けて消化器官を休ませると、腸内の免疫力が高まり調子が良くなる可能性があるためです。
断食によって善玉菌・悪玉菌のバランスが改善されることで、むくみの軽減や肌荒れの改善といった美容効果も期待できるかもしれません。
さらに腸内環境が整うことで、免疫力の向上やアレルギー反応の緩和につながる可能性もあります。
基礎代謝があがる
人は通常、食事から摂取した糖質をエネルギー源とする「ブドウ糖代謝」で活動しています。
しかし一定期間糖質が入ってこない状態が続くと、体はエネルギー源を中性脂肪に切り替え、脂肪を分解してケトン体を作り出す「ケトン体代謝」に移行します。
空腹時間が長くなるとこのケトン代謝スイッチが入り、最後の食事から12時間ほどで脂肪燃焼モードに切り替わると言われています。
また、最後の食事から16時間ほど経過すると、細胞内でオートファジー(自食作用)が本格的に活性化します。
オートファジーが活性化すると古くなった悪玉タンパク質が分解され、新しいタンパク質や細胞が再生されます。
そのため全身の代謝機能が活発化し、基礎代謝の向上につながるとされています。
睡眠の質の向上
断食によって腸内環境が整うと、自律神経のバランスも改善されやすくなります。交感神経と副交感神経の切り替えがスムーズになることで、リラックスしやすくなり、寝つきが良くなるためです。
さらに、腸で作られる幸福ホルモン「セロトニン」は、夜になると睡眠ホルモン「メラトニン」に変換されるため、腸内環境の改善は睡眠の質向上にもつながります。
寝つきが悪い、眠りが浅いと感じている方にも効果が期待できるでしょう。
心の健康、精神的な安定が期待できる
断食ダイエットには、心の健康面でプラスの効果も期待できます。
腸内環境の改善によって、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンなどの神経伝達物質が分泌されやすくなるからです。
体内のセロトニンの多くは腸で作られているため、腸の調子が整うとセロトニンが増え、精神が安定する可能性があります。
セロトニンが充分に分泌されると、多幸感を覚えたり前向きな考えになったりするほか、頭が冴えて新しいアイデアが浮かびやすくなったり、直感力が高まったりするなどの効果も報告されています。
また、断食中の「食べたい」という誘惑を乗り越えることで、達成感や自信にもつながるでしょう。
断食(ファスティング)ダイエットのデメリット
断食ダイエットにはメリットがある一方で、リスクやデメリットも存在します。それぞれの注意点を踏まえ、断食を行うとよいでしょう。
リバウンドするリスクがある
断食ダイエット後には、リバウンドをするリスクがあります。断食で一時的に体重が減っても、終了後にすぐ元の食生活に戻してしまうと、体重が戻りやすくなります。
胃腸が休んでいるところへ消化の悪いものを入れると体調を崩すだけでなく、栄養吸収が良くなって、反対に太りやすくなるケースもあるでしょう。
特に断食直後は空腹状態が続いているため食欲が増し、暴飲暴食につながるケースもあるため注意が必要です。
注意力やエネルギーが低下しやすい
断食期間中は摂取エネルギーが極端に減るため、注意力や集中力、全身のエネルギーが低下しやすくなります。
特に長時間の空腹が続くと、無気力になったりイライラしたり、集中力の低下やめまい、頭痛などの低血糖症状が現れる可能性があります。
頭がボーッとして仕事や勉強に支障をきたす際は、すみやかに断食を中止するのがおすすめです。
特に頭脳労働をしている人や車の運転・機械の操作、高所作業など注意力が要求される職種の方は、断食によるパフォーマンス低下に充分注意する必要があるでしょう。
血糖値が不安定になる
断食を行うと、血糖値の変動が大きくなって不安定になりやすいのもデメリットのひとつです。
冷や汗、動悸、手の震え、空腹感、吐き気、めまい、集中力低下など、低血糖症状を感じた際には、ブドウ糖や甘いものを摂取して血糖値を上げる必要があります。
また、糖尿病の方や低血糖発作を起こしやすい人が断食をするのは非常に危険です。長時間空腹が続いた後の食事では、少量の糖質でも血糖が急激に上がりインスリンが過剰に分泌されるためです。
健康に不安を感じる場合は、断食の可否を医師に仰ぐのがおすすめです。
筋肉量が低下する
断食により、筋肉量が低下する可能性もあります。断食で摂取エネルギーを大幅に制限すると、体は不足するエネルギーを補うため筋肉を分解してしまう恐れがあります。
筋肉は基礎代謝を支える役割を担っているため、筋肉量が減ると消費カロリーが減り、痩せにくい体質になるかもしれません。
特に、長期間の完全断食には注意が必要です。体が飢餓状態となり、エネルギー消費を抑えようとして筋肉を削ろうとするケースもあります。
体調不良になる可能性がある
間違った断食ダイエットを行うことで、体調不良になる可能性があります。
極端な栄養不足に陥ることで免疫力が低下し、肌荒れや髪のパサつき、極度の疲労感などが現れる場合があるでしょう。
また、何も食べずに水もあまり飲まない状態が続けば、短期間でも脱水が進行してふらつきや頭痛、場合によっては入院が必要な重度の脱水になるケースもあります。
断食の最中は普段より意識的に水分を摂取し、少しでも異常を感じたらすぐに中止しましょう。

危険!自己判断の断食(ファスティング)ダイエット
これまで紹介したデメリットを見てわかる通り、間違った方法で行う断食はさまざまな危険を伴います。自己流の断食により低血糖や脱水症状、持病に影響を及ぼすケースもあります。
独学や自己判断で安易に行うのは避け、安全を優先するのがおすすめです。
断食ダイエットは専門家の指導に従おう
断食ダイエットを安全に行うためには、専門家の指導のもとで正しい方法を守ることが大切です。
また、断食を成功させるためには、まず断食に関する正しい知識を身につけ、行う目的を明確にして、準備期・断食期・復食期のスケジュールをしっかり確保するのがポイント。
さらに体のメカニズムや栄養学に関する知識、一人ひとりの健康状態に合わせた計画も必要です。
断食という特殊なダイエット法だからこそ、専門家の指導を仰ぐのが安全かつ効果的な方法と言えるでしょう。
断食ダイエットNGの方
以下のような方は断食を控えるか、医師に相談のうえ行う必要があります。
- 妊娠中や授乳中の方
- 成長期の子ども
- 高齢者
- 虚弱体質の方
- 持病がある方
胎児や乳児への栄養供給が最優先の時期に断食をするのは、大変危険です。また、体が発育途上の子どもも断食を控えた方がよいでしょう。
高齢者や虚弱体質の方も、無理に断食を行うと体に負担をかける可能性があるため注意が必要です。
持病を抱えている方は、断食が病状に悪影響を及ぼす場合があるため医師に確認しましょう。血糖値に関わる病気の方は特に注意が必要です。
正しい断食(ファスティング)ダイエットを進めるためのポイント
断食ダイエットをする際は、やみくもに行うのではなく安全に進めることが大切です。
続いては、正しい断食ダイエットを進めるためのポイントを解説します。
無理のない方法・スケジュールで行う
断食ダイエットは、無理のない方法とスケジュールを守って行うことが大切です。
特に女性は月経周期によって体調が変化しやすいため、月経前後の断食は避けるか短めに設定するなどの配慮が必要です。
断食を実行するタイミングとしては、週末や予定のない日から始めるのがおすすめです。
家族の食事を用意する主婦の方などは、朝だけ食事を抜く12時間断食から試すなどの工夫をするとよいかもしれません。
断食ダイエットの前後は消化の良い食べ物を
断食の開始前後には、できるだけ消化の良い食べ物を摂ることも大切です。
断食前の準備食では、脂っこいものや刺激物を避け、おかゆや湯豆腐、野菜スープなど胃腸に優しいメニューに切り替えるとよいでしょう。
断食直後の数回の食事は回復食とし、胃に負担をかけないものを少量ずつ摂ります。具体的には、おかゆ、スープ、湯豆腐、具なし味噌汁、柔らかく煮た野菜、バナナ、リンゴのすりおろしなどがおすすめです
一気に普通の食事に戻すと、胃腸に負荷をかけるだけでなくリバウンドしやすくなります。
水分補給はいつもより意識して摂る
断食中は食事を摂らない分脱水症状を起こしやすくなるため、いつもより意識して水分補給を行うとよいでしょう。
目安として、1日に2~2.5リットルの水分をこまめに飲むのが理想です。ただし、コーヒーや紅茶、玉露などカフェインを多く含むものは利尿作用があるため、かえって体の水分を排出しやすくなる可能性があり、水分にはカウントしません。
また、水分補給の際には、水と、断食ダイエット中に良いとされる酵素ドリンクやプロテイン以外の飲料は摂らないように注意しましょう。
軽い運動も取り入れる
断食中は固形物を摂らないため、運動に気乗りしないかもしれません。しかし、断食中こそ可能な範囲で軽い運動を取り入れるのがおすすめです。
断食の最中は筋肉量が減りやすいため、基礎代謝が下がる可能性があります。断食中にも筋肉を減らさないためにも、ウォーキングやヨガなど軽い有酸素運動を行いましょう。
ただし、激しい運動はエネルギー消費が激しく、低血糖を招く恐れがあるため控えた方がよいでしょう。
体調に異常を感じたらすぐに中止しましょう
断食を開始しても、身体に異常を感じたらすぐに中止しましょう。
たとえば手足の震えや冷や汗、強い倦怠感、めまい、頭痛、動悸、嘔吐などは、低血糖や脱水などのサインである可能性が高いです。
これらの症状が出た際はすぐに断食を中止して、必要に応じて医師に相談しましょう。
特に、低血糖になりやすい方、持病がある方、日常的に運動をしている方、立ち仕事などでエネルギー消費が多い方は、体調の変化に細心の注意を払う必要があるでしょう。
断食(ファスティング)ダイエットを行う前に、今日からできる無理しない健康的な痩せ方
ダイエットとは、ただ食べることを我慢するのではなく、健康的な生活習慣を身につけることです。
自己流の断食ダイエットはリスクが高く、危険も伴います。そのため、断食の前にまず取り組んでほしいのが、無理のない健康的な減量法です。
今日からできる健康的な方法をぜひ取り入れてみてください。
食生活の見直し
食べないダイエットは健康を損ねやすく、長続きしない傾向にあります。
大切なのは、量より質です。主食は白米から玄米や雑穀米に、パンや麺類は、全粒粉や蕎麦など血糖値の上がりにくいものを選びましょう。
また、鶏むね肉や魚、大豆製品などの良質なタンパク質を意識的に取り入れると、筋肉量の維持や代謝アップにもつながります。
野菜やきのこ、海藻類を先に食べれば血糖値の上昇も抑えやすくなると同時に食べすぎを抑制できます。
油はオリーブオイルやあまに油・えごま油などの良質なものを選び、調理法も揚げ物より蒸したり焼いたりすると、過度に脂質を摂らない工夫をしましょう。
間食はなるべく控えます。どうしても食べたい場合は、糖質の少ないナッツやチーズ、ゆで卵、プレーンヨーグルト、高カカオ(70%以上)のチョコレートなどがおすすめです。
一度食べたものをメモなどに記録してみると「意外とたくさん食べているな」と気づくかもしれません。
毎日少しずつ「体を動かす」習慣を
食事改善と並んで大切なのが、運動習慣です。
ジムに通ったりハードなトレーニングをしたりしなくても、日常生活の中でこまめに体を動かす工夫をするだけで違います。
たとえば通勤や通学時にエレベーターやエスカレーターではなく階段を使う、電車では立つようにする、一駅歩く、自転車で買い物に行く、家で歯磨きをする際についでにスクワットをする、ちょっとしたウォーキングを取り入れる…など、小さな積み重ねが筋肉の維持と代謝アップに繋がります。
ストレスをためない
ストレスは、ダイエットの大敵です。ストレスが溜まるとホルモンバランスが乱れ、食欲を増進させるホルモンが多く分泌されるため過食に走りやすくなる場合があります。
そのため、日頃からストレスを溜めない工夫をするとよいでしょう。
ぬるめのお風呂にゆったり浸かる、マッサージやストレッチをする、好きな音楽を聴く、自然の中を散歩する、趣味に没頭するなど、食べること以外でリフレッシュできる方法を見つけるのがおすすめです。
生活習慣の見直し
日々の生活習慣全般を見直すのも大切です。特に睡眠と体の冷えは、ダイエットと密接な関係があります。
睡眠不足は食欲ホルモンの分泌バランスを乱し、太りやすくなる要因になる可能性があります。
睡眠時間が短いと、食欲を抑えるホルモンである「レプチン」が減少し、食欲を増進させるホルモン「グレリン」が増加してしまうのです。
また、体の冷えもダイエットの大敵。体が冷えて血流が悪くなると、代謝が落ちる可能性があります。
冷たい飲み物は控えたり、薄着をしすぎないように意識したりするとよいでしょう。
「医療の力」を頼って安全・着実にダイエットを進める方法
どうしても自分だけではダイエットが難しい場合や、健康上速やかに減量が必要な場合には、医師の指導のもと生活習慣の改善や食事療法・運動療法を行ったり、必要に応じて肥満症治療薬(処方薬)を用いたりする方法でダイエットを進めることがあります。
ダイエット治療の処方薬
肥満症治療に使われる代表的な処方薬には、以下のようなものがあります。
セマグルチド (商品名: ウゴービ)
もともと糖尿病治療薬として開発された、GLP-1受容体作動薬です。皮下注射(週1回自己注射)する薬で、血糖値の上昇を緩やかにします。食欲を抑え、胃の働き方を緩やかにして、満腹感を持続させる効果があります。
マジンドール(商品名:サノレックス)
血糖値を下げる薬で、SGLT2阻害薬です。腎臓での糖の再吸収を阻害し、余分な糖を尿と一緒に体外へ排出します。糖尿病の薬ですが食欲抑制にも効果があり、肥満症を合併する2型糖尿病患者にも用いられることがあります。
漢方薬
肥満症の治療では、体質に応じて漢方薬を処方される場合もあります。代表的なのは防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)で、腹部に脂肪が多く便秘しがちなタイプの肥満症に用いられます。
他にも防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)や大柴胡湯(だいさいことう)など、肥満に対して用いられる漢方処方はいくつかあります。
ダイエット治療は誰でも可能?
ダイエット治療は、誰でも保険が適用されるわけではありません。
「見た目を良くしたい」という美容目的のダイエットや、BMI値に問題がなく肥満に該当せず、健康障害のない人が痩せたい場合は、保険診療の適用にはなりません。
ダイエット治療が保険適用になるのは、肥満症と診断された場合です。
日本ではBMIが25以上で、糖尿病・高血圧・脂質異常症など肥満に起因または関連する健康障害を合併しているケースを肥満症と定義しています。
また、BMIが35以上の高度肥満(いわゆる高度肥満症)も健康リスクが高いため、合併症がなくても肥満症と診断され、保険適用でダイエット治療を受けることが可能です。
肥満症と診断されていなくても、BMI値が肥満とされる25以上で、現在合併症を起こしていなくても、将来の危険リスクを考え、早急にダイエットをしたい場合などは、自由診療(自費診療)で医療ダイエットが可能なクリニックもあります。

ダイエットの相談ができる医療機関は?
ダイエットの相談をする際は、基本的に内科を受診するのがおすすめです。
肥満に関連する生活習慣病(糖尿病・高血圧・脂質異常症など)を診ていますので、体重増加などによる悩みにも適切に対応してくれるでしょう。
必要に応じて生活習慣病外来や肥満症外来、ダイエット外来といった専門外来を紹介されることもあります。
また、最近ではオンライン診療で肥満症治療やダイエット相談に対応しているクリニックも登場しています。
オンラインクリニックでは、Webで予約を取り、事前に問診票へ現在の症状や生活習慣などを入力します。診察当日はビデオ通話で医師と面談し、必要なアドバイスや治療方針の提案を受けます。
症状によって検査が必要と判断されれば対面での検査受診をすすめられる場合もありますが、基本的な食事・運動指導や薬物治療の処方はオンラインで完結するケースもあります。
肥満症薬の処方なら「おうち病院Privateシリーズ きっちり向き合う肥満症改善外来」
肥満や過体重は、高血圧・糖尿病・脂質異常症など、さまざまな生活習慣病のリスク因子となります。運動や食事に気を配っているつもりでも、加齢やホルモンバランスの変化、ストレスなどの影響で、思うように体重が落ちないと感じている方も多いのではないでしょうか。
そのような方には、医師の継続的な診察とサポートを受けながら、医療的介入(薬物治療)と生活習慣の見直しを組み合わせた治療が推奨されます。
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断食ダイエットよりも医療的ケアが有効な場合も!医師に相談してみるのも手
断食ダイエットは、適切な方法で行えば減量効果が見込める可能性があります。しかし自己流はリスクを伴うため、専門家の指導のもとで行うのがおすすめです。
まずは日々の生活習慣の改善から始め、無理のない形で減量を目指すとよいでしょう。
それでもなかなか自分では痩せられない、あるいは健康診断で肥満を指摘され緊急性が高いといった場合には、医療機関で相談してみるのもひとつの方法です。
通院したいけど多忙でなかなかできない、恥ずかしくて病院に行きたくない、という方は、一度オンラインで相談してみてはいかがでしょうか。