帯状疱疹と診断されるのはどんな症状?確定診断のための検査方法やセルフチェックリストも

帯状疱疹の診断は、特徴的な痛みや皮膚症状から診断することができます。しかし、症状が弱く出ているときは診断が難しいため、血液検査や病理検査などを行うこともあります。 しかし、「どんな診断をするのだろう?」「診断のポイントは?」という疑問を持つ方や「病院に行く前にセルフチェックしたい」という方は多いのではないでしょうか。 そこで今回は、帯状疱疹と診断される症状、帯状疱疹を確定診断する検査、帯状疱疹のセルフチェックリストをご紹介します。

目次

帯状疱疹の診断は、特徴的な痛みや皮膚症状から診断することができます。しかし、症状が弱く出ているときは診断が難しいため、血液検査や病理検査などを行うこともあります。

しかし、「どんな診断をするのだろう?」「診断のポイントは?」という疑問を持つ方や「病院に行く前にセルフチェックしたい」という方は多いのではないでしょうか。

そこで今回は、帯状疱疹と診断される症状、帯状疱疹を確定診断する検査、帯状疱疹のセルフチェックリストをご紹介します。

帯状疱疹と診断される症状

帯状疱疹の症状には神経痛のような痛みと、発疹や帯状に広がる水ぶくれの皮膚症状があります。

神経痛だけではヘルペスや神経を圧迫する病気、内臓系の問題なども考えられるため、帯状疱疹かどうかの診断は困難です。また、神経痛とともに特徴的な皮膚症状が出た場合は帯状疱疹と診断されることがほとんどです。

以下で、それぞれの症状について解説します。

神経痛

帯状疱疹は神経痛のような痛みや皮膚の違和感が、皮膚症状が出るよりも先に出てきます。この痛みの症状は前駆痛(ぜんくつう)と呼ばれ、数日~1週間ほど続きます。

痛みの程度や感じ方は個人差がありさまざまです。皮膚の違和感やかゆみ程度の人もいれば、しびれを感じる人、針で細かく刺されるようなピリピリ・ズキズキとした痛みがある人、焼けるような痛みを感じる人もいます。

前駆痛の後、皮膚症状が現れるとさらに痛みが強くなっていきます。人によっては頭痛や発熱、眠れないほどの痛みを感じることもあります。また、皮膚症状によっては水ぶくれが破けて深い傷となって、神経痛とはまた別の痛みを感じることもあります。

こうした神経痛の痛みが出るのは、帯状疱疹の原因ウイルスが神経を伝ってくることが理由です。ウイルスが神経を伝って皮膚に到達する間に神経を傷つけてしまい、ピリピリとした神経痛のような痛みが出ます。

皮膚症状

帯状疱疹の皮膚症状は多くの場合、神経痛のような痛みの後に現れてきます。痛みや違和感などの前駆痛があった部位にわずかな盛り上がりや丘疹(小さなぶつぶつのようなもの)などの発疹ができ始めます。

その後、発疹は小さな水ぶくれが増えていき、帯状に広がっていきます。この帯状に広がる水ぶくれは古いもの、新たにできるものが混在し、最終的に治まるのは個人差もありますが3週間前後かかります。治癒後も、皮膚症状の度合いによっては色素沈着や傷跡が残るケースもあります。

帯状疱疹の皮膚症状が現れるのは上半身がほとんどです。特に多いのが胸背部で、次いで腹背部、頭部から顔面に出やすい傾向にあります。

帯状疱疹を確定診断するための検査方法

帯状疱疹は神経痛のような痛み、帯状にできる発疹や水ぶくれなど、その特徴的な症状から診断されます。しかし、痛みしかないケースや水ぶくれの範囲が極端に狭いケース、帯状の赤みしかないケースなど、症状が弱く出ることもあります。

そうしたケースでは、単純ヘルペスなどの帯状疱疹に似た病気も疑われるため、診断が困難になります。そのため症状から診断が難しいケースでは、確定診断を目的として血液検査や病理検査・抗原検査を行うこともあります。

帯状疱疹と似た病気がある

帯状疱疹に似ている病気には単純ヘルペスがあります。単純ヘルペスは唇の周りなど、粘膜の周辺に発症しやすく、何度も再発を繰り返す病気です。

単純ヘルペスも帯状疱疹と同じように、皮膚症状が出る前にピリピリ・チクチクとした神経痛のような痛みや違和感があります。その痛みは、帯状疱疹ほどのしつこさや強さはなく、神経のしびれなどもありませんが、似たような症状です。

他にも接触皮膚炎や水疱性類天疱瘡があり、これらも、帯状疱疹のような強い神経痛のような痛みはないものの、近しい症状があります。

このように、痛みの症状に違いがあるものの帯状疱疹に似ている病気はいくつかあります。そのため、確定診断するために、以下で解説する血液検査や病理検査・抗原検査を行うことがあります。

血液検査

水痘・帯状疱疹ウイルスに対する抗体を検査します。抗体によっては感染してすぐには検出されないことがあります。また、測定結果が得られるまでに2週間以上かかるため、確定診断が遅くなります。早期に診断できないため、治療も遅れてしまいます。

病理検査・抗原検査

病理検査は患部から細胞を採取して観察・診断する検査です。帯状疱疹では、水ぶくれの蓋や底、びらん面などから細胞を採取します。簡単な検査であり、数十分程度で結果が出るため、迅速な診断・速やかな治療に向いています。

抗原検査は、ウイルスが持つタンパク質=抗原を検出する検査です。帯状疱疹では皮膚や水ぶくれ内の液体などを用いて検査します。病理検査と同様に短時間で判定でき、速やかな治療をするのに役立ちます。

帯状疱疹の診断のポイント

帯状疱疹は神経痛のような痛みとともに、特徴的な帯状の皮膚症状によって診断されます。

ただし、単純ヘルペスなどの似たような病気もあるため、必要があれば確定診断ために血液検査や病理検査等を行うこともあります。また、問診により既往歴など患者の状態を知ることも診断のポイントとなります。

・既往歴:過去、水痘にかかった経験があれば、帯状疱疹を発症する可能性があります。

・年齢:帯状疱疹は50代くらいから発症率が高まり、70代がピークとされ、高齢者に発症しやすい病気です。ただし、免疫力が下がると発症リスクが高まることから、年齢が若くても過労やストレスにより発症することがあります。

・感染リスク:帯状疱疹がそのまま帯状疱疹として他人に感染することはありません。しかし、水痘にかかったことのない人が接触すると、水痘として感染することがあります。そのため、家族に既往歴がある場合は注意が必要です。

帯状疱疹の危険度が高い人の特徴

帯状疱疹は水痘・帯状疱疹ウイルスが原因となって引き起こされる病気です。

日本人は、子供のころに水疱瘡にかかることが多い傾向にあります。水痘・帯状疱疹ウイルスは水疱瘡が治った後も、体内に潜んでいます。そのため、日本人のほとんどが、この水痘・帯状疱疹ウイルスを保有していて、多くの人が発症する可能性があります。

とはいえ、健康状態であればウイルスは免疫力によって抑えられているため、全員が帯状疱疹を発症するわけではありません。しかし、何らかの理由で免疫力が低下すると、発症する可能性が高まります。

たとえば、高齢者の方や糖尿病などの病気を抱えている人、免疫を抑える薬を使っている人は、帯状疱疹の危険度が高いです。また、疲れやストレス過多になっている人は、若くても危険度が高まります。さらに2022年に「グラクソ・スミスクライン(GSK)」の調査報告によれば新型コロナウイルスの感染経験がある50歳以上の人は、帯状疱疹の発症率が高まるとのことです。

参照元:Increased Risk of Herpes Zoster in Adults ≥50 Years Old Diagnosed With COVID-19 in the United States(米国で新型コロナウイルス感染症と診断された50歳以上の成人における帯状疱疹のリスク増加)

帯状疱疹はほとんどの人が発症する可能性があります。そして発症後、神経痛や神経麻痺などの後遺症や、脳炎などの合併症を招く恐れがある怖い病気です。だからこそ、日頃から疲れやストレスを溜めず、健康的な生活を送り、発症リスクを抑えることが大切です。

診断前の帯状疱疹セルフチェックリスト

ご自身が帯状疱疹であるかどうか気になる方は、診断前に以下のセルフチェックリストを確認してみてください。

・過去に水疱瘡にかかったことがある

・顔・四肢を含めた身体の右または左半分だけにチクチク痛みがある

・神経痛のようなチクチクとした痛みの後に発疹が出た

・疲れ・ストレスがかなり溜まっている・溜まっていた

・免疫力を下げるような持病がある

・免疫力を下げる薬を使っている

・水痘ワクチン未接種である

・50歳以上である

上記項目で当てはまるものが多いほど、帯状疱疹リスクが高いです。痛みや発疹など、すでに気になる症状が出ている場合はなるべく早く医療機関を受診しましょう。

帯状疱疹の診断を受けたら、おうち病院「オンラインヘルペス外来」

医療機関にて検査などを行い、帯状疱疹であると診断を受けたら、治療のために継続的なお薬の使用が必要です。帯状疱疹は神経痛のような痛みや皮膚のただれなどの症状があり、「病院に行くのが辛い」「診察や薬をもらうために待つのがキツい」と感じる方も多いことでしょう。

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