帯状疱疹の塗り薬はどんな症状で使う?お薬の種類や効果・副作用を解説

帯状疱疹の治療で使うお薬には、塗り薬や飲み薬があります。現れている症状によって使い分けが必要で、適切かつ速やかに使うことが大切です。 今回は、帯状疱疹の塗り薬はどのような症状で使うのか、帯状疱疹の塗り薬の種類や効果・副作用について解説します。

目次

帯状疱疹の治療で使うお薬には、塗り薬や飲み薬があります。現れている症状によって使い分けが必要で、適切かつ速やかに使うことが大切です。

今回は、帯状疱疹の塗り薬はどのような症状で使うのか、帯状疱疹の塗り薬の種類や効果・副作用について解説します。

帯状疱疹の塗り薬はどのような症状で使う?

帯状疱疹には塗り薬や飲み薬があります。それぞれどのような症状で使うのか、詳しく解説します。

塗り薬は軽症のケースで使う

帯状疱疹治療で使われる塗り薬の中でも抗ウイルス薬の塗り薬は、すでにウイルスの活性化が落ち着いているケースや、ごく軽症のケースで処方されることがあります。

また、抗炎症の塗り薬は帯状疱疹の赤い発疹の治療や痛み・炎症を抑える目的で使われます。患部に塗ることで、皮膚の炎症が抑えられて赤みが引きやすくなり、痛みも軽くなりやすくなります。

帯状疱疹により皮膚にできた水ぶくれが破けて深い傷ができてしまうことがありますが、そのような皮膚症状のあるケースでは、皮膚潰瘍治療の塗り薬が処方されることもあります。

このように、帯状疱疹の塗り薬はウイルスが落ち着いている・軽症のケースや、皮膚症状を治療する目的で使われます。

症状が重い場合は飲み薬や点滴

帯状疱疹の症状の程度については、皮膚に病変が狭い範囲で見られる場合は「軽度(軽症)」、病変が広範囲で血を含む水ぶくれ(血疱)があり合併症があるなどの場合は「重度(重症)」、軽症と重症の間が「中程度(中等症)」とされています。

帯状疱疹で中程度の症状であると診断されたら、抗ウイルス薬の飲み薬が処方されます。
抗ウイルス薬の飲み薬はウイルスが活性化・増殖しているタイミングで、ウイルスのDNAの合成を妨げることで、それ以上の増殖を抑える働きがあります。そのため、症状の重さに合わせて速やかに飲み薬で対処します。

また、症状が重くなったケースや高齢者などで免疫機能が低下しているケースでは、抗ウイルス薬の点滴を行うこともあります。

帯状疱疹の痛みがつらい場合は、痛み止めの飲み薬が処方されます。痛みの強さに応じて、処方される薬も効果の強いものになっていきます。帯状疱疹の場合、発疹などの皮膚症状よりも先に出ることが多いため、塗り薬よりも先に処方されることがほとんどです。

なお、皮膚の発疹がなくなった後も残る神経性の痛みである帯状疱疹後神経痛(PHN)に対しては、鎮痛補助薬や抗うつ薬などが使われます。

強い痛みがある場合はブロック注射なども

帯状疱疹で感じる痛みは人によって異なり、場合によっては夜も眠れないほど強い痛みが続いてしまうこともあります。

そういったケースでは、局所麻酔薬やステロイド等の鎮痛薬を神経近くに浸透させる、神経ブロック注射を用います。神経およびその周辺で起きている炎症、痛みの伝わりを遮断することで痛みを抑える効果があります。

帯状疱疹の塗り薬の種類と効果・副作用

帯状疱疹の塗り薬には、抗ウイルス薬もありますが、帯状疱疹の治療で使う抗ウイルス薬は飲み薬が基本です。そのためこちらでは、帯状疱疹の皮膚症状を治療するタイプの塗り薬の種類や効果・副作用を解説します。

コンベック軟膏

コンベック軟膏は、帯状疱疹の皮膚症状や痛みを抑えるために処方される、非ステロイド性抗炎症薬です。

効果効能

抗炎症作用や鎮痛作用があり、塗布することで皮膚の炎症・痛みを和らげます。帯状疱疹や、湿疹、アトピー性皮膚炎などの治療で使われる塗り薬です。

使用上の注意点

薬剤に含まれる成分に対して、過敏症の既往歴がある場合は禁忌となります。また、眼科用としては使用できません。

塗り忘れがあった場合は、気づいたタイミングでなるべく早く塗りましょう。ただし、塗布間隔が短い場合はすぐ使わず、次回のタイミングで塗ってください。

他に薬を使用している場合は、作用を強めるまたは弱めることがあるため、医師・薬剤師にご確認ください。

副作用

主な副作用には、刺激感・灼熱感・発赤・かゆみ・丘疹・接触皮膚炎・腫脹・潮紅などがあります。このような症状や、他にも薬の使用で気になる症状が出ましたら、医師・薬剤師にご相談ください。

アズノール軟膏

アズノール軟膏は、帯状疱疹の皮膚症状や痛みを抑える効果がある非ステロイド系抗炎症薬です。

効果効能

抗炎症作用や傷の治癒促進、抗アレルギー作用があります。帯状疱疹や火傷、その他疾患による皮膚のただれや潰瘍の治療で使われます。また、痛みやかゆみを抑える効果もあります。

使用上の注意点

薬剤に含まれる成分に、過敏症の既往歴がある場合は禁忌です。口や陰部などの粘膜に入っても問題はありませんが、目に入ってしまった場合はすぐに水道水で洗い流し、医療機関を受診してください。

飲み薬との併用は可能ですが、他の塗り薬も使用している場合は、医師・薬剤師にご相談ください。

1日複数回塗布しますが、塗り忘れがあった場合は、なるべく早く塗布しましょう。ただし、前回の塗布から時間が経っていない場合は1回飛ばしてください。また、2回分を一度に使うのはおやめください。

副作用

主な副作用はほてり・かゆみ・発疹・かぶれ・接触性皮膚炎・皮膚刺激感などの過敏症状などです。薬の使用によりこのような症状や、その他気になる症状が出ましたら、医師・薬剤師にご相談ください。

ゲーベンクリーム

ゲーベンクリームは帯状疱疹の水ぶくれにより深い傷ができたケースで用いられる塗り薬です。

効果効能

ゲーベンクリームは銀が主成分で殺菌効果が高い塗り薬です。また、壊死組織の除去、傷の修復、血管新生、二次感染予防などの作用もあることから、外傷や火傷、手術による傷、床ずれなどの皮膚潰瘍の治療に使われます。

帯状疱疹の水ぶくれが破けた際にできた深い傷を治す目的で処方されることもあります。

使用上の注意点

薬剤に含まれる成分に過敏症の既往歴がある方、新生児、低出生体重児などへの使用は禁忌です。妊婦・授乳中も、相対的に禁止となります。

ゲーベンクリームは、1日1回患部に約2~3mmの厚さに直接塗る、またはガーゼなどに延ばして患部に貼り付けてから包帯をします。2日目以降は、塗布部分をガーゼで拭き取るまたはぬるま湯で洗ってから塗ります。

副作用を引き起こす恐れがあるため、必ず使用方法を守りましょう。誤った方法で塗布してしまったり、多く使用してしまったりした場合は、医師・薬剤師にご相談ください。

副作用

主な副作用として、疼痛・発疹・発赤・接触皮膚炎・光過敏症・化膿性感染症・貧血があります。また、重大な副作用として、以下のようなものがあります。

・汎血球減少:発熱・喉の痛み・歯ぐきや鼻からの出血などの初期症状あり

・皮膚壊死:皮膚に熱感がある、痛みとともに皮膚が赤くなるなどの初期症状あり

・間質性腎炎:発熱・湿疹・吐き気などの初期症状あり

このような症状が出た場合は、速やかに医療機関を受診してください。

帯状疱疹のお薬は使い分けが大切

帯状疱疹の治療で用いられるお薬には大きく分けて、ウイルスの増殖を防ぐ薬、痛みを抑える薬、皮膚症状を改善する薬の3つがあります。それぞれに塗り薬や飲み薬があり、症状の度合いによってさまざまなお薬が処方されます。

帯状疱疹発生初期はウイルスの増殖を抑える必要があるため、抗ウイルス薬が使用されます。症状の発生初期や中程度(軽度・重度の間程度の度合い)・重度(病変が広範囲・血疱がある・合併症があるなど)の症状には、よりウイルスの増殖を抑えやすい抗ウイルス薬の飲み薬が処方されるのが一般的です。塗り薬にも抗ウイルス薬がありますが、飲み薬によりウイルスの活性が抑えられた後やごく軽症のときに処方されるのが一般的です。

帯状疱疹の治療で使う塗り薬の多くは、痛みの緩和や皮膚症状の改善で用いられます。特に帯状発疹では痛みが長く続くこともありますので、抗ウイルス薬によりウイルスを落ち着かせつつ、痛みや皮膚症状を改善する塗り薬をしっかり塗ることが大切です。

医師・薬剤師の指示に従い、塗り薬・飲み薬を使い分け、帯状疱疹の症状を抑えていきましょう。

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帯状疱疹は症状が改善するまで、医師の指示に従って継続して薬を使用することが大切です。特に痛みの症状は辛く長く続きますので、塗り薬を適切に使うようにしましょう。

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