帯状疱疹の飲み薬は?処方薬の種類や市販薬の有無について

帯状疱疹は、飲み薬を中心とした薬物療法で治療します。帯状疱疹は市販薬で治療できるのか、どのような薬を使うのかなど、さまざまな疑問が思い浮かぶでしょう。 この記事では、帯状疱疹の飲み薬について、処方薬の種類や市販薬の有無、塗り薬との違い、治療のポイントなどについて詳しく解説します。

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帯状疱疹は、飲み薬を中心とした薬物療法で治療します。帯状疱疹は市販薬で治療できるのか、どのような薬を使うのかなど、さまざまな疑問が思い浮かぶでしょう。

この記事では、帯状疱疹の飲み薬について、処方薬の種類や市販薬の有無、塗り薬との違い、治療のポイントなどについて詳しく解説します。

帯状疱疹の飲み薬

帯状疱疹は、抗ウイルス薬(アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビル)の服用を可能な限り早期に開始することが大切です。重症の場合は、入院して抗ウイルス薬(アシクロビル、ビダラビン)の点滴静注が必要になる可能性があります。

帯状疱疹の治療で使用する飲み薬は処方薬のみです。使用する飲み薬の成分について詳しく見ていきましょう。

アシクロビル

アシクロビルは、抗ヘルペスウイルス薬です。帯状疱疹の原因である水痘帯状疱疹ウイルスはヘルペスウイルスの一種のため、抗ヘルペスウイルス薬で症状の改善が期待できます。

通常、成人には1回800mgのアシクロビルを1日5回経口投与します。皮疹が現れてから5日以内に治療を開始することで、高い効果が期待できます。高齢者は一般的に腎臓の機能が低下していることが多いため、アシクロビルの量や投与の間隔の調整が必要です。

妊娠中の場合は、治療の有益性がリスクを上回る場合にのみ投与します。また、授乳中にアシクロビルの投与を受ける場合は、授乳を避ける必要があります。

バラシクロビル

バラシクロビルは、アシクロビルと同じく抗ヘルペスウイルス薬です。通常、成人には1回1000mgのバラシクロビルを1日3回経口投与します。高齢者においては、投与する量や間隔の調整が必要です。妊娠中は、治療の有益性がリスクを上回る場合にのみ投与します。

ファムシクロビル

ファムシクロビルは、抗ヘルペスウイルス薬です。通常、成人には1回500mgのファムシクロビルを1日3回経口投与します。皮疹が現れた段階で、なるべく早期に投与を開始することが望ましいとされています。

治療期間は原則7日間で、改善が見られない場合は他の治療法に切り替える必要があります。妊娠中は、治療の有益性がリスクを上回る場合にのみ投与します。授乳期間中に投与する場合は、授乳を避けなければなりません。

帯状疱疹の塗り薬

帯状疱疹には、さまざまな種類の塗り薬を使用します。飲み薬が血液によって全身をまわり、体内のウイルスに対処するのに対し、塗り薬は塗ったところにだけ効果が現れるものです。

帯状疱疹の塗り薬の種類について詳しく見ていきましょう。

抗ウイルス薬

抗ウイルス薬のアシクロビルやビダラビンなどの塗り薬を使用します。水痘帯状疱疹ウイルスの増殖を抑えることで症状の改善を促します。クリームや軟膏などがあり、患部に応じて選択します。

非ステロイド抗炎症薬

非ステロイド抗炎症薬は、炎症を引き起こすプロスタグランジンという化学物質の産生を抑制することにより、炎症を緩和し、痛みを軽減する薬です。

帯状疱疹の初期では、痛みや炎症が現れることがあります。この段階で非ステロイド抗炎症薬を患部に塗ることで、症状の改善が期待できます。ただし、水痘帯状疱疹ウイルスの数を減らす効果はないため、抗ウイルス薬との併用は必須です。

化膿疾患外用薬

帯状疱疹の水疱期以降、病変部位に細菌感染が起きるリスクが高まります。化膿疾患外用薬は、細菌感染を予防するとともに、すでに起きた二次感染を改善するための薬です。二次感染による炎症が抑えられ、痛みやかゆみなどの改善が期待できます。

潰瘍治療薬

潰瘍治療薬は、帯状疱疹によって生じた潰瘍の改善をサポートする薬です。潰瘍は、改善には時間がかかるため、なるべく薬を使用することが望ましいとされています。必ずしも潰瘍ができるとは限らず、処方するかどうかは医師の判断に基づきます。

帯状疱疹の治癒後に神経痛が残ることがある

帯状疱疹後神経痛は、帯状疱疹の症状が改善した後に起きる痛みのことです。痛みは帯状疱疹の皮疹の改善と同時に消失することが多いものの、場合によってはその後も痛みが続くことがあります。

灼熱感や突き刺すような痛みを伴うこともあり、生活に支障をきたす方も少なくありません。また、数カ月から数年にわたり続く場合もあります。

帯状疱疹後神経痛は、初期の段階で治療を開始することで発生を抑えられる可能性があるため、少しでも帯状疱疹を疑う症状が見られたら、速やかに医療機関を受診しましょう。

帯状疱疹に有効な市販薬は販売されていない

帯状疱疹に対して有効な市販薬は存在しません。帯状疱疹の原因となる水痘帯状疱疹ウイルスに効果が期待できる抗ウイルス薬は、いずれも処方薬です。

帯状疱疹に効果が期待できる処方薬は個人輸入できる場合があり、自身で使用する場合は合法であるものの、また、粗悪品が送られてくるリスクもあります。

また、そもそも帯状疱疹かどうかは自己判断できないため、必ず医療機関を受診して適切な治療を受けましょう。

帯状疱疹の治療のポイント

帯状疱疹は、免疫機能の低下によって起きるもののため、治療中に無理をすると症状の改善に時間がかかります。次のポイントを押さえて、適切に過ごしましょう。

十分に休養する

休息は免疫系の働きを強化し、ウイルスの増殖を抑えることにつながります。無理な活動やストレスは帯状疱疹を重症化させる恐れがあります。

無理をすると帯状疱疹後神経痛のリスクも高まります。休息を取らなかったために、数カ月から数年も痛みに苦しめられることがないように十分に休息を取りましょう。

また、ストレスも同様に免疫機能の低下を招きます。ストレスの原因を遠ざけつつ、自分に合ったストレス解消法を実践しましょう。さらに栄養バランスの取れた食事を心がけ、体の健康維持に努めることが大切です。

水痘に感染したことがない人との接触を避ける

帯状疱疹と水痘(水ぼうそう)はどちらも水痘帯状疱疹ウイルスによるものです。

帯状疱疹は、水痘にかかったことのある人が、免疫機能の低下を原因としてウイルスが再活性化することで発症します。そのため、帯状疱疹としてうつるのではなく、水痘としてうつります。

水痘にかかったことがない人にのみ感染させる可能性があるため、特に乳幼児との接触は避けた方がよいでしょう。また、妊娠中の女性が水痘を発症すると、重篤な合併症のリスクがあることにも注意が必要です。

用法用量を守って最後まで飲み切る

医師から処方された薬は、指示どおりに飲み切りましょう。最後まで飲み切ることで、期待した治療効果が現れやすくなります。

適切な回数と量を服用しなければウイルスが残ってしまい、薬剤に対する抵抗性を持つウイルスに変異する可能性も否定できません。そうなれば、再発したときに抗ウイルス薬が効かなくなる恐れもあるため、処方された薬は用法用量を守ってすべて服用しましょう。

水疱を潰さないようにする

入浴やシャワーをする際は、水疱を潰さないように注意して洗いましょう。石鹸を使ってやさしく洗い、水疱を直接こすらないようにしてください。

また、日常生活では水疱を指で触らないように注意が必要です。水疱に含まれる液にはウイルスが多量に含まれているため、その手で周りのものに触れると、それらを介して人に感染させてしまう恐れがあります。

医師から塗り薬を処方された場合は、強くこすりつけるのではなく水疱にやさしくのせるように塗りましょう。

受診する時間がない方は、おうち病院「オンラインヘルペス外来」

帯状疱疹の治療では、抗ウイルス薬だけではなく、非ステロイド抗炎症薬や化膿疾患外用薬など、症状に応じて複数の薬を使い分けることになります。帯状疱疹の飲み薬は市販されておらず、医療機関を受診して医師の診断を受けなければなりません。

症状の悪化や後遺症のリスクを抑えるためにも、なるべく早い段階で医療機関を受診しましょう。

しかし、忙しくて受診できない方もいらっしゃるのではないでしょうか。そのような方には、おうち病院「オンラインヘルペス外来」がおすすめです。

帯状疱疹とヘルペスの鑑別はもちろん、帯状疱疹の治療薬の処方もできます。また、自宅から近い薬局で治療薬を受け取ることができるため、手間もかかりません。

早期発見・早期治療が重要な帯状疱疹だからこそ、自宅にいながら診察を受けられる「オンラインヘルペス外来」を積極的にご利用ください。