性器ヘルペスの治療は早期の内服が鉄則!原因・症状やおすすめの治療法

性器周辺にできたピリピリ、ズキズキとしたつらい痛みや水ぶくれ。誰にも言えず、「もしかして重大な病気かも」「どうして自分だけ…」と不安な気持ちの方も多いのではないでしょうか。

この病気の最も厄介な点は「再発するかもしれない」という不安ですが、どうか1人で悩まないでください。医療の進歩により、症状を早く抑え再発を大幅に減らす治療法があります。

この記事では、早期に治す方法と再発を防ぐヒントを紹介します。まずは、正しい知識を身につけることから始めましょう。

この記事でわかること

  • 性器ヘルペスは単純ヘルペスウイルスの感染が原因で、完治しないため再発を繰り返すことがある
  • 治療は抗ウイルス薬の内服が基本で、早期に服用を開始することが症状の抑制に最も効果的
  • 再発の頻度が高い場合は、PIT療法(患者自身の判断で薬を服用)や、再発抑制療法(長期にわたる毎日服用)が選択肢になる
  • 早期治療のために、オンライン診療サービスを利用して迅速に薬を処方してもらうことが可能

性器ヘルペスとは?

「性器の悩み」だからといって、恥ずかしがる必要はまったくありません。

性器ヘルペスは決して珍しい病気ではなく、性感染症の中でも非常に感染者が多い、誰もが感染する可能性のある、ごく一般的な病気の一つです。

まずは、性器ヘルペスについて、改めてどのような病気かを確認していきましょう。

性器ヘルペスは、単純ヘルペスウイルス(HSV)の感染が原因で起こる病気です。

一度感染すると症状が改善されて見た目は治っても、ウイルスを完全に消滅させることは、現代の医療では出来ません。体内の神経節に潜伏し、体の抵抗力が落ちた時などに再発します。

しかし不安に思う必要はありません。適切な治療と日々の注意で症状をコントロールし、パートナーへの感染リスクを減らすことができます。

ヘルペスの種類

ヘルペスウイルスに感染して発症する病気のなかで、一般的なものは4種類あります。

ヘルペスの種類ウイルス主な症状・特徴
口唇ヘルペス単純ヘルペスウイルス1型 (HSV-1)唇や口の周りに水ぶくれを作る。唾液などを介して感染し、上半身(顔面、眼など)に症状が出やすい。
性器ヘルペス単純ヘルペスウイルス2型 (HSV-2)
または1型 (HSV-1)
性器や肛門周囲に水ぶくれ・潰瘍を作る。性器にウイルス感染することで起こる。性器やその周辺に症状が出やすい。
水痘(水ぼうそう)水痘・帯状疱疹ウイルス (VZV)初めて感染したときに発症する疾患。接触感染のほか空気感染、飛沫感染する。小児期に経験することが多い。
帯状疱疹水痘が治癒した後、潜伏していたウイルスが再活性化して発症する。神経に沿って帯状に痛みと水ぶくれが現れる。

性器ヘルペスの主な原因・感染経路

ここで、改めて性器ヘルペスの感染経路や発症原因を確認していきましょう。

性器ヘルペスの主な感染経路

性器ヘルペスの主な感染経路は、接触感染です。

主に性交渉によって感染することが多いです。オーラルセックスによる口唇ヘルペスからの感染も含みます。

他にお風呂やバスタオルの共有等で感染する可能性もおおいにあります。思い当たるところがないのに、と悩む患者の例もあります。臀部や太ももにヘルペスの症状が出ている患者が使用したあとのトイレなど、不特定多数の方が使用する公衆トイレには、感染リスクがあります。

また、出産によって母体から赤ちゃんへ感染することもあります。

性器ヘルペスを発症する原因

ヘルペスウイルスに接触して感染しても、無症状か軽度の症状で気付かない場合もあります。また、初感染後治ったあともウイルスが潜伏していても再発にいたらない場合もあります。

発症や再発する原因は以下の通りです。

  • 疲労がたまっていたり、睡眠不足が続いていたりする
  • 不規則な生活など不摂生が蓄積している
  • ストレスがたまっている
  • 自律神経が乱れている

これらは、いずれも体内の免疫力を下げてしまい、身体が弱っている状態です。風邪が流行っても元気な方と風邪をひきやすい方がいるのと同じようなものです。

性器ヘルペスの症状

性器ヘルペスについて、具体的な症状を確認していきましょう。ここでは、女性の場合に特化してお伝えします。

性器ヘルペスに初めて感染した時

初めて感染したときは、症状が重くなる傾向があります。

患部(膣や膣の周辺)に強い痛みや痒み、灼熱感(ヒリヒリした感じ)が現れます。そして、赤いブツブツができ、それが小さな水ぶくれの集まり水疱となり、破れてただれ潰瘍になります。排尿時の強い痛みを伴うことも多くあります。

重い場合、発熱や足の付け根のリンパ節の腫れが起こることもあります。

外陰部だけでなく、腟の入り口や子宮頸部にも症状が出ることがあるため、婦人科での診察が重要になります。

性器ヘルペスが再発した時

再発時の症状は、前兆として、症状が出る数時間〜数日前に、患部にチクチク、ムズムズといった違和感(前駆症状)を覚えることがあります。このサインが再発時の治療開始の重要な目安になります。

その後、小さな水ぶくれやただれができ、比較的短期間で治癒に向かいます。

初感染時よりも軽いことがほとんどです。しかし、人によって頻繁に再発を繰り返し、症状が軽度で治まらずつらい方もいます。そのような場合は再発対策の治療を検討し、医師に相談することをおすすめします。

「性器ヘルペスかも?」と思ったら自己判断は禁物!早めの受診を

性器ヘルペスの治療は、抗ウイルス薬を内服しウイルスの増殖を防ぐことが基本です。ウイルスが増殖する前に、初期の段階で治療を開始するのが鉄則です。

一般的には、発症から72時間(3日)以内の抗ウイルス薬服用が望ましく、それ以上日が経過してしまうと、効果が得られにくいとされています。理想は24時間(1日)以内です。「ヘルペスかな?」と思ったら、ただちに受診して薬を服用するのが望ましいということです。

自己判断で市販薬や家にあった薬等を使用して補うと、治療が長引くばかりか、選んだ薬によってはかえってウイルスの増殖を助けてしまい、症状が悪化する可能性もあり、危険です。

性器ヘルペスの主な治療法

性器ヘルペスはどの様に治療を行うのか確認していきましょう。ぜひ参考にしてください。

対症療法

初感染時や再発時に、症状が現れてから受診して治療を開始する方法です。抗ウイルス薬を5日間程度服用し、外用薬を併用することもあります。

初感染時は対症療法となります。また、再発患者も再発の頻度が年1~2回程度なら、こちらでも良いでしょう。

前述したように、抗ウイルス薬の服薬はなるべく早い方が良いため、出来るだけ早く受診し処方してもらうことが大切です。

ただし、初感染時はなかなかヘルペスと気付くことが難しい、急に時間を作って病院に行くのは難しい等の課題もあります。

そのような時はオンライン診療も検討してみましょう。

【主な内服薬】

  • バラシクロビル(バルトレックス)
  • アシクロビル(ゾビラックス)
  • アメナビル(アメナリーフ)

【主な外用薬】

  • ファムシクロビル(ファムビル)
  • アラセナ(ビダラビン)

※ただし、塗り薬は軽症の場合に用いられますが、膣や子宮頚部など内部に潜むウイルスには効果がありません。

性器ヘルペスの場合、基本的には内服薬による治療が選択されます。

PIT療法

再発の前兆を自分で判断できる方で、再発に悩んでいる方(目安としては年に3回以上の再発)向けの、患者自身の判断で薬を飲む治療法です。

診察時にあらかじめ薬を1回分のみ処方してもらい、ご自身がチクチク、ムズムズといった前兆を感じたタイミングで服用を開始します。常備できる薬は1度の再発時の分(おおよそ5日分)のみですので、次回の通院時に再度薬を処方してもらいます。

多忙ですぐに通院するなどのスケジュール調整が難しい方にはおすすめです。

【主な内服薬】

  • アメナビル(アメナリーフ)
  • ファムシクロビル(ファムビル)

再発抑制療法

再発を抑えるために薬を継続して服用する治療法です。

年に6回以上など頻繁に再発する方や症状が重い方、生活に大きな支障をきたしている方におすすめです。

毎日、抗ウイルス薬を1年間継続して内服し、再発の頻度を大幅に減らします。再発のストレスから解放され、パートナーへの感染リスクも下げられるメリットがあります。

また、内服期間中に自律神経を整えて再発しない体づくりを目指し、徐々に様子を見て薬を減らしていきます。

【主な内服薬】

  • バラシクロビル(バルトレックス)

頻繁な再発に悩む方は、PIT療法や再発抑制療法を医師に相談して、自身にあった方法を見つけましょう。

性器ヘルペスの再発を防ぐセルフケア

再発の最大の原因は、「疲れやストレスによる免疫力低下」です。
ここで、再発を防ぐため、気を付けておきたいことをまとめておきます。ぜひ意識してみてください。

1.充分な睡眠と休養

疲労や寝不足は免疫力低下の最大の原因です。無理をせず、しっかり休息をとりましょう。

2.バランスの取れた食事

 栄養バランスの良い食事を心がけましょう。できるだけコンビニやジャンクフードを避け、栄養を摂りましょう。

3.ストレス管理

適度な運動、趣味、リラックスできる時間を持つなど、自分に合った方法でストレスを解消しましょう。

4.体調管理

風邪をひいたり、体調を崩したりすると免疫力が低下します。日頃から体調を崩さないように注意しましょう。

5.性器周辺への刺激を避ける

摩擦の多いきつい下着は避けましょう。疲れている時の無理な性行為は控えましょう。

パートナーや家族への感染を防ぐ大切な「ルール」

パートナーや家族への感染を防ぐためにも、パートナーや家族には恥ずかしがらず正しい情報と知識を伝え、理解と協力を求めることが大切です。

パートナーとの性交渉でのルール

大切なパートナーを守るためにも、以下のルールを徹底しましょう。

1.症状があるときは性交渉を完全に避ける

水ぶくれやただれがあるときは、ウイルスが最も多く排出されており、感染リスクが極めて高い状態です。キスやオーラルセックスも含め、すべての性的な接触を避けましょう。

2.症状がないときでもコンドームを使用する

症状がなくてもウイルスが少量排出されていることがあります。コンドームは感染リスクを下げますが、完全ではありません。コンドームで覆われない皮膚からも感染する可能性があることを理解し、再発抑制療法なども検討しましょう。

3.パートナーに病気を伝え、協力して予防する

勇気のいることですが、パートナーに正直に話し理解と協力を求めることが、お互いの健康を守る一番の方法です。

感染予防のための日常ルール

家族や周囲へ感染を広げないため、自身の症状を悪化させないため、以下の日常ルールを守りましょう。

1.患部に触れない
患部には大量のウイルスが存在します。触らないように心がけましょう。

2.手洗い
患部に触れてしまった場合は、すぐに石鹸で手を洗いましょう。特に目を触らないように注意してください(目のヘルペス感染を防ぐため)。

3.水ぶくれを潰さない
水ぶくれの中の液体には多量のウイルスが含まれています。潰すと感染を広げたり、細菌感染を起こしたりする原因になります。自然にかさぶたになるのを待ちましょう。

4.患部の清潔保持
患部は泡立てた石鹸などで優しく洗い、清潔に保ちましょう。

5.タオルの共用を避ける
家族間であっても、タオル、特にバスタオルの共用は避けましょう。下着の共用も避けてください。

6.トイレの注意
お尻に症状がある場合は、便座に直接お尻が触れないよう工夫するか、使用後に消毒しましょう。

性器ヘルペスの治療ができる医療機関

性器ヘルペスの治療は何科に行けばよいのか解説します。参考にしてください。

婦人科・泌尿器科がおすすめ

ヘルペスはウイルスによる皮膚炎なので、皮膚科が専門です。しかし、性器ヘルペスに関しては婦人科か泌尿器科、または性病科が専門になります。

女性は婦人科が一番おすすめです。

なぜなら、ヘルペスの症状が出ている患部が外陰部だとして、よく観察すると腟の入り口や子宮頸部にも症状が出ていることがあるため、またウイルスが内部にも潜んでいるためです。

さらに、妊娠・出産に関する不安も相談できるでしょう。

すぐに受診できない時のおすすめオンライン診療

多忙で通院が難しい時や、性器なので恥ずかしくて婦人科へ行けないなど、通院が難しい場合はオンライン診療がおすすめです。

特にヘルペスは早期発見、早期治療が鍵となるため、適切な治療を受けるためには一日も早く受診が必要です。

前述したように、症状が出てから72時間以内、理想は24時間以内に抗ウイルス薬を内服すべきです。

オンライン診療で、育児や仕事の合間のスキマ時間にサクッと予約して診察、薬をお住まいの近くの薬局薬店か自宅で受け取ることができるのでスピーディーです。また、プライバシーが保たれるのも安心材料です。

受診する時間がない方には、「おうち病院 オンラインヘルペス外来」

口唇ヘルペスは、早めの治療が肝心です。市販の塗り薬だけでは十分な効果が得られないこともあるため、飲み薬を含む処方薬による治療が推奨されます。

しかし、忙しくて病院に行く時間がない…そんな方におすすめなのが、「おうち病院 オンラインヘルペス外来」です。

初診から保険診療OK
平日・土日祝日も朝8時〜夜22時まで診察可能
予約時間ぴったりに診察開始で、出社前・会議の合間・帰宅後などスキマ時間に受診OK
次回再発時のお守り「PIT処方」も選択可能。症状が出た際の通例処方とPIT処方のセットでの処方が便利
処方せんは自動送信され、全国6,900店舗の薬局で受け取り可能
自宅配送「おくすりおうち便」を利用すれば、薬局に行く手間なしヘルペスの症状が出たら、すぐに適切な治療を受けることが快適な生活を助けます。
今すぐ、「おうち病院 オンラインヘルペス外来」で診察予約を。

性器ヘルペスは1人で悩まないで!適切な治療と再発予防でQOL向上を

性器ヘルペスは、デリケートな場所だし、恥ずかしくて誰にも言えない、など悩んでしまうお気持ちもあるでしょう。しかし、1人で悩まないでください。適切な治療をすれば、症状は改善されます。再発予防もできます。安心して医師に相談してください。

恥ずかしくて病院に行くのがつらい方や婦人科への通院を見られたくない方、オンラインなら対面よりもハードルが下がるかもしれません。恥ずかしがらずに気軽に相談してください。

多忙で通院の時間をとることが難しくすぐに受診できない方は、オンラインをぜひ活用してすぐに受診してください。