花粉症の処方薬一覧|内服・点鼻・点眼の違いと、眠気・症状で選ぶ基準

「病院で出る薬は市販薬と何が違うのか」——受診を迷っている方が最も知りたいのは、この一点ではないでしょうか。処方薬の強みは成分の強さそのものより、症状のタイプと生活に合わせて選べる幅の広さにあります。本ページでは処方薬を剤形別に整理し、眠気の出方・効く症状・使用上の注意を比較したうえで、保険適用で処方を受ける方法までをご案内します。

この記事でわかること

  • 花粉症の処方薬は「内服・点鼻・点眼・塗り薬」の4剤形に分かれ、症状の部位ごとに組み合わせて使います
  • 鼻づまりが主体の場合、内服の抗ヒスタミン薬だけでは効きにくく、鼻噴霧用ステロイド薬が第一選択になります(鼻アレルギー診療ガイドライン2024年版)
  • 眠気の出方は成分で大きく異なります。ビラスチン(ビラノア)・デスロラタジン(デザレックス)は添付文書に自動車運転に関する記載がありません
  • 抗ロイコトリエン薬(キプレスなど)は市販されておらず、鼻づまりに対して処方でのみ選べる選択肢です
  • おうち病院のオンライン花粉症外来では、初診から保険診療で内服・点鼻・点眼・塗り薬の処方に対応しています(最大60日分)

剤形別・処方薬の早わかり一覧

花粉症の処方薬は、症状の出ている部位に合わせて剤形を選びます。まず全体像をご覧ください。それぞれの詳細ページへのリンクもこちらから辿れます。

剤形主に効く症状おうち病院で処方できる主な薬剤市販薬との差詳しく読む
内服薬(抗ヒスタミン薬)くしゃみ・鼻水・目のかゆみビラノア、デザレックス、アレジオン、ザイザル眠気の出にくい成分(ビラスチン・デスロラタジン)は市販されていません眠気で選ぶ
内服薬(抗ロイコトリエン薬)鼻づまりキプレス市販されていません本ページ
点鼻薬(鼻噴霧用ステロイド薬)鼻づまり・鼻水・くしゃみエリザス点鼻粉末、モメタゾン点鼻液市販薬にある「1年3か月まで」の使用期間制限がありません花粉症の点鼻薬
点眼薬目のかゆみ・充血パタノール、アレジオン点眼液、フルメトロンステロイド点眼薬は処方のみです花粉症の目薬
塗り薬まぶたのかゆみアレジオン眼瞼クリーム処方のみです本ページ
漢方薬体質に応じた症状全般症状・体質に応じて選択保険適用で処方を受けられます花粉症の漢方薬

この表で最も重要なのは「市販薬との差」の列です。処方薬の価値は成分の強さではなく、市販では選べない選択肢があることにあります。以下、剤形ごとに詳しく見ていきます。

内服薬の比較(抗ヒスタミン薬)

内服の抗ヒスタミン薬は、くしゃみ・鼻水・目のかゆみに対する基本の薬です。同じ第2世代でも、眠気の出方と飲み方が異なります。

薬剤名(一般名)服用回数服用タイミング添付文書の運転に関する記載特徴
ビラノア(ビラスチン)1日1回空腹時(食事の1時間前または食後2時間以降)記載なし眠気の記載がなく、効果発現も比較的早い成分です。食事の影響を受けるため服用タイミングに注意が必要です
デザレックス(デスロラタジン)1日1回食事の影響を受けません記載なし服用タイミングの制約がなく、続けやすい薬です
アレジオン(エピナスチン)1日1回就寝前注意して運転市販薬(アレジオン20)と同一成分です
ザイザル(レボセチリジン)1日1回就寝前運転しないこと効果を感じやすい一方、眠気が出やすい成分です

「眠気を避けたい」という希望がある方は、この表の上2行が選択肢になります。ビラスチンとデスロラタジンは、いずれも市販されていません。運転や仕事、受験を控えている方にとって、これは受診する具体的な理由になります。

眠気の感じ方には個人差があります。添付文書に記載がないことは「眠気が起こらない」ことを意味するものではありません。服用後の状態には注意し、気になる場合は医師にご相談ください。

内服薬の比較(抗ロイコトリエン薬)

鼻づまりが主体の方には、抗ヒスタミン薬とは作用の異なる薬が用いられます。

薬剤名(一般名)服用回数主に効く症状効果が出るまで備考
キプレス(モンテルカスト)1日1回(就寝前)鼻づまり数日〜1週間程度気管支喘息にも用いられる薬です。市販されていません

鼻づまりに抗ヒスタミン薬が効きにくいのは、症状の成り立ちが違うためです。くしゃみや鼻水はヒスタミンが主役ですが、鼻づまりには鼻粘膜の腫れが関わっており、ロイコトリエンという別の物質が関与します。「飲み薬を飲んでいるのに鼻がつまったまま」という状態には、薬の種類そのものを見直す余地があります。

点鼻薬の比較(鼻噴霧用ステロイド薬)

鼻アレルギー診療ガイドライン2024年版では、鼻閉(鼻づまり)に対して鼻噴霧用ステロイド薬が推奨されています。内服薬より局所に直接作用するため、全身への影響が少ないことが特徴です。

薬剤名(一般名)剤形使用回数特徴
エリザス点鼻粉末(デキサメタゾンシペシル酸エステル)粉末1日1回 各鼻腔1噴霧パウダータイプのため、液だれがありません。においもほとんどありません
モメタゾン点鼻液(モメタゾンフランカルボン酸エステル)液体1日1回 各鼻腔2噴霧1日1回で済む液体タイプです

処方の鼻噴霧用ステロイド薬には、使用期間の上限が設けられていません。一方、市販のステロイド点鼻薬には「1年間に3か月を超えて使用しない」「15歳未満は使用しない」という制限があります。

市販のステロイド点鼻薬処方の鼻噴霧用ステロイド薬
使用期間1年間に3か月まで(他のステロイド点鼻薬と合算)上限は設けられていません
年齢15歳未満は使用不可小児用の規格がある製剤もあります
対象季節性アレルギー性鼻炎のみ通年性アレルギー性鼻炎にも用いられます

スギとヒノキで2月から5月まで症状が続く方は、市販薬ではシーズン内に3か月の枠を使い切ってしまいます。秋のブタクサ・ヨモギでも症状が出る方は、なおさらです。

点眼薬・塗り薬の比較

目とまぶたの症状には、専用の剤形があります。

薬剤名(一般名)分類使用回数使用上の注意
パタノール点眼液(オロパタジン)抗アレルギー点眼薬1日4回花粉症の目症状に広く用いられます
アレジオン点眼液(エピナスチン)抗アレルギー点眼薬1日4回1日2回タイプの製剤もあります
フルメトロン点眼液(フルオロメトロン)ステロイド点眼薬症状に応じて長期使用で眼圧が上昇することがあります。自己判断で継続せず、医師の指示に従ってください
アレジオン眼瞼クリーム(エピナスチン)まぶたに塗る抗アレルギー薬1日2回まぶたに直接塗布します。点眼が苦手な方の選択肢にもなります

ステロイド点眼薬について:フルメトロン点眼液のようなステロイド点眼薬は、市販されていません。効果が期待できる一方、長期使用により眼圧が上昇することがあり、定期的な確認が必要です。目の痛みや見えにくさを感じた場合は、眼科でご相談ください。

市販薬では選べない処方薬

ここまでの内容を、「処方でしか手に入らないもの」という観点で整理します。

処方でのみ選べるものなぜ重要か
ビラスチン(ビラノア)・デスロラタジン(デザレックス)添付文書に自動車運転に関する記載がない第2世代抗ヒスタミン薬です。眠気を避けたい方の選択肢になります
抗ロイコトリエン薬(キプレス)鼻づまりに対する選択肢です。市販の花粉症薬にはこの分類の薬がありません
期間制限のない鼻噴霧用ステロイド薬シーズンが長い方、秋も症状が出る方にとって決定的な差になります
ステロイド点眼薬(フルメトロン)目の症状が強い場合の選択肢です
アレジオン眼瞼クリームまぶたの症状に直接使えます
最大60日分の処方1回の受診でシーズンの大半をカバーできます

処方薬を使ううえでの注意点

処方薬にも、知っておくべき点があります。

注意点内容
飲み始めるタイミング症状が強くなってからでは効果を実感しにくくなります。花粉飛散開始の2週間前から始める「初期療法」が推奨されています
自己判断で中断しない症状が落ち着いても、飛散期間中は継続することで安定します。中断の判断は医師にご相談ください
眠気成分により差があります。運転や機械の操作をする方は、処方時に必ず医師にお伝えください
他の薬との飲み合わせ服用中の薬がある場合は、必ず医師・薬剤師にお伝えください
妊娠中・授乳中使用できる薬が限られます。必ず医師にご相談ください
ステロイド点眼薬の長期使用眼圧上昇のリスクがあります。医師の指示に従ってください
効果が実感できない場合症状のタイプと薬が合っていない可能性があります。2週間を目安に医師にご相談ください

どの薬が自分に合うのか(症状タイプ別)

花粉症は、症状の出方によって適した薬が変わります。ご自身に近い行をご覧ください。

あなたの状況検討される薬の組み合わせ
くしゃみ・水のような鼻水が中心第2世代抗ヒスタミン薬(内服)
鼻づまりが中心。口で呼吸している・夜眠れない鼻噴霧用ステロイド薬 + 抗ロイコトリエン薬。抗ヒスタミン薬だけでは効きにくい状態です
鼻も目もつらい抗ヒスタミン薬(内服)+ 点眼薬
眠気で仕事や運転に支障が出ているビラスチン・デスロラタジンへの変更を医師にご相談ください
まぶたのかゆみ・こすってしまうアレジオン眼瞼クリーム、または点眼薬
市販薬を2週間続けたが変化がない症状のタイプと薬が合っていない可能性があります。医師にご相談ください
市販の点鼻薬が手放せない薬剤性鼻炎の可能性があります。医師にご相談ください
症状が2月から5月まで続く市販のステロイド点鼻薬では期間が足りません。医師にご相談ください
黄色・緑色の粘り気のある鼻水/頬や額の痛み副鼻腔炎の可能性があります。対面での受診をご検討ください
目の痛み・見えにくさがある眼科の対面受診をご検討ください

こんな症状がありませんか【セルフチェック】

当てはまる項目を数えてみてください。

□ 市販薬を2週間以上続けているが、症状が変わらない
□ 鼻づまりが強く、夜眠れない・口で呼吸している
□ 薬の眠気で、仕事や運転、勉強に支障が出ている
□ 市販の点鼻薬を使う回数が増えている
□ 症状が2月から5月まで、あるいはそれ以上続く
□ まぶたのかゆみが強く、こすってしまうことがある
□ 毎シーズン、市販薬に数千円以上使っている
□ 症状が出てから慌てて薬を飲み始めている

2つ以上当てはまる場合は、処方薬に切り替えることで症状が変わる可能性があります。医師にご相談ください。

処方薬を受け取るために、通院しなくても済みます|「おうち病院 オンライン花粉症外来」という選択肢

処方薬に切り替えたいと考えても、花粉症のピーク時期は耳鼻咽喉科も内科も最も混み合います。花粉症患者を対象とした調査では、**受診しない理由として「費用がかかる」(46.2%)「面倒」(34.1%)「待ち時間が長い」(25.8%)**が上位に挙げられています。

花粉症は、症状の内容と経過を問診で確認できる疾患です。画像検査や血液検査を必ずしも必要としないため、オンライン診療との相性がよい領域です。

おうち病院のオンライン花粉症外来では、初診から保険診療で診察を受けられます。

おうち病院の特徴

✅ 最大60日分まで処方できます

1月中旬に受診すれば、3月中旬までカバーできます。シーズン中に薬を買い足したり、混雑した病院に行ったりする必要がありません。

✅ 市販では選べない薬を処方できます

鼻づまりに用いる抗ロイコトリエン薬、期間制限のない鼻噴霧用ステロイド薬は、いずれも市販されていません。初期療法の効果を高める選択肢です。

✅ 合わなかった場合、次の一手があります

市販薬では合わなければ買い直しになりますが、処方であれば経過を医師と共有したうえで別の薬に切り替えられます。

✅ 自宅から受診できる

診察室に行かずにスマートフォン・PCから問診・診察が完了します。仕事が忙しくクリニックが閉まっている時間にしか行けないと悩んでいた方も、自宅から受診が可能です。

時間通りに診察が始まる

予約した時間に診察が開始するため、仕事の合間にも受診を計画的に組み込むことができます。
・平日・土日祝日も朝8時〜夜22時まで診察可能

✅ 女性医師が丁寧に診察

診察時間を15分確保しています。医師は事前に問診票を読み込んで診察に臨むため、「どの部位の症状が最も重いか」「内服薬・点眼薬・点鼻薬の組み合わせ」といった具体的な状況を落ち着いてお伝えいただけます。

受診場所と薬の受け取り場所を分けられる

受診はスマートフォン・PCから自宅や外出先で行い、処方薬は自分が指定した薬局で受け取れます。
・処方せんは全国8,200店舗の薬局から選択し自動送信され、受け取り可能
・自宅配送「おくすりおうち便」を利用すれば、薬局に行く手間なし

✅ お子さん・妊娠中/授乳中の方のご相談にも対応しています

年齢や妊娠週数によって、使用できる薬は変わります。お子さんの年齢、妊娠週数、授乳の有無を問診票にご記入ください。その内容をふまえて、医師が使用できる薬をご提案します。市販薬を自己判断で使う前に、まずは医師にご相談ください。

受診費用の目安(保険適用・両外来共通)

費用項目金額
診察料(保険適用・初診)1,000〜1,200円
システム利用手数料1,100円
合計目安約1,900〜2,400円
※自宅への配送をご希望の場合は追加900円にて「おくすりおうち便」をご利用いただけます。
※薬代は別途。薬局での自己負担額は薬剤・保険の種類により異なります。

処方できるお薬(2026年8月時点)

剤形薬剤
内服薬ビラノア、アレジオン、キプレス、ザイザル、デザレックス
点鼻薬エリザス点鼻粉末、モメタゾン点鼻液
点眼薬フルメトロン点眼液、パタノール点眼薬、アレジオン点眼液
塗り薬アレジオン眼瞼クリーム
※内服薬と外用薬の併用処方には対応していません。処方日数は最大60日分までです。
※処方の可否は、症状・既往歴・服用中の薬との相互作用をふまえ、医師の診察のうえで判断します。

おうち病院 オンライン診療の受診の流れ(5ステップ)

  1. おうち病院の花粉症外来ページから診療予約
  2. 事前問診票に回答 (症状の部位・強さ・これまでに使った薬・眠気の許容度(運転や機械操作の有無)・服用中の薬など)
  3. ビデオ通話で医師と診察 (約15分・クイックな対応の場合には5分程度で完了)
  4. 処方薬を薬局で受け取り、または自宅に配送してもらう
  5. 経過を見ながら調整 — 効果が不十分と感じた場合は、再度ご相談いただけます。自分に合う処方薬の組み合わせを探す場合には、1週間分・2週間分の処方で効果を判断し処方変更していくことができます

診察前に整理しておくとスムーズなこと:「例年いつ頃から症状が出るか」「昨年はどの薬を使い、どこまで効いたか」「眠気が困る場面があるか」の3点をお伝えいただくと、開始時期と薬の選択が具体的になります。

対面受診をおすすめする場合

対面での受診をご案内するケース:アレルゲンを特定する検査をご希望の場合、舌下免疫療法・手術療法をご希望の場合、高熱や強い痛みを伴う場合、黄色・緑色の粘り気のある鼻水が続く場合(副鼻腔炎の疑い)、目の痛みや見えにくさがある場合は、対面での受診をご案内しています。

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よくある質問(FAQ)

Q. 花粉症の処方薬と市販薬は何が違いますか?

A.同じ成分・同じ量のものもありますが、処方でのみ選べる薬があります。眠気の添付文書記載がないビラスチン(ビラノア)・デスロラタジン(デザレックス)、鼻づまりに用いる抗ロイコトリエン薬(キプレス)、期間制限のない鼻噴霧用ステロイド薬、ステロイド点眼薬、まぶたに塗るアレジオン眼瞼クリームは、いずれも市販されていません。

Q. 眠くならない花粉症の処方薬はありますか?

A.添付文書に自動車運転に関する記載がない薬として、ビラスチン(ビラノア)とデスロラタジン(デザレックス)があります。ただし眠気の感じ方には個人差があり、記載がないことは眠気が起こらないことを意味するものではありません。運転や機械の操作をされる方は、診察時に必ず医師にお伝えください。

Q. 鼻づまりに効く処方薬はどれですか?

A.鼻アレルギー診療ガイドライン2024年版では、鼻閉に対して鼻噴霧用ステロイド薬(エリザス点鼻粉末、モメタゾン点鼻液など)が推奨されています。加えて抗ロイコトリエン薬(キプレス)が用いられることもあります。内服の抗ヒスタミン薬は、くしゃみや鼻水には効きますが鼻づまりには効きにくい傾向があります。

Q. 処方の点鼻薬は何か月まで使えますか?

A.処方の鼻噴霧用ステロイド薬には、使用期間の上限は設けられていません。市販のステロイド点鼻薬には「1年間に3か月を超えて使用しない」という制限がありますが、処方薬にはこの制限がありません。使用期間は症状に応じて医師が判断します。

Q. 花粉症の薬は何日分まで処方してもらえますか?

A.おうち病院のオンライン花粉症外来では、最大60日分まで処方できます。1回の受診でシーズンの大半をカバーできるため、通院回数を抑えられます。処方日数は症状や薬の種類により医師が判断します。

Q. 処方薬はいつから飲み始めるとよいですか?

A.花粉飛散開始の2週間前が目安です。鼻アレルギー診療ガイドライン2024年版では、飛散開始前から薬を始める「初期療法」が推奨されており、症状のピークを下げる効果が知られています。関東のスギ花粉の飛散開始は例年1月下旬〜2月上旬のため、1月中旬の受診をご検討ください。

Q. 内服薬と点鼻薬を一緒に処方してもらえますか?

A.おうち病院のオンライン花粉症外来では、内服薬と外用薬(点鼻薬・点眼薬・塗り薬)の併用処方には対応していません(2026年8月時点)。症状の中心がどこにあるかを診察でご相談のうえ、剤形をお選びいただきます。両方の併用をご希望の場合は、対面での受診をご検討ください。

参考文献・出典

おうち病院の特化型外来

診療科目

その他一般科として、小児科、皮膚科、循環器内科を受診いただくことが可能です。

診療科目(自費)