PMS(月経前症候群)の症状に悩みながらも、効き目のある市販薬に関して、どのような薬を選んだらいいかわからない方がいるのではないでしょうか。
PMSのときに使える市販薬は多数あります。腰痛・肩こり・不眠・下痢・便秘・疲れ・めまいなど、さまざまな症状に対して適切な薬があります。
本記事を読み、自身のPMSの症状を把握した上で適切な薬を服用し、健康的な生活を送りましょう。
この記事でわかること
- PMSの市販薬は症状別に選ぶのが基本。頭痛・腹痛には鎮痛薬、イライラ・乳房のハリにはプレフェミン、むくみには五苓散が代表的な選択肢です
- 「生理前 下痢」は黄体ホルモンによる腸の過剰収縮が原因。エクトール赤玉など腸への作用を持つ薬が症状に合います
- 市販薬は成分量が処方薬より少なく設計されており、毎月つらい症状が3か月以上続く場合や日常生活に支障が出る場合は婦人科の受診が目安です
- おうち病院のオンライン月経困難症・PMS外来では保険適用の処方薬(漢方処方がメイン)を初診から受け取ることができます
- 市販薬は空腹時を避け、症状が出る前(黄体期に入ったタイミング)から服用することで効果を感じやすくなります

合わせてよく読まれる記事
目次
PMSの症状と市販薬の基本
PMSとは:毎月繰り返す200種類超の症状
PMS(月経前症候群)とは、生理開始の1〜2週間前(黄体期)に現れる身体的・精神的症状の総称です。月経が始まると症状が軽減・消失するという周期性が特徴で、症状の種類は200種類以上にのぼると言われています(日本産科婦人科学会)。
原因は完全には解明されていませんが、排卵後の黄体ホルモン(プロゲステロン)と卵胞ホルモン(エストロゲン)の変動が、脳の神経伝達物質であるセロトニンや体内の水分バランスに影響を与えることで、多彩な症状が引き起こされると考えられています。
【症状別】PMSの市販薬の選び方
PMSの症状がつらいときは、市販薬を活用しましょう。以下の症状によって使い分けてください。
PMSになると、個人差はありますが、あらゆる症状が現れます。自身の症状を把握し、改善するために適切な薬を選びましょう。
- 頭痛
- 腰痛・肩こり
- 不眠
- 下痢
- 便秘
- 乳房のハリ・イライラ
- ヒステリー・冷え・貧血
- むくみ・めまい
- 疲れ・下腹部痛・頭重感
- 疲れ・だるさ
- ニキビ
頭痛・腹痛・腰痛のとき
PMSによる頭痛は、エストロゲンの急激な低下による脳血管の拡張・収縮の変化が一因とされています。腹痛や腰痛はプロスタグランジン(子宮収縮物質)の増加が影響しています。
代表的な市販薬:
- ロキソニンS(ロキソプロフェンナトリウム水和物):非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)。鎮痛・消炎作用が強く、生理前〜生理期の痛みに広く使われます。空腹時の服用は胃に負担がかかるため食後に服用してください。
- イブA(イブプロフェン):プロスタグランジンの産生を抑制します。胃が弱い方はロキソニンSより刺激が少ない場合があります。
- カロナール(市販品:アセトアミノフェン系):胃への刺激が少なく、妊娠中でも比較的使用されますが、PMSへの抗炎症作用はNSAIDより弱めです。
腰痛・肩こりには外用薬(湿布)も選択肢
内服薬だけでなく、外用鎮痛薬(湿布・ゲル)も有効な選択肢です。
- フェイタス5.0(フルルビプロフェン):市販品の中では高濃度のNSAID配合。局所的な鎮痛・消炎に適しています。
- ロイヒ膏™、サロンパスなど:成分の種類により効果が異なります。貼付剤は内服薬と異なり胃への影響がありません。
イライラ・乳房のハリ・情緒不安定のとき
PMSの精神症状(イライラ・情緒不安定・乳房のハリ)には、西洋ハーブ配合の市販薬が選択肢になります。
- プレフェミン(チェストベリー乾燥エキス):脳の下垂体に作用して黄体化ホルモン(LH)の過剰分泌を抑え、プロゲステロン過多を改善します。日本産科婦人科学会のガイドラインでも「科学的根拠のある補完療法」として紹介されています。効果が出るまで2〜3か月の継続が必要です。
- 命の母ホワイト(当帰・川芎・芍薬など11種類の生薬):血行促進と自律神経調整を目的とした生薬製剤です。冷えやのぼせ、倦怠感、乳房のハリに対応します。
プレフェミン vs 命の母ホワイトの選び方 「イライラ・乳房のハリ」が主な症状ならプレフェミンが適しています。「冷え・だるさ・複合症状」が中心なら命の母ホワイトが合いやすいです。薬剤師に相談しながら選ぶことをおすすめします。
むくみ・めまい・吐き気のとき
黄体ホルモンの増加による体内の水分貯留がむくみの原因です。
- ツムラ漢方五苓散料エキス顆粒A(五苓散):体内の余分な水分を排出する「利水剤」として知られる漢方薬です。保険診療でも処方される漢方であり、市販品でも購入できます。むくみ・めまい・吐き気に対応します。
生理前の下痢のとき
生理前に「急なお腹の痛みや下痢」が起きる方は多くいます。黄体ホルモンの影響で腸の収縮(蠕動運動)が活発になること、および生理直前にプロスタグランジンが増えて腸に影響することが原因の一つとされています。
- エクトール赤玉(タンニン酸アルブミン・ビスマス製剤):腸の粘膜を保護し、腸の過剰な収縮を鎮める作用があります。生理前の腹痛を伴う下痢に適しています。
- ストッパ下痢止めEX(塩酸ロペラミド):腸の蠕動運動を抑制する薬です。下痢が続くときに対応できます。
不眠のとき
PMSで眠れない・眠りが浅い場合は、セロトニン・メラトニンの分泌低下が関係しているとされています。
- ドリエル(ジフェンヒドラミン塩酸塩):抗ヒスタミン成分による催眠効果があります。連続使用は2日間以内が目安とされており、常用には適しません。
ニキビのとき
黄体ホルモンの増加で皮脂分泌が増え、ニキビができやすくなります。
- ペアアクネクリームW(イソプロピルメチルフェノール・グリチルレチン酸):殺菌成分が赤ニキビの原因菌(アクネ菌)に作用します。

市販薬と処方薬の違い
医療用医薬品(処方薬)と一般用医薬品(市販薬)を比較した場合の違いは、薬の効力です。
医療用医薬品の場合は、副作用を抑えることよりも効き目が出ることを優先して作られています。一方で、一般用医薬品の場合は、誰でも購入することを想定し安全性を優先して作られています。
そのため、副作用を抑える目的で薬の成分を医療用医薬品より減らし、効き目が比較的弱くなっています。
| 比較項目 | 市販薬(一般用医薬品) | 処方薬(医療用医薬品) |
|---|---|---|
| 有効成分量 | 安全性重視で少量設計 | 効果重視で多量設計 |
| 入手方法 | ドラッグストア・薬局 | 医師の処方が必要 |
| 価格 | 自己負担(全額) | 保険適用あり(3割負担) |
| 根本治療の可否 | 対症療法が中心 | 低用量ピル・漢方など根本治療も可能 |
| PMSへの適応 | 症状緩和に限られる | 低用量ピル・抗うつ薬(SSRIなど)で治療 |
市販薬は手軽に購入できる反面、毎月3か月以上つらい症状が続いている場合や、日常生活に支障が出ている場合には処方薬の方が根本的な改善を期待できる場合があります。
PMSのときに使える市販薬を服用する注意点
PMSのときに使える市販薬を服用する場合は、以下の注意点を把握しておきましょう。
- 空腹時の服用は避ける
- 用法・用量・副作用を把握する
- 症状が出る前に服用する
用法・用量を守り、生理周期に合わせて薬を服用することで、副作用の影響を少なくすることが可能です。
空腹時の服用は避ける
たとえば、空腹時にロキソプロフェンやアスピリンなどを主成分とする鎮痛薬を服用すると、胃に負担がかかって荒れやすくなります。
PMSの市販薬を服用する際は、空腹時の服用は避けましょう。薬を使用する際は、食事を済ませてから服用してください。
用法・用量・副作用を把握する
薬を服用する際は、用法・用量を守らないと、副作用が強く出るおそれがあります。また、期待した効果が得られない場合もあるでしょう。
また、用法・用量が正しくても、副作用が出る可能性はあります。服用前に起こりうる副作用を把握しておくことが大切です。
症状が出る前に服用する
薬を飲む際は、症状が出る前に服用する必要があります。たとえば、鎮痛薬の場合、服用してから効果が出るまでは20~30分かかります。
痛みが出てから服用すると、その時間の間は痛みに耐えなければなりません。一方で、痛みを感じ始める前に服用することで、痛みを感じることなく過ごせる場合があります。
特にPMSの症状が出やすい方は、生理周期に合わせて事前に薬を服用しておくことをおすすめします。
こんな状況に当てはまりませんか?
毎月の生理前、こんな経験をされていませんか。
□ 「頭痛や腹痛が毎月必ず来るので、薬を切らさないようにしている」
□ 「生理前になるとイライラして家族に当たってしまい、後悔する」
□ 「生理前の1週間は仕事に集中できず、パフォーマンスが落ちる」
□ 「市販薬を飲んでもすっきりせず、何を試せばいいかわからない」
□ 「生理前になると下痢・むくみ・不眠が重なって毎月消耗している」
1つでも当てはまる場合、PMSの可能性があります。市販薬で症状が3か月以上改善しない場合は、処方薬による治療を検討するタイミングかもしれません。
オンラインで保険診療の処方を受ける ‐ 「おうち病院 月経困難症・PMS外来」という選択肢
おうち病院 オンライン月経困難症・PMS外来の特徴
おうち病院では、月経前後・月経中症状の悩みに対応したオンライン診療を提供しています。「忙しくて対面診療のクリニック通うのが難しい」「自分に合う漢方薬を医師に相談しながら決めたい」といった方には、おうち病院がとても便利です。「病院に行くほどのことでもない」と思いがちな悩みでも、医師に相談することで治療の選択肢が広がります。
おうち病院の特徴
✅ 自宅から受診できる
診察室に行かずにスマートフォン・PCから問診・診察が完了します。月経前後・月経中症状の悩みを対面で話すことへの心理的なハードルも軽減できます。
✅時間通りに診察が始まる
予約した時間に診察が開始するため、仕事の合間にも受診を計画的に組み込むことができます。
・平日・土日祝日も朝8時〜夜22時まで診察可能
✅ 女性医師が丁寧に診察
おうち病院では診察時間を15分確保しています。医師は事前に問診票を読み込んで診察に臨むため、「自分の生活習慣や生理パターンに最適な漢方薬を探したい」「お薬の服用を抑えながらPMS症状を改善をしたい」といった具体的な悩みを落ち着いて相談できます。
✅受診場所と薬の受け取り場所を分けられる
受診はスマートフォン・PCから自宅や外出先で行い、処方薬は自分が指定した薬局で受け取れます。
・処方せんは全国8,200店舗の薬局から選択し自動送信され、受け取り可能
・自宅配送「おくすりおうち便」を利用すれば、薬局に行く手間なし
受診費用の目安(保険適用)
| 費用項目 | 金額 |
|---|---|
| 診察料(保険適用・初診) | 1,000〜1,200円 |
| システム利用手数料 | 1,100円 |
| 合計目安 | 約1,900〜2,400円 |
※薬代は別途。薬局での自己負担額は薬剤・保険の種類により異なります。
おうち病院 月経困難症・PMS外来での処方方針:PMSにおける診療の重要性
PMSは、直接命に関わる病気ではありません。しかし、人によっては痛みなどの症状が毎月起こり、日常生活に支障をきたす方もいます。
おうち病院では、PMSおよび月経困難症への処方に関して、主に漢方薬の組み合わせ処方を推奨しております。
低用量ピルの処方については慎重に取り扱っており、「血圧」「健康診断等での子宮頸がんについての診断結果」「エコー検査で異常がないこと」などの情報をご共有いただいております。(※漢方処方の場合には、事前資料等は不要です。)
どうしても低用量ピルの処方をご希望の方は、産婦人科を受診するようお願い致します。
また、日常生活に問題がなかったとしても、月経前の不調が定期的に続いている場合は、一度婦人科や産婦人科での診療を受けることを検討してください。
おうち病院 月経困難症・PMS外来への受診の流れ
- おうち病院の月経困難症・PMS外来ページから予約
- 事前問診票に回答(生理前後の状況・生活習慣・現在の薬・日常への影響・試した市販品など)
- ビデオ通話で医師と診察(約15分・クイックな対応の場合には5分程度で完了)
- 処方薬を薬局に受け取りに行く、または自宅に配送してもらう
仕事などで忙しかったり、PMSの症状でなかなか外出できなかったりしても、自宅にいながら専門の医師に相談できます。
PMSの症状に悩み、少しでも楽になりたい方は、「おうち病院 オンライン月経困難症・PMS外来」をぜひご利用してみてください。

よくある質問(FAQ)
Q. PMSの市販薬は他の薬と一緒に飲んでも大丈夫ですか?
A. 服用中の薬と同じ成分が含まれている場合、過剰摂取になり副作用が出るリスクがあります。特に、鎮痛薬(ロキソニン・イブ)同士の重複服用は避けてください。漢方薬(命の母ホワイト)とロキソニンの併用は直接的な禁忌ではありませんが、胃への負担が増す可能性があります。心配な場合は薬剤師や医師にご相談ください。
Q. 市販薬は何日間飲み続けても大丈夫ですか?
A. 薬の種類によって異なります。ロキソニンなどの鎮痛薬は連続服用より痛みが出たときに服用するのが基本です。プレフェミンは「3か月継続服用して効果を確認する」薬として設計されています。ドリエル(睡眠補助薬)は2日間以内の使用が目安です。1か月以上服用しても症状が改善しない場合は、薬が合っていない可能性があるため薬剤師に相談しましょう。
Q. 生理前の下痢に市販薬は効きますか?
A. 効果が期待できる市販薬はあります。エクトール赤玉(腸の炎症を鎮める)・ストッパ下痢止めEX(腸の蠕動運動を抑える)が選択肢です。ただし、毎月繰り返す下痢はプロスタグランジン過剰や腸管への影響が原因となっている場合があり、婦人科での治療(低用量ピルなど)で改善することもあります。
Q. プレフェミンと命の母ホワイト、どちらが自分に向いていますか?
A. 主な症状で選び方が変わります。「イライラ・乳房のハリ」が中心ならプレフェミンが適しています。「冷え・だるさ・複合した身体症状」が中心なら命の母ホワイトが選ばれることが多いです。どちらも即効性はなく、継続服用が必要です。
Q. 市販薬で効果がない場合、何科を受診すればよいですか?
A. 婦人科またはレディースクリニックを受診するのが基本です。精神症状(強いうつ・希死念慮など)が目立つ場合は心療内科での対応が向いていることもあります。PMSに対応しているかどうかを予約前に確認することをおすすめします。オンライン診療でも受診できるクリニックがあります。
Q. 中学生や10代でもPMSの市販薬を使えますか?
A. 多くの市販薬には年齢制限があります(例:ドリエルは15歳未満使用禁止)。10代のPMSには保護者とともに婦人科を受診し、適切な指導を受けることを優先してください。
Q. 生理前の症状が毎月ひどくなっています。市販薬ではなく病院を受診すべきですか?
A. 以下に当てはまる場合は医療機関への受診をおすすめします。①市販薬で3か月以上改善しない、②仕事・学校を休まなければならないほどつらい、③希死念慮・強いうつ症状がある(PMDDの可能性)、④症状が強くなっている感覚がある。こうした場合、保険適用の処方薬(低用量ピル・漢方・SSRI)を選択肢に入れることで、生活の質が改善する可能性があります。
【豆知識】PMSのときに日常生活で実践できるケア方法
PMSのときは以下のケア方法を実践することで、症状が和らぐ場合があります。
- 食生活・生活習慣に配慮する
- 症状の具合を把握する
- アロマでリラックスする
栄養バランスのとれた食事を心がけ、生活習慣に配慮しながら、ストレス対策を実践していくことが大切です。
食生活・生活習慣に配慮する
PMSの治療時には、マグネシウムやカルシウムを積極的に摂取することが大切です。マグネシウムを多く含む食材としては、ナッツ・ほうれん草・豆などです。
カルシウムの場合は、ヨーグルト・チーズ・牛乳・納豆・海藻などが多く含まれます。マグネシウムやカルシウムを上手にとり入れながら、規則正しい生活を心がけましょう。
症状の具合を把握する
自身のPMSにおける症状の内容について、日記をつけておくと対策が立てやすいです。いつどんな症状が起きるかが把握できれば、事前に薬を服用して症状が抑えやすくなります。
症状の発生頻度などを知り、適切な対処法を見つけておきましょう。
アロマでリラックスする
PMSは、ストレスによる影響を受けやすいとされています。そのため、ストレスをためない対策を実践することが大切です。
アロマをかいでリラックスしたり、適度に運動したりしてストレス対策をしておきましょう。