汗っかきの悩みのひとつ、汗のにおい。これらはカリウムが汗とともに流れ出してしまっていることが原因かもしれません。また、汗っかきではなく多汗症の恐れもあります。
カリウムが流れ出すと体に様々なトラブルを引き起こします。しかしカリウムをしっかり摂取することで、それらを防ぐことが期待できます。
本記事では、汗っかきと多汗症の違いについて解説するとともに、多汗症とカリウムの関係性とその対処法について解説します。
目次
汗っかきと多汗症
「人より汗をかくことが多い」「これって多汗症かも?」と悩んでいませんか?まずは汗っかきと多汗症の違いを見てみましょう。
汗っかきと多汗症の違い
汗っかきは、気温や室温の上昇、運動などの体への刺激によって汗をかくことが多く、体温調節のための正常な生理現象です。人より多いと感じるのは、その分代謝が良いとも言えます。通常の汗は、体に必要なミネラルが一緒に大量に流れ出ることはなく、水に近いサラサラしたものです。
一方、多汗症では日常生活の平常時、温度上昇や運動等の刺激がない時でも、異常なほど汗をかいてしまう状態を言います。
多汗症の場合、カリウムも汗と一緒に流れ出ているという研究結果も出ています。これが、ベタベタしていて気になる匂いへと変化します。
多汗症の種類
多汗症にはいくつか種類があります。詳しく見てみましょう。
<続発性多汗症(ぞくはつせいたかんしょう>
内科的疾患・外傷・腫瘍、または薬の副作用が原因で発症するものです。原因となった病気の快復、薬の変更で改善されます。
全身に発汗する続発性全身性多汗症(ぜんしんせいたかんしょう)と、体の一部分に表れる続発性局所多汗症(ぞくはつせいきょくしょたかんしょう)があります。
<原発性多汗症(げんぱつせいたかんしょう)>
病気や薬の副作用・更年期等、原因と思われる要素がないのに多量の発汗があります。
原発性の中でも全身性多汗症と、体の一部のみ異常に発汗する局所多汗症に分けられます。
原発性局所多汗症は、下記のような種類があります。
原発性手掌多汗症(げんぱつせいしゅしょうたかんしょう)
手のひらに大量に汗をかく症状です。
絶えず汗で手が湿っているため、手指が冷えたり血色が悪くなっていたりします。
原発性腋窩多汗症(げんぱつせいえきかたかんしょう)
脇の下に大量の発汗があります。日本人の5%は発症していると言われています。
原発性足底多汗症(げんぱつせいそくせきたかんしょう)
足の裏(足底)に大量の発汗が見られます。靴下や靴の中がぐっしょり濡れてしまうほど重症な事例もあります。
原発性頭部顔面多汗症(げんぱつせいとうぶがんめんたかんしょう)
頭部や顔に大量の発汗が見られる症状です。
暑い時や辛い物を食べた時などではなく、平常時でも汗が出ます。髪の毛や帽子もびっしょり濡れてしまうほど症状が重い方もいます。
多汗症となる原因
続発性多汗症の原因は、疾患や薬の副作用によるものですが、原発性多汗症の原因は明確に解明されておりません。
しかし、ストレスなどの精神的なものから来る自律神経の乱れも要因のひとつではと推測されています。
私たちの体は、自律神経が内臓や血管等の働きを調節しています。自律神経には交感神経と副交感神経があり、交感神経は主に日中活動し体を活発に動かします。副交感神経は主に夜、リラックスさせ体を休める働きをします。
交感神経が優位に働いている時は発汗が起こりやすく、副交感神経が優位な時は発汗が起こりにくい状態です。
自律神経が正常に働いていれば、交感神経と副交感神経はバランスよく調節されますが、現代人は自律神経が乱れやすい環境下です。
エアコンが効いた中で仕事をする、運動不足などの理由で汗をかかなくなっているのも原因の一つと言われています。
多汗症の日常生活への影響
多汗症は、日常生活や仕事に様々な影響を与える可能性があります。
- 仕事や人との交流への影響
人との交流やビジネスシーンで不便を感じるとともに、不安や恥ずかしさを引き起こします。(例:握手ができない、書類や名刺がびっしょり濡れてしまう、大量の汗が恥ずかしいなど) - おしゃれやメイク・ヘスタイルを楽しめない
過剰な汗が気になるため、好きなファッションを楽しめずに汗じみや汗のにおいばかり気にしてしまいます。メイク崩れやヘアセットの乱れも悩みのたねになるでしょう。 - 皮膚トラブル
常に汗で湿っているとその部分が冷えてしまう可能性があります。また汗疹(あせも)などの皮膚トラブルを引き起こします。
- コンプレックスから来る自信のなさ
汗のコンプレックスや恥ずかしさなどから、友人関係やパートナー選びに支障をきたすことがあります。手が湿っている場合恥ずかしくて手も繋げない、といった心情になるでしょう。
カリウムが多汗症に与える影響
カリウムが多汗症にどのような影響を与えるか解説していきます。
カリウムと多汗症の関係
通常汗をかく時、カリウムは体の中に残り、サラサラした水のようなものだけが汗となりますが、多汗症の場合はカリウムも汗と一緒に流れ出てしまいます。
カリウムは、私たちの体には欠かせないものですが体の中で生成されず、補給しなければいけない必須ミネラルのうちのひとつです。
体内でのカリウムが不足すると、腎機能の低下や副交感神経等が上手く働かないなどの影響が心配されます。リラックスモードにならず常に緊張状態といった症状に影響し、さらに大量発汗するなどの悪循環となります。
カリウムの補給で期待できる身体の変化
汗と一緒に流れ出てしまったカリウムを補給することで、カリウム不足で起こる症状の緩和が期待できます。
カリウムには、ナトリウムの排泄を促進する働きがあります。ナトリウムを体外に排出する働きによって、塩分の取りすぎを調整し、血圧を正常に保ってくれます。
また、排泄するだけでなく、体内のナトリウム濃度を調整し、汗の量を抑制する効果も期待できます。
そのため、多汗症対策には、率先してカリウムを摂取することをおすすめします。
カリウムの取り入れ方
カリウムが豊富に含まれる食品を積極的に取り入れましょう。
<カリウムが豊富に含まれる食品>
海藻類(わかめ・ひじこ・こんぶなど)、いも類、豆類、肉類、魚貝類、野菜類、果物類などに含まれています。
カリウムは水溶性で、ゆでると栄養が溶け出してしまうため、野菜や果物など生で食べられるものからの摂取がおすすめです。
果物はバナナや柿などが特に多く含まれています。ドライフルーツも効率よく摂取できます。
また、これらの食品を補う形でのサプリメントの併用も良いでしょう。サプリメントの併用は、素人判断ではなく医師への相談がおすすめです。
カリウムの摂取による多汗症対策なら栄養療法がおすすめ
多汗症対策としてカリウム摂取を意識するなら栄養療法がおすすめです。
栄養療法とは
栄養療法とは、通常の血液検査より細かい血液解析をおこなうことで患者の体の不調の原因を分析、不足している栄養素を割り出して、その結果に基づき栄養素を補給し、細胞レベルへアプローチする治療方法のひとつです。
一人一人違う遺伝子・代謝経路・細胞機能などを考慮し、栄養素の摂取や食事パターンを最適化します。それにより細胞レベルへ働きかけ、健康な体づくりをサポートします。
栄養素の摂取は、食事指導とサプリメントの併用で行います。
栄養療法は、体内が正常な働きになるよう、細胞レベルへ働きかけます。
西洋医療(対症療法)と栄養療法の違い
西洋医療(対症療法)は、症状や疾患に対して症状を和らげるため、または完治させるために行う治療や薬のことを言います。
これは通常、症状の原因に直接対処するのではなく、症状自体を抑制することやコントロールすることにフォーカスしています。例えば、痛みや発熱をおさえる薬を処方することや、がんを取り除くような外科的治療を含みます。
一方、栄養療法は、食事や栄養素の摂取を調整することで病気治療の補助的な役割や、未病対策・病気予防等健康な体作りをサポートするものです。
医師の指導のもと、体の栄養状態を最適化し、免疫機能や代謝を改善することで、症状の改善や疾患のリスクを低減することを目指します。
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まとめ
多汗症にお悩みなら、生活習慣を見直しつつ、多汗症に有効とされている栄養素を摂取して根本治療をめざす栄養療法を試してみるのもいかがでしょうか。
体質や症状によっても変わってきますので、自己判断はせずに、医師の診断のもと適切なサポートを受けましょう。
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