手汗でマウスが濡れて困る…手掌多汗症の方の手汗対策について解説

手掌多汗症で「仕事やゲームをしているとマウスが手汗で濡れてしまう…」とお悩みの方は多いのではないでしょうか。手掌多汗症は、特に何の理由もなく手のひらに汗をかいてしまう病気のことです。手汗でマウスが濡れてしまうことで「会社で使う共有マウスが汚れて恥ずかしい」「マウス操作を間違えて困る」というお悩みは、手掌多汗症ならではのものです。 今回は、手掌多汗症の原因や特徴、手掌多汗症によりマウスが濡れるとどのような悩みがあるのか、手掌多汗症の方のマウスの手汗対策について解説します。

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手掌多汗症で「仕事やゲームをしているとマウスが手汗で濡れてしまう…」とお悩みの方は多いのではないでしょうか。手掌多汗症は、特に何の理由もなく手のひらに汗をかいてしまう病気のことです。手汗でマウスが濡れてしまうことで「会社で使う共有マウスが汚れて恥ずかしい」「マウス操作を間違えて困る」というお悩みは、手掌多汗症ならではのものです。

今回は、手掌多汗症の原因や特徴、手掌多汗症によりマウスが濡れるとどのような悩みがあるのか、手掌多汗症の方のマウスの手汗対策について解説します。

【手汗でマウスがベトベトに】手掌多汗症とは

PCで作業したりゲームをしたりするときに、マウスがベトベトになって困っている方は少なくありません。緊張や興奮で汗をかくなら仕方ありませんが、普段から手汗でマウスが汚れてしまう人もいます。これは手掌多汗症という病気が原因です。

以下で、手掌多汗症とはどのような病気なのか解説します。

手掌多汗症の症状

手掌多汗症は多汗症のうち、手のひらや足の裏に大量の汗をかいてしまう病気です。緊張しているときはもちろん、涼しい場所にいても手に汗をたくさんかくことがあります。

かく汗の量は人それぞれで、いつも多少湿っているという方もいれば、滴り落ちるほどに大量に汗をかいてしまう方もいます。

手掌多汗症の原因

手のひらに汗をかくと、「汗腺に問題がある?」と思う方もいるのではないでしょうか。

しかし、手掌多汗症は汗腺の異常が原因で起こるものではないとされます。そして、手掌多汗症で手のひらに大量の汗をかいてしまう原因は詳しくわかっていませんが、手に分布している交感神経が関係していると考えられています。

交感神経は手のひらに分布し、活発化することで手の汗腺に作用して汗を出させます。一般的には、交感神経は緊張したり、暑くて体温調節が必要であったりするタイミングで活発化します。手だけでのことではなく、体全体の交感神経が活発化して、体の各部位から汗が出ます。

しかし、手掌多汗症の場合、上記の汗が出るタイミングではないにもかかわらず手だけの交感神経が活発化し、手のひらに大量の汗をかきます。なぜ手に分布する交感神経だけ活発化するのか、なぜ汗をかくタイミングではないのに活発化が続くのか、その詳細はわかっていません。

手掌多汗症の特徴

手掌多汗症にはさまざまな特徴があります。

まず遺伝についてですが、手掌多汗症の方のご家族に同様の症状があるケースは珍しいことではありません。しかし、ご家族や親戚に手掌多汗症の症状がなくても、本人だけ手のひらに多く汗をかくというケースもあります。そのため、遺伝的要因については明らかではありません。

手掌多汗症は生まれつきの病気であることがほとんどです。多くの場合は小学生や中学生くらいになって、他人より手のひらに多く汗をかくことを自覚するようになります。ただし、必ずしも生まれつきとは言い切れず、成人後に手掌多汗症を発症することもあります。

また、手掌多汗症は人種差もあるとされ、日本人などの黄色人種に症状が出やすい傾向にあるといわれています。

マウスが手汗で濡れることで起こる問題や悩み

手汗でマウスが濡れるとどのような問題があるのでしょうか。手掌多汗症の方がマウスを使う際にありがちな悩みを紹介します。

マウスが壊れる

手掌多汗症の場合、手汗のせいでマウスが壊れやすくなる可能性があります。

マウスは電子機器であり、大量の水分で濡らしてしまうとショートして動かなくなります。中には防水仕様のマウスもありますが、購入費用はそれなりに高くあまり一般的でないため、購入機会はそれほど多くないでしょう。

手汗のせいでマウスが壊れればPCを利用できなくなり、作業が進まなくなったりゲームを中断せざるを得なくなったりします。また、マウスを何度も購入しなければならないため、費用がかさむといったことで悩む人も多いことでしょう。

マウスが汚れる

マウスが汚れることも手掌多汗症の方の悩みの一つです。

手掌多汗症でかく汗の量は人によって違いがあり、大量に汗をかくようでなければマウスが壊れる心配はそれほどありません。しかし、常に手汗をかきながらマウスを使っていると、マウス本体が皮脂汚れで目立つようになります。

自宅で使っているマウスであればそれほど気にならないかもしれませんが、会社の共有マウスだと話は別です。汚れたマウスを他の社員が使うのは申し訳ない気持ちになりますし、自分のせいで汚れたと思われるのは恥ずかしいと感じることでしょう。

マウスが滑り操作を間違えやすい

手汗でマウスが滑って操作を誤ることが多いという問題もあります。

マウスの形状にもよりますが、手汗をかいているとマウスを握る手が滑りやすくなります。たとえば、ツルツルで丸みのある形状のマウスだと少しの汗でも滑ってしまい、操作を間違えてしまうかもしれません。

手汗のせいで、仕事やゲームなどの大事なところで操作を間違えるのは、悲しいような悔しいような気持ちになることでしょう。

その他日常生活で感じる悩み

手掌多汗症のために手汗が人より多いと、マウス操作だけでなく日常生活のさまざまなシーンで不自由を感じます。

人付き合いでいえば、恋人と手をつなぐのが恥ずかしい、握手やハンドタッチするのを避けてしまうといった悩みを抱えている人は多いことでしょう。書類作成時に紙が濡れる、キーボードが濡れる、料理のときに包丁が滑るといった、作業時の不自由さを感じている人もいるかもしれません。

また、手掌多汗症はそうでない人から見ると「汗っかきなだけ」「緊張しやすいだけ」と軽く見られがちです。周囲の理解を得られにくいことから、病気に対してより深く思い悩んでしまうこともあります。

このように、手掌多汗症の方はマウスに関する悩みとともに、日常生活でも多岐にわたる悩みがあります。

マウスの手汗対策

マウス操作時の問題・悩みを解決するためにはどうしたら良いのでしょうか。ここでは、手軽にできるマウスの手汗対策について解説します。

手袋を使う

マウス使用時に手袋をすることで、手汗の問題は一気に解決できます。手袋をつけることで、マウスに手汗がつかなくなるためです。

たとえば、薄手のゴム手袋であれば指の動きを邪魔されることがないため、マウスやキーボードの操作もいつも通りに行えるでしょう。手汗で周辺機器が濡れない分、むしろ快適に操作できるかもしれません。

「ゴム手袋だと手汗で蒸れる」ということでしたら、ナイロン製やコットン製の手袋にしてみましょう。滑り止めがあり通気性の良いものは特におすすめです。通気性が良ければ手は蒸れにくくなりますし、滑り止めがついているのでマウス操作を間違えることもなくなります。

替えの手袋を用意しておけば、手袋が湿ってきたタイミングで交換して、快適に作業を続けられるのでおすすめです。

制汗剤を使う

手汗でマウスが濡れるのを防ぎたいなら、制汗剤を活用してみましょう。

制汗剤にはクリームタイプやスプレータイプなど、用途に応じた種類があります。ただ、マウスを使うのであれば、ベタつかないパウダータイプをメインにすると良いかもしれません。また、クリームを塗りつつパウダーで手のひらをサラサラな状態にする合わせ技もおすすめです。

制汗剤を塗れば手汗がある程度抑えられ、マウスが濡れにくくなります。また、手袋をつけるのとは異なり手の見た目は変化しませんので、会社でも気にせず使えます。

さらに、制汗剤はいつでも携帯でき、いざというときにすぐ使えます。それは安心感につながるため、実際に塗らずに制汗剤を持っているだけでも、不安や緊張による汗を抑えやすくなる可能性があります。

マウスや周辺機器

マウスの手汗対策として、マウスや周辺機器にこだわるのも良いでしょう。

汗は水分ですから、風を適度に送れば乾きやすくなります。そのため、手汗で悩む方はUSB接続の卓上扇風機を導入するケースが少なくありません。手元に風を送ってあげれば、手汗を気にすることなく心地よくマウスを使えます。

また、最近はファン付きのマウスもあります。マウスの手のひら部分にファンがついていて、そこから風が送られます。直接手のひらに風があたるため、卓上扇風機よりも弱い風量ですが、手汗を乾かすのにはちょうど良いようです。

手汗で滑るのを防ぎたいという方はグリップテープもおすすめです。グリップテープとは滑り止めテープのことで、マウスを握る部分に貼り付けることで指の滑りを抑えられます。

身近なものを使う

身近にあるものでもマウスの手汗対策が可能です。

たとえば、本屋の文具コーナーなどに売っているマスキングテープは意外と手汗対策に向いています。

マウスの手汗がつきやすい部分にマスキングテープを貼っておけば、汚れをしっかりガードできます。表面がザラついているものだと、滑り止め効果があるのでよりおすすめです。文具コーナーやPCショップ、100円均一などではマウスの手汗対策用のシールが売っていることもあります。コットン素材で汗を吸収しやすいため、マウスを濡らしにくくなります。

最も手軽で身近なものを使った手汗対策グッズとしておすすめなのはハンカチです。ハンカチをマウスに被せて使用すれば、マウスを手汗で濡らしたり汚したりすることはありません。ただし、指が滑りやすくマウスが動かしにくいといった欠点もありますので、会社共用マウスを短時間使うときなどに限定するのをおすすめします。

ツボを押す

マウスの手汗対策としてツボ押しも効果が期待できます。

「労宮」は手を握って人差し指と中指の指先の間にあるツボです。ストレスや不眠の解消に効果的とされます。親指や棒などを使って5秒ほど押しましょう。

また、「合谷」は親指と人差し指の付け根が交わる少し手前くらいにあるツボです。こちらは疲労回復に効果的とされ、手汗を抑えるのにも良いとされています。親指や棒などで3秒ほど押しましょう。

これらのツボ押しは、対策グッズがない場合などにぜひ試してみてください。

リラックスアイテムの活用

リラックスアイテムを使うのも手汗対策につながります。

人が汗を多くかく瞬間、それは緊張があったりストレスを受けたりしたときです。リラックスアイテムを用いれば、それらが解消されて手汗の量を減らせるかもしれません。

リラックスアイテムには幅広い種類がありますが、たとえばコンビニでも簡単に手に入るチョコレートなどは脳も癒やしてくれるので効果的です。アロマを焚いたりヒーリングミュージックを聞いたりといったことも、人によっては良いかもしれません。

自分にあったリラックスアイテムを見つけて活用してみてください。

マウスの手汗対策にはアポハイドローションもおすすめ

マウスの手汗対策にはお薬の使用もおすすめです。こちらでは、手掌多汗症の保険適用のお薬アポハイドローションについて解説します。

保険適用の塗り薬

アポハイドローションとは、手掌多汗症のお薬です。2023年6月から、保険適用となりました。

アポハイドローションを手のひらに塗ることで、その成分が皮膚から吸収されていきます。薬効成分が皮膚の下にまで届いて発汗を促すアセチルコリンをブロックし、ひどい手汗を抑えてくれます。

使用方法

使用方法はとても簡単です。1日1回、就寝前に手のひらにアポハイドローションを塗るだけです。以下により詳しい使用の流れを記載します。

1.アポハイドローションを塗布する前に、手のひらの水分をしっかり拭きます。

2.手のひらにお薬を1回分出します(5プッシュが目安)。

3.手のひらに出したお薬を、左右の手で揉みながら塗り広げます。

4.お薬を塗り終わったら、手を洗わずにそのまま就寝します。

5.起床後に手を流水でしっかり洗います。

このように、アポハイドローションはとても簡単に使えます。注意点としては以下の通りです。

  • ・お薬が手のひら以外の部位につかないようにしましょう。
  • ・塗り忘れた場合は次の就寝のタイミングで塗りましょう。
  • ・お薬を塗った後は気密性の高い手袋を着用しないようにしましょう。
  • ・塗布後は他の人やものにあまり触れないようにしましょう。
  • ・お薬が目に入ったり塗布後の手で目を擦ったりした場合はすぐに洗い流しましょう。

副作用

アポハイドローションは簡単に使えて、手掌多汗症によるひどい手汗を効果的に抑えてくれるお薬です。ただし、以下の副作用が出ることもありますのでご注意ください。

  • ・口が渇く、尿が出にくい
  • ・便秘が何日も続き、お腹が張る
  • ・塗布部位に炎症・かゆみ・湿疹などが出る

こうした症状が出た場合は、お薬の使用を中止して病院を受診しましょう。

マウスの手汗でお悩みなら、おうち病院「オンライン多汗症外来」へ

手掌多汗症は人によって症状の強さが異なり、手のひらがひどく濡れる人もいれば、うっすら湿る程度の人もいます。マウスは手で直接触るものなので、症状の強弱にかかわらず、マウス使用時に不自由さを感じている人は多いのではないでしょうか。

また、マウスの使用だけでなく、手掌多汗症は日常生活においても不自由さを感じるシーンがさまざまあります。「ひどい手汗を抑えたい、でも病院になかなか行けない…」とお悩みの方も多いことでしょう。

そこでおすすめなのが、おうち病院「オンライン多汗症外来」です。ご自宅でスマホからオンライン診療を受けられるため、病院まで足を運ぶ必要はありません。病院が開いていない時間でも診療可能で、仕事が忙しい方でも気軽に利用できます。

処方箋は近所のドラッグストアに送られますので、時間のあるときにお薬を受け取れます。

「オンライン多汗症外来」では保険診療のアポハイドローションも取り扱っていますので、手掌多汗症でお悩みの方はぜひご活用ください。