アトピー性皮膚炎の治療で市販薬は使える?処方薬との違いや症状別の選び方を解説

アトピー性皮膚炎は病院を受診して処方薬で治療するのが一般的です。しかし中には「市販薬は使える?」「市販薬でも効果はある?」「市販薬と処方薬でどう違う?」という疑問を持っている方もいるのではないでしょうか。 そこで今回は、アトピー性皮膚炎の市販薬と処方薬の違い、市販薬の選び方、症状別の市販薬、市販薬を使う上での注意点を解説します。

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アトピー性皮膚炎は病院を受診して処方薬で治療するのが一般的です。しかし中には「市販薬は使える?」「市販薬でも効果はある?」「市販薬と処方薬でどう違う?」という疑問を持っている方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、アトピー性皮膚炎の市販薬と処方薬の違い、市販薬の選び方、症状別の市販薬、市販薬を使う上での注意点を解説します。

アトピー性皮膚炎の市販薬と処方薬の違い

アトピー性皮膚炎の治療薬には、市販薬と処方薬があります。

市販薬は、安全に使える成分や含有量であり薬効は強くないことがほとんどです。そのため、薬剤師などのアドバイスを受けた上で個人が判断して購入・使用できます。また幅広い症状に対応するために、1つの商品で複数の成分が配合されていることが多いです。

一方、処方薬は薬効が強く、医師や薬剤師といった専門家によって、使用方法や使用期間が管理されなければいけません。そのため、医師の診察によって、患者の病状に合わせて薬の種類や量が決められます。

また処方薬は市販薬と異なり、1つの薬に1つの有効成分であり、特定の症状を改善するために処方されます。そのため、処方薬を他の人にあげるなどの行為をしてはいけません。

上記を簡潔にまとめると、薬効は処方薬の方が強いことが多く、一方で効果は弱いものの気軽に入手できるのは市販薬ということになります。

アトピー性皮膚炎の症状に合わせた市販薬の選び方

アトピー性皮膚炎と一口にいっても、人それぞれで症状や皮膚の状態は異なります。以下では、アトピー性皮膚炎の症状に合わせて、どのような市販薬を使用すればいいのか解説していきます。

かゆみ・痛みが強い場合

アトピー性皮膚炎により皮膚症状が酷く、かゆみや痛みなどの症状が強い場合は、ステロイドの塗り薬をまずは使用しましょう。

ステロイドは速効性があり、塗布することで数日から1週間程度で効果が現れます。ステロイドには炎症を促す物質の産生を抑えたり、炎症反応を引き起こす細胞の増殖を抑えたりする作用があり、症状を改善していきます。患部の赤みも、血管を収縮させる作用により早い段階で鎮まることがほとんどです。

ただし、ステロイドは副作用がありますので、使用の際には症状に合わせて強さを選んだり、薬剤師に相談したりするなどして選びましょう。

かぶれ等が強い場合

アトピー性皮膚炎で皮膚のかぶれが酷い、患部がジクジクしているといった場合に使う市販薬としておすすめなのが、亜鉛華軟膏です。

亜鉛華軟膏は患部である皮膚を保護して炎症を和らげ、症状を緩和させる効果があります。また、患部から出る浸出液(傷口から出る透明または黄色っぽい液体)を吸収して適度に乾燥させてくれます。そのためジクジクして治りにくい皮膚の再生が促され、症状が改善されやすくなります。

ステロイドと比べると速効性がないため、効果を実感するまではやや時間がかかるかもしれません。しかし、亜鉛華軟膏は副作用が少なく皮膚を保護してくれることから、子供でも使用しやすい市販薬です。より早く皮膚症状を改善したい場合は、ステロイドとの併用も可能です。

カサカサしすぎている場合

アトピー性皮膚炎により肌が乾燥してカサカサしている、そんなときは肌を保護する市販のワセリンや、刺激の少ない保湿剤を使用してみましょう。

カサカサした皮膚は、肌のバリア機能が失われてしまい、外部からの刺激を受けやすくなっています。そのため、炎症も起きやすく、アトピー性皮膚炎の症状を悪化させやすいものです。ワセリンや保湿剤を使用すれば、バリア機能の回復が促され、症状が緩和しやすくなります。

また、アトピー性皮膚炎でカサカサ皮膚になっている場合は、市販の漢方薬である当帰飲子もよいかもしれません。当帰飲子は乾燥した肌に栄養や潤いを与えるとされ、乾燥肌の改善が期待できます。そのため、乾燥によるカサカサ肌を潤して、皮膚症状やかゆみを穏やかにしたい場合におすすめの市販漢方薬です。

アトピー性皮膚炎に使える市販薬

市販薬は数多くあり、アトピー性皮膚炎に使えるのはどれだろうと悩む方も多いことでしょう。以下で、アトピー性皮膚炎改善に効果が期待できる市販薬を症状別に紹介します。

かゆみを抑える塗り薬

アトピー性皮膚炎のかゆみや皮膚症状を抑えるのに効果的なステロイドの市販薬を3つ紹介します。

・リンデロン

リンデロンは処方薬としても用いられているステロイドの塗り薬です。炎症や皮膚症状を短期間で改善し、かゆみなどの諸症状も改善されます。副作用はあるものの、長年処方薬として使われてきたお薬なので安心感があります。

・フルコートf軟膏

フルコートはステロイドの市販薬の中でも最も強いステロイドが配合されています。そのため、効果的に炎症を抑えられます。フラジオマイシン硫酸塩という抗生物質が配合されているので、かき壊してしまったような場合でも、化膿を防ぎやすいです。

・コートf MD軟膏

ステロイド薬の中でも最も効果が優しいウィークに分類される市販薬です。ステロイド成分であるプレドニゾロンとともに、グリチルレチン酸という炎症を抑える成分が配合されています。薬効が優しいため、大人よりも皮膚が薄い子供でも安心して使用できるのが特徴です。

かぶれを改善する塗り薬

アトピー性皮膚炎により皮膚がかぶれたり、ジクジクしたりしてお悩みの方におすすめの市販薬を3つ紹介します。

・亜鉛華軟膏

皮膚を保護する働きがあり、わずかに炎症を鎮める効果も期待できます。塗布することで患部が外部刺激から守られるため、じっくり症状の改善を見込めます。また、浸出液を吸収して患部を適度に乾燥させてくれるため、傷の治りを促進させてくれる効果も期待できます。

・プロペト ピュアベール

プロペトはワセリンの一種で、最も純度の高く、肌への刺激が少ないことが特徴です。そのため、アトピー性皮膚炎でかぶれたりジクジクしたりしている肌でも使用しやすい市販薬です。塗布すれば、潤いを保ちつつ外部の刺激から肌を守ってくれます。

・オリブ油

食用ではなくスキンケア用のオリーブオイルです。皮膚の水分蒸発を防ぎ、皮膚を保護してくれます。自然由来であり刺激が少ないため、かぶれやジクジクが酷い場合でも使いやすいのが特徴です。

カサつきを抑える飲み薬

アトピー性皮膚炎で用いる市販薬というと、塗り薬を連想する方がほとんどですが、アトピー性皮膚炎に効果的とされる漢方薬の飲み薬もいくつかあります。以下で、カサつきを抑える効果が期待できる、市販の漢方薬を紹介します。

・当帰飲子

当帰は肌や身体が潤うように促してくれる生薬です。そのため、乾燥によりカサついた肌やバリア機能が回復しやすくなります。乾燥による湿疹やかゆみに効果的とされますので、カサついたアトピー性皮膚炎の改善が期待できます。

・温清飲

温清飲は血液のめぐりを良くする効果が期待できる漢方薬です。血液循環が整うと、身体が温まり肌に栄養が行き渡るようになります。その結果、皮膚の炎症や乾燥の改善が期待でき、かゆみなどの症状を抑えやすくなります。

アトピー性皮膚炎で市販薬を使用するときの注意点

アトピー性皮膚炎は、できれば、病院を受診することをおすすめします。というのも、症状や体質は人それぞれで異なるため、治療薬もそれに合わせて決めていくことが大切だからです。

また、アトピー性皮膚炎の治療は短期間で終わるものではなく、数ヶ月と長くかかるものです。そのため、市販薬を使い続けるよりも、保険がきく処方薬のほうがコストを抑えて治療を続けられる可能性があります。

もし、市販薬を使用して症状が改善しない、治るどころか悪化してしまったという場合は、薬の使用をやめてすぐに病院を受診しましょう。何が原因で悪化してしまったのかを明らかにするためにも、受診時には使っていた市販薬を持っていく、もしくは名前を覚えておくこともポイントです。。

アトピー性皮膚炎のお薬は、おうち病院「オンライン診療」

アトピー性皮膚炎の治療薬はさまざまありますが、ステロイド薬などご紹介したお薬は市販薬として購入できます。しかし、一時的な使用などを除いて、基本的には自己判断による市販薬の使用はおすすめできません。人それぞれ症状が違い、体質に合う成分も異なるためです。

まずは病院を受診して、自分に合ったお薬は何なのか知ることが大切です。そして、継続してお薬を使用し、症状を改善していきましょう。しかし仕事が忙しくてなかなか病院を受診できず、「病院でもらった処方薬がもうすぐ切れる……」と不安を感じている方は多いのではないでしょうか。

そんな方におすすめなのが、おうち病院「オンライン診療」です。

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