便秘は何科?消化器内科・内科の選び方と、病院で受ける診察・検査

「便秘くらいで病院に行ってもいいのだろうか。行くとしたら何科なのか」——受診を考え始めた方の多くが、最初にここで迷います。結論からお伝えすると、便秘の相談先は消化器内科(胃腸科)か一般内科が基本です。血便や急な便通の変化があれば検査のできる消化器内科、肛門の痛みが中心なら肛門科、妊娠中は産婦人科が相談先になります。本ページでは、症状別の受診先と、病院での診察・検査の流れをご案内します。

この記事の要点

  • 便秘の相談先は、消化器内科(胃腸科)か一般内科が基本です。迷ったら、まず内科で問題ありません。
  • 血便・急な便通の変化・体重減少・50歳以上で初めての便秘があれば、大腸の検査ができる消化器内科の対面受診が適しています。
  • 病院ではまず問診とお腹の診察を行い、警告症状がなければ、検査をせずに薬の治療から始めることも多くあります。
  • 薬は、ガイドライン2023に沿って浸透圧性下剤(酸化マグネシウムなど)から始めるのが基本の流れです。
  • 便秘の診察は保険適用で、3割負担なら対面の初診は1,200〜2,500円程度(検査・薬代は別)が目安です。

便秘で受診する診療科の早見表

便秘の受診先は、便秘そのものより「一緒に出ている症状」で選ぶと迷いにくくなります。ご自身の状況に近い行をご覧ください。

こんなとき主な相談先理由
便秘が続く・市販薬が効かない・薬を相談したい内科、消化器内科(胃腸科)問診・診察で便秘のタイプを見極め、処方薬を選べる
血便、急な便通の変化、体重減少、50歳以上で初めての便秘消化器内科大腸内視鏡などで、大腸の病気がないかを確認できる
排便時の肛門の痛み・出血、いぼ・切れ痔がある肛門科(肛門外科)痔の治療と、便を出しやすくする治療を並行できる
妊娠中・授乳中の便秘産婦人科(かかりつけ)妊娠経過をふまえて使える薬を選べる
子どもの便秘小児科年齢に応じた治療・生活指導ができる
糖尿病・甲状腺・パーキンソン病などで通院中その病気の主治医病気や服用中の薬が便秘の原因になっている場合がある

どの科を選んでも、検査が必要と判断されれば専門の医療機関を紹介してもらえます。そのため、迷ったらまず内科か消化器内科を受診して問題ありません。受診するかどうか自体を迷っている段階であれば、「便秘で病院に行く目安|何日で受診すべきかと、放置してはいけないサイン」で緊急度を3段階で確認できます。

便秘で病院に行くべき?受診を考えたい目安

受診の目安は、便が出ない日数だけでは決まりません。日本消化管学会の「便通異常症診療ガイドライン2023」は、便秘が慢性的に続き、日常生活や体に支障が出ている状態を「便秘症」とし、治療の対象としています。つまり、「つらさが続いているかどうか」が受診を考える大切な基準です。次の項目に当てはまるものがあれば、受診を考えるタイミングといえます。

  • 排便が週3回未満の状態が続いている
  • 強くいきまないと出ない、残便感・お尻が詰まった感じが続く
  • コロコロした硬い便が多い
  • 生活習慣を見直しても、2〜3週間ほど改善しない
  • 市販の便秘薬を使っても効かない、量が増えてきた、手放せない
  • お腹の張りや痛みで、仕事や家事、睡眠に影響が出ている

一方で、日数や回数に関係なく、早めに受診したいサイン(警告症状)もあります。便に血が混じる、便が急に細くなった・便通が急に変わった、意図しない体重減少、発熱、お腹のしこり、50歳以上で初めての便秘がそれにあたります。これらは大腸の病気が隠れていないかを確認する必要があるため、消化器内科の対面受診が適しています。

病院ではどんな処置をされる?受診の流れ

「便秘で病院に行くと、何をされるのか」が分からないことも、受診をためらう理由の一つです。実際には、多くの場合は問診とお腹の診察が中心で、検査や処置は必要なときに限って行います。ここでは、一般的な流れを5つの段階に分けてご紹介します。

1. 問診(ほぼ必ず行います)

最初に、医師が便秘の状態や経過を詳しく伺います。便の形や回数を口頭で伝えるのに抵抗がある方は、次の項目をメモにして渡す方法もあります。

  • 便秘がいつから続いているか、排便の回数
  • 便の形・硬さ(コロコロ、硬い、普通、やわらかい)
  • いきみ・残便感・お腹の張りや痛みの有無
  • 使っている便秘薬(市販薬・サプリを含む)と、その量・頻度
  • ほかに飲んでいる薬(鉄剤、胃薬、痛み止め、抗うつ薬など、便秘の原因になるものがあるため)
  • 血便・体重減少など、警告症状の有無

2. 診察

問診のあとは、お腹を見て、触って(触診)、聴診器で腸の音を確認します。お腹の張り方や、硬い便がたまっている場所の見当をつけるためです。必要に応じて、肛門・直腸の診察(直腸指診)を行うこともあります。

3. 検査(必要な場合のみ)

検査は、警告症状がある場合や、便秘の原因になる病気を確認したい場合に行います。主な検査と、それぞれで分かることは次のとおりです。

検査わかること
血液検査貧血、甲状腺の働き、血糖、電解質(カルシウムなど)など、便秘の原因になる病気の有無
腹部レントゲン腸内の便やガスのたまり具合、腸閉塞の疑い
便潜血検査目に見えない出血の有無
大腸内視鏡検査大腸がん・ポリープ・炎症など、腸そのものの病気の有無
腹部CT腸や周囲の臓器の詳しい状態(急な腹痛を伴う場合など)

警告症状がなく、問診と診察で「機能性便秘(腸の形には異常がないタイプ)」と考えられる場合は、検査をせずに薬の治療から始めることも多くあります。薬を使っても改善しない場合や、途中で警告症状が出てきた場合に、あらためて検査を検討する流れです。検査の有無で費用も変わるため、気になる方は受診時に確認してください。

4. 処置(詰まっている場合)

硬い便が直腸にたまって自力で出せない場合は、その場で便を出す処置を行うことがあります。浣腸や坐薬を使う方法のほか、医師や看護師が指で便をかき出す処置(摘便)もあります。いずれも、便が詰まっている場合に限って行うもので、便秘で受診したら必ず行うものではありません。

5. 薬の処方

最後に、便秘のタイプに合わせて薬を選びます。ガイドライン2023では、生活習慣の見直しに加えて、浸透圧性下剤(酸化マグネシウムなど)から始め、効果が不十分なら上皮機能変容薬や胆汁酸トランスポーター阻害薬を検討する流れが示されています。刺激性下剤は、出ないときに使う(頓用)位置づけです。処方される薬の名前と市販薬との違いは、「医者がすすめる便秘薬とは?病院でもらう処方薬の名前と市販薬との違い」で一覧にまとめています。

費用の目安

便秘の診察・検査・処方は、原則として健康保険が適用されます。3割負担の場合、対面の初診で検査がなければ、診察料と処方箋料を合わせて1,200〜2,500円程度が目安です。薬代は別にかかり、血液検査やレントゲン、大腸内視鏡を行うと追加の費用がかかります。内訳や、市販薬を使い続けた場合との比較は「便秘で病院にかかる費用|保険適用の内訳と、市販薬との比較」で解説しています。

自宅・薬局・オンライン・対面の使い分け

便秘の対処は、いきなり病院に行くか、我慢するかの二択ではありません。症状の強さや警告症状の有無によって、選べる方法が変わります。ご自身に近い段階をご覧ください。

段階できること向いている人
自宅でのセルフケア食事・水分・運動・トイレ習慣の見直し便秘が一時的で、警告症状がない
薬局・ドラッグストア薬剤師に相談し、市販薬を選ぶ短期間だけ薬を使いたい
オンライン診療医師の問診で便秘のタイプを確認し、保険診療で処方を受ける警告症状がなく、通院の時間が取りにくい。市販薬が合わない
対面受診診察・検査・処置警告症状がある、検査や処置が必要

警告症状がなく、便秘が一時的なものであれば、まず自宅でのセルフケアや市販薬で様子を見るのも一つの方法です。ただし、市販薬で様子を見る場合も、使い方には注意点があります。タイプ別の選び方と、処方薬に切り替える判断基準は「便秘薬の市販薬|タイプ別の選び方と、処方薬に切り替える判断基準」をご覧ください。

こんな状態が続いていませんか【セルフチェック】

受診するかどうかを決めかねている方は、いまの状態を一度整理してみてください。当てはまる項目を数えてみてください。

□ 便秘の状態が、2〜3週間以上続いている
□ 排便が週3回未満の週が多い
□ 強くいきまないと出ない、または残便感がある
□ 市販の便秘薬を1か月以上使っている、または量が増えた
□ お腹の張りや痛みで、仕事・家事・睡眠に影響がある
□ どの科に行けばいいか分からず、受診を先延ばしにしている
□ 便秘のことを、まだ一度も医師に相談したことがない

2つ以上当てはまる場合は、一度医師にご相談ください。便秘が続いている状態は、生活習慣の見直しと便秘のタイプに合った薬で、改善が期待できることが多いためです。なお、血便や体重減少などの警告症状がある場合は、当てはまる数にかかわらず、消化器内科の受診をご検討ください。

「何科に行けばいいか迷っている」という方にも、「おうち病院 オンライン診療」という選択肢

便秘で受診をためらう理由は、症状の重さよりも「何科か分からない」「平日に通院する時間がない」「便のことを対面で話しにくい」といった点にあることが少なくありません。警告症状がなければ、オンライン診療で医師に相談し、保険診療で薬の処方を受ける方法もあります。一方で、検査や処置が必要な場合は対面での受診が必要です。ここでは、おうち病院のオンライン診療でできることと、対面受診をお願いするケースをご案内します。

おうち病院の特徴

おうち病院の内科では、スマートフォンのビデオ通話で医師が問診し、必要に応じて保険診療で便秘薬を処方します。主な特徴は次のとおりです。

✅ 診察するのは、全員が女性医師です

在籍する医師はすべて女性医師です。排便の回数や便の状態など、対面では話しにくいことも、自宅から相談できます。医師の専門・経歴は「医師紹介」でご覧いただけます。

✅ 予約時に医師を選べます

予約日時を選ぶときに「医師フィルター」で医師を絞り込めるため、同じ医師に続けて相談することもできます。

✅ 時間通りに診察が始まり、丁寧に診察します

予約した時間に診察が始まります。診察時間は目安5〜15分で、事前の問診票をもとに診察します。

✅ 平日・土日祝日も、朝6時〜深夜0時まで受診できます

仕事や家事のあと、夜の時間帯にも受診できます。

✅ 薬は、自宅への配送か近くの薬局で受け取れます

自宅配送の「おくすりおうち便」か、全国8,200店舗以上の連携薬局から選べます。

受診費用の目安(保険適用)

便秘の診察は保険診療の対象です。診察料とシステム利用手数料を合わせた費用の目安は次のとおりです。正確な金額は、予約画面でご確認いただけます。

項目初診再診
診察料(3割負担)1,000〜1,200円800〜900円
システム利用手数料1,100円1,100円
合計の目安約2,100〜2,300円約1,900〜2,000円
※自宅への配送をご希望の場合は、追加900円で「おくすりおうち便」をご利用いただけます。 ※薬代は別途かかります。薬局での自己負担額は、薬剤や保険の種類により異なります。

処方できるお薬(すべて保険診療の対象です)

便通異常症診療ガイドライン2023で治療の基本とされる浸透圧性下剤から、効果が不十分なときに使う新しいタイプの薬まで、便秘の治療に用いる薬をひととおり処方できます。市販では手に入らない薬も含まれます。なお、厚生労働省の指針により、初診のオンライン診療では、持病や飲んでいる薬などの情報が十分に分からない場合、8日分以上の処方などに制限がかかることがあります。どの薬を何日分処方するかは、診察のうえで医師が判断します。

分類主な薬剤(一般名/商品名)市販での入手
浸透圧性下剤(塩類)酸化マグネシウム(マグミット など)○ 市販あり
浸透圧性下剤(糖類)ラクツロース(ラグノスNF経口ゼリー)× 処方のみ
浸透圧性下剤(高分子化合物)ポリエチレングリコール製剤(モビコール配合内用剤)× 処方のみ
上皮機能変容薬リナクロチド(リンゼス)、ルビプロストン(アミティーザ)× 処方のみ
胆汁酸トランスポーター阻害薬エロビキシバット(グーフィス)× 処方のみ
刺激性下剤センノシド(プルゼニド など)、ピコスルファートナトリウム(ラキソベロン)○ 市販あり
坐薬・浣腸ビサコジル坐剤(テレミンソフト)、グリセリン浣腸 など○ 市販あり
漢方薬麻子仁丸、潤腸湯、大建中湯 など○ 市販あり(用量が異なる場合あり)

おうち病院 オンライン診療への受診の流れ

予約から薬の受け取りまでは、次の5つのステップで進みます。初めての方も、スマートフォンだけで手続きできます。

  1. おうち病院のトップページから内科を選び、受診を予約
  2. 事前問診に回答(排便の回数・便の状態・使っている市販薬・服用中の薬など)
  3. ビデオ通話で医師が診察(5〜15分ほど)
  4. 処方薬を薬局で受け取る、または自宅に配送
  5. 経過を確認し、薬の量や種類を調整

⚠ オンライン診療ではなく、対面での受診をお願いするケース

次のような場合は、大腸内視鏡などの検査や処置が必要になることがあるため、対面での受診をご案内しています。オンライン診療では、触診や検査、浣腸・摘便などの処置は行えません。

  • 血便がある、便が細くなった、排便の習慣が急に変わった
  • 意図しない体重減少がある、発熱や強い腹痛を伴う
  • お腹にしこりを触れる、50歳以上で新たに便秘になった
  • いきんでも出ない、指で押さないと出ないなど、便が直腸にあるのに出せない

これらに当てはまる場合の受診先は、消化器内科・内科が目安です。いきんでも出ないなど、便を出す機能の問題が疑われる場合は、肛門科や消化器内科で直腸・肛門の状態を確認します。オンライン診療の問診でこれらのサインが見つかった場合も、対面の医療機関をご案内します。

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この記事の監修

本記事は、おうち病院 医師チームが監修しています。医師チームは、産婦人科・皮膚科・内科などを専門とする医師で構成され、全員が女性医師です。記事の内容は、公的機関や学会のガイドラインをもとに医師が確認しています。

よくある質問(FAQ)

Q. 便秘は何科に行けばいいですか?

A. 消化器内科(胃腸科)か一般内科が基本です。血便や急な便通の変化があれば検査のできる消化器内科、肛門の痛みや出血が中心なら肛門科、妊娠中は産婦人科が相談先になります。

Q. 便秘で病院に行くのは恥ずかしくないですか?

A. 便秘は、内科・消化器内科でよく相談される症状の一つです。便の形や回数を口頭で伝えるのに抵抗があれば、事前にメモを用意して渡す方法もあります。

Q. 病院に行くと、必ず浣腸や検査をされますか?

A. いいえ。多くの場合は問診とお腹の診察で、必要に応じて薬を処方します。浣腸や摘便は便が詰まって出せない場合、検査は警告症状がある場合や原因を調べる必要がある場合に行います。

Q. 何日便が出なかったら病院に行くべきですか?

A. 日数だけでは決まりません。お腹の張りや痛み、生活への支障、警告症状の有無で判断します。緊急度の見分け方は「便秘で病院に行く目安」をご覧ください。

Q. 市販の便秘薬を飲んでいても受診してよいですか?

A. はい、受診して問題ありません。使っている薬の名前と量、使う頻度を医師に伝えてください。市販薬が効かなくなってきた場合の考え方は「便秘薬が効かない|6つの原因と、刺激性下剤からの切り替え方」で解説しています。

Q. 便秘はオンライン診療で相談できますか?

A. 警告症状がなければ、問診で便秘のタイプを確認し、保険診療で薬の処方を受けられる場合があります。検査や処置が必要なときは、対面での受診が必要です。

参考文献・出典

この記事は、次の資料をもとに作成しています。医療情報は改訂されることがあるため、最新の内容は各資料でご確認ください。

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