スッキリできる便秘対策!便通が悪くなる原因とその改善方法やお薬について解説

便秘は多くの人が悩んでいる症状です。長く続けば続くほど、お腹の張りで苦しくなりますし、吹き出物が出て恥ずかしい思いをすることもあります。「スッキリ排便できるようになる便秘対策はないだろうか」そうお考えの方も多いはずです。 そこで今回は、便秘の原因を明らかにした上で、お通じを良くする便秘対策について解説します。

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便秘は多くの人が悩んでいる症状です。長く続けば続くほど、お腹の張りで苦しくなりますし、吹き出物が出て恥ずかしい思いをすることもあります。「スッキリ排便できるようになる便秘対策はないだろうか」そうお考えの方も多いはずです。

そこで今回は、便秘の原因を明らかにした上で、お通じを良くする便秘対策について解説します。

便秘の種類

便秘は、便が出たものの十分な量が出ない、かつ快適に出しきれない状態のことをいいます。「出したはずなのに便が残っている気がする」「排便回数が少なくてお腹が張っている」といった場合は便秘であるといえます。

このように定義される便秘ですが、症状の続く期間によって2種類に分類することができます。以下で、「急性便秘症」と「慢性便秘症」について解説します。

急性便秘症

急性便秘症とは、ある時突然なってしまう便秘のことです。便の排泄が行われることで症状がなくなり、スムーズな便通へと戻ります。

急性便秘症の原因となるのは、急な生活習慣・環境の変化によって胃腸の働きが弱まることです。たとえば、引っ越しや旅行、生活パターンや食生活の変化、仕事や勉強でストレスがある、といったことが原因となります。

これらを改善すれば胃腸の働きがもとに戻り、自然と便の排泄もスムーズになります。そのため、あまり気にせず、普段通りの生活を送るようにすることが大切です。

ただし、始めは急性便秘症であっても、対処せずに放置すると慢性化することもあるため注意が必要です。

また、急性便秘症の場合、裏に腸捻転や腸閉塞などの病気が隠れている場合も一部あります。激しい便秘症状とともに腹痛や嘔吐がある場合は、医療機関を受診しましょう。

慢性便秘症

慢性便秘症とは、便秘症状が慢性的に続いている状態のことです。目安としては2~3ヶ月以上にわたって便秘症状がある場合は慢性便秘症であるといえます。

便がスッキリ出ないため、腹部の膨満感や倦怠感があり、精神的にもスッキリしない状態となるのが慢性便秘症の特徴です。

詳しくは後述しますが、慢性便秘症は運動不足や食生活の乱れ、ストレスによる胃腸の働きの弱まりなどが原因で起こります。また、薬剤の影響や何らかの病気が隠れていることもあるため、気になる場合は医療機関を受診することをおすすめします。

便秘になる原因

慢性便秘症になる原因として考えられるのは、大きく分けて4つあります。以下で、慢性便秘症の原因となりえる「運動不足」「食生活」「ストレス」「疾患・薬剤」について解説していきます。

原因1.運動不足

運動不足の方は、腹筋が弱く血流もあまり良くないことがほとんどです。そのため、腹圧によって便を押し出す力が弱まり、腸の働きも悪くなってしまい排便しにくくなってしまうのです。高齢になってから便秘になったという方も少なくありませんが、それは日常の中で身体をあまり動かさなくなったことが要因の一つであると考えられます。

また、運動不足の方は生活習慣も乱れがちで、自律神経の乱れも起きやすい傾向にあります。自律神経は腸と密接な関係があるといわれています。つまり、運動不足・悪い生活習慣で自律神経が乱れたせいで、便通が悪くなっている可能性もあるわけです。

慢性的な便秘でお悩みの方で「最近運動していないな」と感じているならば、ぜひ適度に汗を流してみましょう。

原因2.食生活

食生活は慢性便秘症と大きく関係します。たとえば、毎日の食事が肉中心で野菜をほとんど摂らない方は、繊維不足により便秘になりやすいです。ダイエットのために食事量を大幅に減らしているという方も、慢性的に便秘になりやすいでしょう。

また、水分不足は意外と多い便秘の原因です。夏場はもちろん、冬場は喉が渇かないからといって水分摂取を怠ってしまう人は少なくありませんが、水分が足りないと便が硬くなってしまい、便通が著しく悪くなるため、注意が必要です。

慢性的な便秘を改善するなら、腸活を意識して食生活の見直しを行いましょう。

原因3.ストレス

ストレスも便秘の原因となります。先程もお伝えしましたが、腸は自律神経と深い関わりがあります。副交感神経が優位となっているときは排便がスムーズに行われます。

しかし、強いストレスを受けて交感神経が優位になってしまうと、排便が困難となり便秘になってしまうのです。便秘が長く続いてしまうと、そのことがさらにストレスとなり、余計に便秘症状を悪化させることもあります。

ストレスは便秘以外にもさまざまな問題を引き起こし、健康に悪影響を及ぼすものです。なるべく溜め込まず適度に解消していくように心がけましょう。

原因4.何らかの疾患や薬剤の影響

上記以外にも、何らかの病気や薬が原因で便秘が引き起こされることもあります。

腸捻転、腸閉塞、大腸がん、大腸ポリープといった病気があると、便の通り道である腸管が細くなり、排便が妨げられて便秘になります。女性の場合は、子宮筋腫の病巣が大きくなることで、腸管が圧迫されて便の通りが妨げられてしまい、便秘になることもあります。その他には、糖尿病や甲状腺機能低下症といった全身性の疾患により、便秘になることもあります。

また、薬剤の影響によって腸の動きが鈍くなり、便秘になることもあります。たとえば、降圧薬を使用している場合は、消化管の運動が低下して便秘になる可能性があります。一部の鎮痛剤や鎮咳剤は腸のぜん動運動を抑制してしまうため、使用している場合は便秘になりやすいです。

このように、病気や薬剤が影響で便秘になることもあります。便秘対策をしているのになかなか改善されないという場合は、医師に相談してみてください。隠れた病気などが見つかるかもしれません。

便秘対策1.食生活改善のポイント

便秘を解消するために、まずは毎日の食生活を見直してみましょう。便秘対策に有効な食生活改善のポイントを解説します。

食物繊維や水分摂取を意識する

まずは、食物繊維と水分摂取を意識しましょう。

食物繊維は腸内にいる善玉菌のエサになり、適度に摂取すれば善玉菌の増加に役立ちます。善玉菌が増えれば腸の働きが良くなりますので、排便もしやすくなることでしょう。

また、食物繊維には水溶性と不溶性の2種類あり、それぞれの特徴を理解しておくと、より便秘解消につながります。水溶性食物繊維は、水に溶ける性質があり、便を柔らかくして排出を促してくれます。不溶性食物繊維は腸を刺激する働きがあるとともに、便のかさ増をしてくれるため排便が促されやすくなります。

ただし、便が硬くて便秘になっている場合、体内の水分量が不足した状態で不溶性食物繊維を摂りすぎると、便が硬く大きくなってしまいやすいです。便秘が悪化する恐れもありますので、適度に摂取しましょう。

水分をしっかり摂ることも大切です。便は水分量が足りないと硬くなってしまい、排便が困難になります。また、前述の通り、水溶性食物繊維は水に溶け、便を柔らかくしてくれる性質があります。便通を良くするためには、しっかり水分を摂取しつつ、食物繊維を意識して摂ることが大切です。

腸内環境を整える食品を摂取する

腸内環境を整えると、便の状態が良くなって排便しやすくなります。

腸内には腸内環境を整える乳酸菌などの善玉菌と、腸内環境を悪くする悪玉菌がいます。善玉菌が増えれば腸の働きが良くなりますので、善玉菌に良い影響を与える食品を意識して摂取しましょう。

たとえば、ビフィズス菌が多く含まれるヨーグルトはもちろん、納豆を始めとした発酵食品にも多く善玉菌が含まれています。善玉菌を含む食品とともに、それらのエサとなる食物繊維やオリゴ糖を含む食品を摂取すれば、腸内環境は自然と整っていくことでしょう。継続していけば、便秘も改善しやすくなります。

栄養バランスや食事リズムを意識する

便秘解消のためには、栄養バランスや食事リズムを意識して食事を摂ることも大切です。

たとえば、ダイエットのために極端に食事を減らしてしまうと、便通を良くする食物繊維や水分が不足しやすくなります。さらに、油分もカットしすぎると、便の滑りが悪くなって便秘が悪化することもあります。

他にも、ビタミンやミネラルなど身体の調子を整える栄養素が不足すれば、健康が損なわれて便通も悪くなりやすいものです。ダイエットをするにしても極端に行うのではなく、栄養バランスを意識することを忘れないようにしましょう。

また、食事リズムを整えることは便秘解消につながります。たとえば、朝食を抜くなどリズムを崩すと、胃腸の働きが弱まってしまい便秘になりやすいです。毎日同じ時間に食事をして、できる限り同じ時間にトイレに入る。この習慣を身につけることは、便秘改善につながります。

便秘対策2.日常的にできる運動

適度な運動を行えば腹筋を鍛えられるだけでなく、血行促進や自律神経が整うことで腸の活動が促されます。激しい運動でなくても効果が期待できますので、ウォーキングや簡単な体操などから始めてみましょう。

便秘対策に効果的な日常でできる運動について解説します。

腸ひねり体操

便秘解消のためには、腸の動きを活性化させることがポイントです。腸ひねり運動は、まさに腸にアプローチできる運動で、便秘対策にもってこいです。

腸ひねり運動は決して難しくありません。お腹をひねる、伸ばすなどによりストレッチして腸に刺激を与えます。たとえば、デスクワーク中であれば椅子に座ったまま腸をひねってみましょう。前を向いて椅子に浅く腰掛けて背筋を伸ばし、背もたれを持ってフーっと息を吐きながら上半身をひねります。心地良い程度に、左右1セットとして何セットか行ってみてください。

つま先立ち

腹筋やお尻周りの筋肉をつけることも便秘対策では有効です。つま先立ちにより、お通じの改善が期待できる筋肉を鍛えてみましょう。

つま先立ちエクササイズは、椅子や壁に手をついた状態でお腹をへこませ、同時にかかとを引き上げます。つま先足状態になったらお尻を締め、1分程度キープします。たったこれだけの運動ですが、腹筋下部や骨盤底筋が鍛えられて、便を押し出しやすくなります。

ご自宅や職場はもちろん、通勤電車の中でもできる運動なので、ぜひ試してみてください。

ウォーキング

運動不足解消の方でも始めやすい運動といえばウォーキングです。ウォーキングは下半身だけでなく、全身を使う有酸素運動なので血行促進にとても良い運動です。血行が促進されると腸の働きも良くなりますので、便秘対策につながります。

歩くスピードは無理をしない程度で、軽く汗をかくくらいが良いでしょう。30分を目安に歩くと便秘対策だけでなく、肥満対策や生活習慣病予防にもつながるためおすすめです。

腹筋

腹筋は運動不足や加齢によって徐々に衰えてしまうため、日頃から便秘対策としてぜひやっておきたい運動です。特に、排便時にいきむ際に使うのが腹直筋で、これはお腹の中央にある筋肉です。

通常の腹筋と同じ姿勢になり、おへそが見える位置まで頭を起こすと、腹直筋に刺激が入ります。おへそを見ながら10秒ほどキープする動きを、10回程度を目安に行ってみてください。

便秘対策3.便秘薬の使用

食事や運動による便秘対策をしてもなかなか改善しない、そんなときは便秘薬の使用も検討してみましょう。

便秘薬の種類

便秘薬には作用の違いから、大きく分けて4種類あります。

・塩類下剤:腸の水分吸収を抑制して、便に含まれる水分量を増やして柔らかくします。腸管内の水分が増えることでぜん動運動が促されます。

・膨張性下剤:薬剤が腸管内の水分や摂取した水を吸収して便のかさを増やし、腸を刺激して排便を促します。

・湿潤性下剤:界面活性作用で水分を柔らかくし、排便しやすい状態にします。

・刺激性下剤:腸の粘膜などに刺激を与え、腸のぜん動運動を活発化させるとともに、便を柔らかくして排便を促します。

漢方や生薬

東洋医学で用いる漢方や生薬は、腸や便に直接作用する西洋薬と異なり、腸を始めとした身体全体の調子を整えることで便秘を改善していきます。

たとえば、「防風通聖散」は脂肪燃焼の促進や余分な水分の排出などの効果が見込まれる漢方です。ダイエットなどに用いる人も多いですが、脂質と一緒に便を押し出すため、慢性便秘で悩む方も服用することがあります。

他にも、排便作用があり湿疹・皮膚炎・食欲不振を改善する「調胃承気湯」、筋肉の痙攣を緩和して残便感のある便秘に良い「桂枝加芍薬湯」など、さまざまなものがあります。自分の体質や悩んでいる便秘の症状に合わせて選べるのも漢方の特徴です。

サプリメント

便秘対策にはサプリメントの服用も効果的です。たとえば、忙しくて外食が多いと感じているならば、腸内の善玉菌を増やせるようなサプリメントが良いかもしれません。ビタミンやミネラルが不足しているならば、必要に合わせてサプリメントでサポートしても良いでしょう。

ただし、あくまでもサプリメントは栄養補助のためのものです。基本的には、食事からバランス良く栄養摂取することを意識しましょう。

便秘薬の注意点

便秘薬は、さまざまな対策をしたのに排便できないというときに使用するものです。

日常的に使ってしまうと、薬がないと排便できなくなる可能性もあります。特に、刺激性下剤の場合、腸に直接刺激がくるため、それに慣れてしまうと自然な排便が困難になることもあります。また、強い刺激により下痢や腹痛が起こる恐れもあります。

そうした症状がある場合は、医師・薬剤師へ速やかに相談しましょう。

慢性便秘症でお悩みなら、おうち病院「オンライン診療」へ

慢性便秘症は一過性の急性便秘と異なり、症状が長く続くためつらいものです。病院で医師に相談したいと思っていても、仕事などで忙しいと、なかなか行くことができません。そうなるとつらい思いが続きますし、便秘症状が悪化する可能性もあり、不安が募ることでしょう。

そういったときにぜひ活用していただきたいのが、おうち病院「オンライン診療」です。全国どこからでも、スマホやPCを使ってオンラインで診察を受けられます。また、薬はお近くの大手薬局に届きますので、時間があるときに受け取れます。

長く続く慢性便秘でおつらいようでしたら、ぜひご活用ください。