下痢症状もコロナ感染のサインかも|受診をためらわずに医療機関へ

新型コロナウイルス感染症の症状として、下痢と発熱だけ、という症例がいくつか報告されています。

下痢は気になるものの、他に目立った症状がないと、決め手になりにくく受診をためらう方もいるでしょう。

しかし、気が付かないうちに重症化し、取り返しのつかないことになってしまう場合があります。

本記事では、コロナの下痢症状やそのほかの症状について、合わせてコロナ以外で考えられる下痢症状の疾病について解説します。

なお、「症状がつらく病院に行くのがつらい」「仕事などが忙しく受診する時間がない」という方は、オンライン診療をおすすめします。

その下痢症状、もしかしてコロナかも? 

コロナに感染すると、どのような下痢症状が見られるのでしょうか。

下痢と新型コロナウイルス感染症の関係

コロナによる症状は、一般的には初期症状は風邪と似ていて、下痢や腹痛の症状は出ない人もいますが出る人もいます。

症状がある場合、下痢の他に食欲不振・嘔気・嘔吐等の消化器官系の症状が出る場合もありますが、下痢と発熱のみの症状の場合もあります。

そのため、ウイルスや細菌に感染する胃腸炎と見分けがつきにくいケースもあります。

コロナ感染による下痢症状の特徴

コロナによる下痢症状の特徴は、以下の通りです。

  • 症状が突然あらわれ、急激に悪化する
  • 強い腹痛をともなう場合が多い
  • 水様便が出る(水のような便)
  • 回復してくると泥状便になる

下痢以外の症状の特徴

下痢症状以外で、最も一般的なコロナの症状は以下の通りです。

  • 喉の痛み
  • 発熱(37.5~38℃代)が4日以上続く ※微熱の場合も多い
  • 頭痛
  • 鼻水
  • 全身の痛み
  • 息苦しさ
  • 倦怠感
  • 味覚や嗅覚の異常

最近では、味覚や嗅覚異常の症状がない患者も多く報告されており、他の病気と比較して判断が難しいところです。

しかし、判断が難しいと感じたら、オンライン診療でお気軽に医師に相談してみることをおすすめします。

より詳しいセルフチェックでコロナかどうか確認したい方は、以下の記事をご参照ください。

関連記事:新型コロナウイルスのセルフチェックで安心を|症状確認と対応策

コロナによる下痢はいつまで続く? 

コロナの下痢は、発症して1~8日後に症状が表れるとされ、個人差がありますが最も多いのは、発症してから3日後です。

いずれも他の症状より後から下痢の症状が出るケースが多いようです。

そのため、早めにコロナで受診すると、初期症状では下痢が報告されておらず、後から下痢になったという患者が多いです。

その後、1~14日下痢症状が続きます。これも個人差があります。1~14日と言うとかなりの開きがありますが、平均的には4日くらい症状が続き、その後改善に向かいます。2週間くらい続く患者は、療養後の仕事復帰などに支障が出てしまうでしょう。

下痢以外の症状は快復しているにも関わらず下痢が長引いている時や、腹痛を伴わずに下痢症状だけが長引いている時は、他の病気の可能性もあります。

コロナ以外で考えられる下痢症状

新型コロナウイルス感染症以外で、想定される下痢症状の原因を探ります。

ウイルス性胃腸炎

細菌やウイルスの感染で引き起こされる急性胃腸炎が原因となる場合があります。

ノロウイルス・ロタウイルス・溶連菌などがあげられます。冬になると、インフルエンザ同様、保育園や学校で流行する事が多いです。

この場合発熱をともなわないか、発熱があっても主な苦しい症状は嘔吐・下痢である場合が多いです。

食中毒

食べ物による食中毒が原因の場合があります。

食中毒と言うと、夏に食べ物が傷んで、というイメージも強いですが、冬場にノロウイルス・ロタウイルス・溶連菌やO-157が食品中に混入していて経口感染する場合があります。

また、魚の体内に繁殖している菌や寄生虫が原因のこともあります。

調理前の手指洗いや消毒、調理器具や食品の衛生管理の徹底などは、食中毒を起こさないために必須事項となります。

食中毒の場合も、主なつらい症状は嘔吐・下痢・腹痛となります。

神経性下痢

ストレスからくる下痢です。心因性下痢・過敏性腸症候群などと呼ばれ、過度のストレスや緊張によりお腹がゆるくなる現象です。

この場合、慢性的でありコロナのように急激に症状が表れ悪化するのとは違います。

「出社がつらくて通勤車内で急に腹痛になる」「大事なプレゼン前に、トイレから出られない」など日常生活に支障をきたしています。

アレルギー

内服している薬が合わないことによるアレルギー症状や、薬の副作用等による下痢が起こる可能性があります。

薬を服用し始めたら下痢になったと思い当たることもあるでしょう。この場合は、処方した医師に相談します。いったん止める、薬を変えるなどして様子を見ます。

このケースの場合、激しい腹痛をともなう事はあまりありません。

コロナかそれ以外か?下痢の原因を見分ける方法はある? 

それでは、コロナか他の病気か、どうやって見分けるのでしょうか?

コロナと他の病気の違いなど、下痢を伴う病気のそれぞれの特徴をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

病名主な症状・特徴原因
新型コロナ下痢症状のほか、嘔気・嘔吐・発熱・咳・痰・倦怠感・息切れ・頭痛・腹痛・味覚障害・臭覚障害など新型コロナウイルスに感染
感染性胃腸炎下痢症状・嘔気・嘔吐・発熱・腹痛・血便などウイルスや細菌に感染することで起こる(お腹に来る風邪)
過敏性腸症候群下痢型、便秘型、下痢便秘型がある(下痢と便秘の症状が繰り返し現れる)慢性的に数ヶ月続く緊張やストレスにより生じる
潰瘍性大腸炎・下痢、血便、腹痛、体重減少、めまい、動悸、息切れ・水様便に血液が混じる慢性的な症状で、再発を繰り返す原因ははっきり解明していないが、大腸の粘膜に慢性的な炎症が起こる
大腸ポリープ無症状の場合が多いが、下痢や血便症状が表れることもある大腸の粘膜にポリープが出来る

また、コロナの下痢の特徴として、以下のようなものが挙げられます。

  • 急激に下痢症状が表れる
  • 強い腹痛を伴う
  • 水様便が出る
  • 快復に向かうとお腹の痛みが減少し、泥状便になる
  • 嘔気や嘔吐の症状も伴う

しかし、下痢症状だけでコロナと判別することは難しく、他の症状や発症のタイミングなども参考にします。

コロナか他の病気かを見分けるポイントして、以下のようなものが挙げられます。

  • 下痢症状以外に、発熱・咳・痰・倦怠感・息切れ・頭痛・腹痛・嘔気・嘔吐など、コロナの症状があるか
  • コロナ感染者との接触があったか
  • 感染リスクの高い場所へ行ったか

判断が難しい時は医療機関へ早めに相談!

下痢症状で想定される疾病がいくつかあることを解説しました。なかなか自分で判断する事は難しいかもしれません。

このほかにも大きな病気が潜んでいる事がありますし、自己判断は危険ですから、医師への相談をおすすめします。病気によって処置方法が大幅に変わるため、早めに医療機関へ受診しましょう。

コロナが疑われる下痢症状が出た時の対処法

コロナが疑われる下痢症状が出たら、注意するポイントがあります。

自己判断で市販薬の整腸剤を利用するのは危険

自己判断による市販薬の利用は危険です。下痢止めは、本来外にださなければいけないウイルスを、逆に閉じ込めてしまう可能性があります。

しかし、下痢が続くとぐったりしてしまうでしょう。もしくは嘔吐もあり、水分や栄養を補給しても脱水状態になってしまい、危険をともなう事もあるかもしれません。

そのような時は、ただちに受診しましょう。

コロナの正しい治療法について知りたい方は、以下の記事をご参照ください。

関連記事:コロナの治療法とは?重症度との関係や自宅療養のポイントを解説

水分をとって脱水症状を防ぐ

下痢症状を起こしている時は、脱水症状を起こさないための工夫が必要です。

スポーツドリンクや経口補水液を摂取すると良いでしょう。

食欲はないかもしれませんが、可能であれば消化吸収の良いものを口にしましょう。

おかゆ、良く煮込んだうどんやリンゴのすりおろし、ゼリー、プリンなどがおすすめです。

下痢の場合、トイレからの感染もあるため家族内でも感染者が利用したあとのトイレは消毒するなど、注意しましょう。トイレの蓋を閉めてから水を流すのは、感染を拡大させないために重要です。

トイレをこまめに消毒する

家族などに感染しないよう、使用したトイレはこまめに消毒します。

糞便中からも新型コロナウイルスが検出されており、トイレ排水時に空気中にウイルスが漂う飛沫感染や、便座や水を流すボタン・レバー、ドアノブ、床等に付着したウイルスによる接触感染などの可能性があります。

そのため、コロナ感染者が利用した後のトイレは消毒をすることが推奨されています。

家庭では、可能であれば感染者はトイレを別にするか、共有であれば感染者が使用した後はつど消毒しましょう。

市販の除菌・殺菌商品の中でも殺菌力の弱いものから強いものまで様々ですが、次亜塩素酸ナトリウムを含む家庭用漂白剤が推奨されます。

また、トイレに水を流す時は、蓋をして流すことを徹底する事が、感染拡大予防にも役立ちます。

充分に休息をとる

コロナが疑われる下痢症状でつらい時には、充分に休息をとる事が大切です。しっかり療養に専念しましょう。

コロナの症状は、人により様々で、あまり高熱にならない場合もあります。そのような時は、コロナとの見分けがつきにくいため、下痢症状が重篤でない場合は仕事を休むことを躊躇しがちです。

しかし、周囲にコロナに感染した人がいる場合や感染者がいると思われる空間にいた場合は、コロナの可能性が高いです。どんどん悪化する可能性もありますので、無理をせず休息を取りましょう。

また、下痢症状が重くて1日に何度もトイレに行く、腹痛がつらい、などの場合、よく眠れなかったり何度も目が覚めてしまったりすることもあるでしょう。

1日も早く快復するためにも、症状が落ち着いている時は充分に休息を取りましょう。

できるだけ消化のよいものを食べる

下痢症状がある時は、できるだけ消化の良いものを食べましょう。消化器官に負担をかけないことが大切です。

消化器官に負担をかけない消化の良い食べ物としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 味が薄味で香辛料など刺激物が入っていないもの
  • 口当たりが優しいもの
  • 食物繊維の少ないもの
  • 生ではなく加熱されているもの
  • 柔らかいのど越しのもの

刺激物や硬いもの、味の濃いもの、油料理、アルコール類は避けます。

おすすめの具体例は以下の通りです。

  • おかゆ
  • うどん
  • 豆腐
  • ヨーグルト
  • 卵料理
  • バナナ、リンゴ等の果物
  • 大根・白菜・ニンジン・カボチャ・ジャガイモ等食物繊維が少ない野菜

なお、食欲がない場合は無理して食べずに食事をストップしても大丈夫ですが、下痢症状を繰り返していると、脱水症状におちいる危険性があるので、水分はしっかりとりましょう。

電解質を含む経口補水液やイオン飲料がおすすめです。

早期治療の重要性

早期治療により、悪化と感染拡大をおさえることができるため、早めの受診はとても重要です。「お腹がゆるいな。お腹に来る風邪かな?何かあたったかな?」などとコロナ感染に気付かないでいると、急激に容態が悪化し、重症化する場合があります。

  • 症状は突然あらわれ、急激に悪化する
  • 強い腹痛をともなう場合が多い
  • 水様便が出る(水のような便)

このようなことに思い当たることがあれば、ただちに受診しましょう。

また、コロナの場合徐々に違う症状が表れ悪化していくので、発熱や頭痛、倦怠感など、他の症状もよく観察しましょう。

コロナで下痢や発熱があったらクリニックへ

下痢や発熱があり、コロナの疑いがあったら、どこの医療機関へ受診すれば良いか、解説します。

コロナ外来を予約して受診する

コロナ外来を予約して受診します。

可能であれば、新型コロナウイルス抗原検査キットで、ご自宅で検査すると良いですが、もしできなかった場合、予約の段階でコロナの可能性を伝えて一般外来ではなくコロナ外来を受診すると良いでしょう。

WEB予約の場合も、症状を入力するところがあるので打ち込みます。

コロナ外来が設置されているのは、主に内科や小児科クリニック・総合病院です。

コロナ外来を探すには、ネットでお住まいの地域の病院・クリニックを検索するか、自治体のコロナに関するホームページを確認すると情報が得られます。

コロナ外来は、発熱外来を兼ねている事が多く、発熱の症状がある場合も安心して受診できます。しかし逆に発熱外来はコロナに対応していないクリニックもあるので、コロナに対応しているかはしっかり確認します。

コロナ外来は、通常の入り口や受診室と別に分けられているか、時間指定をするなどして一般患者とははっきりと分けています。感染拡大防止の観点からです。

受診できる病院が見つかったら、オンラインや電話で予約を取ります。

現在、容態の急変等の特別な事情以外は、予約が必須のクリニック・病院がほとんどです。

オンラインクリニックを受診する

コロナ外来が自宅から遠方にあるか、交通の便が悪くて通院が難しい場合もあります。また、混雑していて少し先まで満杯で予約が取れない事もあり得ます。インフルエンザとコロナの同時流行中などはまさにそのような傾向です。

その場合でも、オンラインクリニックの発熱・コロナ外来という選択があります。

通常の病院・クリニックですと、コロナ外来の時間が限られているケースもありますが、オンラインクリニックであれば、24時間対応しているところもあり、予約が数日先になってしまう、という可能性は低くなります。

オンラインの場合、その場で検査が出来ないので、新型コロナウイルス抗原検査キットを常備しておくと良いですが、ない場合はお近くの薬局でお買い求めいただき、事前に検査をしておくとスムーズです。

下痢から派生してこんな症状が出たらすぐに受診しよう

下痢から派生して、以下のような症状が見られた場合は、ただちに受診しましょう。

意識がもうろうとしているなど、本人が難しい時は、家族や周囲の協力が大切です。

ただちに受診すべき重篤な症状としては、以下の通りです。

  • 脱水症状を起こしている
  • めまいを起こしている
  • 心拍数が早くなっている
  • 口が異常に渇く
  • 尿の色が濃い
  • 意識がもうろうとしている
  • 下痢症状が重く水様便が頻繁
  • 激しい腹痛
  • 下痢症状が長く続いている
  • 便に血が混じっている

これらは、コロナだった場合の症状の悪化や脱水症状を起こしている可能性があります。ただちに受診し、適切な処置が必要です。

また、コロナの下痢症状とよく似ていて気付かなかった重篤な病気が隠れている可能性もあります。その場合は違うアプローチでの治療が必要です。

下痢症状がつらいなら、おうち病院「オンライン発熱・コロナ外来」

下痢症状がつらく、コロナの疑いがあるなら、おうち病院「オンライン発熱・コロナ外来」での受診がおすすめです。

下痢症状がある時は外に出るのは心配でしょう。

いつでもトイレに行ける環境が安心なのではないかと思います。また、つらくて起き上がれなくても、安心してご自宅で受診できます。

通院は、移動がつらい、待ち時間が長い、トイレに自由に行けないなど不安だらけです。

時間予約しても、その時間ピッタリというわけにはなかなかいかず、受付→受診まで待たされることが多いでしょう。

おうち病院「オンライン発熱・コロナ外来」であれば、その心配はなくWEBから簡単に予約、お時間になったらスマホかパソコンから医師とビデオ通話するだけです。お待たせすることがありません。

また、24時間土日祝日関係なく予約受付しています。

下痢症状でコロナかな?と思ったら受診しよう

下痢などの症状がつらい時は、「下痢だけだからコロナじゃないかな?」「下痢くらいすぐ直る」などと簡単に考えず、体調をよく観察してチェックしてみましょう。

コロナのサインに思いたるようであれば、ためらわずに医療機関を受診しましょう。

コロナが疑われたら、自己判断は危険です。市販薬等は使用せず、医師の診断を受けましょう。

症状がつらくて街の病院に行けない時、ご近所に発熱・コロナ外来がない時、または混雑していて数日先まで予約が取れない時は、おうち病院「オンライン発熱・コロナ外来」を予約してみてはいかがでしょうか。

まずは医師にご相談を。