コロナの検査の種類は?それぞれの特徴や検体の採取方法を解説

目次

コロナの検査を受ける際は、どの検査を受けるべきかわからないと感じる方は多いでしょう。

検査方法によって検体が異なるうえに、わかることについても違いがあります。検査方法による違いを理解し、納得したうえでコロナの検査を受けることが大切です。

本記事では、コロナの検査の種類やそれぞれの特徴、検体の採取方法について詳しく解説します。

コロナの検査の種類

コロナの検査の種類とそれぞれの概要、必要な検体、検査場所は以下のとおりです。

検査方法ごとに詳しく見ていきましょう

抗原検査

抗原検査とは、検査対象のウイルスの抗体を用いて、ウイルスが持つ抗原を検出する検査のことです。現在、そのウイルスに感染しているかが判明するうえに、短時間で結果が出るため、迅速に検査結果を出す必要がある場合に用いられます。

抗原検査には、抗原定性検査と抗原定量検査があります。それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。

抗原定性検査

抗原定性検査は、特定のウイルスに感染しているかどうかを陽性か陰性で判定する検査方法です。鼻や喉から採取したぬぐい液、唾液を試薬と混ぜ、専用の検査キットに滴下します。

一定時間が経過すると、陽性であれば検査キット上に線が入ります。市販されているコロナウイルスの抗原検査キットはこの抗原定性検査によるものです。また、医療機関で実施している抗原検査もほとんどが抗原定性検査とされています。

 特別な機器を必要とせず、15~30分程度で結果が出るため、速やかに診断が必要な場合に用いられます。

また、薬局で購入できる 検査キットを使用すれば、自宅で速やかに検査が可能です。ただし、検体中の抗原量が少ない場合、偽陰性(本来陽性なのに陰性と判定される)リスクがあるため、十分な感度を持つ検査キットを使用する必要があります。

抗原定量検査

抗原定量検査は、ウイルスの抗原が検体中にどの程度含まれているかを定量的に測定する検査方法です。通常は鼻や喉のぬぐい液や唾液を使用します。抗原が検体に含まれている量を専用の機械で測定し、基準値を超えれば陽性、基準値以下であれば陰性と判定されます。

約30分で判定できるため、速やかな診断が可能です。抗原定量検査には専用の機械が必要なため、薬局では簡易検査キットが販売されていないうえに行われている医療機関も限られます。

PCR検査

PCR検査は、ウイルスの遺伝子を増幅させて検出することで、感染の有無を判定する検査方法です。ウイルスはDNAやRNAという遺伝子で構成されています。遺伝子を構成する塩基と呼ばれる成分の並び方を調べることで、そのウイルスが存在しているかどうかがわかります。

PCR法は、そのウイルス固有の遺伝子を増幅させることで、感染の有無を調べます。新型コロナウイルス(SARS-Cov-2)はRNAウイルスのため、RT-PCR法と呼ばれる方法を使用します。使用する検体は、唾液、痰、鼻腔咽頭ぬぐい液です。

感染しているウイルスの遺伝子が増幅された場合は陽性、増幅されなかった場合は陰性です。医療機関で受けることができるほか、薬局では簡易検査キットが販売されています。

抗体検査

抗体検査は、過去にウイルスに感染したかどうかを調べるための検査方法です。感染することで体内に生成されるタンパク質である「抗体」が血液中に存在するかどうかを検査します。

抗体検査には調べる抗体の種類に応じてIgM検査とIgG検査があり、いずれも検体は血液で、医療機関でのみ実施できます。

それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。

IgM検査

IgM検査は、ウイルスに感染したときに最初に作られる数日から体内で生成されるIgMを検出する検査方法です。IgM抗体は感染後2週間頃から検出可能になるため、感染直後ではまだ抗体が形成されておらず、感染してすぐの段階では正しい検査結果が出ません。

また、4週間ほどでIgM抗体は消失していくため、一定期間を過ぎると検出が難しくなります。陰性は、感染していないか、感染してからすぐであることを示し、陽性は感染してからあまり期間が経っていないことを示します。

IgG検査

IgG検査は、IgMが生成された後に生成されたIgGを検出する検査方法です。一般的に抗体検査といえば、IgG検査を指します。IgG抗体が体内に存在している期間は数ヶ月~数年程度とウイルスによって異なります。新型コロナウイルスにおいては調査中であり、詳しい持続期間は判明していません。

陰性の場合は過去に感染したことがあり感染性は低い、あるいは感染したことがない、陽性は感染してからある程度の時間が経っているものの感染性が残っている可能性があることを示します。

コロナの検査における検体の採取方法

コロナウイルスの検査によって使用する検体が異なります。鼻腔吸引液と鼻腔ぬぐい液が最も多く用いられています。

また、検査方法の中でも苦痛が少ない唾液の採取については、採用している医療機関が限られているため、事前に問い合わせておくことが大切です。

検体の採取方法について詳しく見ていきましょう。

鼻腔吸引液

容器に2本の吸引ポンプが差し込まれており、片方の吸引ポンプを鼻の最も奥まで挿入し、陰圧によって鼻腔咽頭分泌液を採取します。乳幼児に適した方法とされています。

鼻腔ぬぐい液

採取するための棒を鼻の底に沿って数cm挿入し、最も奥の数mm手前で止めた状態で棒の先に鼻腔咽頭から分泌される液を染み込ませる方法です。咽頭ぬぐい液と比べて採取できるウイルス量が多いとされています。

咽頭ぬぐい液

口の中にスワブを入れて、喉の最も奥や扁桃、口蓋に触れるように数回こすります。このとき、口蓋を跳ね上げるようにして上咽頭までぬぐうと良いとされています。鼻咽頭分泌液が少ない高齢者に向いているとされています。

痰は、個室で患者が容器に吐き出して、バスボックスに入れて提出します。唾液と同じく苦痛を伴いませんが、痰をうまく出せない場合には適していません。また、空気感染対策の観点から非推奨のため、多くの医療機関では他の採取方法が採用されています。

唾液

1~2ml程度の唾液を容器に吐き出します。飲食した場合は、歯磨きをしたうえで10分以上経過してから採取する必要があります。鼻腔ぬぐい液や咽頭ぬぐい液の採取には苦痛を伴う場合がありますが、痰や唾液であれば痛みや苦しさなどを感じることはありません。

ただし、唾液検査を行っている医療機関は限られているため、事前に問い合わせることが大切です。

症状がつらい、病院に空きがないならおうち病院「オンライン発熱外来」

新型コロナウイルスの感染を疑って検査をした結果、陽性だとしても発熱している場合は病院側が受け入れないケースが少なくありません。

また、受け入れ状況がひっ迫しているために断られることもあります。空きがあったとしても、倦怠感や咳などで病院を受診することがつらい場合もあるでしょう。

このようなとき、おうち病院「オンライン発熱外来」が役立ちます。非対面で医師の診察を受けることができるため、受診の負担を大きく軽減できます。症状がつらい、病院に空きがないといった場合は、おうち病院「オンライン発熱外来」をご利用ください。