糖尿病の検査は何科で受けられる?検査方法や自宅でできるセルフチェックを紹介

目次

糖尿病は初期の自覚症状がほとんどなく、気づいたときには重篤化してしまっている恐ろしい病気です。そのため、面倒と思っても、定期的に検査を受けて糖尿病であるかどうかを調べることが大切です。

今回は糖尿病の検査すべき理由、検査方法について解説するとともに、自宅でできる糖尿病セルフチェックを紹介します。

糖尿病の検査をすべき理由

糖尿病は早期発見により速やかに治療することが大切です。そのため、定期的に病院を受診して検査することをおすすめします。なぜ糖尿病の検査をすべきなのか、その理由を解説します。

自覚症状がなくて気づきにくい

厚生労働省の「平成28年「国民健康・栄養調査」の結果」によると、糖尿病は日本人の9人に1人という非常に多くの方が患っているとされています。

糖尿病は日本人にとってありふれた病気ではあるものの、実は初期に自覚症状がほとんどありません。糖尿病の自覚症状として代表的なものには以下のようなものがあります。

  • ・頻尿
  • ・口の渇き
  • ・ダイエットなどをしていないのに体重が減少する
  • ・常に空腹感がある
  • ・短期間で視力が著しく低下する
  • ・全身に倦怠感がある
  • ・怪我が治りにくい
  • ・風邪をはじめとした感染症にかかりやすい

これらの自覚症状は、糖尿病が悪化してから感じられるようになります。つまり、自覚症状が出る頃には、臓器の状態がかなり悪く、失明や血液透析直前の状態である恐れがあるのです。

このように、糖尿病は発症初期の自覚症状に乏しく、気づかないうちに進行する恐ろしい病気です。定期的に健康診断などの検査を受けて、早期発見することが将来の健康を守るために重要です。

糖尿病のリスクが高い人

糖尿病は多くの日本人がかかっている病気です。特に以下のような方は、糖尿病にかかるリスクが高いとされています。

  • ・40歳以上である
  • ・肥満体型である
  • ・若い頃と比べ、5kg以上体重が増えた
  • ・食生活に問題がある(特に高脂肪食傾向にある方)
  • ・高血圧を患っている

この中でも特に注意したいのが、年齢についてです。人間は誰でも歳を取るため、加齢はすべての人が抱える糖尿病のリスクであるといえるからです。

厚生労働省の「平成24年国民健康・栄養調査結果の概要」によれば、高齢者であるほど糖尿病の有病率が高まっているとされています。40歳代では男性1.4%、女性1.1%であるのに対し、60歳代になると男性20.7%、女性12.6%と大幅に糖尿病の割合が上昇しています。

このようなことから、40歳以上であれば、定期的に糖尿病の検査をすることが望ましいといえるでしょう。

糖尿病かどうか不安ならまずはセルフチェックを

「もしかしたら糖尿病?」と不安を感じたならば、まずはセルフチェックしてみましょう。以下に、簡単にできるセルフチェック項目をまとめましたので、参考にしてください。

すぐできる糖尿病セルフチェック

  • ・若い頃よりも明らかに太った
  • ・頻尿、尿量が多い
  • ・すぐに疲労を感じる
  • ・常に倦怠感がある
  • ・喉の渇きを覚えやすい
  • ・短期間で急に目が見えにくくなってきた
  • ・血縁者に糖尿病を患っている人がいる
  • ・食事しているのにすぐお腹が空いてしまう
  • ・しっかり食事しているのに、なぜか体重が減っている
  • ・味が濃くて脂っこいものばかり好んで食べてしまう
  • ・ほとんど運動をしなくなった
  • ・健康診断で血糖値が高いと言われた

もし1つでも当てはまる項目がありましたら、病院を受診して糖尿病の検査をしましょう。

糖尿病の検査は何科で受ける?

糖尿病の検査は内科・泌尿器科で受けられます。自覚症状として視力の低下があることから、眼科での検査も可能です。また、外科でも糖尿病の検査を受けられるケースがありますので確認してみましょう。

「自覚症状がある」「しっかり検査して欲しい」という場合は、糖尿病専門医が在籍する医療機関への受診がおすすめです。そのような医療機関であれば、「糖尿病科」「糖尿病内科」「内分泌代謝内科」といった、糖尿病に特化した診療科があるためです。

糖尿病かどうかを調べる検査の種類

糖尿病の検査には、血液検査と尿検査の2種類あります。血液検査のみ行うことも可能ですが、糖尿病であるのに発覚しない場合があります。また、詳しくは後述しますが、合併症の有無やリスクを知るためにも、特に理由がなければ血液検査・尿検査の両方行うのがおすすめです。

以下で、血液検査と尿検査それぞれについて解説します。

血液検査

血液検査では代表的なものに血糖値とHbA1c測定があります。

血糖値

血液中の糖の濃度を調べるのが血糖値です。血液は食事によって摂取した栄養を運ぶ役割があります。そのため、食事前後では数値が変動します。血糖値では、空腹時と食後2時間後の血糖状態を調べ、血糖値を下げるインスリンが正常に働いているかを確認します。正常に働いていない場合は、糖尿病が疑われます。

HbA1c

HbA1c検査では、1~2ヶ月の平均した血糖状態がわかります。血糖値の測定でわかるのは、採血時の血糖状態です。検査前に食事を中心に生活習慣を改善すれば、数値を下げることができます。しかし、HbA1cの数値は付け焼き刃の改善では変動しません。そのため、より正確に検査できます。

尿検査

尿検査では尿中アルブミンの数値を測定します。

尿中アルブミンとは、尿蛋白の主成分であり、健康な人の場合は尿中にごくわずかしか存在しません。しかし、腎機能が低下していると尿中の排泄量が増えます。そのため、糖尿病性腎症などの早期発見に役立ちます。

尿中アルブミンの数値が高い場合は、将来的な人工透析リスクが高まりますので、血液検査とともに必ず受けましょう。

糖尿病で薬物療法が必要となる基準

糖尿病の治療は、食事療法と運動療法により血糖コントロールすることが基本です。糖尿病を早期に発見できれば、食事に気をつけ適度な運動をすることで、健康的な日常を取り戻せます。

しかし、食事療法・運動療法を数ヶ月継続したものの、血糖値がうまくコントロールできない場合もあります。そうした場合は、薬物療法も並行して行い、糖尿病治療を進めていきます。

使用する薬は病態によって異なる

糖尿病の治療で使われる薬には、飲み薬と注射薬があります。どの薬を使用するかは、病態や合併症の有無などによって異なります。そのため、まずは検査によって病態を明らかにすることが大切です。

検査をしっかり行えば、医師が患者に合った糖尿病治療薬を処方してくれます。医師からの説明をしっかり聞き、自分が使う薬はどのような働きをするのか、どのようなことに注意すべきなのかを理解しておきましょう。そして自己判断で中断することなく、正しく使用して血糖コントロールを行ってください。

わからないことがあれば、医師・薬剤師に相談しましょう。

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糖尿病はセルフチェックによりリスクの有無がある程度わかります。しかし、自分で調べるのには限界がありますし精度は決して高くありません。初期の糖尿病の場合は、判別が非常に難しいことでしょう。

糖尿病の自覚がある、日常生活で不安があるといった場合は、必ず病院で糖尿病検査を受けましょう。検査を受ければ、糖尿病であるかどうかを明らかにできます。もし糖尿病であったならば、将来の健康のためにも前向きに治療を進めましょう。もし薬物療法が必要であると診断された場合は、医師からの説明をしっかり聞いて、治療薬について理解を深めておきましょう。

糖尿病の治療は継続することが何よりも大切です。薬が足りなくなったからといって、途中でやめることはとても危険です。しかし、「忙しくて病院に行けない」といった方もいらっしゃるかもしれません。

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