エクロックゲル5%とは?効果・副作用・保険適用・費用をわかりやすく解説

脇の汗が気になって、洋服の色や素材をずっと制限してきた方は多いのではないでしょうか。「今日も汗ジミが出ていないか」と気にしながら過ごす毎日は、思った以上に心の余裕を奪います。制汗剤を試してみたけれど効果が物足りない、もっと根本的に何とかしたいと感じていても、どこに相談すればいいかわからないまま時間が経ってしまっている——そんな方に知っていただきたいのが、エクロックゲルです。2020年に承認された日本初の保険適用脇汗塗り薬で、1日1回塗るだけというシンプルな使い方と、保険診療による費用負担のしやすさが特徴です。脇汗治療の選択肢として急速に普及しています。

この記事でわかること

  • エクロックゲル5%は原発性腋窩多汗症(脇汗)に保険適用の塗り薬
  • 1日1回、就寝前など決まったタイミングで腋窩に塗布するだけ
  • 3割負担の場合、薬剤費は約1,448円/本(20g)が目安
  • 副作用は皮膚炎・そう痒感などが主で、抗コリン性の副作用(口渇・散瞳)にも注意が必要
  • 閉塞隅角緑内障・前立腺肥大症がある方は使用できない
  • おうち病院の多汗症外来では、オンラインでエクロックゲルの処方相談が受けられる

エクロックゲル5%とは

エクロックゲル5%は、有効成分「ソフピロニウム臭化物」を含む外用抗コリン薬(ムスカリン性受容体拮抗薬)です。2020年9月に原発性腋窩多汗症(脇汗)の治療薬として日本で承認され、日本初の保険適用になった脇汗塗り薬として多汗症治療の現場に普及しています。

項目内容
一般名ソフピロニウム臭化物ゲル(Sofpironium Bromide Gel)
先発品名エクロックゲル5%
製造販売科研製薬株式会社
薬の分類外用抗コリン薬(ムスカリン性受容体拮抗薬)
保険適用✅ あり(原発性腋窩多汗症に適応)
承認対象部位腋窩(脇)のみ(手掌・足底・顔面への使用は承認対象外)
剤形ゲル剤(ボトルから直接塗布するタイプ)

ボトルから直接塗布するタイプのため、手を介さずに塗れる構造になっており、薬液が手に付着して目をこするリスクが低いとされています(塗布後は手を洗うことが推奨されています)。

エクロックゲルの対象となる原発性腋窩多汗症とは

多汗症とは、体温調節に必要な量を超えて大量の汗をかくことで日常生活に支障をきたす疾患です。大きく「続発性多汗症(病気・薬が原因)」と「原発性多汗症(原因が特定できない)」に分かれ、全多汗症患者の約95%が原発性とされています。

エクロックゲルの対象となる「原発性腋窩多汗症」は、原発性多汗症のうち脇(腋窩)に局所的に大量の発汗が生じるタイプです。

原発性局所多汗症の診断基準(日本皮膚科学会ガイドライン)

明らかな原因なく身体の一部で過剰な発汗が6ヶ月以上続いており、以下の6項目のうち2つ以上を満たす場合に診断されます。

  1. 初めて症状が現れたのが25歳以下
  2. 左右対称に発汗が現れる
  3. 睡眠中は発汗が止まっている
  4. 1週間に1回以上、多汗のエピソードがある
  5. 家族歴がある
  6. 多汗によって日常生活に支障をきたしている

参考:日本皮膚科学会「原発性局所多汗症診療ガイドライン 2023年改訂版」

腋窩多汗症は「洋服への汗ジミ」「臭いへの不安」など社会生活への影響が大きく、早期の治療介入が日常生活の質(QOL)改善につながります。

効果と作用機序

エクリン汗腺は交感神経からの指令(アセチルコリンによる刺激)を受けて汗を分泌します。エクロックゲルの有効成分であるソフピロニウム臭化物は、このアセチルコリン受容体(ムスカリン受容体)を皮膚局所でブロックすることで、汗腺への「汗を出せ」という信号を遮断します。

内服薬(プロバンサイン等)が全身の汗腺に作用するのに対し、エクロックゲルは塗布した腋窩に局所的に作用するため、全身性の副作用が内服薬と比べて起こりにくいとされています。

国内臨床試験では、12週間の使用で約77.3%の患者に高い発汗抑制効果が認められています(参考:エクロック添付文書)。

参考:エクロックゲル5% 添付文書(日経メディカル処方薬事典)

保険適用の範囲と費用

エクロックゲルの保険適用は、現在原発性腋窩多汗症(脇汗)のみです。手汗(手掌多汗症)や足汗、頭汗への使用は保険適用外となります。

項目金額
薬価(1gあたり)241.3円
薬価(20gボトル1本あたり)約4,826円
3割負担の場合(薬剤費のみ)約1,448円/本
※診察料(保険診療費の患者負担分)・オンライン診療手数料は別途かかります。薬剤費は処方量・保険種別により変動します。

正しい使い方

エクロックゲルは就寝前の一定のタイミングで継続して使用することが、効果の安定した発現につながります。標準的な使い方は以下の5ステップです。

手順内容
① タイミング就寝前(毎日決まった時間に塗布すると習慣化しやすい)
② 塗布適量をボトルから直接腋窩(脇)に均一に塗布する
③ 乾燥薬液が乾くまで衣類が触れないよう注意。塗布後は手をよく洗う
④ 翌日以降洗い流しは不要。翌朝シャワーや着替えのタイミングで通常どおり
⑤ 塗布部位腋窩のみ。顔・手・足などへの使用は保険適用外のため医師に相談

継続使用が効果の維持につながります。症状が改善しても医師の指示なく使用を中止せず、次の受診時に相談しましょう。

副作用と対処法

エクロックゲルは局所への外用薬ですが、皮膚症状だけでなく、有効成分の抗コリン作用による全身症状にも注意が必要です。

副作用頻度目安対処のポイント
皮膚炎(接触性皮膚炎)6.4〜10%程度発症した場合は使用を中止し医師に相談
そう痒感(かゆみ)報告あり搔破すると皮膚炎悪化のリスク。早めに医師へ
紅斑・刺激感報告あり軽度であれば様子を見つつ医師に報告
口渇報告あり(抗コリン作用)水分をこまめに摂取。症状強ければ医師に相談
散瞳・霧視報告あり(抗コリン作用)目に薬液が入らないよう注意。症状出たら眼科へ
排尿障害報告あり(抗コリン作用)排尿困難が出た場合は使用を中止し医師へ

参考:エクロックゲル5%添付文書、Carenet薬剤情報(エクロックゲル5%の効能・副作用

使用できない方(禁忌・慎重投与)

以下の方はエクロックゲルを使用できません。処方を受ける前に、必ず医師に現在の状態・服用中の薬をお伝えください。

禁忌・注意事項理由
閉塞隅角緑内障眼圧の上昇リスクがある
前立腺肥大による排尿障害排尿困難・尿閉が悪化するリスクがある
本剤成分への過敏症の既往アレルギー反応のリスクがある

慎重投与が必要な方(事前に医師へ要相談):

  • 他に抗コリン作用を持つ薬を使用中の方(作用が増強するリスク)
  • 腎機能・肝機能に障害がある方
  • 妊娠中・授乳中の方

ラピフォートワイプ・アポハイドローションとの違い

おうち病院では脇汗・手汗に対して複数の外用薬を処方しています。自分に合った薬を選ぶ参考として、3剤の違いをまとめます。

薬剤名主な適応部位剤形保険適用使用頻度
エクロックゲル5%脇(腋窩)ゲル(ボトル直塗り型)○(腋窩のみ)1日1回
ラピフォートワイプ2.5%脇(腋窩)ワイプ(不織布1枚使い切り)○(腋窩のみ)1日1回
アポハイドローション20%手のひら(手掌)ローション○(手掌)1日1回(就寝前)

同じ脇汗でも、エクロックゲルとラピフォートは「剤形・使い勝手」で選ぶことになります。ラピフォートは外出先での使用に便利な1回使い切りタイプ、エクロックゲルはボトルから直接塗布で日常使いしやすい点が特徴です。どちらが自分のライフスタイルに合うかは医師と相談して決めることをお勧めします。

こんなことで困っていませんか?

以下の状況に当てはまるものはないでしょうか。2つ以上当てはまる方は、エクロックゲルなど処方薬について医師に相談する価値があります。

  • 汗ジミが気になって洋服の色・素材を制限している 白・グレー・明るい色の服を避け、いつも同じような服しか着られない。
  • 1日に何度もインナーを着替えている 着替えの枚数が気になる、または職場・外出先で着替えられず不快感が続く。
  • 市販の制汗剤を使っても脇の汗・ニオイが気になる 市販品では対応しきれないレベルの発汗が続いており、もっと効果のある治療法を探している。
  • 仕事中・プレゼン中に汗ジミが気になって集中できない 「見られているかも」という意識が頭を離れず、本来のパフォーマンスを発揮しづらい。
  • 暑くない状況でも脇が常に湿っている 季節や気温に関係なく、座っているだけでも汗をかいている。

オンラインでエクロックゲルを処方してもらう ―「おうち病院 多汗症外来」という選択肢

おうち病院 オンライン多汗症外来の特徴

おうち病院では、多汗症(手汗・顔汗・脇汗・足汗)に対応したオンライン診療を提供しています。「汗が気になるため人との接触をなるべく避けたい」「忙しくて通うのが難しい」といった方には、おうち病院がとても便利です。「病院に行くほどのことでもない」と思いがちな悩みでも、医師に相談することで治療の選択肢が広がります。

おうち病院の特徴

✅ 自宅から受診できる

診察室に行かずにスマートフォン・PCから問診・診察が完了します。手汗・顔汗・脇汗・足汗の悩みを対面で話すことへの心理的なハードルも軽減できます。

時間通りに診察が始まる

予約した時間に診察が開始するため、仕事の合間にも受診を計画的に組み込むことができます。
・平日・土日祝日も朝8時〜夜22時まで診察可能

✅ 女性医師が丁寧に診察

おうち病院では診察時間を15分確保しています。医師は事前に問診票を読み込んで診察に臨むため、「脇の汗染みが恥ずかしい」「人前での汗が恥ずかしい」といった具体的な悩みを落ち着いて相談できます。

受診場所と薬の受け取り場所を分けられる

受診はスマートフォン・PCから自宅や外出先で行い、処方薬は自分が指定した薬局で受け取れます。
・処方せんは全国8,200店舗の薬局から選択し自動送信され、受け取り可能
・自宅配送「おくすりおうち便」を利用すれば、薬局に行く手間なし

受診費用の目安(保険適用)

費用項目金額
診察料(保険適用・初診)1,000〜1,200円
システム利用手数料1,100円
合計目安約1,900〜2,400円
※自宅への配送をご希望の場合は追加900円にて「おくすりおうち便」をご利用いただけます。
※薬代は別途。薬局での自己負担額は薬剤・保険の種類により異なります。

おうち病院 多汗症外来への受診の流れ

  1. おうち病院の多汗症外来ページから予約
  2. 事前問診票に回答(症状の部位・発汗の程度・日常への影響・試した市販品など)
  3. ビデオ通話で医師と診察(約15分・クイックな対応の場合には5分程度で完了)
  4. 処方薬を薬局に受け取りに行く、または自宅に配送してもらう

⚠️ 閉塞隅角緑内障・前立腺肥大症がある方は処方できません。問診票に正確に記載してください。

丁寧なサポートとアフターサービスも付いており安心してご相談いただけますので、ぜひこの機会に「おうち病院 オンライン多汗症外来」利用してみてください。

よくある質問(FAQ)

Q. エクロックゲルは手汗にも使えますか?

A.現在、エクロックゲルの保険適用は原発性腋窩多汗症(脇汗)に限定されています。手汗(手掌多汗症)への使用は保険適用外となるため、手汗にはアポハイドローションなど手掌に適応のある処方薬をご検討ください。どの薬が適切かは医師が診察のうえ判断します。

Q. ラピフォートワイプと効き方に違いはありますか?

A.エクロックゲル(有効成分:ソフピロニウム臭化物)とラピフォートワイプ(有効成分:グリコピロニウムトシル酸塩水和物)はどちらも抗コリン薬系の脇汗治療薬ですが、有効成分が異なります。作用機序は同じ「汗腺へのアセチルコリン刺激を遮断する」ですが、剤形の違い(ボトル塗布型 vs 1枚使い切りワイプ型)が使い勝手の差になります。どちらが自分に合うかは医師にご相談ください。

Q. 使い始めてすぐ効果が出ますか?

A.即効性よりも継続使用による蓄積効果が期待される薬です。臨床試験では数週間〜12週間にわたる継続使用で効果を評価しています。使い始めてすぐに大きな変化を感じられない場合も、医師の指示に従って継続してみましょう。

Q. 副作用が出た場合はどうすればいいですか?

A.皮膚炎・強いかゆみ・口渇・散瞳・排尿困難などが現れた場合は使用を中止し、速やかに処方した医師または医療機関に相談してください。おうち病院では、診療後24時間以内はアフターサポートのオンライン相談を無料でご利用いただけます。

Q. 市販の制汗剤と何が違いますか?

A.市販の制汗剤(デオドラント)は汗腺を物理的に塞ぐ成分(アルミニウム塩)が主成分で、医薬品ではなく化粧品・医薬部外品に分類されます。エクロックゲルは医師が処方する医療用医薬品で、汗腺への神経信号をブロックするという異なるメカニズムで作用します。一般的に処方薬の方が発汗抑制効果が高いとされていますが、薬には副作用のリスクもあるため、医師の診察のもとで使用することが必要です。

Q. おうち病院でエクロックゲルを処方してもらえますか?

A.おうち病院のオンライン多汗症外来でエクロックゲルの処方に対応しています(医師の診察・判断のもと)。禁忌に該当する方(閉塞隅角緑内障・前立腺肥大症)には処方できません。問診票で症状・既往歴を正確にお伝えください。

おうち病院の特化型外来

診療科目

その他一般科として、内科、小児科、皮膚科、循環器内科を受診いただくことが可能です。

診療科目(自費)