浮腫を放置するとどうなる?放置すると怖い病気の可能性

浮腫は、たかがむくみ(浮腫み)ではなく、重要な病気が隠れているケースがあります。また、軽い浮腫症状でも放置すると悪化する可能性もあります。

そのため、原因を見極め早い段階で対処する事が大切です。

本記事では、浮腫症状から考えられる病気と、放置するとどのような危険性があるかを解説します。自身の症状をよく観察し、参考にしてください。

浮腫とは?その原因と症状

浮腫とはどのような症状なのか、何が原因なのか、改めて確認してみましょう。

浮腫とは、体内の余分な水分や老廃物を上手く排出できず、体内の組織に溜まってしまった状態です。

原因としては、病気によるものから一時的なものまで様々ですが、血液とリンパ液の体内循環と排出が影響しています。

私たちの体は、血管を通して全身に酸素や栄養分が行き渡り、その後静脈やリンパ管を通して二酸化炭素や老廃物などが回収され、心臓に戻っていきます。しかし静脈やリンパ管には、自ら老廃物等を運ぶ力がほとんどありません。そのため、ふくらはぎなど主に足の筋肉がポンプの役割をして、下半身から上半身へと送りこみます。

しかし、何らかの原因で余分な水分が過剰に排出されず過剰に溜まってしまう、筋肉の衰えや長時間の同じ姿勢により足のポンプが上手く働かない、または血栓が出来てしまい血流が滞る、等の症状で体内に余分な水分や老廃物が溜まってしまうのです。

腫れとの違い

症状が似ていて混同されがちな腫れについて少し触れておきます。

体内に水分がたまってしまっている浮腫に対して、腫れは何らかの原因で一時的に体の一部に炎症が起きて、患部に血液が集まり膨張している状態を言います。

例えば怪我や虫刺されにより患部を治そうと免疫反応が働いて、血液が集まった結果膨張します。医学用語では腫脹(しゅちょう)と言います。

症状と原因

浮腫を引き起こす事柄や原因と症状について表にまとめました。

生活習慣等であれば見直しや工夫で改善できる可能性があります。病気が疑わしい場合は受診をおすすめします。

浮腫を引き起こす原因と症状

原因詳細主な症状
生活習慣や仕事など
ライフスタイル
・食生活の影響(塩分過多・タンパク質などの栄養不足)・運動不足・長時間の立ち仕事、または座位(デスクワーク)・ふくらはぎや足首が浮腫む・指を押すとくぼんで跡が残る・朝より夕方に浮腫む傾向がある・適度な運動を取り入れるなどの工夫で改善する
アレルギー反応・食品、化学物質、植物、ハウスダスト等の、アレルゲンに反応・アレルゲンを摂取または接触した直後に浮腫む・顔、手足、喉などに浮腫が表れ、かゆみや発疹を伴うことが多い
薬による反応・薬の副作用によるもの・原因となった薬を服用した後に浮腫があらわれる・薬を辞めると症状が改善される
自律神経の乱れや
ホルモンバランス
・女性特有のホルモンバランスによるもの(妊娠出産・月経など)・ホルモンバランスの乱れ(更年期障害・自律神経失調症など)・浮腫み体質・指を押してもパンパンで凹まず跡が残らない場合が多い・全身が浮腫む。特に顔や下肢。・体重増加、疲労感、倦怠感、冷え、寒がる、皮膚の乾燥、便秘、眠気、汗をかきにくい、など
内臓疾患心不全・心筋梗塞・腎不全・ネフローゼ症候群・糖尿病・慢性腎炎・肝硬変・肝炎・甲状腺機能低下症など・全身が浮腫む。特に顔や下肢・指を押すと凹み、長時間跡が残る・息切れ、倦怠感、体重増加・尿中のタンパク漏出
血管系疾患血管性浮腫など・指を押しても凹まず跡が残らない場合が多い・顔、手足など体の一部に急激に浮腫が表れる・お腹、気道など体の内部の浮腫による急激な発作を起こす場合がある

浮腫の放置による危険性

前述した表を見てもわかるように、浮腫には病気のサインが隠れている場合があります。

見落とさないよう、ご自分の症状をよく観察してみてください。

「気のせいかな」などと自己判断をして後回しにしたり、放置したりすると危険です。

浮腫を放置すると発見が遅れ命に関わる事も

浮腫を放置すると、重大な病気の発見が遅れるか、気付かないうちに進行している可能性があり危険です。心疾患や内臓疾患などは、治療は早ければ早いほど良いでしょう。

また、血管性浮腫は見落としがちなので危険です。

顔、手足など体の一部に急激に浮腫が表れ、2~3日で消えるのを繰り返すため、原因がわからず、見過ごしてしまう患者さんも多いためです。

気道や腹部(消化器官)に浮腫を起こして重大な発作を起こしても、浮腫と結びつくのはなかなか難しいです。気道では呼吸困難を引き起こし、腹部では胃痙攣等を引き起こします。

目安は急激にその症状が起こることですが、命に関わる発作が今度またいつ出るかわかりませんので、思い当たる場合はただちに診断してもらい、治療を開始しましょう。

浮腫には「通常の浮腫」と「血管性浮腫」がある

浮腫には、余分な水分や老廃物が上手く排出できず溜まってしまう通常の浮腫と、血管機能不全による、血管から水分や栄養分が過剰に染み出してしまう血管性浮腫があります。

血管性浮腫は危険であり、早めの発見と治療が大切です。なかでも遺伝性血管性浮腫は、前述したように体内に浮腫症状(発作)を引き起こすことがあり、命に関わる場合があります。

判断は難しいので、まずは受診する事をおすすめします。

「遺伝性血管性浮腫」の疑いがある時は絶対に放置しないで

遺伝性血管性浮腫の疑いがある場合は絶対に放置しないでください。

遺伝性の名の通り、生まれつき血管機能に欠損があり機能不全を起こしている状態です。今は軽い症状でも、大きな発作を起こす可能性もあります。

また、急激に浮腫が表れる、という予測できない事態も特徴なので、勤務先や学校、外出先でもしもの場合を想定して、その対象法などを医師から指導してもらう事が重要です。

治療では、発作を静める緊急治療のほか、発作をおこさないように症状をコントロールする継続的な治療を行います。

浮腫の原因を突き止め治療するには

浮腫の原因を探るためには何科を受診すれば良いのか解説します。無理のない範囲で受診できるところを選ぶ参考にしてください。

浮腫専門の医療機関を受診する

まずは浮腫外来か内科を受診すると良いでしょう。

浮腫の原因が明確に想像できる場合は、病気や原因により婦人科、アレルギー科、内科、循環器内科、消化器内科、腎臓内科などがありますが、よくわからない場合はまずは内科か浮腫外来で大丈夫です。

後に必要に応じて専門医を紹介してもらえます。

オンラインクリニックを受診する

通常の内科や浮腫外来クリニックの、オンライン枠窓口や、オンライン専用クリニックの浮腫外来を受診するのも良いでしょう。

血液検査等が必要で、キットが送られてくるシステムがない場合は初回のみ通院が必要ですが、オンラインで受診可能なクリニックがあります。

特に、継続的な治療は、処方箋と経過観察などのためオンラインで対応可能です。

(ただし、遺伝性血管性浮腫の場合、自宅での皮下注射治療に伴う医師の注射のトレーニングが必要です)

血管性浮腫の治療なら、おうち病院「オンライン血管性浮腫外来」

血管性浮腫の治療なら、おうち病院「オンライン血管性浮腫外来」がおすすめです。血管性浮腫専門の医師が担当しますので、安心です。

具体的な症状を踏まえて、浮腫に関する知見の豊富かつ最適な医師とお繋ぎします。

多忙でなかなか通院時間がとれずに放置しがちな方、病院が遠くて通院が困難な方などは、スキマ時間をネットで予約できるので便利です。移動時間や受付で待たされる時間などの通院のわずらわしさがありません。処方箋は、お住まいの地域の薬局薬店でお受け取りいただけます。

空き時間をスマホで予約し、お時間になったらお好きな場所から受診できます。ネット環境と電源だけは整えておいてください。

また、浮腫の症状が重くて病院に行くのもつらいと感じている場合も、外に出る必要がないのでおすすめです。

浮腫は放置せず正しい対処を

浮腫は、様々な症状があり、場合によっては大きな病気のサインが潜んでいる可能性がある事を解説してきました。放置すると命に関わる危険性があることもわかりましたね。

浮腫で悩んでいるなら、放置せず迷わず病院へ行きましょう。後回しにしては絶対にいけません。

浮腫の原因を突き止めた上で、正しい対処が必要です。

また、症状から考えて血管性浮腫の疑いがあるなら、ただちに受診しましょう。

血管性浮腫の治療は血管性浮腫専門医師をご紹介します。