脇の多汗症とは
脇の多汗症は、汗の原因が糖尿病や更年期障害といった持病に関わらない場合、別名「原発性腋窩(えきか)多汗症」といいます。気温が高い、激しい運動をした、緊張しているといった汗をかきやすい状況ではない時に、脇から大量の汗がでる病気です。脇の多汗症の人は6か月以上にわたって脇の汗が多いほか、次の特徴がみられます。
・最初に症状がでたのが 25 歳より前
・左右対称に汗をかく
・眠っているときは脇汗をかかない
・1 週間に 1 回以上、脇汗の量が多いと感じた記憶がある
・家族に多汗症の人がいる
・脇汗が原因で生活に困っている
また、脇から臭いが発するワキガと混同されがちですが、多汗症が原因でワキガを発症することはありません。脇の臭いが気になる場合、耳垢が湿っていたり、シャツに黄ばみが付いたりする人はワキガの可能性が高いです。

脇の多汗症の症状
脇の多汗症は、多くの人が思春期あたりに症状を自覚するようです。洋服の脇下部分に汗染みができて人目が気になったり、汗が脇をつたう感覚が不快だったり、汗が冷えて寒気を感じたりします。
また大量の脇汗をかくことで、あせもができる場合や、汗が溜まって水疱ができる、汗が原因で皮膚が擦れやすくなり擦り傷ができるといった合併症を伴う危険性があります。
脇の多汗症の発症率は全国で3.7%と、日本には約260万人の患者がいると推測されますが、「ただの汗」と病院に行くのを避けてしまうのか受診している人は患者の内5%未満しかいません。脇の多汗症に悩む人は、脇下のパッドや制汗スプレーなどを買い年間1万円ほどかかっているという調査もあります。
脇の多汗症の原因
脇の多汗症の原因は分かっていません。しかし、多汗症ではない方と比べても汗腺の数や大きさに違いがないため、汗腺の働きが異常になっていると考えられています。脇は皮膚の近くに太い血管が通っており、体温調節がしやすく脳が汗の分泌を促しやすいです。また、全身に比べて汗を出す体温が低いことが分かっていて、腕を閉じた状態だと汗が蒸発しづらく汗染みが目立ってしまう場合が多いようです。
脇の多汗症の治療法
治療については、薬の服用が一般的です。錠剤タイプの飲む薬と脇に直接付ける塗り薬のタイプがあります。脇に注射を打つボツリヌス毒素局所注射や、機械を使った治療もあります。重症の人は手術を希望することもできます。
脇の多汗症の薬
脇の多汗症と診断された場合には以下の薬が処方されます。重症度と患者の希望によって処方内容が変わります。
【塗り薬】
・ラピフォートワイプ2.5%

・エクロックゲル5%

・抗コリン外用薬
・塩化アルミニウム外用薬(保険適用なし)
【飲み薬】
・抗コリン薬
【注射薬】
・A型ボツリヌス菌毒素製剤(重度の場合)
脇の多汗症の対策
一番の対策は病院を受診して薬の処方を受けることですが、日常生活で対策できることとしては次のものがあげられます。
・脇のケアの習慣をつける
こまめに汗を拭くことで皮膚の擦り傷などの合併症を防ぐことができます。また、脇を濡らしたタオルで冷やすと体温が下がるので汗をかきづらくなります。
・精神安定に努める
緊張すると脳が汗を分泌しようとするので、精神的に不安を感じる場面は避けることが大切です。ストレスは溜め込まないようにし、睡眠もしっかり取りましょう。
・制汗剤などを利用する
ドラッグストアなどで売っている汗拭きシートや制汗スプレーも一時的に汗を抑えることができると言われています。一部の漢方薬でも汗が出づらくなる例があるようです。汗染みが気になる場合には脇下パッドの使用で服に汗が付くことを防げます。

まとめ
普段、通学や通勤時に脇の汗染みが気になっているという方、人よりも脇の汗が出やすいと感じている方は脇の多汗症の可能性があります。「汗の相談では病院に行きづらい」、「人に話すのが恥ずかしい」という思いもあるかもしれませんが、生活に不便を感じている方は受診することをおすすめします。
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