健康診断で血糖値が高い原因とは?リスクや対策を解説

健康診断で血糖値が高く出てしまい、病院に行くべきか悩む人がいるのではないでしょうか。また、血糖値が高く出たことでどう対処すべきか悩んでいる人もいるかもしれません。 本記事では、血糖値が高く出る理由や、リスク・対策を解説します。

目次

健康診断で血糖値が高く出てしまい、病院に行くべきか悩む人がいるのではないでしょうか。また、血糖値が高く出たことでどう対処すべきか悩んでいる人もいるかもしれません。

本記事では、血糖値が高く出る理由や、リスク・対策を解説します。

健康診断で血糖値が高い原因

健康診断で血糖値が高い原因は、インスリンが関係しています。インスリンの分泌が不足したり、分泌されたインスリンが作用しなくなったりすると、血糖値が高くなります。

これらの背景には、ストレス過多や肥満、運動不足や食生活の乱れなどが関係しているため、日常生活の中で対策が必要です。

健康診断で血糖値が高い場合の症状

健康診断で血糖値が高い状態の場合、おもに以下の症状が起こる可能性があります。

  • ・喉が渇く
  • ・体重が減る
  • ・疲れやすくなる
  • ・尿量が増える

放置すると、意識障害などに発展する場合もあるでしょう。上記症状が起こった場合は、速やかに医療機関を受診してください。

健康診断で血糖値が高い状態を放置するリスク

血糖値が高い状態を放置すると糖尿病になるリスクがあります。また、糖尿病以外の合併症も起こるリスクもあります。おもな合併症は以下の通りです。

  • ・動脈硬化
  • ・糖尿病腎症
  • ・糖尿病網膜症
  • ・糖尿病神経障害

いずれも放置すると、重篤な疾患に発展します。最悪の場合、死に至るリスクがあるため、早期発見・早期治療が必要です。

動脈硬化

動脈硬化とは、プラークが形成されることで動脈の壁が厚くなり、硬くなる状態です。原因は、脂質異常症や高血圧、喫煙やメタボリックシンドロームなどが挙げられます。これらの状態を放置すると、動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳梗塞などへ発展します。

心筋梗塞や脳梗塞に発展する前に、血糖値をコントロールしつつ、高血圧や脂質異常症を治療しなければなりません。

糖尿病腎症

糖尿病腎症とは、糖尿病患者の慢性合併症の1つです。初期段階では、自覚症状がほとんどないとされていますが、進行するにつれて貧血・高血圧・むくみなどが起こります。これらの症状を放置すると、腎不全が起こり、最終的には人工透析が必要になります。

人工透析の原因疾患として、最も多いのが糖尿病腎症です。毎年1万人以上の患者が人工透析を始めています。

糖尿病網膜症

糖尿病網膜症とは、目の網膜に起こる障害です。血糖値が高い状態が続くと、目の網膜に広がる毛細血管がダメージを受け、失明につながります。

糖尿病網膜症の初期段階では、薬による治療が可能です。しかし、症状が進行していくと、手術などが必要になる場合があります。

糖尿病神経障害

糖尿病神経障害とは、運動神経や知覚神経、自律神経に影響が出る障害です。運動神経が障害を受けると、視界に映るものが二重に見えたり、歩行が難しくなったりします。

知覚神経が障害を受ける場合、痛みや寒さなどが感じにくくなる一方で、不快な痛みが生じるようになります。

自律神経が障害を受ける場合、立ちくらみ・下痢・便秘・発汗異常・排尿異常・インポテンスなどが起こるのが特徴です。重症になると、昏睡状態に陥り、死に至ることもあります。

健康診断で血糖状態を評価する際の検査方法

健康診断で血糖状態を評価するためには2つの方法があります。

  • ・血糖理測定
  • ・HbA1C測定

それぞれの役割について、詳しく解説します。

血糖値測定

空腹時の血糖値を測定し、100〜109mg/dlの場合、正常値とされています。一方で、空腹時の血糖値が110〜125mg/dlの場合は正常範囲を超えており、糖尿病または糖尿病予備群とされます。

また、空腹時の血糖値が126mg/dl異常の場合は、糖尿病の可能性が極めて高いです。速やかに医療機関を受診しましょう。

HbA1C測定

血糖評価を行う際は、血糖値測定に加え、HbA1C測定を行う必要があります。HbA1Cとは、過去2ヶ月程度の血液中における糖分の状態を評価する1つの指標です。

血糖値の場合、測定する前の日から食生活を変えることで、値が調整できます。一方で、HbA1Cの場合は、直近2ヶ月の血糖の状態を評価できます。そのため、より正確な血糖評価ができるのが特徴です。

HbA1Cが6.5以上の場合は、糖尿病の可能性がありますが、自覚症状はないとされています。一方で、HbA1Cが8以上の場合、心臓・脳・神経・目・腎臓などに合併症が起こる可能性が上がります。

HbA1Cが10以上の場合は、血糖値が極めて高い状態であり、早期治療が必要です。場合によっては、インスリン注射や入院による治療が必要になるケースがあるでしょう。

HbA1Cが12以上の場合は、尿量が多くなったり、喉が異常に渇いたりといった症状が起こり始めます。また、ケトアシドーシスと呼ばれる糖尿病急性合併症が引き起こされる可能性があります。

その結果、インスリン注射や入院による治療が必要になる場合があるでしょう。

健康診断で血糖値が高い場合の治療方法

健康診断で血糖値が高い場合は、医療機関を受診し、状態に応じて以下4種類の薬を服用する必要があります。

  • ・インスリンを出しやすくする薬
  • ・インスリンを効きやすくする薬
  • ・糖の吸収や排泄を調整する薬
  • ・配合薬

症状によって、インスリンの分泌を促したり、インスリンの抵抗性を改善したりしなければなりません。また、糖の吸収を遅らせ、血糖値の急激な上昇を抑える必要があります。

いずれも医薬品であるため、副作用が発生します。薬によっては下痢や悪心、むくみや便秘などが起こるでしょう。医師の指示のもと、正しい方法で服用してください。

健康診断で血糖値が高い状態にならないための食事のコツ

健康診断で血糖値が高い状態にならないためのコツは、普段の食事を工夫することです。

おもなコツは以下4つです。

  • ・糖質の低い食べ物を食べる
  • ・よく噛んで食べる
  • ・食べる順番を工夫する
  • ・糖質を多く含む飲み物を控える

いずれも、普段の食生活で実践できる方法です。パートナーや家族にも相談し、協力してもらいながら、ぜひ積極的に取り入れてみてください。

糖質の低い食べ物を食べる

白米やパン、麺類などを多く食べると、血糖値が上がりやすくなります。そのため、白米のかわりに食物繊維を含んだ玄米やもち麦を食べたり、全粒粉を使用したパンや麺類を食べたりすることをおすすめします。

よく噛んで食べる

よく噛んで食べることで、唾液に含まれる唾液アミラーゼやインスリンの分泌が促進されます。これにより、少ない食事量でも満腹中枢が刺激され、満腹感が得られます。そのため、食べ過ぎが防止しやすくなるでしょう。

なるべく歯ごたえのある野菜などの食材を取り入れ、咀嚼回数を増やす工夫をすることもおすすめです。

食べる順番を工夫する

最初に白飯などから食べると血糖値が上がりやすくなります。一方で、最初に食物繊維を含む野菜から食べることで、糖質の吸収が穏やかになります。

たとえば、定食を食べる際にも、つけあわせの野菜や漬物、和え物などを先に食べるようにしましょう。

糖質を多く含む飲み物を控える

ジュースなどの甘い清涼飲料水に含まれる糖質は多いです。血糖値を上げないためにも、なるべくジュースを控えることをおすすめします。普段好んで飲むジュースのラベルを確認し、糖質がどのぐらい含まれているかを把握しておくことも大切です。

健康診断で血糖値が高い状態にならないための対策

血糖値の上昇を防ぐための対策として、日々の生活習慣を改善することが重要です。その中でも特に大切なのは、運動習慣を定着させることです。ウォーキングなどの有酸素運動や筋力トレーニングを日常的に行うことをおすすめします。

その他にも、エレベーターを使用せず階段を使用したり、いつも降りる駅より1つ手前で降りて歩いたりなどの工夫も効果的です。積極的に運動する習慣を身につけましょう。

健康診断で血糖値を測定する際には低血糖にも気をつけよう

血糖値は「高くなければ良い」というわけではありません。たとえば、血糖値が70mg/dl以下になると、交感神経が刺激されます。その結果、ふるえや冷や汗、動悸などが起こる可能性があります。

また、血糖値が50mg/dl未満になると、脳がエネルギー不足になって頭痛やめまいが起こる可能性があるでしょう。また、痙攣が起きたり、意識を失ったりすることも起こりえます。血糖値を上げ過ぎない工夫だけでなく、低くし過ぎない工夫をすることも大切です。

健康診断で血糖値が高い人は「健診サポート」の利用がおすすめ

血糖値が高い状態を放置すると、糖尿病に付随してさまざまな合併症が起こります。

最悪の場合、重篤な健康被害が生じ、死に至ることもあるでしょう。

とはいえ、家事や仕事などで忙しく、なかなか医療機関を受診できずに悩んでいる人もいるかもしれません。また、そもそも病院にかかるべきかどうか悩んでいる人もいるでしょう。

そこでおすすめなのが、おうち病院「検診サポート」です。健康診断の結果でお悩みの人が、自宅にいながら専門医に相談でき、さまざまなアドバイスが受けられます。

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