口唇ヘルペスはウイルスによって発症する病気である一方、ニキビは皮膚の炎症によって発生するものだといえます。どちらも比較的、発症者の多い病気の一種であるものの、明確な違いがわからないという方もいるのではないでしょうか。
そこで、本記事では口唇ヘルペスとニキビの発生原因から対処法にいたるまで詳しく解説していきます。
「できものがあるが、ニキビか口唇ヘルペスかわからない」「ヒリヒリ感が続いてるので、すぐに判断してほしい」という場合は、おうち病院の『オンラインヘルペス外来』を活用してみましょう。
目次
口唇ヘルペスとニキビの違い:発生原因
口唇ヘルペスもニキビも顔面に発症するものであり、口唇のみで言えば見分けの判断がつきにくいケースも少なくありません。
ここからは口唇ヘルペスとニキビの違いについて、発生原因の観点から見ていきましょう。
口唇ヘルペスの原因は「ヘルペスウイルスの活性化」
口唇ヘルペスは、ヘルペスウイルスに感染することで発生します。ウイルスに感染した時点では無症状であることが多く、免疫力が低下した際にウイルスが活性化するという仕組みです。
また、完全にウイルスを除去することが現代の医療ではできないため、再発防止やウイルスを抑制するしか手段はありません。加えて、非常に感染しやすく日本では10人に一人、世界では4億人程度がヘルペスウイルスを保有していると言われています。
ニキビの原因は「毛穴の炎症」
ニキビは皮脂が毛穴に詰まることによって、アクネ菌が増殖し皮膚が炎症することによって発生します。皮脂に関しては、通常のサイクルであれば毛穴に詰まるケースは少ないものの、ストレスや睡眠不足、強い刺激などによって過剰に分泌されて詰まるという流れです。
皮膚の細胞が剥がれ落ちて作り直されるサイクルは28日(ターンオーバー)と決まっており、その流れが上手くいかない場合も皮脂が毛穴に詰まりニキビの発生につながります。
口唇ヘルペスとニキビの違い:効果的な治療薬
口唇ヘルペスはヘルペスウイルス、ニキビはアクネ菌や皮膚の炎症に対してアプローチを行っていくことになります 。
ここからは口唇ヘルペスとニキビの効果的な治療薬の違いについて見ていきましょう。
口唇ヘルペスの治療薬は「抗ウイルス薬」
口唇ヘルペスは抗ウイルス薬によって治療します。軽症から重度と症状の重さが違ったとしても、使用する治療薬に大きな違いはありません。
使用する主な治療薬
ニキビは塗り薬か抗菌薬・漢方薬内服
ニキビは塗り薬か抗菌薬・漢方薬の内服によって治療を行います。症状が軽ければ塗り薬が処方され、炎症が強く出ている場合などには抗菌薬・漢方薬を使用するケースが多い傾向です。
使用する主な治療薬は以下の通りです。
口唇ヘルペスとニキビの違い:症状
ここからは、口唇ヘルペスとニキビの症状の違いについて詳しくみていきましょう。
例として、水ぶくれの有無、跡が残るかどうかなどの違いがあります。
口唇ヘルペスは水ぶくれがある
口唇ヘルペスは、前兆として軽い痛みや違和感、かゆみが発生します。また、最大までウイルスが活性化した場合は水ぶくれが必ず発生する点が特徴の1つです。水ぶくれを破った場合には、他の部位に感染が拡大する可能性がある点にも注意が必要だといえるでしょう。
最大までウイルスが活性化した場合であっても、規則正しい生活や時間の経過によって症状が収まる点は知っておきましょう。ただし、ウイルスが体内から除去されることがないため、再発を繰り返します。
ニキビは中心に白い芯がある
ニキビは毛穴に皮脂が詰まり、炎症する状態のことを意味し、次のような段階があります。
段階1.皮脂の多い部分の毛穴に対して、皮脂が溜まり始める
段階2.皮脂が多くなったことによって毛穴が塞がり、アクネ菌が増殖し始める
段階3.アクネ菌が増殖することによって炎症を起こす
段階4.炎症を起こした後に化膿し、自然治癒するが跡が残る
段階5.クレーター状に凹んでしまった場合は直す手術が必要になる
化膿する段階まで進むケースは少ないものの、場合によっては目立つ場所にニキビ跡が出来てしまうケースも少なくありません。そのため、ニキビ跡を作りたくない・ニキビの数の多さに悩んでいるという場合は医師の診断を早めにうけることを推奨します。
ニキビの症状を発見した場合であっても、潰すのは推奨できません。炎症物質が周りに広がるだけでなく、より悪化する可能性があるためです。
口唇ヘルペスとニキビの違い:対処方法
ここからは口唇ヘルペスとニキビの対処方法の違いについてみていきましょう。どちらも口唇にできるケースはあるものの、明確に発生原因が異なるため、対処方法も大きく変化します。
また、口唇ヘルペスに効果的な対処方法がニキビに対して効果的とは限りませんが、規則正しい生活やバランスのよい食事、ストレスの軽減によって発生頻度を抑えられる点は把握しておきましょう。
口唇ヘルペスの対処方法は「抗ウイルス薬の塗布・服用」
口唇ヘルペスの場合は、症状が軽ければ塗り薬の塗布でも治療可能です。しかし、重症となった場合は、抗ウイルス薬を服用するしか方法がありません。また、免疫力が下がることによって発症しやすくなることから、規則正しい生活やストレスを軽減する趣味や運動なども大切になります。
再発の頻度などに悩む場合は、医師に相談した上で予兆を感じた段階で抗ウイルス薬を服用しましょう。
ニキビの対処方法は「肌ケアや生活習慣」
ニキビは皮脂の詰まりによって発生する皮膚の炎症です。口唇ヘルペスとは異なり、、ニキビ薬で完治させることができます。
さらに、皮脂の詰まりが発生しにくい箇所に次のようなケアを行うことによってある程度防ぐことが可能です。
・洗顔を行う場合は、こすりすぎず優しく洗う。また、乾燥をさけるため、乳液や化粧水など必要なものを使用する
・肌に触れるものを極力清潔に保つ。例えば、シーツや枕カバーなどの定期的な清掃なども効果的
・規則正しい生活やバランスの良い食事を心がける
ニキビは、口唇ヘルペスのように免疫力が下がった場合に発生するものではありませんが、規則正しい生活やバランスの良い食事によってストレスや胃腸の負担を軽減することがニキビの予防につながります。
自己判断による見分けは要注意!自信がなければ迅速に医療機関へ
ニキビの場合は白い芯が炎症の中心にあり、ヘルペスの場合は水ぶくれが集まってできることから芯はありません。そのため、厳密には見た目にも違いがあるといえます。
しかし、適切な治療方法や治療薬も違うため、自己判断による見分けにはリスクが伴います。
例えば、スキンケアを徹底していて今までニキビがなかったのに、風邪を引いたら口唇付近にできものができとしましょう。
この場合はヘルペスである可能性が高いものの、複合して発症するケースもありえます。適切な判断と治療ができなければ範囲が広がってしまう可能性があります。また、水ぶくれができている場合には迅速な抗ウイルス剤の服用が大切です。
適切かつ速やかな治療のためにも、できる限り自己判断は避け、医師の診断で塗り薬や内服薬を使用することを推奨します。
まとめ
ヘルペスとニキビは似ているようで全く異なる病気だといえます。
ヘルペスの場合は抗ウイルス剤でしか治療できませんが、ニキビは炎症を抑える塗り薬や内服薬、抗菌剤・漢方薬など幅広い治療薬が効果を発揮できます。
どちらも口唇付近にできるケースが多いものの、判断ができない場合は医師への相談を行い対処することが大切です。
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