花粉症は病院での治療がおすすめ!受診する診療科と行く基準や治療法を解説

「花粉症でも病院に行くべき?」「花粉症って何科に行けばいい?」「病院ではどんな治療をするの?」と疑問を感じている方は多いのではないでしょうか。 そこで今回は、花粉症で病院に行くべき理由、花粉症を診てくれる診療科、病院での治療について解説します。

目次

花粉症はアレルギー性疾患のひとつで、花粉症によってくしゃみ・鼻水・鼻詰まりなどの症状が引き起こされます。市販薬でも症状を抑えることはできるものの、症状がひどく病院の受診を検討されている方も少なくありません。

しかし、「花粉症でも病院に行くべき?」「花粉症って何科に行けばいい?」「病院ではどんな治療をするの?」と疑問を感じている方は多いのではないでしょうか。

そこで今回は、花粉症で病院に行くべき理由、花粉症を診てくれる診療科、病院での治療について解説します。

花粉症の原因と症状

花粉症とはスギやヒノキをはじめ、さまざまな植物の花粉が原因で引き起こされるアレルギー性疾患です。1年の内、特定の花粉が飛ぶ季節に発症することから、季節性アレルギーとも呼ばれます。

アレルゲン(アレルギーの原因物質)となるスギなどの花粉が目や鼻から入ると、体内に抗体が作られます。この抗体は花粉が粘膜に接触するたびに作られていき体内に蓄積します。抗体の蓄積が一定以上になると、くしゃみや鼻水、目のかゆみや充血などの花粉症の症状を引き起こしてしまいます。

花粉症を引き起こす花粉の種類

花粉症の原因となる花粉は、スギやヒノキだけでなくさまざまなものがあります。その種類や飛ぶ季節を把握しておくことが、花粉症対策では大切です。以下で、花粉症を引き起こす代表的な花粉の種類や季節を紹介します。

  • スギ:冬から春にかけて飛散
  • ヒノキ:冬から春にかけて飛散
  • カモガヤ:春から夏にかけて飛散
  • ブタクサ:夏から秋にかけて飛散
  • ヨモギ:夏から秋にかけて飛散
  •  ススキ:夏から秋にかけて飛散

他にも、花粉症の原因となる花粉は存在します。ある時期になると「くしゃみや鼻詰まりしやすい」と感じているようでしたら、病院にてアレルギー検査を行い、その原因を調べることをおすすめします。

花粉症の症状

花粉症の症状は主に鼻や目に現れます。鼻の三大症状とされるのが、「くしゃみ」「鼻水」「鼻詰まり」で、目の三大症状とされるのが、「目のかゆみ」「充血」「涙」です。

他にも、皮膚症状として「花粉症皮膚炎」、全身の症状として、身体のだるさや熱っぽさ、喉や首のかゆみ、集中力の低下やイライラなどの症状があります。

風邪の症状との違い

花粉症はくしゃみ、鼻水、鼻詰まりといった鼻の症状があることから、風邪と間違われることも少なくありません。しかし花粉症と風邪では、症状にいくつか違いがあります。

たとえば、風邪のくしゃみは冷たい空気を吸い込んだときなどに1~2回出る程度で、連発して何度も出ることは稀です。しかし花粉症の場合は、くしゃみを何度も連発することが多いという違いがあります。

鼻水の色も、風邪の場合は黄色っぽい色をしていることがありますが、花粉症の場合は無色透明でサラサラしているのが特徴です。

また、風邪の場合は風邪薬を飲んで安静にしていれば、数日~1週間程度で症状が改善することがほとんどです。しかし花粉症の場合は、アレルゲンである花粉が飛散している期間はずっと症状が続きます。

このように、花粉症と風邪では似ているようでさまざまな違いがありますので、どちらなのか迷った時はご参考にしてください。

花粉症で病院を受診するべき理由

花粉症は市販薬で症状を抑えることもできますが、より効果的に対策・治療を行うならば病院を受診するのがおすすめです。なぜ病院を受診した方がよいのか、その理由を解説します。

原因となる花粉の種類を検査で明らかにするため

病院で血液検査を行えば、どの種類の花粉が症状を引き起こす原因となっているのかがわかります。

花粉はその種類によって飛散しやすい時期や地域が異なります。そのため、自分にとってどの花粉がアレルゲンなのかがわかれば、飛散しやすいタイミング・場所を調べた上で、花粉避け対策を行えるようになります。

また、アレルギー性疾患の症状は、粉塵やダニ・昆虫など、花粉以外がアレルゲンとなり引き起こされているケースもあります。「1年中花粉症のような症状が続く」という場合は、実は花粉ではなく、その他のアレルゲンが原因となっている可能性があります。

検査によって、アレルゲンが花粉なのか、それともその他のものなのかを正しく知れば、正しく対策が可能です。

自分にとってアレルゲンとなる花粉が飛散する時期には、マスクやメガネを着用し、花粉と接触する機会を減らせれば、花粉症の症状を軽くできるでしょう。また、その時期に合わせて病院で薬を処方してもらえば、つらい症状をそれほど感じずに過ごすことも可能です。

「花粉症かも」と思ったら、アレルゲンを特定するためにも、まずは病院で検査を行うことをおすすめします。

早めの治療が重要であるため

花粉症は症状が出始めた段階から治療を行うことで、症状をより抑えやすいとされています。そのため、アレルゲンとなる花粉が飛散し始める時期に治療を始めるのがおすすめです。

事前に病院にて検査をしておけば、どの花粉の種類がアレルゲンであるかわかります。医師からも、治療を始めるタイミングをアドバイスされますので、早めの治療を始めやすくなります。

症状や体質に合ったお薬が処方される

病院では診査診断を行った上で、患者の症状に合ったお薬が処方されます。

市販薬の場合、花粉症のさまざまな症状を抑えるように調合されていますが、処方薬の場合は「くしゃみ」「鼻水」など、特定の症状をピンポイントで抑えられます。そのため、市販薬を買って自力で治療するよりも、より効果的に症状を抑えやすい傾向にあります。

薬効面でいえば、一般的に市販薬は副作用リスクを減らすために、処方薬より成分量を少なくしていることがほとんどです。そのため、処方薬の方が症状を緩和しやすい傾向にあります。しかし、花粉症薬に関していえば、やや事情が異なります。アレグラやアレジオンといった薬局で購入できる花粉症の市販薬は、処方薬と同量の成分が含まれています。そのため、両者では効き目や副作用に違いはありません。

ただし、処方薬は医師の指導のもとでお薬を使用できるメリットがあります。強い副作用があれば、患者の体質も考慮して同等の薬効がある別のお薬に変更することが可能です。また、花粉症薬は長期的に使用するため、ジェネリック医薬品を選択できる処方薬の方が費用面でもメリットがあります。

自分の症状や体質に合った花粉症薬で治療するのであれば、費用面も含めて、病院を受診して処方薬をもらう方がおすすめであるといえるでしょう。

花粉症で病院に行くべきか判断する基準

花粉症では、病院で検査をしてアレルゲンとなる花粉の種類を特定し、なるべく早く治療することが症状を悪化させないポイントです。とはいえ、市販薬でもある程度、症状が抑えられることから、病院を受診すべきかどうか迷っている方も多いかもしれません。

以下では、花粉症で病院に行くべきか判断する基準について解説します。

症状に関する基準

花粉症の原因となる花粉は、さまざまな種類が1年中飛散しているため、人によっては春から秋など長い時期にかけて症状が出ることもあります。下記のような症状がいずれか一つでも、1~2週間以上続くようであれば、病院の受診を検討してみましょう。

  • 鼻の症状:くしゃみ、鼻水、鼻詰まり等
  • 目の症状:かゆみ、充血、目やに、異物感、涙目等
  • 喉の症状:乾いた咳、喉の痛み・かゆみ、イガイガする感じ等
  • 皮膚の症状:かゆみ、赤み、湿疹等
  • 全身の症状:だるい、頭が重い、頭痛、集中力の低下等

その他の基準

上記以外にも、病院を受診した方がよい基準として以下のようなものがあります。

  • 市販薬の効果を感じられない
  • 妊娠中・授乳期などで市販薬の使用に不安を感じている
  • 呼吸困難や喘鳴などの重度の症状が出ている
  • 花粉症以外のアレルギー性疾患の疑いがある

花粉症で病院に行くなら何科を受診すべき?

花粉症で病院を受診する場合、どこに行けばいいのかわからないという方も多いことでしょう。ここでは、花粉症についての診療を受けられる診療科について解説します。

内科

内科は、外科的な治療を必要としない病気のほとんどを診療しています。子供でも受診可能ですが、基本的には15歳以上の人を対象にした診療科です。

風邪はもちろんですが、花粉症を始めとしたアレルギー性疾患の治療も行っています。花粉症の検査も可能なので、花粉症を疑っている方が初めて受診する診療科目としておすすめです。

耳鼻科

耳鼻科は耳・鼻・喉や脳と目を除く鎖骨から上の病気の治療を行う診療科です。

くしゃみ、鼻水、鼻詰まりといった花粉症の症状でつらい場合は、耳鼻科で診てもらうのもよいでしょう。耳鼻科では問診や血液検査の他、鼻鏡検査により鼻の中を診て鼻水の状態や傷・腫れの有無などを確認します。

眼科

眼科は目の専門家であり、花粉症においては目の症状の診療を受けられます。目のかゆみ、充血、涙目、目のかすみなどの症状がつらいのであれば、眼科で診てもらいましょう。

眼科で処方されるのは目のアレルギー症状を抑えるステロイド点眼薬が主です。また、目の花粉を洗い流す洗眼液が処方されることもあります。

小児科

小児科は15歳までの子供を診療する診療科です。子供の花粉症の場合は、小児科を受診するのがおすすめです。

子供は大人よりも身体が小さいため、薬の選び方や量が大人と異なることも少なくありません。もちろん、子供が小児科以外の診療科を受診した場合は、そのことを考慮してお薬が処方されます。ですが、小児科は子供の専門医であり、かかりつけがあるならばそこに相談することをおすすめします。

アレルギー科

アレルギー科は、アレルギー性疾患を専門とする診療科で、花粉症を始めとしたアレルギー性疾患の専門的な治療を受けられます。症状が長引いている、重度の症状が出ているといった場合におすすめです。

「アレルギークリニック」のような名前のところは、アレルギー専門医が在籍して診療を行っています。また、「アレルギー内科」を設置している内科もあります。そのような内科もアレルギー専門医が在籍して診療を行っています。

病院で行われる花粉症の治療

病院で行う花粉症の治療には薬物療法、アレルゲン免疫療法、手術療法の3つがあります。それぞれどのような治療方法なのか、以下で解説します。

薬物療法

花粉症治療では薬物療法を行うのが一般的です。内服薬、点鼻薬、点眼薬などのお薬で症状を抑えます。中でもメインとなるのは抗ヒスタミン薬で、使用すればくしゃみ・鼻水・目のかゆみといったアレルギー性の症状を和らげられます。

症状の種類や強さによってお薬を組み合わせるため、医師へ具体的に症状を伝えることが大切です。また、処方されたお薬は自己判断で使いすぎたり使用を中止したりせずに、用法用量を守って使うようにしましょう。

アレルゲン免疫療法

特定のアレルゲンに対する免疫力を高め、症状を改善するのがアレルゲン免疫療法です。アレルゲンを皮下に注射する「皮下免疫療法」と、舌下にアレルゲンを投与する「舌下免疫療法」の2種類あります。

いずれの治療法とも、数ヶ月から数年かけて行うもので即効性はありません。しかし、治療を受けた人の多くが改善効果を実感しているといわれています。長い間、つらい花粉症の症状で悩まされているならば、検討してみてもよいでしょう。

手術療法

鼻詰まりの症状がひどい場合は、手術療法による改善も検討されます。

花粉症の手術療法には「鼻中隔延長術」や「鼻道拡張術」などがあり、いずれも鼻腔内を広げたり歪みを改善したりすることで、鼻詰まりの症状を緩和する目的で行います。

手術時間は1時間程度で終わることがほとんどで、日帰りで受けられます。ただし、保険適応外であり、術後の痛み・出血等のリスクもあります。そのため、薬物療法や免疫療法で花粉症の症状が改善されないケースで検討することをおすすめします。

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花粉症はくしゃみや鼻水などの症状がずっと続きつらいものです。症状を効果的に抑えるためには、病院を受診してアレルゲンとなる花粉の種類を特定し、なるべく早くお薬による治療を始めることが大切です。

しかし、仕事や家事が忙しいなどの理由で、なかなか病院へお薬をもらいに行けない…と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

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