多汗症の内服薬・外用薬のそれぞれの特徴は?混同されがちな症状も解説

多汗症の内服薬・外服薬は何が違うの?」「多汗症の内服薬・外用薬には副作用があるのの?」といった悩みを抱えている方もいるでしょう。本記事では多汗症の特徴や種類にふれつつ、治療に使用されている代表的な医療用医薬品の特徴を解説します。

目次

多汗症の治療には内服薬や外用薬を使用しますが、薬によって効果と副作用が大きく異なるため、症状や体質に向いているものを選択しなければなりません。

そのため、「自分にどの薬が向いているのかわからない」「自分に適した薬を知りたい」という方もいるでしょう。

本記事では、多汗症の特徴や種類にふれつつ、治療に使用される医療用医薬品の特徴を解説していきます。

「処方箋を受け取りたい」「内服薬・外用薬どっちがいいのかわからない」という方は、おうち病院の『オンライン多汗症外来』を利用してみましょう。

多汗症の特徴

多汗症とは全身もしくは頭部や顔、手のひら、脇、足の裏などの体の一部に多量の発汗がみられる疾患です。体温調節で汗をかく仕組みとは異なります。ここでは、代表的な特徴をみていきましょう。

成人になっても症状が継続する

一般的に小児期に発症する小児疾患は、15歳程度で落ち着くケースが多い傾向にあります。

しかし、多汗症は小児期に発症したとしても成人になっても症状が継続する点が特徴です。老年期に入っても症状が落ち着くことはありません。

常に汗が出る状態になるわけではない

多汗症は常に汗が出続けるになる疾患ではありません。多量に汗が出る状態と出ない状態が交互にみられます。

多量の汗が出る要因としては、精神的緊張や環境温度の上昇、運動時などの体温変化が挙げられます。

左右同時に発汗する

交感神経の別疾患で汗が増える場合、片側に多汗の症状が現れ左右に差が生じるのですが、多汗症の場合、体の左右同時に発汗するという特徴があります。。

また、頭部・顔・手のひら・脇・足の裏の5部位に発症するケースが多く、複数の部位に症状が現れます。

多汗症の種類

多汗症は以下の種類に分けられます。

・全身性多汗症

・局所性多汗症

両者の違いは症状が出る範囲です。

ここでは、それぞれの種類の特徴をみていきましょう。

全身性多汗症

全身性多汗症は全身に症状が現れます。

全身性多汗症はさらに原因ごとに「原発性全身多汗症」と「続発性全身多汗症」の2つに分かれます。

局所性多汗症

局所性多汗症は頭部・顔・手のひら・脇・足の裏など体の一部に症状が現れる点が特徴です。とくに、頭部や顔面に症状が現れた場合、1日中発汗が継続するケースも少なくありません。

また、局所性多汗症も全身性多汗症と同様に、原因に応じて原発性と続発性の2つに分かれます。

多汗症と混同されがちな症状

多汗症を「汗っかき」や「わきが」の症状と混合してしまう人もいるでしょう。汗っかきとわきがは多汗症とは大きな違いがあります。

それぞれの違いについてみていきましょう。

汗っかき

汗っかきとは、周囲の人よりも汗の量が多い体質の人を指します。多汗症との違いは、運動時や暑い日など体温調整が必要な場合に汗の量が増えることです。

多汗症を発症している場合、体温調整が必要のないリラックスしている状態や寒い日でも汗をかきます。状況や季節に関係なく、多量の汗が出る場合、多汗症の可能性があります。

わきが

多汗症とわきがの違いは、汗を分泌する汗腺です。

わきがの場合、汗を分泌する汗腺はアポクリン汗腺です。アポクリン汗腺から分泌された汗にはタンパク質や脂質などが含まれています。汗が皮脂と混ざり合い、皮膚の常在菌が分解することで独特な臭いが発生します。

一方、多汗症の場合、エクリン汗腺から分泌される汗が原因です。エクリン汗腺から分泌される汗は基本的に無臭であるため、独特な臭いを発生させるケースはほとんどありません。

しかし、多汗症の症状がある人は、わきがを併発している可能性もあります。そのため、汗の臭いを感じたとしても多汗症でないとは限らない点は把握しておきましょう。

多汗症で使用されている医療用医薬品

多汗症で使用されている医療用医薬品は限られています。しかし、2020年に多汗症に適応する外用薬の処方が承認されたため、選択肢が広がりつつあります。

ここでは、多汗症で使用されている4つの医療用医薬品の特徴をみていきましょう。

塩化アルミニウム溶液

塩化アルミニウム溶液は、汗腺をふさぐことができます。脇や手のひらに対してよく使用され、軽症から重度まで対応可能です。ただし、濃度が高かった場合でも効果は一時的であるため、根本的な治療を行う場合は他の薬も併用しましょう。

また、保険診療となる薬ではないため、費用はよく確認する必要があります。

抗コリン薬

抗コリン薬は神経伝達物質の働きを抑制します。抗コリン薬の中でも保険適用がある薬は、プロパンテリン臭化物とソフピロニウム臭化物です

医療機関によっては、プロパンテリン臭化物とソフピロニウム臭化物以外の薬を治療薬として使用するケースも珍しくありません。しかし、保険適用外で自費診療となり金銭的な負担が増加するため、上記の薬が主流といえます。

漢方薬

漢方薬では、次のような漢方薬が処方されるケースが多い状況です。ただし、市販薬では多汗症への適応がないものもある点に注意しましょう。

抗不安薬

発汗によるストレスで、心理状態が不安定になってしまう人も少なくありません。そのような場合、自律神経失調症に適応がある薬や抗コリン作用を持つ抗不安薬が処方されるケースもあります。

しかし、自律神経失調症に適応がある、あるいは抗コリン作用を持つ抗不安薬は、どちらも多汗症そのものへの適応はありません。抗不安薬の使用を希望している方は、自費診療になる可能性がある点を把握しておきましょう。

多汗症の内服薬・外用薬の特徴

多汗症の治療を行うためには内服薬と外用薬を使用します。しかし、症状の進行状況によって向いている治療方法は異なります。

ここでは、効果的な治療を行えるように、内服薬と外用薬に向いている症状・進行状況をみていきましょう。

内服薬は軽症~中等症の患者向け

内服薬による治療方法は主に軽症から中等症の患者に向いています。

多汗症の内服薬として使用されている薬は主に抗コリン薬です。多汗症の治療において唯一保険適用になります。

抗コリン剤は副作用が生じる可能性があるため、使用する際には注意が必要です。口の渇きや目のかすみなどが生じるケースが多くあります。

また、眼圧が高くなるといった副作用が生じる可能性も想定されるため、緑内障を患っている人は使用できない場合もあります。

外用薬は軽症~重症まで全ての患者に有効

外用薬として多く使用されている薬剤は塩化アルミニウム溶液です。汗腺の細胞に作用し、発汗を抑制します。外用薬による治療は、軽症から重症まで全ての患者に有効です。

塩化アルミニウム溶液は肌が弱い人やアレルギー体質の人が使用すると、肌が赤くなったり腫れたりする可能性があります。そのような場合、炎症を抑える薬の服用も必要です。

多汗症治療では薬が適切か判断することが大切

多汗症の治療で使用されている薬は、それぞれ効果や副作用が大きく異なります。そのため、服用する薬について把握しておくことが大切です。

しかし、自己判断ではリスクが伴うため、医師の診断を受け適切な薬を処方してもらいましょう。

多汗症治療における適切な薬の処方は『オンライン多汗症外来』がおすすめ

症状に対し適切な薬を処方してもらう手段として、オンライン多汗症外来を利用するというのも1つの手段です。

おうち病院の『オンライン多汗症外来』では、ビデオ通話で自宅や外出先などから簡単にオンライン上で診療が受けられます。

薬の購入後もオンライン医療相談のアフターサポートがあるため、診療時に聞きそびれたことがあったり、あとから疑問に思うようなことがあっても、あらためて医師に確認することが可能です

まとめ

多汗症の治療には抗コリン薬や漢方薬、抗不安薬などさまざまな種類の薬が使用されています。薬によって効果や副作用が異なるため、症状や体質に対し適切かどうか判断する必要があります。

しかし、自己判断ではリスクがあるため、医師の診察を受けた上で症状に向いている薬を処方してもらうことを推奨します。

適切な薬を処方してもらう方法として、おうち病院の『オンライン多汗症外来』も選択肢の1つです。『オンライン多汗症外来』はオンラインで受診から薬の処方まで完結します。

そのため、病院までの移動時間や待ち時間を確保する必要はなく、忙しい人でも気軽に利用できる点が魅力です。

多汗症の治療薬について悩んでいる方は、ぜひ一度おうち病院の『オンライン多汗症』外来の利用を検討してみてください。