汗っかきで多汗症の可能性がある方は、治療ができるのか、どんな治療をするのか不安な気持ちもあると思います。
本記事では、多汗症の主な治療方法を紹介しています。治療を検討するうえでぜひ参考にしてください。
目次
多汗症の種類ごとの治療方針
多汗症には種類があり、その症状や原因によって治療方針が異なります。
続発性多汗症(ぞくはつせいたかんしょう)
続発性多汗症は、原因が病気や薬だと明確にわかっています。まずは原因となっている病気の治療や、副作用を引き起こした薬を変更する必要があります。
原発性多汗症(げんぱつせいたかんしょう)
原因がはっきりしていない多汗症を原発性多汗症と呼びます。過度のストレスや緊張によるものではないかと考えられています。
これらは、ストレスや緊張を和らげるセルフケアや心療内科的療法と対処療法を行います。対処療法については下記の6つの治療方法で解説しています。
原発性の中でも、全身性多汗症と局所性多汗症があります。以下の通り、体の部位ごとに名称があります。
原発性手掌(しゅしょう)多汗症
手のひらに大量に汗をかきます。絶えず汗で手が湿っているため、手指が冷えたり血色が悪くなっていたりします。
原発性腋窩(えきか)多汗症
脇に大量の発汗があります。汗臭いのが気になるのもこの部分が多いです。
原発性足蹠(そくせき)多汗症
足の裏(足底)に大量の発汗が見られる症状です。靴下や靴の中が湿っていて雑菌繁殖や臭いの原因となります。
原発性頭部顔面(とうぶがんめん)多汗症
頭部や顔に大量の発汗が見られる症状です。暑い時や辛い物を食べた時などは多汗症でなくても汗をかきますが、平常時でも滝のように汗が噴き出している場合もあります。
多汗症がもたらす日常生活への影響
日常生活に支障を来たすほどの大量の発汗は、多汗症治療の目安です。
例えば、手掌多汗症(手の多汗症)の場合、書類を触ると湿ってしまう、パソコンやスマホの操作がしにくいうえに汗で機器をダメにしてしまう、などがあります。手が湿っているため、握手なども相手に不快感を与えないかとコンプレックスを抱えます。
腋窩多汗症(脇の多汗症)は、洋服の汗じみや臭いが気になるでしょう。洋服の選択肢も狭まります。
足底多汗症(足裏の多汗症)では、靴の中がびっしょりになってしまう、出先で靴を脱ぐことが恥ずかしくなり、頭部顔面多汗症(頭と顔の多汗症)では、髪の毛や帽子まで濡れてしまう、メイクがすぐに汗で落ちてしまうなどのお悩みがあるでしょう。
このように、多汗症は、日常生活や人とのコミュニケーション、仕事等に影響します。
多汗症は自宅で治療できる?
自宅でできるケアと治療をご紹介します。
食生活や生活習慣を整える
ストレスや緊張を和らげるセルフケアを行いましょう。
食生活と生活習慣を整え、リラックスする時間を作り、充分に休養することで、体の緊張がほぐれ自律神経が整います。
ストレスや緊張過多になっている理由が明らかであれば、可能な限りその原因を取り除きます。それが難しい場合でも、自分のリフレッシュ方法を見つけ出すと良いでしょう。
また、カフェインや刺激物は発汗を促進する可能性があります。取りすぎには注意しましょう。
医師の処方による制汗剤を使用
医師の処方による外用薬を使用します。塗り薬やスプレーなど、多汗症の症状を抑えるために開発された外用薬があります。
医師の処方による内服薬で治療する
市販の多汗症対策サプリメントではなく、医師の診断のもと処方してもらう内服薬を使用します。
多汗症の6つの治療方法
多汗症の治療方法は、自宅ケアの塗り薬から手術まで主に6種類あります。
外用薬で治療する
発汗をおさえる働きの成分を含むスプレー・塗り薬等で治療する方法です。もっとも手軽で一般的と言えます。
内服薬で治療する
内服薬を取り入れる治療法です。しかし効果にばらつきがあるうえ、副作用の心配があり、外用薬で対応する方がおすすめです。
漢方薬による治療
漢方薬を取り入れて自律神経を整え、体質改善を目指す治療法です。漢方を取り扱う医療機関などで処方してもらえます。体質により選ぶ漢方薬は異なります。
局所注射療法(ボツリヌス療法)
ボツリヌス菌の毒素を多汗症の部位に注射する治療法です。汗をおさえる効果が期待できます。海外では腋窩多汗症の治療でよく利用されています。
日本では、腋窩多汗症以外は保険適用外になるため、事前に費用や効果をしっかり医師から説明してもらい、検討する必要があります。
イオントフォレーシス療法
手や足など多汗症の部位を、水をためた容器に浸し、微弱な電流を約30分間流します。
繰り返し行う事で、発汗をおさえる効果が期待できます。保険適用の治療法で費用は比較的安いですが、都度通院する必要があります。
外科的処置や手術で治療する
神経ブロック、レーザー療法などで発汗を促進する機能を抑える、交感神経遮断術や汗腺を除去する手術で発汗の元を絶ってしまうなどの治療方法です。
手術は、他の治療と比べると体への負担があります。また、手術した箇所の発汗を抑える事ができても、他の部位からの発汗が増える「代償性発汗」が副作用として見られる場合がありますので、慎重に考える必要があります。
まずは多汗症専門医に相談を
このように、様々な治療方法があります。まずは多汗症の専門医に相談し、症状や部位にあった最適な治療法を提案してもらうと良いでしょう。
多汗症の治療は専門外来がおすすめ
治療する目安や、治療するならどこへ行けばいいのかを解説します。
多汗症治療の目安
日常生活に支障をきたしているようであれば治療をおすすめします。
原因不明の過剰な発汗が、手や足、脇、顔、頭など体の一部に表れることが週1回以上ある、日常的に汗で困っているなどの場合は受診しましょう。
多汗症外来を予約して受診する
多汗症は、皮膚科、形成外科での治療が一般的です。他に神経内科、内分泌内科、美容医療クリニックなどでも取り扱っています。
まずは、多汗症に対応しているクリニックか確認のうえ、受診予約を取りましょう。
オンラインクリニックを受診する
通院するクリニックのオンライン枠や、オンラインクリニックで多汗症に対応している場合があります。忙しくて通院時間が取れない方はこちらが便利です。
多汗症の治療なら、おうち病院「オンライン多汗症外来」
多汗症の治療なら、おうち病院「オンライン多汗症外来」がおすすめです。
通院だと予約枠でも待たされることもあり、移動を含めて時間をさかなければいけません。
多忙で通院できない時、多汗症外来がお近くにない時など、おうち病院「オンライン多汗症外来」なら、Webからお好きな時間を予約し、お時間になったらパソコンかスマホ・タブレット等ですぐにオンライン診療を受けることができます。
必要な外用薬・内服薬等もお近くの薬局薬店でお受け取りいただけます。
汗っかきで悩んだら、まずは医師に相談しよう
自分は人より汗っかきで、多汗症かもしれないとお悩みでしたら、医師に相談しましょう。
特に、原因不明の過剰な発汗が、手や足、脇、顔、頭など体の一部に表れることが週1回以上ある、日常的に汗で困っているなどの場合は迷わず受診しましょう。
服用後のオンラインアフターサポートも充実している、おうち病院「オンライン多汗症外来」にお気軽にご相談ください。