耳ヘルペスの初期症状は?症状の経過や正しい対処法について解説

ヘルペスといえば口の周りにできる印象があるかもしれませんが、実は耳にもできることがあります。これを耳ヘルペスといい、一般的には稀な疾患とされています。また、耳に現れる似た症状として耳の帯状疱疹が挙げられます。 本記事では、耳ヘルペスの初期症状や耳の帯状疱疹との違い、対処法などについて詳しく解説します。

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ヘルペスといえば口の周りにできる印象があるかもしれませんが、実は耳にもできることがあります。これを耳ヘルペスといい、一般的には稀な疾患とされています。また、耳に現れる似た症状として耳の帯状疱疹が挙げられます。

本記事では、耳ヘルペスの初期症状や耳の帯状疱疹との違い、対処法などについて詳しく解説します。

耳ヘルペスは非常に珍しい疾患

耳ヘルペスとは、単純ヘルペスウイルスの感染によって発症する病気です。稀な疾患とされており、ヘルペスと思っていたら耳の帯状疱疹であったケースも少なくありません。

耳ヘルペスの初期症状・経過

耳ヘルペスの初期症状は、耳の皮膚に現れる小さな水疱です。その後、びらん、かさぶたへと変化していきます。

また、かゆみが見られるため、何らかのアレルギー反応による湿疹と間違われることも少なくありませんが、ヘルペスによくある痛みは軽い傾向があります。

単純ヘルペスウイルスに初めて感染した場合、高熱やリンパ節の腫れなどが見られる場合があります。潜伏期間は、初感染の場合で4~7日です。

耳ヘルペスになりやすい人

次のような人は耳ヘルペスになりやすいとされています。

イヤリングやピアスなどでかぶれている

イヤリングやピアスなどの接触や金属アレルギーなどによってかぶれている場合、ヘルペスウイルスが感染しやすくなります。このような患部をむやみに触ると細菌による二次感染が起きるおそれもあるため、より一層の注意が必要です。

アトピー性皮膚炎がある

アトピー性皮膚炎の方は、皮膚のバリア機能が低下しています。正常な肌は、ヒアルロン酸やセラミドなどを多量に含む皮膚組織が外敵の侵入を防ぎます。しかし、アトピー性皮膚炎の方はヒアルロン酸やセラミド、皮脂の不足などによってバリア機能が低下しているため、正常な肌の方と比べて耳ヘルペスになるリスクが高まります。

アトピー性皮膚炎は、改善と悪化を繰り返しながら慢性的な経過をたどるため、そのときの肌の調子によって耳ヘルペスにかかる可能性が変わることに留意しましょう。

耳が乾燥していて湿疹が出ているときは、むやみに触らないことが大切です。

免疫機能が低下している

免疫機能が低下していると、細菌やウイルスに対する抵抗力が低くなることで単純ヘルペスウイルスに感染するリスクが高まります。免疫機能が低下する主な理由は以下のとおりです。

  • ・加齢
  • ・睡眠不足
  • ・運動不足
  • ・栄養不足
  • ・ストレス

日頃から免疫機能を低下させないことを意識して過ごすことが大切です。

耳ヘルペスができたときの対処法

耳ヘルペスができた場合、適切に対処しなければ悪化したり周りの人にうつしたりするリスクが高まります。耳ヘルペスの対処法について詳しく見ていきましょう。

なるべく早く医療機関を受診する

耳ヘルペスは放置しても自然に改善することが多いものの、耳性帯状疱疹ではないことを確認するためにも、なるべく早く医療機関を受診する必要があります。耳性帯状疱疹の場合、顔面神経麻痺やめまい、難聴などの後遺症が現れることがあり、発症したら速やかに治療を受けることが重要です。

自身では、耳ヘルペスと耳性帯状疱疹の違いを判別することは難しいため、まずは医療機関を受診しましょう。

再発の場合はPIT療法を受けられる可能性がある

耳ヘルペスを再発した場合は、PIT療法の対象となる可能性があります。

PIT療法(Patient Initiated Therapy)は、ヘルペスの初期症状が現れた際に、あらかじめ処方されていた薬剤を自身の判断で服用することで早期改善を目指す治療法です。以下、すべてに当てはまる場合に処方されます。

  • ・再発を繰り返すタイプの単純疱疹
  • ・同じ病型の再発を年3回以上繰り返している
  • ・自身で初期症状の判断ができる

ヘルペスを繰り返す人の多くは、初期症状を自身で判断できるといわれています。PITでは、違和感やかゆみなどの初期症状が現れた際に、6時間以内に薬を服用します。服用回数は合計2回で、2回目は1回目から6~18時間後の範囲で服用する必要があります。

タオルの共有を避ける

耳ヘルペスに限らず、単純ヘルペスウイルスによる感染症は、患部に触れたタオルを共有することで、家族やパートナーに感染させるおそれがあります。そのため、耳ヘルペスの初期症状が現れた場合は、タオルの共有を避けることが重要です。

耳ヘルペスと耳性帯状疱疹の違い

耳ヘルペスは珍しい病気で、耳に現れる湿疹といえば耳性帯状疱疹を疑います。それぞれの違いについて詳しく見ていきましょう。

症状

耳ヘルペスが小さな水疱から始まって、びらん、かさぶたへと進むのに対し、耳性帯状疱疹は耳介や外耳道に激しい痛みが起きてから、数日後に水疱が通常は片耳にだけ現れます。

原因

耳ヘルペスは、単純ヘルペスウイルスによる感染症です。一方、耳性帯状疱疹は、過去に感染した水痘・帯状疱疹ウイルスが神経節に潜伏し、免疫機能が低下した際に再び活性して帯状疱疹を引き起こしたものです。

神経に作用することにより、顔面神経麻痺やめまい、難聴などが現れる可能性があります。

治療法

耳ヘルペスの治療法は、単純ヘルペスウイルスに対して有効な抗ウイルス薬の内服です。耳性帯状疱疹も水痘・帯状疱疹ウイルスに対して有効な抗ウイルス薬の内服を行います。また、いずれの疾患も二次感染が懸念される場合は、抗生剤の内服も検討します。

市販のヘルペス治療薬は外用薬で、内服薬ほどの高い効果は期待できません。

耳ヘルペスを予防するためのポイント

耳ヘルペスを予防するためには、次のポイントを押さえる必要があります。

規則正しい生活を心がける

耳ヘルペスは、免疫機能が低下したときに発症・再発するリスクが高まります。そのため、十分な睡眠や栄養バランスのとれた食事、適度な運動などで免疫機能を良好に保つことが大切です。

ストレスをこまめに発散する

ストレスは免疫機能の低下を招きます。ストレスは、溜まりすぎると解消することが難しいため、こまめに発散させることが重要です。十分な睡眠や適度な運動、趣味を楽しむ、人とコミュニケーションをとる、音楽鑑賞や映画鑑賞など、自身にとって最適なストレスケアの方法を見つけましょう。

受診する時間がない方は、おうち病院「オンラインヘルペス外来」

耳ヘルペスは、早期治療やPIT療法によって影響を抑えることができる疾患です。そのため、なるべく早く医療機関を受診したり、あらかじめPIT療法について相談しておくことをおすすめします。

しかし、忙しくてなかなか受診の時間をとれない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そのような方には、おうち病院「オンラインヘルペス外来」がおすすめです。

おうち病院「オンラインヘルペス外来」は、耳ヘルペスと耳性帯状疱疹の鑑別はもちろん、どちらの場合でも治療薬の処方が可能です。

また、自宅から近い薬局で治療薬を受け取れるため、時間と手間を大幅に削減できます。

早期発見・早期治療が重要な耳ヘルペス、耳性帯状疱疹が疑わしいときは、速やかに診察、治療を受けられるおうち病院「オンラインヘルペス外来」の利用をおすすめします。