ヘルペスの症状と原因とは?初感染と再発の違いや症状を抑える治療法も解説

ヘルペスは、成人の半数以上が感染していると言われる、ありふれたウイルスによる感染症です。皮膚の痛みを伴う赤みや腫れ、水ぶくれなどの症状があり、速やかに治療しないとつらい思いをしてしまいます。 今回は、ヘルペスの原因やヘルペスの症状、初感染時と再発時の症状の違い、症状を抑える治療法について解説します。

目次

ヘルペスは、成人の半数以上が感染していると言われる、ありふれたウイルスによる感染症です。皮膚の痛みを伴う赤みや腫れ、水ぶくれなどの症状があり、速やかに治療しないとつらい思いをしてしまいます。

今回は、ヘルペスの原因やヘルペスの症状、初感染時と再発時の症状の違い、症状を抑える治療法について解説します。

ヘルペスの原因

ヘルペスはどのようなウイルスが感染して起こるものなのか、どのようにして感染してしまうのかを詳しく知っている方は少ないのではないでしょうか。

以下で、ヘルペスの原因となるウイルスや感染経路について解説します。

2種類のウイルス

人に感染するとされるヘルペスウイルスは大きく分けると「単純ヘルペスウイルス(HSV)」「水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)」の2種類あります。このうち、口唇ヘルペスや性器ヘルペスの原因となるのは、ごくありふれたウイルスでありながら強い感染力を持つ、単純ヘルペスウイルスの方です。

さらに単純ヘルペスウイルスは、「HSV-1」と「HSV-2」の2つに分類されます。それぞれ部位によって異なり、HSV-1は口唇ヘルペスを再発させ、HSV-2は性器ヘルペスを再発させます。

ちなみに、HSV-1は口と性器との接触により性器ヘルペスを引き起こすことがあります。この場合、再発することはほとんどないと言われています。HSV-2はほぼ例外なく、性行為によって感染するとされています。

感染経路

口唇ヘルペスの主な感染ルートは直接接触する以外にも、タオルや食器類の共有などがあります。

単純ヘルペスウイルスが唇または唇の周りの皮膚などに触れ、粘膜にウイルスが接触することで体内に侵入・感染します。タオルや食器類の共有でも感染が起こることから、成人の半数以上は、子供のころに感染しているとされています。さらに年齢を重ねるほどに、感染率も高まっていくと言われています。

ヘルペスウイルスは、ありふれたウイルスであり生活の中で感染しやすいですが、感染時はほぼ症状がないため、発症しなければ自覚症状を感じることはありません。

性器ヘルペスは性行為やオーラルセックスが主な感染ルートです。ただし、感染力が強いことから、お風呂やトイレ、コップや箸を共有するといった生活の中で感染してしまうこともあります。

ヘルペスの症状

ヘルペスは、前駆症状(前兆となる症状)と発症・再発時の症状があります。また、口唇ヘルペスと性器ヘルペスでは症状そのものや症状が出る場所に違いがあります。以下で、ヘルペスの症状について解説します。

前駆症状(前兆となる症状)

口唇ヘルペスや性器ヘルペスは、発症または再発時に前駆症状(前兆となる症状)があることがほとんどです。

口唇ヘルペスの場合は唇や唇周辺に、性器ヘルペスであれば性器やその周辺・下半身などに、ピリピリするような痛みや火照りのようなものが感じられます。また、個人差はありますが、発熱・頭痛・全身の痛みなどの前駆症状が出ることもあります。

口唇ヘルペスの症状

違和感やピリピリ感、かゆみなどの前駆症状があった部分が、痛みを伴って赤く腫れ始めます。腫れなどの自覚症状が出始めてから数日後、腫れた部位に水ぶくれができてきます。

ヘルペスは、小さな水ぶくれが群発して形成されるのが特徴的で、場合によってはそれらが融合して大きな水ぶくれになることもあります。水ぶくれの中にはウイルスが多く存在し、破れると他の部位に感染する恐れがあるため注意が必要です。

水ぶくれは1週間ほどで乾いてかさぶたになり、症状が治まっていきます。

性器ヘルペスの症状

性器や下半身にかゆみや不快感、ピリピリ感などの前駆症状の後、痛みを伴って赤く腫れ、小さな水ぶくれができます。水ぶくれが潰れると潰瘍になり、痛みがあります。

個人差がありますが、排尿がしにくくなり残尿感があったり、神経痛の強い痛みにより歩行困難を生じたりすることもあります。また、一般的には男性よりも女性の方が痛みや不快感などの症状が強く出る傾向にあります。

初感染と再発でヘルペスの症状が異なることも

ヘルペスはほとんどの場合、初感染と再発で症状の重さが異なります。具体的にそれぞれでどのような症状があるのか、以下で解説します。

初感染

一般的に初感染時は腫れや水疱、痛みなどの症状が強く出ることがほとんどです。口唇ヘルペスの場合は、5mmくらいの大きさの水疱が、唇やその周辺の広範囲にわたって数多く発生することが多いです。それと同時に、発熱やリンパ節の腫れが生じたり、人によっては口内炎ができたりすることもあります。

前述の通り、成人の半数は子供のころに感染していて無症状状態と言われています。しかし、成人以降に初感染した場合は、症状が重くなりやすく再発もしやすいとされていますので、注意が必要です。

性器ヘルペスの場合は、発症部位が性器であることや、排尿困難等の症状が出ること以外は、基本的に口唇ヘルペスと同じような症状があります。

再発

ヘルペスはかさぶたができて治癒したと思っても、体内にウイルスが潜んでいて、再発する恐れがあります。ただし、症状は初感染時よりも軽いことがほとんどで、再発を繰り返すごとにより軽くなっていく傾向にあります。

そのため、口唇ヘルペスであれば唇や口周辺、性器ヘルペスであれば性器やその周辺の一部分のみに水ぶくれができる程度で済みやすいです。症状が出てからかさぶたができるまでの治癒期間も、再発時の方が短い傾向にあります。

ただし、高齢者や免疫力が低い人の場合は、症状が重くなったり治癒期間が長くなったりすることもあるため、注意が必要です。

ヘルペスの症状が再発しやすいタイミング

ヘルペスウイルスは、治癒して症状が出なくなったとしても実は身体の中に潜んでいます。健康なときは身体の免疫力によって抑えられ、ウイルスは神経節にとどまります。

しかし、免疫力が下がると抑えられていたウイルスは再活性化し、神経に伝わって皮膚に到達して症状を引き起こすのです。ピリピリ感などの前駆症状は、ウイルスが神経に伝わるために起こります。

ヘルペスは上記の通り、免疫力の低下時に再発します。そのことから、ヘルペスの症状が再発しやすいのは仕事が忙しいとき、寝不足が続いたとき、勉強・仕事でストレスを感じたとき、風邪・発熱時、何らかの病気、生理前といったタイミングです。

再発を抑えるためには、なるべく健康的でストレスを溜めないことが重要です。

ヘルペスの症状を抑える治療方法

前述の通り、ヘルペスウイルスは神経節に潜んでしまうため、完全に除去する治療法は確立されていません。そのため、症状が出始めたときに薬を服用することで、症状を抑える対症療法を行うことになります。

ヘルペスの症状を抑えるには、ウイルスの増殖を防ぐ抗ウイルス薬を使用します。飲み薬としては、抗ウイルス薬であるアシクロビル、ファムシクロビル、バラシクロビルなどがあります。塗り薬にはゾビラックス、アラセナA、ビタラビンなどがあります。

また、痛みの症状が強い場合は、それを抑える目的でロキソニンなどの鎮痛剤が処方されることもあります。

速やかな治療が大切

ヘルペスは症状が出始めたらなるべく早く治療を始めることが大切です。治療が遅れてしまうと水ぶくれや赤み・腫れの範囲が広がったり、収束までの期間が長引いたりします。また、発症してかさぶたができるようなタイミングで治療を始めても、効果はほとんどありません。

ピリピリ感などの前駆症状を感じて、赤みや腫れなどのヘルペスの症状がわずかでも現れたならば、なるべく早く抗ウイルス薬を服用するようにしましょう。速やかに治療すれば、ウイルスの増殖が抑えられて症状の範囲も広がることがなく、早期にヘルペスが収束しやすくなります。

おうち病院「オンラインヘルペス外来」でヘルペスと上手に付き合いましょう

ヘルペスはウイルスが神経節に潜み、免疫力が落ちると再発を繰り返す病気です。そのため、感染したならば生涯付き合っていくことになります。

ヘルペスの症状は個人差がありますが、痛みや赤みがあって辛く感じやすいものです。症状の発生初期に治療を行えれば、ウイルスの増殖が抑えられて症状の範囲が緩和されたり、収束までの期間も短くできます。

そのため、なるべく速やかに抗ウイルス薬を使用することが大切です。


しかし、早期に治療を始めたくても、仕事が忙しい方だとなかなか病院に行けないこともあるかもしれません。そうなると、収束までの期間が長引いてつらい思いをしてしまいます。

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