インフルエンザのときに解熱剤を使用していいか迷う方は多いのではないでしょうか。結論から言うと、インフルエンザのときに解熱剤を服用することは問題ありません。
しかし、服用していいのはアセトアミノフェン製剤であり、それ以外のNSAID(非ステロイド性消炎鎮痛剤)を服用するとインフルエンザ脳炎になるおそれがあります。
本記事を読み、インフルエンザの症状が悪化して重篤な健康被害が起きる前に、適切な薬を服用しましょう。
なお、解熱剤はその場しのぎに過ぎませんので、インフルエンザを治すにはしっかりと病院で受診してください。
もし症状が重く病院に足を運ぶのもつらいようでしたら、オンライン診療という選択肢があります。
特に、おうち病院「オンライン発熱・コロナ外来」は自宅でインフルエンザの受診と薬の処方が可能です。薬も自宅配送か近くの薬局受取か選ぶこともできますので、ぜひご利用ください。
目次
インフルエンザに解熱剤は使用しても問題ない?
インフルエンザの解熱剤として問題ないのは、アセトアミノフェン製剤です。一方で、アセトアミノフェン製剤以外の薬を使用するのは問題があります。
たとえば、ロキソニンを小児が服用すると、インフルエンザ脳症を発症するリスクがあります。また、解熱剤の種類によっては、ライ症候群を引き起こすおそれもあるのです。
インフルエンザの解熱剤を服用するときは、医師の診断のもと処方された薬を飲みましょう。
インフルエンザのときに使用すべき解熱剤はアセトアミノフェン
アセトアミノフェンは、1893年に医薬品として使用されてから100年以上、世界中で使用されている解熱鎮痛薬です。(※解熱鎮痛薬であり成分でもあります)
アセトアミノフェンを服用すると、脳の体温調節中枢が刺激され、血管や汗腺が広がって熱が下がります。また、頭痛や関節痛、生理痛などの痛みを和らげる効果があるのが特徴です。
アセトアミノフェンの成分を含む代表的なものとしては、カロナール、タイレノールなどが挙げられます。大人や高齢者はもちろん、お子さんや妊娠中・授乳中の女性でも服用可能です。
インフルエンザのときに禁忌とされている解熱剤
インフルエンザのときに禁忌とされているのは、非ステロイド系抗炎症薬と呼ばれる以下の薬です。
- ・インドメタシン
- ・メフェナム酸
- ・ジクロフェナクナトリウム
- ・アスピリン
- ・イブプロフェン
上記を服用すると、けいれんや意識障害、異常行動などのリスクが高まります。インフルエンザのときは、絶対に服用しないように注意してください。
また、インフルエンザの市販薬を検討したい方は、必ず市販薬と処方薬の違いを理解しましょう。
関連記事:インフルエンザのときに市販薬を飲んでも大丈夫?解熱効果があり安全に使用できるお薬を紹介
インフルエンザのときに禁忌薬を服用するとどうなる?
インフルエンザのときに禁忌薬を服用すると、インフルエンザ脳症・ライ症候群に陥るリスクがあります。
インフルエンザ脳症
インフルエンザ脳症とは、インフルエンザに感染後、1〜2日ほどで以下の症状が現れる疾患です。
- ・脳浮腫(脳が腫れる)
- ・脳圧亢進(脳内の圧が上昇する)
- ・けいれん
- ・意識障害
- ・異常行動
症状が悪化すると、臓器が機能しなくなり、血管が詰まって命に関わる事態に発展します。インフルエンザ脳症を発症した患者さんの約30%が死亡し、約25%に後遺症をもたらすとされています。
インフルエンザ脳症を引き起こす要因の1つが、NSAID(非ステロイド性消炎鎮痛剤)の服用です。インフルエンザ脳炎・脳症研究班によると、NSAIDに含まれるジクロフェナクナトリウムとメフェナム酸が、インフルエンザ脳炎を引き起こすおそれがあります。
※参照元:インフルエンザ脳症ガイドライン【改訂版】
ライ症候群
ライ症候群とは、肝機能障害や急性脳症を起こす疾患です。インフルエンザや風邪などに感染後、5〜7日後に以下の症状が現れます。
- ・呼吸停止
- ・けいれん
- ・悪心
- ・嘔吐
- ・軽度の健忘
日本では、ライ症候群と解熱鎮痛薬との因果関係は証明されていません。しかし、インフルエンザや15歳未満の水ぼうそうの方に対しては、NSAIDに含まれるジクロフェナクナトリウムやサリチル酸系医薬品は禁忌となっています。
インフルエンザのときに解熱剤を服用する際の注意点
インフルエンザのときに解熱剤を服用する際は、以下の注意点を守りましょう。
- ・解熱剤と風邪薬を併用しない
- ・飲酒しない
- ・長期間服用しない
上記の注意点を守れない場合、副作用が強くなり、重篤な健康被害が起こるおそれがあります。解熱剤を服用する際は、医師の説明をよく聞き、用法・用量を必ず守りましょう。
解熱剤と風邪薬を併用しない
たとえば、市販の解熱鎮痛薬や風邪薬にはアセトアミノフェンを配合したものが多くあります。
風邪の症状を治すために、解熱鎮痛薬とは別に風邪薬を服用すると、アセトアミノフェンの過量服用になってしまうことがあるのです。アセトアミノフェンを過剰に服用すると、肝機能障害などの副作用が出やすくなるおそれがあります。
風邪薬との併用にはご注意ください。
飲酒しない
アセトアミノフェンなどの解熱剤は、肝臓で代謝される薬であるため、お酒との相性が悪いです。
アルコールと併用すると、肝臓に負担がかかり、肝機能障害を引き起こすおそれがあります。インフルエンザの際にお酒を飲むことはまず無いかとは思いますが、解熱剤を服用中は、飲酒を控えることをおすすめします。
長期間服用しない
解熱剤は症状を緩和する薬であり、熱や痛みの原因を治療する薬ではないため、長期間服用することを想定して作られていません。また、用法・用量を超えて使用することもできないのです。
解熱剤を服用しても症状が長引く場合には、必ず医療機関を受診し、医師に相談する必要があります。
インフルエンザの解熱剤に関するよくある質問
インフルエンザの解熱剤を服用中の方は、以下のよくある質問を参考にして、正しい方法で服用しましょう。
- ・解熱剤は何度ぐらいのときに飲むべき?
- ・解熱剤は子どもや妊婦でも使用できる?
- ・解熱剤を服用後の過ごし方は?
解熱剤は、高熱になったタイミングで服用しましょう。また、服用する際は、水分補給をこまめにおこない、栄養バランスのとれた食事を心がけることが大切です。
解熱剤は何度ぐらいのときに飲むべき?
解熱剤は、高熱を和らげるための薬であり、特に使用条件は決められていませんが、目安として38度を超えたら服用しましょう。
解熱剤は子どもや妊婦でも使用できる?
アセトアミノフェンであれば問題なく使用できます。新生児から妊婦まで問題なく使用可能です。
解熱剤を服用後の過ごし方は?
インフルエンザにかかると、熱が出て発汗する機会が多くなります。そのため、こまめに水分を補給し、十分な休養をとることが大切です。
どうしても口から水分や栄養補給が難しい場合は、医療機関で点滴を受けることをおすすめします。
インフルエンザに効く解熱剤の自宅処方なら、おうち病院「オンライン発熱・コロナ外来」
インフルエンザを放置するとインフルエンザ脳炎やライ症候群に発展し、重篤な健康被害を受けるおそれがあります。とはいえ、病院に行く時間がなかったり、症状がつらいことで医療機関を受診できなかったりする場合もあるでしょう。
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診察後に処方される薬の受け取りは、お近くの薬局で受け取れるため、負担なく治療ができます。
体調が悪かったり、熱がなかなか下がらなかったりする場合は、ぜひおうち病院「オンライン発熱・コロナ外来」を利用しましょう。