インフルエンザ治療薬のタミフルの効果は?使い方や副作用を解説

インフルエンザの治療薬であるタミフルはインフルエンザA型・B型を治療できる薬です。タミフルは、インフルエンザの治療だけでなく、予防する目的でも使用できます。

本記事を読み、タミフルで起こりうる副作用や注意事項を把握し、用法・用量を守って正しく使用しましょう。

疑問に思うことや不安に思うことがあれば、医療機関を受診し、専門の医師に聞いてください。

タミフルとは

タミフルは、インフルエンザA型・B型に有効な治療薬です。インフルエンザに感染した際に増殖する酵素を阻害し、症状の緩和・予防につなげます。

タミフルを使用する際は、発熱などの症状が出て48時間以内に服用を開始しなければ効果がありません。

65歳以上の方や慢性疾患などの病気を治療中の方の場合、同居人がインフルエンザに感染したケースに限り、予防のためにタミフルを服用できます。

タミフルの使い方

タミフルの使い方は、インフルエンザを治療するか予防するかで異なります。それぞれの目的によって使い分けましょう。

対象者用法・用量
インフルエンザ治療・成人・体重37.5kg以上の子ども1錠を1日2回、合計で5日間服用
インフルエンザ予防成人1錠を1日1回、7〜10日間服用
体重37.5kg以上の子ども1錠を1日1回、10日間服用

タミフルの副作用

タミフルを服用すると、以下の副作用が起こるおそれがあります。服用前に、あらかじめ把握しておきましょう。

おもな副作用

想定される副作用は、副作用ごとにその罹患率(発生率)が異なります。

全使用者の0.1%以上

おもに以下の副作用が起こります。

  • ・発疹
  • ・下痢
  • ・腹痛
  • ・悪心
  • ・嘔吐
  • ・めまい
  • ・頭痛
  • ・不眠症
  • ・ALT増加
  • ・蛋白尿
  • ・好酸球数増加
  • ・低体温

循環器・呼吸器・目に関連する副作用は想定されていません。

全使用者の0.1%未満

おもに以下の副作用が起こります。

  • ・蕁麻疹
  • ・口内炎
  • ・食欲不振
  • ・腹部膨満
  • ・口腔内不快感
  • ・便異常
  • ・傾眠
  • ・嗜眠
  • ・感覚鈍麻
  • ・動悸
  • ・γ-GTP増加
  • ・Al-P増加
  • ・AST増加
  • ・眼痛
  • ・血中ブドウ糖増加
  • ・背部痛
  • ・胸痛
  • ・浮腫

腎臓・血液・呼吸器に関連する副作用は想定されていません。

頻度不明

おもに以下の副作用が起こります。

  • ・皮下出血
  • ・紅斑
  • ・そう痒症
  • ・口唇炎
  • ・血便
  • ・メレナ
  • ・吐血
  • ・消化性潰瘍
  • ・激越
  • ・振戦
  • ・悪夢
  • ・上室性頻脈
  • ・心室性期外収縮
  • ・心電図異常
  • ・血尿
  • ・気管支炎
  • ・咳嗽
  • ・鼻出血
  • ・視覚障害
  • ・霧視
  • ・複視
  • ・結膜炎
  • ・疲労
  • ・不正子宮出血
  • ・耳の障害
  • ・発熱

肝臓・血液に関連する副作用は想定されていません。

重篤な副作用

稀に発生する重篤な副作用としては、以下が挙げられます。

ショック、アナフィラキシー

蕁麻疹・顔面・喉頭浮腫・呼吸困難・血圧低下などが現れた場合は、服用を中止し、適切な処置を受けましょう。

肺炎

異常が認められた場合、病院でX線などの検査を受け、適切な処置をしてもらいましょう。

劇症肝炎・肝機能障害・黄疸

重篤な肝炎・AST・ALT・γ-GTP・Al-Pが顕著に上昇を伴う肝機能障害、黄疸が現れることがあります。

皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)・中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)

頻度不明で発症するおそれがあります。

急性腎障害

頻度不明で発症するおそれがあります。

精神・神経症状・異常行動

頻度不明で意識障害・せん妄・幻覚・妄想・痙攣が発症するおそれがあります。

出血性大腸炎、虚血性大腸炎

頻度不明ですが、血便・血性下痢などの異常が認められた場合には服用を中止し、病院で適切な処置を受けましょう。

タミフルを服用する際に知っておくべきこと

タミフルを服用する際は、さまざまなリスクに備え、以下のことを知っておきましょう。

  • ・異常行動の発現のリスク
  • ・出血が生じたら医師に連絡する
  • ・細菌感染症の場合は抗菌剤を服用する

タミフルを服用する際は、起こりうるリスクを事前に把握しておきましょう。万が一、異常が起きた際は、速やかに医療機関を受診してください。

異常行動の発現のリスク

過去、タミフルの使用により転落死を含む異常行動がニュースになっていましたが、厚生労働省の調査結果、抗インフルエンザウイルス薬を服用していない場合でも、同様の異常行動が現れることが報告されています。

自宅で療養する場合は、家族などが少なくとも発熱から2日間、転落などの事故防止対策を行うことをおすすめします。

参照:令和5年度インフルエンザQ&A|厚生労働省

出血が生じたら医師に連絡する

血便・吐血・不正子宮出血などの症状が現れた場合は、出血性大腸炎、虚血性大腸炎などの恐れがあるため、医師に連絡してください。

細菌感染症の場合は抗菌剤を服用する

インフルエンザに感染すると、細菌感染症を合併する場合があります。細菌感染症を治療するためには、抗菌剤を服用する必要があります。

タミフルを服用する際に注意すべき患者さんの特徴

タミフルを服用する際に注意すべき患者さんの特徴は、以下のとおりです。

  • ・腎機能障害患者
  • ・妊婦
  • ・授乳婦
  • ・小児など
  • ・高齢者

上記に該当する方は、専門の医師に相談しなければなりません。重篤な副作用を起こさないよう、医師の指示を必ず守りましょう。

腎機能障害患者

腎機能の低下に応じて、用法・用量を調節しなければなりません。詳しい用法・用量は専門の医師に確認しましょう。

妊婦

妊婦または妊娠している可能性のある女性が服用する場合は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ認められます。

授乳婦

治療の有益性および母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続または中止を検討しなければなりません。医師の判断を仰ぎましょう。

小児など

1歳未満の患児(低出生体重児・新生児・乳児)、腎機能障害を有する小児などを対象とし、有効性および安全性を把握するための臨床試験は実施されていません。

高齢者

一般に高齢者では、生理機能(腎機能、肝機能等)の低下や、さまざまな基礎疾患を有する場合が多いため、注意が必要です。

タミフルに関するよくある質問

タミフルに関するよくある質問は以下のとおりです。

  • ・タミフルを服用すると異常行動が起こるのですか?
  • ・タミフルの薬価は?
  • ・インフルエンザA型とB型の違いは?

インフルエンザの治療薬にはさまざまなものがあります。タミフルの特徴を把握し、他の治療薬との違いを知っておきましょう。

タミフルを服用すると異常行動が起こるのですか?

因果関係はわかっていないものの、可能性はあるとされています。しかし、インフルエンザに感染すると、タミフルの服用の有無にかかわらず、高熱によるせん妄や脳炎・脳症の場合に異常行動がみられます。

タミフルの薬価は?

タミフルの1カプセル・1gあたりの価格は以下のとおりです。 

  • ・タミフルカプセル75:230.2円(1カプセルにつき)
  • ・タミフルドライシロップ3%:152.3円(1gにつき)

また、タミフルのジェネリック医薬品の薬価は以下のとおりです。

オセルタミビルカプセル75mgサワイ: 114.4円(1カプセルにつき)

オセルタミビルDS3%サワイ: 85円(1gにつき)

購入を検討する方は、病院を受診し、処方してもらいましょう。

インフルエンザA型とB型の違いは?

インフルエンザA型は、最も流行しやすいとされ、B型と比べて症状が出やすい疾患です。また、ウイルスが形を変えて進化し続けるため、免疫機能が作用しにくく、ワクチンの予測が立てにくいとされています。

一方で、インフルエンザB型の場合は人にしか感染しません。1度感染すると、体内で抗体ができるため、再感染のリスクが減ります。A型と比較しても、ワクチンの予測が立てやすいのが特徴です。

タミフルでインフルエンザを治療する際にやっておくべきこと

タミフルでインフルエンザを治療する際には、おもに以下のことをやっておきましょう。

  • ・十分な休養を取る
  • ・高熱へ対処する
  • ・こまめに水分補給する
  • ・栄養バランスの取れた食事をこころがける
  • ・室内を適切な温度・湿度に保つ
  • ・外出を控える

自宅で療養する場合は、上記の点を意識し、ご家族にもサポートしてもらいながら治療に専念しましょう。

十分な休養を取る

体内のインフルエンザウイルスに対処するためには、体内の免疫機能を高める必要があります。そのためには、しっかり睡眠を取り、熱が下がるまで安静にすることが大切です。

高熱へ対処する

38.5度以上の熱が続く場合は、多くの体力を消耗し、抵抗力が落ちるおそれがあります。そのため、医師に処方された解熱剤を服用しましょう。

こまめに水分補給する

熱が出ると、いつもより汗が出て脱水状態になるおそれがあります。そのため、こまめに水分補給をしておきましょう。

栄養バランスの取れた食事をこころがける

インフルエンザを治療するためには、免疫機能を低下させないために栄養バランスの取れた食事を取ることが大切です。

ビタミンやミネラル、タンパク質を含む食事を取り、栄養補給をしっかりしておこないましょう。

室内を適切な温度・湿度に保つ

体の免疫力を維持するためには、室内を20〜25℃、湿度を50〜60%に維持することが大切です。

また、1〜2時間ごとに換気をしたり、乾燥対策としてマスクをしたりするなどの対策も必要です。

外出を控える

インフルエンザは感染力が高いため、感染している間は外出を控えなければなりません。解熱後は、最低でも2日間は外出せず、自宅で療養しておきましょう。

インフルエンザ治療におけるタミフルの処方は、おうち病院「オンライン発熱・コロナ外来」を利用しよう

発疹や下痢、吐き気や嘔吐などが止まらず、症状が改善しない場合は、インフルエンザのおそれがあります。治療するためには、タミフルを継続的に服用する必要があります。

しかし、副作用が心配で服用するのが心配な方がいるかもしれません。また、病院に行こうと思ってもなかなか時間が取れなかったり、体調が悪くて外出できなかったりする方もいるでしょう。

そんなときは、おうち病院「オンライン発熱・コロナ外来」を利用してみてはいかがでしょうか。

おうち病院「オンライン発熱・コロナ外来」は、自宅にいながら専門の医師の診察を受けられます。

治療薬を受け取る際は、自宅近くの薬局で受け取れます。また、タミフルに関する疑問点や不安に思うことも気軽に聞けるのが特徴です。

副作用や使い方など気になることがあれば、おうち病院「オンライン発熱・コロナ外来」を利用しましょう。