インフルエンザの治療薬であるタミフルはインフルエンザA型・B型を治療できる薬です。タミフルは、インフルエンザの治療だけでなく、予防する目的でも使用できます。
本記事を読み、タミフルで起こりうる副作用や注意事項を把握し、用法・用量を守って正しく使用しましょう。
疑問に思うことや不安に思うことがあれば、医療機関を受診し、専門の医師に聞いてください。
この記事でわかること
- タミフル(一般名:オセルタミビルリン酸塩)は、インフルエンザA型・B型に保険適用で処方されるノイラミニダーゼ阻害薬です。1歳以上に処方可能で、長年の使用実績があります。
- 発症から48時間以内に服用を開始することで、発熱などの症状期間を短縮する効果が期待されています。
- 服用方法は1日2回×5日間(計10回)の継続服用が必要です。途中でやめないよう注意が必要です。
- タミフルはインフルエンザ専用の薬です。新型コロナウイルス感染症には効果がありません。 コロナには別の治療薬(ゾコーバ・フラゲブリオ・パキロビット等)が使われます。
- 受診が難しい場合は、おうち病院のオンライン診療でタミフルの処方を相談できます。
目次
タミフルとはどんな薬ですか?
タミフルは、インフルエンザウイルス感染症の治療・予防に使われる処方薬です(一般名:オセルタミビルリン酸塩)。1999年にアメリカで承認され、日本でも広く使用されてきた実績ある抗インフルエンザ薬で、現在はジェネリック医薬品(後発品)も複数存在します。
作用機序は「ノイラミニダーゼ(NA)阻害」で、インフルエンザウイルスが感染細胞から外へ飛び出す際に必要な酵素を阻害し、ウイルスの拡散を抑えます。イナビル・リレンザも同じNA阻害薬ですが、2018年に登場したゾフルーザはこれとは異なる新しい作用機序(CEN阻害)を持ちます。
65歳以上の方や慢性疾患などの病気を治療中の方の場合、同居人がインフルエンザに感染したケースに限り、予防のためにタミフルを服用できます。(「予防投与」と言われています)
タミフルの使い方(服用方法・タイミング・用量)
タミフルの使い方は、インフルエンザを治療するか予防するか、成人か小児かによって異なります。それぞれの目的によって使い分けましょう。
インフルエンザ治療
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 服用回数 | 1日2回(朝・夕)×5日間(計10回) |
| 服用タイミング | 発症から48時間以内に1回目を服用する |
| 用量(成人・体重75kg未満) | 1回75mg(カプセル1錠) |
| 用量(小児) | 体重によって異なる(ドライシロップで調整) |
| 服用方法 | 経口投与(カプセルまたはドライシロップ) |
| 食事の影響 | 食後に服用することが多いが、食事の有無で効果は変わらない |
| 服薬完了 | 5日間飲み切ること(症状が改善しても中断しない) |
タミフルの予防投与
タミフルは治療用途のほか、インフルエンザの予防投与としても使用されます(保険適用外)。家族などの感染者と接触した場合に、医師の判断で処方されることがあります。予防投与の場合は1日1回×10日間の服用となります。なお予防投与は自費診療となります。
| 対象者 | 用法・用量 | |
| インフルエンザ治療 | ・成人・体重37.5kg以上の子ども | 1錠を1日2回、合計で5日間服用 |
| インフルエンザ予防 | 成人 | 1錠を1日1回、7〜10日間服用 |
| 体重37.5kg以上の子ども | 1錠を1日1回、10日間服用 |
タミフルの期待される効果と副作用
期待される効果
タミフルを発症48時間以内に服用した場合、以下の効果が期待されています。
- 発熱・鼻水・倦怠感などの症状期間の短縮(プラセボ比で約1〜1.5日程度の短縮が報告されています)
- ウイルスの排出量低減(他者への感染リスクを下げる可能性があります)
効果の程度には個人差があり、すべての方に同様の効果が保証されるものではありません。
タミフルが特に適していると考えられる状況(※医師の判断によります)
- 1歳以上の乳幼児(ゾフルーザより対象年齢が広い)
- ドライシロップで細かく用量調整が必要な場合
- ジェネリックで薬代を抑えたい場合
- 長年の使用実績・安全性データが豊富な薬を希望する場合
ゾフルーザが特に適していると考えられる状況(※医師の判断によります)
- 「5日間飲み続けるのが難しい」「飲み忘れが心配」という方
- 「吸入が苦手」という方(ゾフルーザは1回の錠剤服用のみ)
- 仕事・育児で多回服薬の管理が難しい方
おもな副作用
タミフルを服用すると、以下の副作用が起こるおそれがあります。服用前に、あらかじめ把握しておきましょう。
想定される副作用は、副作用ごとにその罹患率(発生率)が異なります。
| 副作用の種類 | 主な症状例 | 備考 |
|---|---|---|
| 消化器系 | 悪心(吐き気)、嘔吐、下痢 | 比較的頻度が高い。食後服用で軽減できる場合がある |
| 精神神経系 | 異常行動(特に小児・未成年) | インフルエンザ罹患時全般のリスク |
| 過敏症 | 発疹、蕁麻疹 | まれに報告 |
| 重篤(まれ) | スティーブンス・ジョンソン症候群、肝機能障害 | 非常にまれだが重篤な場合がある |
タミフルを服用する際に知っておくべきこと
タミフルを服用する際は、さまざまなリスクに備え、以下のことを知っておきましょう。
- 異常行動の発現のリスク
- 出血が生じたら医師に連絡する
- 細菌感染症の場合は抗菌剤を服用する
タミフルを服用する際は、起こりうるリスクを事前に把握しておきましょう。万が一、異常が起きた際は、速やかに医療機関を受診してください。
異常行動の発現のリスク
過去、タミフルの使用により転落死を含む異常行動がニュースになっていましたが、厚生労働省の調査結果、抗インフルエンザウイルス薬を服用していない場合でも、同様の異常行動が現れることが報告されています。
自宅で療養する場合は、家族などが少なくとも発熱から2日間、転落などの事故防止対策を行うことをおすすめします。
出血が生じたら医師に連絡する
血便・吐血・不正子宮出血などの症状が現れた場合は、出血性大腸炎、虚血性大腸炎などの恐れがあるため、医師に連絡してください。
細菌感染症の場合は抗菌剤を服用する
インフルエンザに感染すると、細菌感染症を合併する場合があります。細菌感染症を治療するためには、抗菌剤を服用する必要があります。
タミフルを服用する際に注意すべき患者さんの特徴
タミフルを服用する際に注意すべき患者さんの特徴は、以下のとおりです。
- 腎機能障害患者
- 妊婦
- 授乳婦
- 小児など
- 高齢者
上記に該当する方は、専門の医師に相談しなければなりません。重篤な副作用を起こさないよう、医師の指示を必ず守りましょう。
腎機能障害患者
腎機能の低下に応じて、用法・用量を調節しなければなりません。詳しい用法・用量は専門の医師に確認しましょう。
妊婦
妊婦または妊娠している可能性のある女性が服用する場合は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ認められます。
授乳婦
治療の有益性および母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続または中止を検討しなければなりません。医師の判断を仰ぎましょう。
小児など
1歳未満の患児(低出生体重児・新生児・乳児)、腎機能障害を有する小児などを対象とし、有効性および安全性を把握するための臨床試験は実施されていません。
高齢者
一般に高齢者では、生理機能(腎機能、肝機能等)の低下や、さまざまな基礎疾患を有する場合が多いため、注意が必要です。
【噂話に注意】タミフルはコロナウイルスに効きますか?
タミフルはインフルエンザウイルス専用の薬で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)には効果がありません。
インフルエンザとコロナは症状が似ている(発熱・倦怠感・咳など)ため混同されやすいですが、原因ウイルスが異なります。コロナウイルス感染症には専用の治療薬(ゾコーバ・フラゲブリオ・パキロビット等)が別途処方されます。まず検査でインフルエンザかコロナかを確認してから治療薬を処方してもらうことが重要です。
| 感染症 | 原因 | 対応する治療薬(例) |
|---|---|---|
| インフルエンザ(A・B型) | インフルエンザウイルス | タミフル・ゾフルーザ・イナビル・リレンザ |
| 新型コロナウイルス感染症 | SARS-CoV-2 | ゾコーバ・フラゲブリオ・パキロビット |
タミフルでインフルエンザを治療する際にやっておくべきこと
タミフルでインフルエンザを治療する際には、おもに以下のことをやっておきましょう。
- 十分な休養を取る
- 高熱へ対処する
- こまめに水分補給する
- 栄養バランスの取れた食事をこころがける
- 室内を適切な温度・湿度に保つ
- 外出を控える
自宅で療養する場合は、上記の点を意識し、ご家族にもサポートしてもらいながら治療に専念しましょう。
十分な休養を取る
体内のインフルエンザウイルスに対処するためには、体内の免疫機能を高める必要があります。そのためには、しっかり睡眠を取り、熱が下がるまで安静にすることが大切です。
高熱へ対処する
38.5度以上の熱が続く場合は、多くの体力を消耗し、抵抗力が落ちるおそれがあります。そのため、医師に処方された解熱剤を服用しましょう。
こまめに水分補給する
熱が出ると、いつもより汗が出て脱水状態になるおそれがあります。そのため、こまめに水分補給をしておきましょう。
栄養バランスの取れた食事をこころがける
インフルエンザを治療するためには、免疫機能を低下させないために栄養バランスの取れた食事を取ることが大切です。
ビタミンやミネラル、タンパク質を含む食事を取り、栄養補給をしっかりしておこないましょう。
室内を適切な温度・湿度に保つ
体の免疫力を維持するためには、室内を20〜25℃、湿度を50〜60%に維持することが大切です。
また、1〜2時間ごとに換気をしたり、乾燥対策としてマスクをしたりするなどの対策も必要です。
外出を控える
インフルエンザは感染力が高いため、感染している間は外出を控えなければなりません。解熱後は、最低でも2日間は外出せず、自宅で療養しておきましょう。
インフルエンザ治療薬 4剤比較テーブル
インフルエンザ治療薬は複数あります。医師が患者さんの状況(年齢・体重・生活スタイル・合併症など)に応じて処方薬を選択します。
| 比較項目 | ゾフルーザ(バロキサビル) | タミフル(オセルタミビル) | イナビル(ラニナミビル) | リレンザ(ザナミビル) |
|---|---|---|---|---|
| 服用回数 | 1回のみ ◎ | 1日2回×5日間(計10回)△ | 1回吸入のみ ◎ | 1日2回×5日間(計10回)△ |
| 服用方法 | 錠剤(飲む) ◎ | 錠剤・カプセル・ドライシロップ ◎ | 吸入薬 △ | 吸入薬 △ |
| 飲み忘れリスク | なし(1回完結) ◎ | あり(5日間継続が必要)△ | なし(1回完結) ◎ | あり(5日間継続が必要)△ |
| 作用機序 | CEN阻害(新規) | NA阻害 | NA阻害 | NA阻害 |
| 対象年齢 | 5歳以上・体重10kg以上 | 1歳以上(最も広い)◎ | 10歳以上(成人) | 5歳以上 |
| 小児向け剤形 | 顆粒あり | ドライシロップあり(乳幼児対応) ◎ | 吸入のみ | 吸入のみ |
| 吸入操作が不要 | ◎(錠剤/顆粒) | ◎(錠剤/カプセル/ドライシロップ) | △(吸入器使用が必要) | △(吸入器使用が必要) |
| ジェネリック | なし(2026年3月時点) | あり(後発品多数) ◎ | なし | あり |
| 保険適用 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
インフルエンザ治療におけるタミフルの処方は、「おうち病院 オンライン発熱・コロナ外来」を利用しよう
発疹や下痢、吐き気や嘔吐などが止まらず、症状が改善しない場合は、インフルエンザのおそれがあります。治療するためには、タミフルを継続的に服用する必要があります。
しかし、副作用が心配で服用するのが心配な方がいるかもしれません。また、病院に行こうと思ってもなかなか時間が取れなかったり、体調が悪くて外出できなかったりする方もいるでしょう。
そんなときは、「おうち病院 オンライン発熱・コロナ外来」を利用してみてはいかがでしょうか。
あなたはこんな状況に当てはまりますか?
インフルエンザ罹患中・受診前の多くの方が、次のような状況に置かれています。
- 「熱が出たが、タミフルとゾフルーザどちらを処方してもらえばいいかわからない」
- 「以前タミフルを処方されたが、5日間飲み続けるのが大変だった」
- 「子どもに何日も薬を飲ませ続けるのが難しい」
- 「タミフルを飲んでいるのになかなか熱が下がらない、効いていないのか不安」
- 「コロナかインフルエンザかわからなくて、どちらの薬を使えばいいか迷っている」
- 「発熱したが病院の待合室が混んでいて、すぐに受診できない」
こうした状況では、治療薬の特徴を理解した上で早めに医師に相談することが回復の鍵になります。
受診費用の目安(保険適用)
| 費用項目 | 金額 |
|---|---|
| 診察料(保険適用・初診) | 1,000〜1,200円 |
| システム利用手数料 | 1,100円 |
| 決済手数料 | 診察料の約4.5% |
| 合計目安 | 約1,900〜2,400円 |
※薬代は別途。薬局での自己負担額は薬剤・保険の種類により異なります。
おうち病院なら、
✅時間通りに診察が始まる
予約した時間に診察が開始するため、仕事の合間にも受診を計画的に組み込むことができます。
・平日・土日祝日も朝8時〜夜22時まで診察可能
✅ 女性医師が15分かけて丁寧に診察
おうち病院では診察時間を15分確保しています。医師は事前に問診票を読み込んで診察に臨むため、「市販薬との違い」「どの処方薬が合っているか」なども落ち着いて確認できます。
✅受診場所と薬の受け取り場所を分けられる
受診はスマートフォン・PCから自宅や外出先で行い、処方薬は自分が指定した薬局で受け取れます。
・処方せんは全国8,200店舗の薬局から選択し自動送信され、受け取り可能
・自宅配送「おくすりおうち便」を利用すれば、薬局に行く手間なし
タミフルを服用しても熱が下がらない場合は?
タミフルを服用後も発熱が続くことがありますが、これは必ずしも薬が効いていないことを意味しません。発症48時間以内に服用した場合でも、症状の改善には1〜2日程度かかることがあります。ただし、以下の場合は速やかに医師に相談することをお勧めします。
- 服薬開始から2〜3日以上経っても高熱が続く
- 呼吸が苦しい、意識がもうろうとしている
- 異常な行動(急に走り出す・叫ぶ等)が見られる
「おうち病院 オンライン発熱・コロナ外来」は、自宅にいながら専門の医師の診察を受けられます。
副作用や使い方など気になることがあれば、24時間365日チャットでの相談も受け付けている「おうち病院 オンライン発熱・コロナ外来」を利用してみてください。
よくある質問(FAQ)
Q. タミフルはいつまでに飲み始めればいいですか?
A. タミフルは発症(発熱などの症状が出始めた時点)から48時間以内に服用を開始することが推奨されています。48時間以内の早期服用で症状期間の短縮効果が期待できます。「インフルエンザかも」と感じたら、早めに医師に相談してください。
Q:タミフルを服用すると異常行動が起こるのですか?
因果関係はわかっていないものの、可能性はあるとされています。しかし、インフルエンザに感染すると、タミフルの服用の有無にかかわらず、高熱によるせん妄や脳炎・脳症の場合に異常行動がみられるため、疾患自体が原因の可能性が高いと考えられています。
Q. タミフルとゾフルーザはどちらがいいですか?
A. どちらが適しているかは患者さんの状況によって異なり、最終的には医師が判断します。タミフルは1歳以上に使用でき乳幼児向けドライシロップがある点、長年の使用実績がある点が特徴です。一方ゾフルーザは1回服用で完結するため飲み忘れがなく、吸入操作も不要です。事前に「5日間飲み続けるのが難しい」などのご自身の状況を医師に伝えることで、より適した薬を提案してもらいやすくなります。
Q. タミフルはコロナウイルスに効きますか?
A. タミフルは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)には効果がありません。 タミフルはインフルエンザウイルスの酵素(ノイラミニダーゼ)を阻害する薬であり、コロナウイルスには作用しません。発熱などの症状がある場合は、まず検査でインフルエンザかコロナかを確認した上で、それぞれに対応した治療薬を処方してもらうことが重要です。
Q. タミフルの主な副作用はどんなものですか?
A. 比較的多く報告されている副作用は、悪心(吐き気)・嘔吐・下痢などの消化器系の症状です。食後に服用することで軽減できる場合があります。また、インフルエンザ罹患中全般のリスクとして異常行動(急に走り出すなど)が報告されており、特に10代の患者さんへの服薬後2日間は一人にしないよう注意が必要です。重篤な副作用はまれですが、服薬中に気になる症状が出た場合は処方を受けた医師にご相談ください。
Q. タミフルは子どもにも使えますか?
A. タミフルは1歳以上の小児への使用が認められており、体重に応じた用量のドライシロップで調整できます。乳幼児への適応がある点はタミフルの特徴の一つです。用量・用法については必ず医師の処方に従ってください。
Q. オンライン診療でタミフルを処方してもらえますか?
A. おうち病院では、発熱・コロナ・インフルエンザ症状の方を対象としたオンライン診療を提供しており、医師が診察の上で適切と判断した場合、タミフルを含むインフルエンザ治療薬の処方が可能です。処方箋は全国8,200店舗の薬局から選択してお受け取りいただくか、自宅配送の「おくすりおうち便」もご利用いただけます。(※2026年4月1日現在の提携薬局数)
Q. タミフルにジェネリックはありますか?
A. はい、タミフルにはオセルタミビルという後発品(ジェネリック医薬品)があります。有効成分・効果は先発品と同じですが、薬価が先発品より低い場合があります。ジェネリックを希望する場合は処方の際に医師または薬剤師にお申し出ください。
Q. タミフルの薬価は?
ミフルの1カプセル・1gあたりの価格は以下のとおりです。
- タミフルカプセル75:230.2円(1カプセルにつき)
- タミフルドライシロップ3%:152.3円(1gにつき)
また、タミフルのジェネリック医薬品の薬価は以下のとおりです。
- オセルタミビルカプセル75mgサワイ: 114.4円(1カプセルにつき)
- オセルタミビルDS3%サワイ: 85円(1gにつき)
購入を検討する方は、病院を受診し、処方してもらいましょう。
